专利摘要:
本開示は、トリパノソーマ・クルーズのエピトープを検出するための試薬及び該試薬を使用する方法に関する。
公开号:JP2011507553A
申请号:JP2010540872
申请日:2008-12-23
公开日:2011-03-10
发明作者:シーゲル,ロバート・ダブリユ;シヤー,デイネツシユ・オー;タイナー,ジヨーン・デイー;ツイーマン,ロバート・エヌ;テイーマン,ブライアン・シー;トウー,バイリン;ブロフイー,スーザン・イー;ホークスワース,デイビツド・ジエイ
申请人:アボット・ラボラトリーズAbbott Laboratories;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 関連出願の情報
本願は、2008年12月27日に出願された米国特許出願61/017,071号(参照により、その内容は本明細書に組み込まれる。)の利益を主張する。]
[0002] 技術分野
本開示は、トリパノソーマ(スキゾトリパナム(Schizotrypanum))クルーズ抗原を検出又は定量するための方法、アッセイ及びキットに関する。]
背景技術

[0003] 寄生虫トリパノソーマ(スキゾトリパナム)・クルーズは、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)を引き起こし、中南米及びメキシコの風土病である。穏やかな急性期の後、多くの感染者は症候の欠如、低い寄生虫数及び抗T.cruzi抗体の低い力価を特徴とする中間期に入る。慢性のT.cruzi感染症を有する者の約10から30%は心臓又は胃腸の機能不全を発症する。化学療法は先天的に感染した幼児及び児童のかなりの数を治癒させることができるが、慢性的な感染症を有する成人においては概ね無効である(Coura, J., and S. de Castro.2002.A critical review on Chagas disease chemotherapy.Mem.Inst.Oswaldo Cruz.97:3−24)。T.cruziに慢性的に感染している発症国内の推定1,200万人のうち約25,000人が、心臓律動の異常又はうっ血性心不全のために、毎年、この病気によって死亡している(Kirchhoff, L.V. 2006.American trypanosomiasis(Chagas’ disease).In Tropical Infectious Diseases:Principles, Pathogens and Practice.Vol.R. Guerrant, D. Walker, and P. Weller, editors.Churchill Livingstone, New York.1082−1094)。]
[0004] シャーガスは、1909年にこの病気を初めて記載したブラジル人医師カルロス・シャーガスにちなんで名付けられた(Chagas, C. 1909a.Neue Trypanosomen.Vorlaufige Mitteilung.Arch.Schiff.Tropenhyg.13:120−122; Redhead, S.A.,et al.2006.Pneumocystis and Trypanosoma cruzi:nomenclature and typifications.J Eukaryot Microbiol.53:2−11)。シャーガスは、トリアトミダエ(Triatomidae)の腸がトリパノソーマ属の新種である鞭毛中原虫を有していることを発見し、感染した虫に咬まれたマーモセット猿に寄生虫が伝達され得ることを実験的に証明することができた。シャーガスは、この病気を引き起こす病原性寄生虫をトリパノソーマ・クルーズと名付け(Chaga s,1909a)、その年の後ほど、スキゾトリパナム・クルーズと名付け(Chagas, C.1909b.Nova tripanozomiase humana:Estudos sobre a morfolojia e o ciclo evolutivo do Schizotrypanum cruzi n. gen., n. sp., ajente etiolojico de nova entidade morbida do homem.Mem.Inst.Oswaldo Cruz.1:159−218)、いずれの名前にも、20世紀の代わる頃に黄熱病、天然痘及び腺ペストの伝染病と闘ったブラジル人医師及び疫学者であるオスワルド・クルツが含まれている。]
[0005] チャールズ・ダーウィンは、「Great Black Bug of the Pampas」に咬まれたためにメンドーザ付近のアンデス東部で感染し、この病気に罹患していた可能性がある。ダーウィンは、彼の日記、ビーグル号の船旅の中で症候を報告した。ダーウィンは若く、概ね、健康状態は良好であったが、6ヶ月前に、バルパライソ付近で、一ヶ月間、病気であったが、イギリスに帰国してからほぼ1年後の1937年には、奇妙な症候の群に断続的に苦しみ始め、残りの人生の大部分は不具となった。]
[0006] 風土病地域では、T.cruziは、主として、吸血トリアトミン虫によって伝達される。この病気は、輸血、静脈内薬の使用、先天的な伝染、性行為、臓器移植又は授乳によっても伝達され得る(Bittencourt, A.L. 1976.Congenital Chaga s disease.Am J Dis Child.130:97−103; Cheng, K.Y., et al.2007.Immunoblot assay using recombinant antigens as a supplemental test to confirm the presence of antibodies to Trypanosoma cruzi.Clin Vaccine Immunol.14:355−61; Grant, I.H., et al.1989.Transfusion−associated acute Chagas disease acquired in the United States.Ann Intern Med.111:849−51; Hoff, R., et al.1978.Congenital Chagas’s disease in an urban population:investigation of infected twins.Trans R Soc Trop Med Hyg.72:247−50; Kirchhoff, L.V. 1989.Is Trypanosoma cruzi a new threat to our blood supply? Ann Intern Med.111:773−5; Skolnick, A. 1989.Does influx from endemic areas mean more transfusion−associated Chaga s’ disease? Jama.262:1433)。現在、T.cruziに対するワクチンは存在しない。]
[0007] 慢性的なT.cruzi感染の診断は、この寄生虫の生活環の複雑さを反映している。高熱の期間中、診断は、単純に、血液、脳脊髄液、固定された組織又はリンパ節中に寄生虫を同定することからなるが、感染の潜伏期間及び慢性段階の間、虫を検出することは困難である。外因診断法では、患者と疑われる者の血液にこれらの寄生虫が感染してから数週間後に、T.cruziに関して、媒介昆虫の腸内含量が調べられる。しかしながら、この操作は面倒であり、高価であり、感度が低い(Segura, E. 1987.Xenodiagnosis.In Chagas’ Disease Vectors.Vol.R.R. Brenner and A. M. Stoka, editors.CRCPress, Boca Raton,FL.41−45)。]
[0008] これに対して、T.cruziに対する抗体に対する血清学的アッセイは、感染の迅速且つ安価な診断に対して極めて適している。これらの方法には、間接的免疫蛍光、間接的血球凝集、補体結合及び酵素イムノアッセイ(Cheng, K.Y., et al.2007.Immunoblot assay using recombinant antigens as a supplemental test to confirm the presence of antibodies to Trypanosoma cruzi.Clin Vaccine Immunol.14:355−61)が含まれる。旧来のアッセイに一貫して伴う問題は、非確定的な偽陽性結果の発生であった(Almeida, LC, et al.1997.A highly sensitive and specific chemiluminescent enzyme−linked immunosorbent assay for diagnosis of active Trypanosoma cruzi infection. Transfusion. 37:850−7; Kirchhoff et al, 2006; Leiby, D.A., et al.2000.Serologic testing for Trypanosoma cruzi’. comparison of radioimmunoprecipitation assay with commercially available indirect immunofluorescence assay, indirect hemagglutination assay, and enzyme−linked immunosorbent assay kits.J Clin Microbiol.38:639−42)。]
[0009] 何れのアッセイも、T.cruzi感染の代表的な標準となる血清学的診断として一般的には認められていない(Cheng et al, 2007)。T.cruziDNAを検出するために設計されているアッセイは、感度が低いことが明らかとなっている(Gomes, M. L., et al 1999.Chagas’ disease diagnosis:comparative analysis of parasitologic, molecular, and serologic methods.Am J Trop Med Hyg.60:205−10)。容易に解釈される結果を与える放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)は、ほぼ20年前に開発され、米国において確認的な検査としての使用が提案されてきた(Kirchhoff et al, 1989)。しかしながら、その感受性及び特異性は系統的に確証されていない。さらに、RIPAの複雑性のために、研究状況以外でRIPAが広く使用されることは困難となっている(Leiby et al,2000)。]
[0010] 患者の試料中に存在する抗T.cruzi抗体を検出するために設計されたイムノアッセイは、迅速で信頼性の高い血清学的診断法を提供することができる。典型的には、このような診断キットは、較正用物質、陽性対照及び/又はパネルメンバーとして作用するための1つ以上の特異的抗体を使用する。しばしば、シャーガス高力価ヒト血漿及び/又は血清がスクリーニングされ、特定の量で陰性対照試薬中に添加される。陽性対照などのシャーガス品質管理試薬は、特異的なエピトープに対する抗体の存在に関してスクリーニングされるヒト血漿又は血清試料である。しかしながら、ヒト血清及び血漿試料を使用することは、幾つかの著しい欠点を有する。これらには、(1)増大する規制上の懸念、(2)高い力価及び特異性で大容量を調達することの困難さ、(3)ロット間の変動性、(4)性質決定に関する限界及び(5)費用が含まれる。]
[0011] 従って、較正用物質、陽性対照及び/又はパネル要素として機能するための特異的抗体に対する要望が本分野においてなお存在している。本開示は、新規抗体、これらの抗体を産生する細胞株及びこれらの抗体を作製する方法を提供することによって、現行のT.cruziイムノアッセイの問題(すなわち、増大する規制上の懸念、高い力価及び特異性で大容量を調達することの困難さ、ロット間の変動性、性質決定に関する限界及び費用)の幾つかを場合によって克服又は回避する。]
先行技術

[0012] Coura, J., and S. de Castro、A critical review on Chagas disease chemotherapy、Mem.Inst.Oswaldo Cruz、2002年、97、pp.3−24
Kirchhoff, L.V.、American trypanosomiasis(Chagas’ disease、Tropical Infectious Diseases:Principles, Pathogens and Practice.Vol.R. Guerrant, D. Walker, and P. Weller, editors.Churchill Livingstone、2006年、New York、pp.1082−1094
Chagas, C.、Neue Trypanosomen.Vorlaufige Mitteilung.Arch.Schiff.Tropenhyg、1909年a、13、pp.120−122
Redhead, S.A.他、Pneumocystis and Trypanosoma cruzi:nomenclature and typifications、J Eukaryot Microbiol、2006年、53、pp.2−11
Chagas, C.、Nova tripanozomiase humana:Estudos sobre a morfolojia e o ciclo evolutivo do Schizotrypanum cruzi n. gen., n. sp., ajente etiolojico de nova entidade morbida do homem.Mem.Inst.Oswaldo Cruz、1909年b、1、pp.159−218
Bittencourt, A.L.、Congenital Chagas disease、Am J Dis Child、1976年、130、pp.97−103
Cheng, K.Y.他、Immunoblot assay using recombinant antigens as a supplemental test to confirm the presence of antibodies to Trypanosoma cruzi.Clin Vaccine Immunol、2007年、14、pp.355−61
Grant, I.H他、Transfusion−associated acute Chagas disease acquired in the United States.Ann Intern Med.、1989年、111、pp.849−51
Hoff, R.他、Congenital Chagas’s disease in an urban population:investigation of infected twins.Trans R Soc Trop Med Hyg.、1978年、72、pp.247−50
Kirchhoff, L.V.、Is Trypanosoma cruzi a new threat to our blood supply? Ann Intern Med.、1989年、111、pp.773−5
Skolnick, A.、Does influx from endemic areas mean more transfusion−associated Chagas’ disease? Jama.、1989年、262、pp.1433
Segura, E.、Xenodiagnosis.In Chagas’ Disease Vectors.Vol.R.R. Brenner and A. M. Stoka, editors.CRCPress, Boca Raton,、1987年、pp.41−45
Cheng, K.Y.他、Immunoblot assay using recombinant antigens as a supplemental test to confirm the presence of antibodies to Trypanosoma cruzi.Clin Vaccine Immunol.、1997年、14、pp.355−61
Almeida, LC他、A highly sensitive and specific chemiluminescent enzyme−linked immunosorbent assay for diagnosis of active Trypanosoma cruzi infection. Transfusion.、1997年、37、pp.850−7
Leiby, D.A.他、Serologic testing for Trypanosoma cruzi’. comparison of radioimmunoprecipitation assay with commercially available indirect immunofluorescence assay, indirect hemagglutination assay, and enzyme−linked immunosorbent assay kits.J Clin Microbiol.、2000年、38、pp.639−42
Gomes, M. L.他、Chagas’ disease diagnosis:comparative analysis of parasitologic, molecular, and serologic methods.Am J Trop Med Hyg.、1999年、60、pp.205−10]
発明が解決しようとする課題

[0013] 本開示の目的は、トリパノソーマ(スキゾトリパナム)クルーズ抗原を特異的に結合する抗体(組換え抗体及びキメラ抗体を含む。)及びその使用を提供することである。]
課題を解決するための手段

[0014] 本開示の一態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合することができる組換え抗体(キメラ抗体を含む。)が提供される。抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)は、FP3、Pep2、FP10及びFRAによって構成されるT.cruziポリペプチドに対して特異的な抗体からなる群から選択される。]
[0015] 本開示の一態様において、抗体は前記抗体であり、以下からなる群から選択される。]
[0016] (a)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFRAであり、並びにさらに、前記抗体は、約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(b)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはPep2であり、並びにさらに、前記抗体は、約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(c)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP10であり、並びにさらに、前記抗体は、(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(d)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP3であり、並びにさらに、前記抗体は、約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);並びに
(e)(a)から(d)の任意の組み合わせ。]
[0017] 本開示の別の態様において、抗体は、PTA−8136、PTA−8138及びPTA−8140からなる群から選択される細胞株によって発現されるキメラ抗体である。場合によって、抗体は、PTA−8137、PTA−8139、PTA−8141及びPTA−8142からなる群から選択される細胞株によって発現される。抗体は、場合によって、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−IG(R))又はこれらの断片である。]
[0018] 本開示の別の態様において、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができるこれらの抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)の1つ以上を含む免疫診断試薬が提供され、抗体はFP3、Pep2、FP10及びFRAからなる群から選択される。]
[0019] 本開示の別の態様に従えば、免疫診断試薬は以下からなる群から選択される抗体を含む。]
[0020] (a)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFRAであり、並びにさらに、前記抗体は、約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(b)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはPep2であり、並びにさらに、前記抗体は、約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(c)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP10であり、並びにさらに、前記抗体は、(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(d)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP3であり、並びにさらに、前記抗体は、約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);並びに
(e)(a)から(d)の任意の組み合わせ。]
[0021] 本開示の別の態様に従えば、免疫診断試薬は、検出試薬、標準化試薬及び陽性対照試薬からなる群から選択される。]
[0022] 本開示の別の態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合することができる抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)が提供され、前記領域は、配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも90%及び少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列によって構成されるエピトープを含む。本開示の別の態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合する免疫診断試薬はキメラ抗体を含み、該キメラ抗体は配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配列番号8に記載されているアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合する。抗体は、場合によって、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体又はこれらの断片である。本開示の別の態様に従えば、これらの抗体を含む免疫診断試薬が提供される。]
[0023] 本開示の別の態様に従えば、抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)並びに前記抗体を含む免疫診断試薬(前記抗体は、配列番号10、配列番号14、配列番号18及び配列番号28)からなる群から選択されるVH領域を含む。)が提供される。]
[0024] 本開示の別の態様に従えば、抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)並びに前記抗体を含む免疫診断試薬(前記抗体は、配列番号12、配列番号16、配列番号20及び配列番号26)からなる群から選択されるVL領域を含む。)が提供される。]
[0025] 本開示の別の態様に従えば、抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)及び前記抗体を含む免疫診断試薬(前記抗体は、配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のVH領域及び配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のVH領域及び配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のVH領域及び配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のVH領域及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む抗体からなる群から選択される。)が提供される。抗体は、場合によって、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体又はこれらの断片である。]
[0026] 本開示の別の態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体を発現することができる細胞株が提供され、該細胞株はPTA−8136、PTA−8138及びPTA−8140からなる群から場合によって選択される。ティー・クルツタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体を発現することができる細胞株も提供され、該細胞株はPTA−8137、PTA−8139、PTA−8141及びPTA−8142からなる群から場合によって選択される。]
[0027] 本開示の別の態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる1つ以上の抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)を場合によって含む免疫診断試薬を感度パネルとして使用することを含む、T.cruzi検出アッセイを標準化する方法が提供される。このようなパネルにおいて、1つ以上の抗体は、FP3、Pep2、FP10及びFRAに対して特異的な抗体からなる群から場合によって選択される。]
[0028] 本開示の別の態様に従えば、T.cruzi抗原を含有すると疑われる試料などの検査試料を、T.cruzi抗原を特異的に結合することができる1つ以上の抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)を含む免疫診断試薬と接触させることを含むT.cruzi抗原の存在を検出する方法が提供される。場合によって、接触は、抗体:抗原複合体の形成を可能とする条件下で行われる。さらに場合によって、前記方法は、形成された何れかの抗体:抗原複合体を検出することを含む。抗体は、場合によって、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体又はこれらの断片である。]
[0029] 本開示の別の態様に従えば、T.cruziに対する抗体を含有すると疑われる試料などの検査試料を、T.cruzi抗体に対して特異的な1つ以上の抗原と接触させることを含む、T.cruzi抗体の存在を検出する方法が提供される。場合によって、この接触は、抗原:抗体複合体の形成を可能とする条件下で行われ、さらに場合によって、前記方法は、抗原:抗体複合体を検出することを含む。さらに、前記方法は、1つ以上の抗体(キメラ及び組換え抗体を含む。)を含む免疫診断試薬を使用することを場合によって含み、抗体の各々は、例えば、陽性対照又は標準化試薬の何れかとして、本方法において使用される抗原の1つを特異的に結合することができる。]
[0030] 本開示の別の態様に従えば、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる1つ以上の抗体(組換え及び組換えキメラ抗体を含む。)を含む免疫診断試薬を含む、T.cruziの検出用診断キットが提供される。このようなキットにおいて、1つ以上の抗体は、FP3、Pep2、FP10及びFRAに対して特異的な抗体(キメラ及び組換え抗体)からなる群から場合によって選択される。抗体は、場合によって、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体又はこれらの断片である。]
[0031] 本開示のさらに別の態様に従えば、FP3、Pep2、FP10又はFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体の一部を含む単離されたポリペプチドが提供される。キメラ抗体は、場合によって、配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配列番号8に記載されているアミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列によって構成されるエピトープを特異的に結合するキメラ抗体からなる群から選択される。単離されたポリペプチドは、配列番号10、配列番号14、配列番号18及び配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる群から選択されるVH領域を場合によって含む。単離されたポリペプチドは、配列番号12、配列番号16、配列番号20及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる群から選択されるVL領域を場合によって含む。さらに、単離されたポリペプチドは、配列番号10のVH領域及び配列番号12のVL領域;配列番号14のVH領域及び配列番号16のVL領域;配列番号18のVH領域及び配列番号20のVL領域;並びに配列番号28のVH領域及び配列番号26のVL領域からなる群から選択されるVH及びVL領域をともに含む。]
[0032] 本開示のさらに別の態様に従えば、FP3、Pep2、FP10及びFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体の一部をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供される。キメラ抗体は、場合によって、配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配列番号8に記載されているアミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列によって構成されるエピトープを特異的に結合するキメラ抗体からなる群から選択される。単離されたポリヌクレオチドは、配列番号10、配列番号14、配列番号18及び配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる群から選択されるVH領域をコードする領域を場合によって含む。単離されたポリペプチドは、配列番号12、配列番号16、配列番号20及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなる群から選択されるVL領域をコードする領域を含む。さらに、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号10のVH領域及び配列番号12のVL領域;配列番号14のVH領域及び配列番号16のVL領域;配列番号18のVH領域及び配列番号20のVL領域;並びに配列番号28のVH領域及び配列番号26のVL領域からなる群から選択されるVH及びVL領域をともにコードする領域を含む。別の態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号25及び配列番号27からなる群から選択されるポリヌクレオチドである。]
[0033] 本開示のさらに別の態様に従えば、抗体:抗原複合体の形成を可能とする条件下で、T.cruziポリペプチドを含有すると疑われる試料を、T.cruziタンパク質に特異的に結合することができる1つ以上の抗体(キメラ又は組換え抗体を含む。)を含む免疫診断試薬と接触させること、形成された抗体:抗原複合体を単離すること及び抗体から抗原を分離することを含む、配列番号1、3、5又は7に記載されているアミノ酸配列によって構成されるT.cruziアミノ酸配列を含む抗原を精製する方法が提供される。場合によって、抗体(キメラ及び組換え抗体)は、FP3、Pep2、FP10及びFRAからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドに結合する。]
[0034] 本開示のこれら及び他の特徴、態様、目的及び実施形態は、このような特徴、態様、目的及び実施形態を例示する添付の図面がその中において参照されている以下の詳細な説明においてさらに明らかとなる。]
図面の簡単な説明

[0035] 図1は、本開示のキメラ(マウス−ヒト)抗T.cruziエピトープ抗体の模式的構造を表す。
図2は、プラスミドシャーガス12−392−150Mu−Hu_pBj、プラスミドサイズ:9520ヌクレオチドを模式的に図示している。アンピシリン耐性遺伝子ORFは、塩基60−917に位置しており、エンハンサーは、塩基1551から2021に位置しており、プロモーターは、塩基2023から2744に位置しており、重鎖シグナルペプチドは、塩基2772から2828に位置しており、VH遺伝子は、塩基2829から3194に位置しており、ヒト定常hgG1、z、非−aは、塩基3195から4187に位置しており、SV40ポリAは、塩基4219から4413に位置しており、SV40プロモーターは、塩基4684から5229に位置しており、マウスDHFRは、塩基5257から5820に位置しており、TKポリAは、塩基5847から6213に位置しており、エンハンサーは、塩基6241から6711に位置しており、プロモーターは、塩基6712から7433に位置しており、κシグナルペプチドは、塩基7460から7525に位置しており、VL遺伝子は、塩基7526から7861に位置しており、ヒト定常κは、塩基7862から8185に位置しており、SV40ポリAは、塩基8198から8392に位置しており、及び、pUC起点は、塩基8759から9432(相補的)に位置しており、
図3AからCは、シャーガス12−392−150Mu−Hu_pBJ中にクローニングされたVH及びVL配列(及び隣接領域)に対する注釈付き注釈付き二本鎖ポリヌクレオチド配列を図示する。図3AからBは、塩基2772から2828に位置する重鎖シグナルペプチド、塩基2829から3194に位置するVH遺伝子配列及び塩基3195から4187に位置するヒト定常IgG1、z、非a配列に対するポリヌクレオチド配列(配列番号21から22)を図示する。
図3AからCは、シャーガス12−392−150Mu−Hu_pBJ中にクローニングされたVH及びVL配列(及び隣接領域)に対する注釈付き注釈付き二本鎖ポリヌクレオチド配列を図示する。図3AからBは、塩基2772から2828に位置する重鎖シグナルペプチド、塩基2829から3194に位置するVH遺伝子配列及び塩基3195から4187に位置するヒト定常IgG1、z、非a配列に対するポリヌクレオチド配列(配列番号21から22)を図示する。
図3AからCは、シャーガス12−392−150Mu−Hu_pBJ中にクローニングされたVH及びVL配列(及び隣接領域)に対する注釈付き注釈付き二本鎖ポリヌクレオチド配列を図示する。図3Cは、塩基7460から7525に位置するκシグナルペプチド、塩基7526から7861に位置するVL遺伝子配列及び塩基7862から8185に位置するヒト定常κ配列に対するポリヌクレオチド配列(配列番号23から24)を図示する。
図4は、プラスミドシャーガス9−638Mu−Hu_pBj、プラスミドサイズ:9514ヌクレオチドを模式的に図示している。アンピシリン耐性遺伝子ORFは、塩基60から917に位置している;エンハンサーは、塩基1551から2021に位置しており、プロモーターは、塩基2023から2744に位置しており、重鎖シグナルペプチドは、塩基2772から2828に位置しており、VH遺伝子は、塩基2829から3188に位置しており、ヒト定常hgG1、z、非−aは、塩基3189から4181に位置しており、SV40ポリAは、塩基4213から4407に位置しており、SV40プロモーターは、塩基4678から5223に位置しており、マウスDHFRは、塩基5251から5814に位置しており、TKポリAは、塩基5841から6207に位置しており、エンハンサーは、塩基6235から6705に位置しており、プロモーターは、塩基6706から7427に位置しており、κシグナルペプチドは、塩基7454から7519に位置しており、VL遺伝子は、塩基7520から7858に位置しており、ヒト定常κは、塩基7859から8179に位置しており、SV40ポリAは、塩基8192から8386に位置しており、及び、pUC起点は、塩基8753から9426(相補的)に位置している。
図5は、プラスミドシャーガス10−745Mu−Hu_pBJ、プラスミドサイズ:9514ヌクレオチドを模式的に図示している。アンピシリン耐性遺伝子ORFは、塩基60から917に位置している;エンハンサーは、塩基1551から2021に位置しており、プロモーターは、2023から2744に位置しており、重鎖シグナルペプチドは、塩基2772から2828に位置しており、VH遺伝子は、塩基2829から3188に位置しており、ヒト定常IgG1、z、非−aは、塩基3189から4181に位置しており、SV40ポリAは、塩基4213から4407に位置しており、SV40プロモーターは、塩基4678から5223に位置しており、マウスDHFRは、塩基5251から5814に位置しており、TKポリAは、塩基5841から6207に位置しており、エンハンサーは、塩基6235から6705に位置しており、プロモーターは、塩基6706から7427に位置しており、κシグナルペプチドは、塩基7454から7519に位置しており、VL遺伝子は、塩基7520から7855に位置しており、ヒト定常κは、塩基7856から8179に位置しており、SV40ポリAは、塩基8192から8386に位置しており、及び、pUC起点は、塩基8753から9426(相補的)に位置している。] 図1 図2 図3A 図3C 図4 図5
[0036] 本発明は、とりわけ、トリパノソーマ(スキゾトリパナム)クルーズ抗原を検出又は定量するための方法、アッセイ及びキットを提供する。本開示の一実施形態に従えば、本開示の組換え抗体(キメラ抗体を含む。)は、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合し、従って、例えば、T.cruziの検出用診断試薬として、及び/又はT.cruziの検出用アッセイにおける標準化試薬若しくは陽性対照試薬としての使用に適している。]
[0037] 従って、本開示は、各抗体がT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる1つ以上の抗体(キメラ抗体を含む。)を含む免疫診断試薬も提供する。組換え抗体は、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体断片などであり得る。別の実施形態において、免疫診断試薬は、2つ以上の組換え抗体(キメラ抗体を含む。)を含む。場合によって、免疫診断試薬中で使用される抗体は、免疫診断試薬がT.cruzi抗原の複数を検出することができるように、それぞれ、異なるT.cruzi抗原性タンパク質に対して特異的である。場合によって、免疫診断試薬は、シャーガスFP3抗原に対して特異的な組換え抗体、シャーガスFP6抗原に対して特異的な組換え抗体、シャーガスFP10抗原に対して特異的な組換え抗体及びシャーガスFRA抗原に対して特異的な組換え抗体からなる群から選択されるT.cruzi抗原に対して特異的な少なくとも1つ若しくはそれ以上、又は少なくとも2つ若しくはそれ以上の組換え抗体を含む。さらに別の実施形態において、免疫診断試薬の1つ以上の抗体は、ハイブリドーマ細胞株によって産生される新規モノクローナル抗体であり、シャーガスFP3抗原に対して特異的なモノクローナル抗体、シャーガスFP6抗原に対して特異的なモノクローナル抗体、シャーガスFP10抗原に対してモノクローナル抗体及びシャーガスFRA抗原に対してモノクローナル抗体からなる群から選択されるT.cruzi抗原に対して特異的である。]
[0038] 一実施形態において、本開示は、例えば、ヒト血清に代えて、T.cruzi検出アッセイ中の標準化試薬として、免疫診断試薬を使用することを提供する。この文脈において、例えば、現行及び将来のT.cruzi検出アッセイの性能を評価及び標準化するために、免疫診断試薬を場合によって使用することができる。]
[0039] 本開示のこれらの及びさらなる実施形態、特徴、態様、例示及び実施例が、以下の節にさらに記載されている。本明細書中に別段の定義がなければ、本明細書中で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。]
[0040] A.定義
本明細書に使用されているように、文脈上明確に反対の記述がなければ、単数形「a」、「an」及び「the」には、複数表記が含まれる。本明細書での数的範囲の引用に関して、その間に介在する各数字は、同じ正確度で明示的に想定される。例えば、範囲6から9の場合、6及び9に加えて、数字7及び8が想定され、範囲6.0から7.0の場合、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0が明示的に想定される。]
[0041] a)約
本明細書において使用される「約」という用語は、表記されている値からのおよそ+/−10%の変動を表す。このような変動は、具体的に参照されているかどうかに関わらず、本明細書に提供されている何れの所定の値にも常に含まれることを理解すべきである。]
[0042] b)抗体
本明細書において使用される「抗体」(Ab)という用語は、TCAに対して誘導された単一の抗体(抗TCA抗体)、ポリエピトープ特異性を有する抗TCA抗体組成物、一本鎖抗TCA抗体及び抗TCA抗体の断片を含む。「モノクローナル抗体」(mAb)は、実質的に均質な抗体の集団から得られる。すなわち、集団を構成する各抗体は、微量に存在する可能性がある天然の変異を除けば同一である。典型的な抗体には、ポリクローナル(pAb)、モノクローナル(mAb)、ヒト化、二重特異的(bsAb)、ヘテロ連結物抗体及び二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(R))及び二重可変ドメイン免疫グロブリンの誘導体(三重可変ドメインなど)が含まれる(二重可変ドメイン免疫グロブリン及びその作製方法は、Wu, C, et al., Nature Biotechnology, 25(11):1290−1297(2007)及びWO2001/058956(これらの各々の内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。)。]
[0043] c)抗体断片
本明細書において使用される「抗体断片」という用語は、完全状態の抗体の抗原結合部位又は可変領域を含む完全状態の抗体の一部を表し、前記一部は完全状態の抗体のFc領域の定常重鎖ドメイン(すなわち、抗体イソタイプに応じて、CH2、CH3及びCH4)を含まない。抗体断片の例には、Fab断片、Fab’断片、Fab’−SH断片、F(ab’)2断片、Fv断片、ダイアボディ、一本鎖Fv(scFv)分子、軽鎖可変ドメインを1つだけ含有する一本鎖ポリペプチド、軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含有する一本鎖ポリペプチド、重鎖可変領域を1つだけ含有する一本鎖ポリペプチド及び重鎖可変領域の3つのCDRを含有する一本鎖ポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。]
[0044] d)二重機能性抗体
本明細書において使用される「二重機能性抗体」という用語は、ある抗原性部位に対して特異性を有する第一のアーム及び異なる抗原性部位に対して特異性を有する第二のアームを含む抗体をあらわす。すなわち、二重機能性抗体は二重の特異性を有する。]
[0045] e)生物学的試料
「生物学的試料」という用語には、対象から単離された組織、細胞及び生物学的流体並びに対象内に存在する組織、細胞及び流体が含まれる。対象から得られる生物学的試料は、ポリペプチド分子を含有する。生物学的試料の例には、全血、血清、血漿、間質液、唾液、眼のレンズ液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、粘液、鼻液、痰、滑液、腹腔液、膣液、月経血、羊水及び精液が含まれる。インビトロ及びインビボで生物学的試料中のTCAを検出するために、検出方法を使用することができる。TCAを検出するためのインビトロ技術には、酵素連結免疫吸着検定法(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降及び免疫蛍光が含まれる。さらに、TCAを検出するためのインビボ技術には、標識された抗TCA抗体を対象中に導入することが含まれる。例えば、抗体は、対象中でのその存在及び位置を標準的な画像化技術によって検出することができる放射性マーカーで標識することができる。]
[0046] f)結合定数
本明細書において互換的に使用される「会合速度定数」、「kon」又は「ka」という用語は、以下の式によって示されているように、標的抗原への抗体の結合速度又は抗体と抗原の間での複合体形成の速度を示す値を表す。]
[0047] 抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)−>Ab−Ag
本明細書において互換的に使用される「解離速度定数」、「koff」又は「kd」という用語は、以下の式によって示されているように、標的抗原からの抗体の解離速度又はAb−Ag複合体が経時的に遊離の抗体及び抗原へ分離することを示す値を表す。]
[0048] Ab+Ag<−Ab−Ag
会合及び解離速度定数を測定するための方法は、本分野において周知である。蛍光を基礎とする技術を用いることによって、平衡状態にある生理的緩衝液中で試料を調べるための高い感度及び能力が得られる。BIAcore(R)(生物分子相互作用分析)アッセイなどの他の実験的アプローチ及び装置(例えば、BIAcore International ABから入手可能な装置、GE Healthcare company、Uppsala,Sweden)を使用することが可能である。さらに、Sapidyne Instruments(Boise,Idaho)から入手可能なKinExA(R)(Kinetic Exclusion Assay)アッセイも使用することが可能である。]
[0049] 本明細書において互換的に使用される「平衡解離定数」又は「KD」という用語は、会合速度(kon)によって解離速度(koff)を除することによって得られた値を表す。会合速度、解離速度及び平衡解離定数は、抗原への抗体の結合親和性を表すために使用される。]
[0050] g)キメラ抗体
本明細書において使用される「キメラ抗体」(又は「cAb」)という用語は、別の宿主種由来の抗体定常領域の少なくとも一部に連結されたある宿主種由来の抗体の重及び軽鎖可変領域の全部又は一部を含むポリペプチドを表す。]
[0051] h)対応している又は対応する
「対応している」又は「対応する」という用語は、核酸配列が参照核酸配列の全部又は一部と同一であることを表す。「〜に相補的」という用語は、核酸配列が参照核酸配列の相補的な鎖の全部又は一部と同一であることを表すために、本明細書において使用される。例として、核酸配列「TATAC」は参照配列「TATAC」に対応し、参照配列「GTATA」と相補的である。]
[0052] 本明細書において別段の記載がなければ、全ての核酸配列は5’から3’の方向に書かれており、全てのアミノ酸配列はアミノ末端からカルボキシ末端の方向に書かれている。]
[0053] i)誘導化された抗体
本明細書において使用される「誘導化された抗体」という用語は、別の機能的分子に誘導化された又は連結された抗体又は抗体の一部を表す。例えば、抗体又は抗体断片は、化学的カップリング、遺伝的融合又は非共有会合などによって、別の抗体、検出可能な因子、細胞毒性因子、薬剤及び抗体又は抗体の一部の別の分子(ストレプトアビジンコア領域又はポリヒスチジンタグなど)との会合を媒介することができるポリペプチドなどの1つ以上の分子に機能的に連結され得る。誘導化された抗体の1つの種類は、2つ以上の抗体を架橋することによって産生される。適切な架橋剤には、ヘテロ二機能性(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)又はホモ二機能性(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)であるものが含まれる。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company(Rockford,IL)から入手することができる。]
[0054] j)検出可能な標識
本明細書において使用される「検出可能な標識」という用語には、直接又は間接的に検出することが可能な分子又は部分が含まれる。さらに、これらの因子は抗体で誘導化することが可能であり、蛍光性化合物が含まれる。標識のクラスには、蛍光性、発光性、生物発光性及び放射性物質、酵素及び補欠分子族が含まれる。有用な標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、ストレプトアビジン/ビオチン、アビジン/ビオチン、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、ルミノール、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エコーリン及び125I、131I、35S又は3Hが含まれる。]
[0055] k)診断的に適切な
T.cruziタンパク質の領域に関して本明細書において使用される「診断的に適切な」という用語は、その検出が、単独で又はシャーガスの他の診断的に適切な領域と組み合わせて、T.cruziの検出を可能とするタンパク質の領域を表す。診断的に適切な領域の例には、本分野において公知の免疫優性領域及び本明細書に記載されているような領域が含まれる。]
[0056] l)エピトープ又は目的のエピトープ
本明細書において使用される「エピトープ」又は「目的のエピトープ」という用語は、認識され及びその特異的な結合対上の相補的部位に結合することができる何れかの分子上の部位を表す。分子及び特異的結合対は、特異的結合対の一部である。例えば、エピトープは、ポリペプチド、タンパク質、ハプテン、炭水化物抗原(糖脂質、糖タンパク質又はリポ多糖など(但し、これらに限定されない。))又は多糖であり得、その特異的結合対は抗体であり得る(但し、これらに限定されない。)。典型的には、エピトープは、より大きな抗原性断片(すなわち、抗体を結合することができる領域又は断片)内に含有され、特異的結合対に接触することが知られている正確な残基を表す。抗原性断片は2以上のエピトープを含有することが可能である。]
[0057] m)ヒト化抗体
本明細書において使用される「ヒト化抗体」という用語は、可変領域の一部が非ヒト種由来の対応する配列によって可変領域の一部が置換されており及び修飾された可変領域がヒト抗体の定常領域の少なくとも一部に連結されている、ヒト抗体の修飾された可変領域を含むポリペプチドを表す。一実施形態において、可変領域の一部は相補性決定領域(CDR)の全部又は一部である。この用語は、ハイブリッド抗体が所望の生物活性(すなわち、T.cruzi抗原性タンパク質を特異的に結合する能力)を示す限り、起源となる種、タンパク質の種類、免疫グロブリンクラス又はサブクラスの指定に関わらず、非ヒト抗体の可変領域又は1つ若しくはそれ以上のCDRを異種タンパク質とスプライシングすることによって産生されたハイブリッド抗体も含まれる。]
[0058] n)単離された又は精製された
「単離された」又は「精製された」という用語は、分子を参照する場合、同定されており、その天然環境の成分から分離及び/又は回収されている分子を表す。その天然環境のきょう雑成分は、診断又は治療的使用を妨害する物質である。「単離された」又は「精製された」ポリペプチド又は本明細書において使用されている生物学的に活性な断片(Fab断片など)は、その環境の成分から分離及び/又は回収されているポリペプチド又は生物学的に活性な断片を表す。きょう雑成分には、ポリペプチドに関する診断的使用を通例妨害する物質が含まれ、酵素、ホルモン及び他のポリペプチド性又は非ポリペプチド性物質が含まれ得る。実質的に単離するために、調製物は、きょう雑物質の乾燥重量の約30%未満(すなわち、約0.01%から約30%)、通常、約20%未満(すなわち、約0.01%から約20%)、約10%未満(すなわち、約0.01%から約10%)、より頻繁には、約5%未満(すなわち、約0.01%から約5%)のきょう雑物質を有する。単離され、組換え的に産生されたTCA、VL若しくはVH又は生物学的に活性な部分は、望ましくは、培地を実質的に含まない。すなわち、培地は、TCA、VL又はVH調製物の容量の約20%、約10%又は約5%未満を占める。従って、本明細書において使用される「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を表す。しかしながら、T.cruziエピトープを特異的に結合する単離された抗体は、例えば、シャーガスポリペプチドTcf及びFP6上に見出されるPep2エピトープを結合する抗体など、他のT.cruzi抗原に対する交叉反応性を有することができる。]
[0059] o)品質管理試薬
本明細書において記載されるように、イムノアッセイは、例えば、較正用物質、対照及び感度パネルを含む(但し、これらに限定されない。)「品質管理試薬」を取り込む。「較正用物質」又は「標準」は、抗体濃度を内挿するための較正(標準)曲線を確立するために、通例使用される(例えば、1つ以上又は種々の)場合によって、正/負のカットオフに近い単一の較正用物質を使用することができる。「感度」パネルを構成するために、複数の較正用物質(すなわち、2以上の較正用物質又は較正用物質の変動量)を合わせて使用することができる。「陽性対照」はアッセイ性能特性を確立するために使用され、試薬(例えば、抗原)の完全性の有用な指標である。]
[0060] p)組換え抗体
本明細書において使用される「組換え抗体」という用語は、組換え技術によって、1つ以上のモノクローナル抗体の全部又は一部をコードする核酸配列を適切な発現ベクター中にクローニングし、続いて、適切な宿主細胞中で抗体を発現させることを含む1つ以上の工程によって調製された抗体を表す。従って、この用語には、モノクローナル抗体である組換え的に作製された抗体、モノクローナル抗体の断片を含む抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体(完全又は部分的にヒト化)、抗体断片から形成された多重特異的又は多価構造(二重可変ドメイン免疫グロブリン、DVD−Ig(R)と名付けられた四価IgG様分子を含む。)及び二重機能性抗体が含まれるが、これらに限定されない。]
[0061] q)特異的な又は特異性
本明細書において使用される、特異的な結合対(例えば、抗原及び抗体)の要素間での相互作用に関する「特異的な」又は「特異性」は、相互作用の選択的反応性を表す。「〜に特異的に結合する」という用語及びその類似語は、T.cruziタンパク質に特異的に結合し、他の物体には特異的に結合しない抗体の能力を表す。T.cruziタンパク質に特異的に結合する抗体又は抗体断片は、例えば、診断用イムノアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(「RIA」)及び酵素連結免疫吸着アッセイ(「ELISA」)(例えば、Paul, ed., Fundamental Immunology, 2nd ed., Raven Press, New York, pages 332−336 (1989)参照)、BIAcore(R)(biomolecular interaction analysis、BIAcore International AB, Uppsala, Swedenから入手可能)、KinExA(R)(Kinetic Exclusion Assay、Sapidyne Instruments(Boise,Idaho)から入手可能)又は当業者に公知の他の技術によって同定され得る。]
[0062] r)実質的に同一の
核酸又はアミノ酸配列に関して本明細書で使用される「実質的に同一の」という用語は、例えば、以下に記載されている方法を用いて、最適に並置された場合に、その核酸又はアミノ酸配列が所定の別の核酸又はアミノ酸配列(又は「参照配列」)と少なくとも約70%(例えば、約70%から約100%)、少なくとも約75%(例えば、約75%から約100%)、少なくとも約80%(例えば、約80%から約100%)、少なくとも約85%(例えば、約85%から約100%)、少なくとも約90%(例えば、約90%から約100%)、少なくとも約95%(例えば、約95%から約100%)、少なくとも約96%(例えば、約96%から約100%)、少なくとも約97%(例えば、約97%から約100%)、少なくとも約98%(例えば、約98%から約100%)又は少なくとも約99%(例えば、約99%から約100%)の配列同一性を有することを表す。「実質的な同一性」は、完全長配列、エピトープ又は免疫原性ペプチド、機能的ドメイン、コード及び/又は制御配列、エキソン、イントロン、プロモーター及びゲノム配列など、配列の様々な種類及び長さを表すために使用することができる。2つのアミノ酸又は核酸配列間の%同一性は、当業者の技術水準の範囲に属する様々な方法で、例えば、Smith Waterman Alignment(Smith, T. F. and M. S. Waterman(1981) J MolBiol 147:195−7);GeneMatcher PlusTMに取り込まれているような“BestFit”(Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics,482−489(1981))、Schwarz and Dayhof(1979)Atlas of Protein Sequence and Structure, Dayhof, M. O., Ed pp353−358;BLASTprogram(Basic Local Alignment Search Tool (Altschul, S.F.,W.Gish, et al.(1990) J MolBiol215:403−10)並びにBLAST−2、BLAST−P、BLAST−N、BLAST−X、WU−BLAST−2、ALIGN、ALIGN−2、CLUSTAL及びMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどのこれらの変形などの一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて測定することができる。さらに、当業者は、比較されている配列の長さにわたって最大の並置を達成するために必要とされるアルゴリズムなど、並置を測定するための適切なパラメータを決定することが可能である。一般に、アミノ酸配列に関して、比較配列の長さは少なくとも約10アミノ酸である。当業者は、実際の長さが比較されている配列の全長に依存すること、及び少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300若しくは少なくとも約350アミノ酸であり得、又はアミノ酸配列の完全長であり得ることを理解する。核酸の場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも約25ヌクレオチドであるが、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約125、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550、少なくとも約600、少なくとも約650、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900若しくは少なくとも約1000であり得、又は核酸配列の完全長であり得る。]
[0063] s)表面プラズモン共鳴
本明細書において使用される「表面プラズモン共鳴」という用語は、例えば、BIACORE(R)システム(Biacore(GE Healthcare)(Johnsson, B., et al.1991.Immobilization of proteins to a carboxymethyldextran−modified gold surface for biospecific interaction analysis in surface plasmon resonance sensors.Anal Biochem.198:268−77;Johnsson, B., et al.1995.Comparison of methodsfor immobilization to carboxymethyl dextran sensor surfaces by analysis of the specific activity of monoclonal antibodies.J Mol Recognit.8:125−31; Jonsson, U., et al.1993.Introducing a biosensor based technology for real−time biospecific interaction analysis.Ann Biol CUn (Paris)51:19−26)を用いて、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化を検出することによって、リアルタイム二重特異的相互作用の分析を可能とする光学的現象を表す。]
[0064] t)TCA
本明細書で使用される「TCA」という略号は、「T.cruzi抗原」を意味する。FP3、Pep2、TcF、FP6及びFP10はTCAを表し、以下でさらに定義されている。他の略号は導入されるごとに定義されている。]
[0065] 本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を記載することを目的とするものであり、その他の限定を意図するものではない。]
[0066] B.抗T.cruzi抗体及び該抗体を産生する細胞株
本開示は、とりわけ、新規抗体、これらの抗体を産生する細胞株及びこれらの抗体を作製する方法を提供する。これらの抗体は、様々なT.cruzi抗原(TCA)を結合し、FP3、Pep2(TcF、FP6)及びFP10ポリペプチド中に含有されているものが含まれ、マウスmAb、二重可変ドメイン免疫グロブリン(CDVD−Ig(R))などのmAbとして、又はマウス−ヒト(Mu−Hu)キメラなどのキメラ抗体として使用することができる。これらの抗体は、イムノアッセイ中の陽性対照として有用である。さらに、抗体は、TCAを保有するT.cruziポリペプチドを精製するために使用することができる。本開示の抗体及び細胞株の例が、以下の表1に挙げられている。]
[0067] ]
[0068] 本開示の抗体のさらなる例は、
(a)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合し(T.cruziポリペプチドはFRAであり、並びにさらに、前記抗体は、約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(b)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはPep2であり、並びにさらに、前記抗体は、約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(c)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP10であり、並びにさらに、前記抗体は、(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);
(d)T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体(T.cruziポリペプチドはFP3であり、並びにさらに、前記抗体は、約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する。);並びに
(e)(a)から(d)の任意の組み合わせ。]
[0069] 本明細書中でさらに記載されているような抗T.cruzi抗体及びこれらの抗体を産生する細胞株を作製するために、一般に、2工程のプロセスを経た。(1)目的の抗原(T.cruziエピトープ(TCA))に特異的に結合されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株が開発され、及び(2)組換え技術を用いて、キメラ抗体を改変し、次いで、改変された抗体を産生させるために、哺乳動物の発現細胞株を使用した。この第二の部分において、所望のmAbを分泌するハイブリドーマ細胞株を同定した後、mRNAをこれらの細胞から単離し、抗体遺伝子配列を同定した。次いで、(ヒト抗体配列を供給する)pBOSベクター中に可変軽(VL)及び可変重(VH)ポリヌクレオチド配列をクローニングし、次いで、得られたキメラ抗体が機能的であることを確認するために、一過性発現系中にpBOSベクターを同時形質移入した。確認したら、VL配列をpJVプラスミド中に、及びVH配列をpBVプラスミド中にサブクローニングした。これらのベクターは、次いで、安定なpBJ発現ベクターを構築するために使用した。次いで、pBJでCHO細胞を形質移入し、形質移入体を選択し、分泌された抗体を再度検査し、産業規模の製造を可能とする。従って、本開示のキメラ抗体の典型を作製するために、マウスVH及びVL領域をヒト定常鎖(CH)及び定常軽鎖(CL)領域と組み合わせた。従って、キメラ抗体は、TCAに対するマウスmAb機能的特異性及び親和性を保持しているが、ヒト免疫グロブリン(Ig)を検出するために設計された抗体アッセイにおいて反応する。一実施形態において、本開示は、TCAFP3、Pep2(FP6/Tcf)、FP10及びFRAを特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)に関する。FP3、Pep2、FP10又はFRA組換え抗原を用いて、マウスを個別に免疫化し、抗体産生マウスを同定し、安楽死させ、脾細胞を採集し、骨髄腫細胞と融合し、ハイブリドーマ細胞株を産生するmAbを単離する。]
[0070] C.免疫診断用試薬
本開示の免疫診断用試薬は、本明細書に記載されている1つ以上の抗体を含む(例えば、本明細書中のB及びE節を参照。)。例えば、免疫診断用試薬を含む抗体には、組換え抗体が含まれ得、ここでも、組換え抗体にはT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合する組換えキメラ抗体が含まれる。従って、一実施形態において、本開示によって提供される免疫診断用試薬は、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる単一の抗体を含む。別の実施形態において、本開示によって提供される免疫診断用試薬は、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる単一のキメラ抗体を含む。他の実施形態において、免疫診断用試薬は、各々がT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域(例えば、同じ領域又は異なる領域)を特異的に結合することができる1つ以上の組換え抗体(組換えキメラ抗体など)を含み得る複数の抗体を含む。複数のキメラ抗体の1つ以上は、同じT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することが可能であり得る。あるいは、キメラ抗体の複数の各々は、異なるT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域を特異的に結合することができる。]
[0071] 本開示の一実施形態において、免疫診断用試薬は、T.cruzi抗原の複数を検出することが可能であり、各々が異なるT.cruzi抗原性タンパク質を特異的に結合することができる2つ以上の組換え抗体を場合によって含む。さらなる実施形態において、免疫診断用試薬は、各々が異なるT.cruzi抗原性タンパク質を特異的に結合することができる3つ以上の組換え抗体を場合によって含む。別の実施形態において、免疫診断用試薬は、各々が異なるT.cruzi抗原性タンパク質を特異的に結合することができる4つ以上の組換え抗体を場合によって含む。]
[0072] 免疫診断用試薬によって含まれる組換え抗体は、例えば、検出目的のために、固体支持体上への固定化のために、安定性を改善するために及び/若しくは薬物動態学的特性を改善するために、又は本分野において公知である他の手段によって場合によって修飾され得る。]
[0073] D.T.cruzi抗原
T.cruziは、複雑な生活環を有する複雑な生物である。しかしながら、寄生生物の診断的検出のために有用である重要な抗原が同定されている。]
[0074] FP3抗原(Kirchhoff, L. V., and K. Otsu.米国特許出願2004/0132077号。2004)は、T.cruziAg15(Otsu, K., et al.1993.Interruption of a Trypanosoma cruzi gene encoding a protein containing 14−amino acid repeats by targeted insertion of the neomycin phosphotransferase gene.Mol Biochem Parasitol.57:317−30)とT.cruziプロテインC(後者は、鞭毛カルシウム結合タンパク質(Gonzalez, A., et al.1985.Apparent generation of a segmentedmRNAfrom two separate tandem gene families in Trypanosoma cruzi.Nucleic AcidsRes.13:5789−804)の組み合わせに実質的に対応する組換えタンパク質である。ポリヌクレオチド配列(配列番号1)及びポリペプチド配列(配列番号2)は、それぞれ、下表2及び3に示されている。T.cruziの14アミノ酸反復に対して特異的なアミノ酸配列は表3において下線が付されており、T.cruziのプロテインAに対応するアミノ酸は表3において太字で記載されており、プロテインBに対応するアミノ酸は表3において斜字体で記載されており、プロテインCに対応するアミノ酸は表3において二重下線が付されている。]
[0075] ]
[0076] ]
[0077] Pep2抗原(Kirchhoff及びOtsu,2004)は、T.cruziFP6及びTcf、T.cruziポリペプチド(何れも、Pep2抗原を有する。)の反復配列の組換えタンパク質である。ポリヌクレオチド配列(配列番号3)及びポリペプチド配列(配列番号4)が、それぞれ、表4及び5に示されている。]
[0078] ]
[0079] ]
[0080] FP10抗原(Kirchhoff and Otsu, 2004)は、T.cruziの反復配列の別の組換えタンパク質である。そのポリヌクレオチド(配列番号5)及びポリペプチド(配列番号6)配列は、それぞれ、下表6及び7に示されている。I−ドメインのアミノ酸配列は表7中において下線が付されており、J−ドメインのアミノ酸配列は、表7中において斜字体で記載されており、K−ドメインのアミノ酸配列は、表7中において太字で記載されており、L−ドメインのアミノ酸配列は表7中において二重下線が付されている。]
[0081] ]
[0082] ]
[0083] FRA抗原は、鞭毛反復タンパク質配列であり(Lafaille, JJ., etc.1989.Structure and expression of two Trypanosoma cruzi genes encoding antigenic proteins bearing repetitive epitopes.Mol Biochem Parasitol.35:127−36)、GenBank受付番号J04015、下表8(ポリヌクレオチド配列、配列番号7)及び9(ポリペプチド配列;配列番号8)に示されている。]
[0084] ]
[0085] ]
[0086] 配列番号2、4、6及び8のTCAは、インビトロで合成することが可能であり、又はポリヌクレオチド配列(配列番号1、3、5及び7と実質的に類似するものなど)から組換え的に発現することが可能である。遺伝子コードの縮重並びに配列番号2、4、6及び8のポリペプチドが置換を許容する能力のために、本開示を実施するために、配列は同一である必要はない。ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列の同一性は、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%及び、もちろん、約100%など、約70%から約100%(特に、約90%から約97%)の範囲であり得る。]
[0087] TCAは、ポリペプチド化学を用いて、インビトロで容易に合成することができる。例えば、ポリペプチド合成は、Rainin Symphony Peptide Synthesizer, Advanced Chemtech Peptide Synthesizer, Argonaut Parallel Synthesis System又はApplied Biosystems Peptide Synthesizerなどの自動化されたポリペプチド合成装置を用いて、固相支持体上に、段階的様式で実施することができる。ペプチド合成装置は、固相ペプチド合成を実施するために、Fmoc化学をHOBt/HBTU/DIEA活性化と組み合わせる。]
[0088] 合成は、C末端アミノ酸から始まり、カルボキシ末端は不溶性のポリマー支持体樹脂に共有結合される。有用な樹脂は、樹脂1g当りC末端アミノ酸0.1mmolから0.7mmolを搭載することができる。ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアミン(DMA)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU)、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)、メタノール(MeOH)又は水など、典型的な合成サイクルの間に使用される様々な溶媒及び化学物質に対して耐性を示し、連続的なフロー又はバッチ合成用途に適し得る。有用な樹脂の例には、p−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂(HMP樹脂)、PEGco−Merrifield樹脂、NovaSynTGA(R)樹脂(Novabiochem)、4−スルファミルブチリルAM樹脂及びCLEARアミド樹脂が含まれる。アミノ酸が結合された樹脂は多数の様々な入手先から市販されているが、このような結合された樹脂は実験室において調製することもできる。]
[0089] 樹脂に結合されたアミノ酸(又はポリペプチド)のN末端は、次のN−末端アミノ酸反応物質の添加前に除去される9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基によって化学的に保護される。Fmoc基は、NMP又はDMFなどの適切な溶媒中のアミン(20から55%ピペリジンなどの)の濃溶液によって容易に除去される塩基に対して不安定な保護基である。Fmoc脱保護のための他の有用なアミンには、トリス(2−アミノエチル)アミン、4−(アミノメチル)ピペリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)が含まれる。樹脂に結合された全てのポリペプチド鎖が各カップリングサイクルに有効に関与するように、N末端からFmoc基を完全に除去することが重要であり、そうでないと、異なる長さ及び配列のポリペプチド鎖が得られる。Fmoc基の塩基触媒による除去の後、塩基触媒を除去するために、適切な緩衝液で樹脂を徹底的に洗浄する。]
[0090] 多くのアミノ酸の側鎖は、アミン、アルコール又はチオールなどの化学的に反応性を有する基を含有する。これらの側鎖は、カップリング工程の間に、所望されない副反応を防止するためにさらに保護しなければならない。塩基に対して安定である、より好ましくは、塩基に対して安定であり且つ酸に対して不安定である側鎖保護基が最も有用である。表10は、アミノ酸のこのカテゴリーに関する側鎖保護基の典型的な群を記載する。]
[0091] ]
[0092] 導入されるFmoc保護されたアミノ酸のカルボキシル基は、樹脂に結合されたポリペプチドのN末端への効率的な化学的連結を達成するために活性化される。活性化は、反応性エステルを生成するためにFmoc保護されたアミノ酸を適切な試薬と反応させることによって典型的に達成される。活性化されたエステルの例には、ペンタフルオロフェニル(OPfp)エステル及び3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−4−オキソ−ベンゾ−トリアゾン(ODhbt)エステル、OBtエステル及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)から誘導されるOAtエステルが含まれる。カップリング反応は、DCC、BOP、BOP−Cl、TBTU、HBTU又はO−(7−アザベンゾトリゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HATU)などの活性化試薬を用いて、原位置で行うことができる。典型的なカップリング反応には、HOBt及びHBTUの混合物又はHOBt、HBTU及びDIEAの混合物が含まれた。N−メチルアミノ酸に関して、カップリング条件は唯一のカップリング試薬としてブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸(PyBroP)を使用することが可能であり、カップリング反応は、N2下に存在するDIEAとともにDCM中において手動で実施される。Fmoc保護されたアミノ酸は、樹脂に連結されたポリペプチドに対してモル濃度過剰で存在する。遅い速度で進行するカップリング反応に関しては、樹脂に結合された全てのポリペプチドが活性化されたFmocアミノ酸と確実に首尾よく付加反応を行うようにするために、カップリング反応は1回以上(二重又は多重カップリング)繰り返される。不完全なカップリング反応に関しては、全ての反応していないN末端残基は、適切なキャッピング試薬を用いてキャップされる。]
[0093] カップリング反応後、反応していないFmocアミノ酸及びカップリング試薬を除去するために、樹脂支持体は洗浄される。次いで、別のアミノ酸を付加するためのポリペプチドを調製するために、樹脂はN末端のFmoc基の塩基触媒された除去の新しいサイクルに供される。所望のポリペプチドが合成された後、残存するFmoc保護基の塩基触媒された除去に樹脂を供する。塩基を除去するために、ポリペプチドが結合された樹脂を洗浄し、あらゆるアミノ酸側鎖保護基を除去するために、及び樹脂支持体からポリペプチド鎖を放出するために、続いて、酸で処理する。有用な酸は、試薬K[TFA:チオアニソール:エタンジチオール:フェノール:水(82.5:5:2.5:5:5)]などの適切なスカベンジャーの存在下にあるトリフルオロ酢酸(TFA)などの強酸である。]
[0094] 続いて、ろ過によって、樹脂からポリペプチドを分離し、DCM/DMFなどの適切な溶媒で場合によって繰り返し洗浄する。適切な分子量カットオフを有する膜を使用する限外ろ過を通じて、場合によってポリペプチドを脱塩することができる。ポリペプチドは、冷メチルt−ブチルエーテル又はt−ブチルエチルエーテルなどの適切な溶媒を用いて、溶液から沈殿させることが可能であり、沈殿は、冷エーテルなどの適切な溶媒で場合によって洗浄され、乾燥される。C18樹脂を用いる疎水性クロマトグラフィー及びTFA/水/アセトニトリルなどの適切なクロマトグラフィー緩衝系などの適切なクロマトグラフィー手段を用いて、ポリペプチドをさらに精製することができる。ペプチドの純度は、MALDI−MS、分析的HPLC、アミノ酸分析又は配列決定などの質量分析によって、場合によって分析することができる。]
[0095] あるいは、配列番号2、4、6及び8のTCAは、例えば、発現ベクターを用いて、配列番号1、3、5及び7のポリヌクレオチド配列を用いて組換え的に発現させることができる。発現ベクター中で、導入されたDNAは、挿入されたDNAを転写するために、宿主細胞へシグナルを伝達する要素(プロモーターなど)に作用可能に連結される。特定の因子に応答して遺伝子転写を調節する誘導性プロモーターなど、幾つかのプロモーターは極めて有用である。誘導性プロモーターの例には、ある種の細胞種に発現を限定する組織特異的なプロモーター、ステロイド応答性の(例えば、グルココルチコイド)プロモーター(Kaufman, RJ.1990.Vectors used for expression in mammalian cells.MethodsEnzymol.185:487−511)及びテトラサイクリン又は熱ショック反応性のプロモーターが含まれる。lacオペロンなどの幾つかの細菌性抑制系は、哺乳動物細胞及びトランスジェニック動物中で活用することが可能である(Fieck, A., et al.1992.Modifications of the E. coli lac repressor for expression in eukaryotic cells:effects of nuclear signal sequences on protein activity and nuclear accumulation.Nucleic Acids Res.20:1785−91;Wyborski, D.L., L.C. DuCoeur, and J.M. Short.1996)。Parameters affecting the use of the lac repressor system in eukaryotic cells and transgenic animals. Environ Mol Mutagen.28:447−58; Wyborski, D. L., and J.M. Short.1991.Analysis of inducers of the E .coli lac repressor system in mammalian cells and whole animals.Nucleic Acids Res.19:4647−53)。組換え核酸技術、細胞中への形質移入並びに細胞及びインビトロでの発現は、以下でさらに論述されている。]
[0096] E.組換え抗体
本開示の組換え抗体は、T.cruzi抗原性タンパク質に特異的に結合することができる固有の抗体のVH及び/又はVLドメインに由来する抗原結合領域を含む。組換え抗体は、例えば、組換え的に産生されるモノクローナル抗体、モノクローナル抗体の断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、多重特異的、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(R))又は抗体断片から形成された多価構造又は二重機能的抗体であり得る。]
[0097] 一実施形態において、場合によって、組換え抗体は、
(a)T.cruziポリペプチドがFRAであり、並びにさらに、前記抗体が約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;
(b)T.cruziポリペプチドがPep2であり、並びにさらに、前記抗体が約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;
(c)T.cruziポリペプチドがFP10であり、並びにさらに、前記抗体が(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;
(d)T.cruziポリペプチドがFP3であり、並びにさらに、前記抗体が約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;並びに
(e)(a)から(d)の任意の組み合わせ。別の実施形態において、場合によって、組換え抗体は、マウスモノクローナル抗体の特異性及び親和性を保持し、並びにヒト免疫グロブリンを測定するイムノアッセイフォーマットにおいて反応するキメラ抗体である。場合によって、マウス−ヒトキメラ抗体は、FP3、FP6、FP10又はFRA抗原に対して誘導される。場合によって、このようなキメラ抗体は、Abbott LaboratoriesのAxSYM(R)、ARCHITECT(R)及びPRISM(R)プラットフォームなどの(但し、これらに限定されない。)既存のイムノアッセイフォーマットにおいて反応する。]
[0098] 組換え抗体によって含まれる抗原結合領域は、固有抗体由来のVH及び/若しくはVL配列を含むことができ、又は1つ若しくはそれ以上の他の抗体に由来する配列とともに、抗体の1つ若しくはそれ以上の部分(CDRなど)を含むことができる。一実施形態において、組換え抗体は固有抗体の完全長VH及びVL配列を含む。]
[0099] 抗原結合領域が由来する固有抗体は、一般に、脊椎動物の抗体にである。例えば、固有抗体は、げっ歯類(例えば、マウス、ハムスター、ラット)抗体、ニワトリ抗体、ウサギ抗体、イヌ抗体、ネコ抗体、ウシ抗体、ウマ抗体、ブタ抗体、類人猿(例えば、チンパンジー)抗体又はヒト抗体であり得る。抗体源は、主として、便利さを基本とする。一実施形態において、固有抗体は非ヒト抗体である。]
[0100] 組換え抗体は、同じ固有抗体又は異なる抗体に由来する1つ以上の定常領域(例えば、CL、CH1、ヒンジ、CH2、CH3及び/又はCH4領域)を含むこともできる。定常領域は、上に列記されている種などの(但し、これらに限定されない。)多数の脊椎動物種の1つから得られる抗体に由来し得る。本開示の一実施形態において、組換え抗体は少なくとも1つの定常領域を含む。別の実施形態において、組換え抗体はヒト抗体に由来する1つ以上の定常領域を含む。本開示の特定の実施形態において、組換え抗体は、ヒト抗体の定常領域に連結された非ヒト抗体の可変領域を含む。]
[0101] 組換え抗体を構成する定常領域は、例えば、ヒト免疫グロブリン由来の定常領域に対する1つ以上の免疫グロブリンクラス又はイソタイプに由来し得、定常領域は、IgM、IgD、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2又はIgE定常領域の1つ以上に由来し得る。定常領域がIgG軽鎖に由来する領域を含む場合、これは、κ鎖又はλ鎖に由来し得る。組換え抗体は、2以上のクラス又はイソタイプから得られる配列を含み得る。組換え抗体の所望の機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは、本分野における通常の技術水準に属する。本開示の一実施形態において、組換え抗体はIgGに由来する1つ以上の定常ドメインを含む。別の実施形態において、組換え抗体はIgG定常領域の重及び軽鎖の両方から得られる領域を含む。]
[0102] 本開示の一実施形態において、抗原結合領域は、T.cruzi抗原性タンパク質の診断的に適切な領域内のエピトープに特異的に結合する固有抗体に由来する。]
[0103] 本開示の特定の実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、配列番号10、12、14、16、18、20、26又は28の何れか1つに記載されているVH又はVL配列の全部又は一部と実質的に同一なアミノ酸配列を含む(下表12参照。配列番号識別子のまとめ及び対応する配列の説明については、下表11参照。)。別の実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、VH又はVL配列の相補性決定領域(CDR、すなわち、CDR1、CDR2及びCDR3)を含む。]
[0104] ]
[0105] ]
[0106] 本開示の一実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、配列番号9、11、13、15、17、19、25又は27のいずれか1つによってコードされるアミノ酸配列の全部又は一部と実質的に同一のアミノ酸配列を含む(下表13参照)。別の実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、VH又はVL配列の相補性決定領域(CDR、すなわち、CDR1、CDR2及びCDR3)をコードする核酸配列を含む。特定の実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、配列番号9及び11の1つ若しくはそれ以上、配列番号13及び15の1つ若しくはそれ以上、配列番号17及び19の1つ若しくはそれ以上、又は配列番号25若しくは27の1つ若しくはそれ以上によってコードされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するCDRを含む(下表13参照)。]
[0107] 本開示の別の特定の実施形態において、組換え抗体の抗原結合領域は、配列番号9、11、13、15、17、19、25又は27の何れか1つによって記載される配列の全部又は一部と実質的に同一の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を含む。]
[0108] ]
[0109] 組換え抗体のアミノ酸配列は、親配列に正確に対応する必要はない。すなわち、組換え抗体のアミノ酸配列は、「変形配列」であり得る。例えば、組換え抗体によって含まれるドメインに応じて、その部位の残基が何れかの親(又は参照)配列に対応しないように、VL、VH、CL、CH1、ヒンジ、CH2、CH3及びCH4の1つ以上は、適宜、1つ以上のアミノ酸残基の置換、挿入又は欠失によって変異を受け得る。しかしながら、当業者は、このような変異は大規模なものではなく、組換え抗体のその標的TCAへの結合に著しい影響を及ぼさないことを理解する。本開示に従えば、組換え抗体が変形配列を含む場合、変形配列は、参照配列と少なくとも約70%(例えば、約70%から約100%)と同一である。一実施形態において、変形配列は、参照配列と少なくとも約75%(例えば、約75%から約100%)と同一である。他の実施形態において、変形配列は、参照配列と少なくとも約80%(例えば、約80%から約100%)、少なくとも約85%(例えば、約85%から約100%)又は少なくとも約90%(例えば、約90%から約100%)同一である。特定の実施形態において、参照配列は、配列番号10、12、14、16、18、20、26又は28の何れか1つに記載されている配列に対応する。]
[0110] 一般に、組換え抗体が1つ以上のアミノ酸置換を含有する変形配列を含む場合、アミノ酸置換は「保存的置換」である。保存的置換は、類似の側鎖特性を有する別の残基によってあるアミノ酸残基を置換することを含む。本分野において知られているように、天然に存在する20のアミノ酸は、その側鎖の物理化学的特性に従ってグループ分けすることができる。適切なグループ分けには、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン及びトリプトファン(疎水性側鎖);グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及びグルタミン(極性非帯電側鎖);アスパラギン酸及びグルタミン酸(酸性側鎖)並びにリジン、アルギニン及びヒスチジン(塩基性側鎖)が含まれる。アミノ酸の別のグループ分けは、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン(芳香族側鎖)である。保存的置換は、同じ群から得られる別のアミノ酸によって、あるアミノ酸を置換することを含む。]
[0111] 従って、他の実施形態における本開示は、本明細書に開示されている新規組換え抗体配列に対応する単離されたポリペプチドをさらに提供する。場合によって、単離されたポリペプチドは、FP3、FP6及びFP10からなる群から選択されるTCAの診断的に適切な領域に特異的に結合する組換え(例えば、キメラ)抗体の部分を含む。一実施形態において、ポリペプチドは、配列番号12、16、20又は28の何れか1つ以上に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域からなる群から選択されるVH領域を含む。さらに別の実施形態において、ポリペプチドは、相補性決定領域配列を含むVH領域を含む。別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号10、14、18又は26の何れか1つ以上に記載されている配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。さらに別の実施形態において、ポリペプチドは、相補性決定領域配列を含むVL領域を含む。]
[0112] さらに別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号11、15、19又は27の何れか1つ以上によってコードされる配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域からなる群から選択されるVH領域を含む。別の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号9、13、17又は25の何れか1つ以上によってコードされる配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域からなる群から選択されるVL領域を含む。]
[0113] 同様に、可変領域をコードする核酸配列は、親参照配列に正確に対応する必要はないが、遺伝コードの縮重によって及び/又は上記変形アミノ酸配列をコードするように変動し得る。従って、本開示の一実施形態において、組換え抗体の可変領域をコードする核酸配列は、参照配列と少なくとも約70%(例えば、約70%から約100%)同一である。別の実施形態において、組換え抗体の可変領域をコードする核酸配列は、参照配列と少なくとも約75%(例えば、約75%から約100%)同一である。他の実施形態において、組換え抗体の可変領域をコードする核酸配列は、参照配列と少なくとも約80%(例えば、約80%から約100%)、少なくとも約85%(例えば、約85%から約100%)又は少なくとも約90%(例えば、約90%から約100%)同一である。特定の実施形態において、参照配列は、配列番号9、11、13、15、17、19、25又は27の何れか1つに記載されている配列に対応する。]
[0114] 従って、他の実施形態における本開示は、本明細書に開示されている新規組換え抗体配列(キメラ抗体配列を含む。)をコードする単離されたポリヌクレオチドをさらに提供する。場合によって、単離されたポリヌクレオチドは、FP3、FP6及びFP10からなる群から選択されるT.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に特異的に結合する組換え(例えば、キメラ)抗体の一部をコードする。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号12、16、20又は28の何れか1つ以上に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域からなる群から選択されるVH領域をコードする。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号10、14、18又は26の何れか1つ以上に記載されている配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含むVL領域をコードする。さらに別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、相補性決定領域配列を含むVL領域をコードする。]
[0115] さらに別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号9、13、17又は27の何れか1つ以上によってコードされる配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域からなる群から選択されるVH領域をコードする。さらに別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、相補性決定領域配列を含むVH領域をコードする。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号11、13、19又は25の何れか1つ以上によってコードされる配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域からなる群から選択されるVL領域をコードする。さらに別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、相補性決定領域配列を含むVL領域をコードする。]
[0116] 一実施形態において、抗体は、ヒト免疫系に曝露された場合に、抗体の免疫原性を除去又は低減するために、ヒトT細胞に対する潜在的エピトープである抗体の非ヒト部分中の1つ以上のアミノ酸を変異させることによって固有抗体に比べて、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにさらに修飾することができる。適切な変異には、例えば、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失及び挿入が含まれる。]
[0117] 一実施形態において、本開示の組換え抗体は、適切な固相上に固定化するためにさらに修飾することができる。固定化は、固相への共有又は非共有的(例えば、イオン性、疎水性など)を通じて達成することができる。適切な修飾は本分野において公知であり、固体支持体への組換え抗体の架橋又は付着を促進するために、組換え抗体によって含まれるアミノ酸配列の1つのC末端又はN末端の何れかに官能基又は化学的部分を付加することが含まれる。典型的な修飾には、S−アセチルメルカプトコハク酸無水物(SAMSA)若しくはS−アセチルチオアセタート(SATA)などの官能基の付加又はアミノ酸配列のN若しくはC末端への1つ若しくはそれ以上のシステイン残基の付加が含まれる。他の架橋試薬が本分野において公知であり、多くは市販されている(例えば、Pierce Chemical Co.(Rockford, Illinois, USA)及びSigma−Aldrich; Saint Louis, Missouri, USAのカタログ参照)。例には、1,6−ジアミノヘキサンなどのジアミン;グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド、エチレングリコール−ビス(コハク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)などのビス−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;ジスクシンイミジルグルタラート、ジスクシンイミジルスベラート及びエチレングリコール−ビス(スクシンイミジルスクシナート);ヘキサメチレンジイソシアナートなどのジイソシアナート;1,4−ブタンジイルジグリシジルエーテルなどのビスオキシラン;スクシニジサリチラートなどの二カルボン酸;3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどが含まれるが、これらに限定されない。]
[0118] 他の修飾には、Ni2+誘導化表面への結合を可能とするためのヒスチジン残基又はジスルフィド架橋形成若しくはSULFOLINKTMアガロースへの結合を可能とするためのシステイン残基など、N又はC末端への1つ以上のアミノ酸の付加が含まれる。あるいは、固体支持体から組換え抗体を最適に離すために、N末端又はC末端に1つ以上の化学的スペーサーを含むように、抗体を修飾することができる。使用可能なスペーサーには、6−アミノヘキサン酸、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノエタン及び1から5アミノ酸の短いアミノ酸配列(ポリグリシン配列など)が含まれるが、これらに限定されない。]
[0119] 別の実施形態において、組換え抗体を固相上に固定化するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン又はチログロブリンなどの担体タンパク質に組換え抗体を場合によって連結させることが可能である。]
[0120] 別の実施形態において、本開示は、検出可能な標識を取り込ませるための組換え抗体の修飾を提供する。好ましくは、本開示に係る検出可能な標識は、直接又は間接的に検出可能な分子又は部分であり、組換え抗体への検出可能な標識の連結が抗体の標的T.cruziタンパク質への特異的結合を好ましくは妨害しないように選択される。抗体を標識する方法は本分野において周知であり、組換え抗体を検出可能な標識に連結するための、例えば、SAMSA(S−アセチルメルカプトコハク酸無水物)などの二官能性架橋物質の使用が含まれる。本分野において公知である又は上記されているものと同様の他の架橋試薬を同様に使用することができる。]
[0121] 本開示の組換え抗体とともに使用するための検出可能な標識には、例えば、放射性同位体、蛍光体、化学発光体、酵素、コロイド状粒子、蛍光性微粒子など、直接検出可能なものが含まれる。検出可能な標識はそれ自体検出可能であり、又は検出可能な産物を生成するために1つ若しくはそれ以上のさらなる化合物と反応させることが可能である。従って、当業者は、本開示の直接検出可能な標識は、標識の検出を可能とするための基質、引き金を引く試薬、光などのさらなる成分を必要とし得ることを理解する。検出可能な標識の例には、発色性物質、放射性同位体(例えば、125I、131I、32P、3H、35S及び14C)、蛍光性化合物(フルオレセイン、ローダミン、ルテニウムトリスビピリジル及びランタニドキレート誘導体など)、化学発光性化合物(例えば、アクリジニウム及びルミノールなど)、可視的若しくは蛍光性粒子、核酸、錯化剤又は酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、ルシフェラーゼなど)などの触媒が含まれるが、これらに限定されない。酵素を使用する場合、例えば、色素、蛍光又は発光性基質の添加は、好ましくは、検出可能なシグナルの生成をもたらす。時間分解蛍光、内部反射蛍光及びラマン分光測定法などの他の検出系も、場合によって有用である。]
[0122] 本開示は、間接的に検出される標識の使用も提供する。間接的に検出可能な標識は、「親和性対」(すなわち、2つの異なる分子)の使用を通例含み、前記対の第一の要素は本開示の組換え抗体に連結され、前記対の第二の要素は第一の要素に特異的に結合する。前記対の2つの要素間の結合は、典型的には、化学的又は物理的な性質である。このような結合対の例には、抗原及び抗体、アビジン/ストレプトアビジン及びビオチン、ハプテン及びハプテンに対して特異的な抗体、相補的ヌクレオチド配列、酵素補因子/基質及び酵素などが含まれるが、これらに限定されない。]
[0123] F.抗体の調製
ポリクローナル抗体は、免疫原及び所望であれば、アジュバントの1つ以上の注射によって、哺乳動物宿主中に産生され得る。典型的には、免疫原(及びアジュバント)は、複数の皮下又は腹腔内注射によって哺乳動物中に注射される。免疫原は、TCA又はTCA融合ポリペプチドを含むことができる。アジュバントの例には、フロイントの完全及びモノホスホリルリピドA合成トレハロースジコリノミコラート(MPL−TDM)が含まれる。免疫応答を向上させるために、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン及び大豆トリプシン阻害剤など、宿主中において免疫原性であるポリペプチドに免疫原を連結することができる。抗体産生のためのプロトコールは周知である(Ausubel et al, 1987; Harlow, E., and D. Lane.1988.Antibodies:A laboratory manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor.726 pp; Harlow, E., and D. Lane.1999.Using antibodies:A laboratory manual.Cold Spring Harbor Laboratory PRess, Cold Spring Harbor, New York)。あるいは、pAbは、IgY分子を産生するニワトリ中で作製することができる(Schade, R., et al.1996.The production of avian (egg yolk) antibodies:IgY.The report and recommendations of ECVAM workshop.Alternatives to Laboratory Animals (ATLA).24:925−934)。]
[0124] 所望の抗原に対するモノクローナル抗体を作製する方法は、本分野において周知である。例えば、モノクローナル抗体は、「Kohler et al., Nature, 256:495 (1975)」によって最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製することができる。一般に、ハイブリドーマ法では、マウス又は他の適切な宿主動物(ハムスター又はマカクザル)は、複数部位への抗原並びに担体及び/又はアジュバントの複数回皮下又は腹腔内注射によって免疫化される。二週後、動物に追加免疫を行い、約7から14日後、動物から採血し、抗抗原力価に関して血清をアッセイする。力価が一定になるまで、動物に追加免疫を施すことができる。]
[0125] マウスの脾細胞を抽出し、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を用いて骨髄腫細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成する(例えば、Goding, Monoclonal Antibodies:Principles and Practice, pp.59−103 (Academic Press, 1986); Galfre et al., Nature, 266:550 (1977)参照)。適切な骨髄腫細胞株は本分野において公知であり、MOP−21及びMC−11マウス腫瘍に由来するものなどのマウス骨髄腫株(Salk Institute Cell Distribution Center, San Diego, California, USAから入手可能)並びにSP−2、SP2/0及びX63−Ag8−653細胞(アメリカ培養細胞系統保存機関:American Type Culture Collection (ATCC), Manassas, Virginia, USAから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株も、ヒトモノクローナル抗体の作製のために記載されている(例えば、Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51−63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987)参照)。このようにして調製されたハイブリドーマ細胞は、融合されていない親骨髄腫細胞の増殖又は生存を阻害する1つ以上の物質を好ましくは含有する適切な培地中に播種し、増殖させることができる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシル転移酵素(HGPRT又はHPRT)を欠如する場合には、ハイブリドーマ用の培地は、通例、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質はHGPRT欠損細胞の増殖を抑制する。]
[0126] 次いで、このような選択を通じて得られたハイブリドーマ細胞は、例えば、免疫沈降によって、又はラジオイムノアッセイ(RIA)若しくは酵素イムノアッセイ(EIA又はELISA)などのインビトロ結合アッセイによって、最初の免疫化において使用されたT.cruzi抗原を結合することができる抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、「Munson et al, Anal.Biochem., 107:220 (1980)」のScathcard分析によって、場合によって測定することができる。]
[0127] 所望の特異性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンは、限界希釈操作、例えば、Wandsら(Gastroenterology 80:225−232 (1981))によって記載されている操作によってサブクローニングされ、標準的な方法(例えば、Godingibid、同書参照)によって増殖させることができる。この目的のための適切な培地には、例えば、D−MEM、IMDM又はRPMI−1640培地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、動物中の腹水腫瘍として、インビボで増殖させることができる。]
[0128] サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティークロマトグラフィーなどの慣用の免疫グロブリン精製操作によって、培地、腹水液又は血清から場合によって単離することができる。]
[0129] 実施例1から4(実施例の部参照)は、FP3、FP6、FP10及びFRAポリペプチド(例えば、配列番号2、4、6及び8のアミノ酸配列によって表されるポリペプチド)中に見出されるTCAに対するmAbを得るための1つのアプローチを例示するに過ぎない。]
[0130] G.組換え抗体の調製
本開示の組換え抗体は、例えば、ヒト又は非ヒト動物(げっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、霊長類又はニワトリなど)によって産生されたモノクローナル抗体由来の抗原結合ドメイン配列(例えば、VH及び/若しくはVL配列又はその一部)を含むことができる。あるいは、所望の結合活性を有する抗原結合ドメインは、バクテリオファージ、細菌若しくは酵母の表面上でラムダファージ中に発現されたコンビナトリアルライブラリーの使用を通じて選択され、又は標準的な技術を用いて、他の生物学的(例えば、レトロウイルス又はポリソーム)若しくは非生物系上でのディスプレイによってスクリーニングすることができる(例えば、Marks, J. D. et. al, J. Mol.Biol.222:581−597 (1991); Barbas, C. F. Ill et. al, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4457−4461 (1992)参照)。ライブラリーは、免疫化された又は免疫化されていない宿主から単離された固有の抗原結合ドメイン、合成もしくは半合成の抗原結合ドメイン又は修飾された抗原結合ドメインから構成され得る。]
[0131] 1.組換え抗体一般
本開示の一実施形態において、組換え抗体は、目的のT.cruziに結合するモノクローナル抗体に由来する抗原結合ドメインを含む。]
[0132] 本開示の一実施形態において、組換え抗体は、T.cruziタンパク質の診断的に適切な領域に由来するT.cruzi抗原に対して産生されたモノクローナル抗体に由来する。別の実施形態において、組換え抗体は、FP3、FP6又はFP10など、T.cruzi抗原に産生されたモノクローナル抗体に由来する。別の実施形態において、組換え抗体は、FP3、FP6又はFP10の全て又は断片(例えば、1つ以上のエピトープを含む断片)を含むT.cruzi抗原に対して産生されたモノクローナル抗体に由来する。さらなる実施形態において、組換え抗体は、配列番号2、4又は6の何れか1つに記載されている配列と実質的に同一の配列を含むT.cruzi抗原に対して産生されたモノクローナル抗体に由来する。]
[0133] 場合によって、モノクローナル抗体は、HBFP3、HBPep2及びHBFP10からなる群から選択される細胞株によって発現される。別の実施形態において、細胞株はシャーガス8−367−171である。]
[0134] モノクローナル抗体が調製されたら、モノクローナル抗体又はその可変領域をコードするDNAは、標準的な技術によって、例えば、モノクローナル抗体の重及び軽鎖若しくは可変領域をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって、又は保存された領域に対するプライマーを用いるモノクローナル抗体をコードするmRNAのRT−PCR(例えば、Novagen(EMD Biosciences, Inc.), San Diego, California, USAから入手可能なIgGプライマーの組)によって、容易に単離することができる。]
[0135] 一旦単離されたら、DNAは、例えば、適切な発現ベクター中にクローニングし、組換えモノクローナル抗体を産生するために、イー・コリ細胞、酵母細胞、サルCOS細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児性腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK293)又は本来免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞などの適切な宿主細胞中に導入することができる。場合によって、一実施形態において、本開示の抗T.cruziマウス−ヒトキメラ抗体は、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞株中で産生され、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞株は、産業的な使用のために十分な量で産生することができる点で有利である。好ましくは、哺乳動物宿主細胞は、CHO細胞株及びHEK293細胞株である。別の好ましい宿主細胞は、B3.2細胞株(例えば、Abbott Laboratories, Abbott Bioresearch Center, Worcester,MA)又は別のジヒドロ葉酸還元酵素欠失(DHFR−)CHO細胞株(例えば、Invitrogen Corp.,Carlsbad,CAから入手可能)である。]
[0136] あるいは、モノクローナル抗体又はその可変領域をコードするDNAは、本分野において公知の標準的な方法によってキメラ抗体、ヒト化抗体及び抗体断片を作製するために使用することができる。]
[0137] 例えば、キメラモノクローナル抗体は、異なる宿主種に由来する抗体重及び軽鎖定常領域遺伝子を含有する哺乳動物発現ベクター中にモノクローナル抗体の可変領域をコードするDNAをクローニングすることによって作製することができる。安定に組み込まれた又は染色体外要素として存在する多くの真核生物抗体発現ベクターが記載されており、当業者に公知である。一般に、抗体発現ベクターは、重鎖定常領域をコードする遺伝子及び/又は軽鎖定常領域をコードする遺伝子、上流エンハンサー要素並びに適切なプロモーターを含むプラスミドである。]
[0138] 多様な発現調節配列が、本開示において使用され得る。このような有用な発現調節配列には、前記発現ベクターの構造遺伝子に付随する発現調節配列及び原核若しくは真核細胞若しくはそのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られた任意の配列並びにこれらの様々な組み合わせが含まれる。哺乳動物細胞中での転写を誘導するための適切な調節配列の例には、SV40及びアデノウイルスの早期及び後期プロモーター、例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター、MT−I(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーター(CMV)、ヒト伸長因子1α(EF−1α)プロモーター、ドロソフィラ最小熱ショックタンパク質70プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ヒトユビキチンC(UbC)プロモーター、ヒト成長ホルモンターミネータ、SV40又はアデノウイルスEIb領域ポリアデニル化シグナル及びKozakコンセンサス配列(Kozak, J Mol Biol., 196:947−50(1987))が含まれる。]
[0139] 例えば、ヒト定常領域に関して、抗体発現ベクターは、ヒトIgG1(ヒトCγ1)及びヒトκ定常領域(ヒトCκ)遺伝子及び免疫グロブリンH鎖エンハンサー要素を含み得る。ベクターは、細菌の複製基点及び選択マーカーも含有し得る。本分野において公知であるように、選択マーカーを場合によって含めることによって、所定の増殖条件下で選択及び増幅を可能とする。例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子はメトトレキサートを用いた哺乳動物細胞中での選択及び増幅を提供する。市販の哺乳動物発現ベクターから始まる抗体発現に適したベクターの構築は、当業者によって容易に達成することが可能である。本明細書に記載されているように、pBV、pJV及びpBOSベクターを含むベクター及び様々な中間的ベクターなどの様々なベクター並びにプラスミドを、抗体作製のために使用することができる。pBV、pJV及びpBOSベクターは、Abbott Bioresearch Center (Worcester, MA)から入手した。他の類似のプラスミド及びベクターは、市販されており及び/又は容易に構築される。]
[0140] 適切な宿主細胞中への発現構築物の導入は、所定の特異性の完全なキメラ抗体の産生をもたらす(例えば、Morrison, S. L. et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851−6855 (1984)参照)。重及び軽鎖コード配列は、別個のプラスミド上に個別に宿主種細胞中へ導入し、又は同じベクター上に一緒に導入することができる。]
[0141] 使用されるベクター系に応じて、多くの異なる不死化された細胞株が適切な宿主細胞としての役割を果たすことができ、これらには、骨髄腫(例えば、X63−Ag8.653)、ハイブリドーマ(例えば、Sp2/0−Ag14)、リンパ腫、昆虫細胞(例えば、sf9細胞)、ヒト胎児性腎臓細胞(例えば、HEK293)及びチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞が含まれるが、これらに限定されない。発現構築物は、リン酸カルシウム沈殿、プロトプラスト融合、リポフェクション、レトロウイルス由来のシャトルベクター及び電気穿孔などの(但し、これらに限定されない。)本分野において公知の様々な技術を用いて宿主細胞中に導入することができる。]
[0142] キメラ抗体及び抗体断片は、バキュロウイルス、酵母、細菌(イー・コリなど)などの(但し、これらに限定されない。)他の発現系中で及びウサギ赤血球網状赤血球可溶化液などの無細胞系中インビトロで作製することもできる。]
[0143] 組換え抗体は、例えば、クロスフローろ過、硫安沈殿、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、アフィニティークロマトグラフィー又はこれらの組み合わせなどの標準的な免疫グロブリン精製操作によって宿主細胞から単離され得る。]
[0144] あるいは、抗体断片は、慣用の酵素的方法によって精製された抗体調製物から作製することが可能であり、例えば、F(ab’)2断片は、完全な状態の抗体のペプシン切断によって作製することができ、Fab断片は、パパインで完全な状態の抗体を短時間消化することによって作製することができる。]
[0145] 少なくとも2つの異なる抗原に対して特異性を有する組換え二重特異的及びヘテロ連結抗体断片は、完全長抗体として又は抗体断片(F(ab’)2二重特異的抗体断片など)として調製することができる。3以上の価数(例えば、三価以上の価数の抗体断片)を有する抗体断片も想定される。二重特異的抗体、ヘテロ連結抗体及び多価抗体は、当業者に公知の標準的な方法によって調製することができる。]
[0146] 2.一価抗体
一価抗体は互いに架橋しない。1つの方法は、Ig軽鎖及び修飾された重鎖の組換え発現を含む。一般にFc領域中の何れかの点での重鎖末端切断は、重鎖架橋を妨げる。あるいは、適切なシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換され又は欠失され、ジスルフィド結合による架橋を妨げる。インビトロ法は、一価抗体を調製するのにも適している。抗体は、Fabなどの断片を作製するために消化することができる(Harlow and Lane,1988,上記;Harlow and Lane,1999,上記)。]
[0147] 3.ヒト化及びヒト抗体
TCAを結合する非ヒト抗体のヒト化された形態は、非ヒトIgに由来する最小配列を含有するキメラIg、Ig鎖又は断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の抗原結合配列など)である。]
[0148] 一般に、ヒト化抗体は、非ヒト源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「輸入」可変ドメインから通例採取される「輸入」残基としばしば称される。ヒト化は、げっ歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列で置換することによって達成される(Jones, P.T., et al.1986.Replacing the complementarity−determining regions in a human antibody with those from a mouse. Nature. 321:522−5; Riechmann, L., et al.1988.Reshapinghuman antibodies for therapy.Nature.332:323−7; Verhoeyen, M., et al.1988.Reshaping human antibodies:grafting an antilysozyme activity.Science.239:1534−6)。このような「ヒト化」抗体は、完全なヒト可変ドメインより大幅に少ないものが、非ヒト種由来の対応する配列によって置換されているキメラ抗体(Cabilly et al.,1989)である。実際に、典型的には、ヒト化抗体は、幾つかのCDR残基及びおそらくは幾つかのFR残基がげっ歯類抗体中の類似の部位から得られる残基によって置換されているヒト抗体である。ヒト化抗体には、レシピエントの相補性決定領域(CDR)に由来する残基が所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(マウス、ラット又はウサギなど)のCDR(ドナー抗体)から得られる残基によって置換されているヒトIg(レシピエント抗体)が含まれる。幾つかの例では、対応する非ヒト残基は、ヒトIgのFvフレームワーク残基を置換する。ヒト化抗体は、レシピエント抗体中にも、輸入されたCDR又はフレームワーク配列中にも見出されない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含有し、全てではなくてもCDR領域の殆どが非ヒトIgのものに対応し、全てではなくてもFR領域の殆どがヒトIgコンセンサス配列のものに対応している。最適には、ヒト化抗体は、Ig定常領域(Fc)、典型的には、ヒトIgのIg定常領域の少なくとも一部も含む(Jones et al, 1986; Presta, 1992; Riechmann et al, 1988)。]
[0149] ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom, H. R., et al 1991.Multi−subunit proteins on the surface of filamentous phage:methodologies for displaying antibody (Fab) heavy and light chains.Nucleic AcidsRes.19:4133−7; Marks, J. D., et al.1991.By−passing immunization.Human antibodies from V−gene libraries displayed on phage.J Mol Biol.222:581−97)及びヒトモノクローナル抗体(Boerner, P., et al.1991.Production of antigen−specific human monoclonal antibodies from in vitro−primed human splenocytes.J Immunol.147:86−95; Reisfeld, R.A., and S. Sell.1985.Monoclonal antibodies and cancer therapy:Proceedings of the Roche−UCLA symposium held in ParkCity, Utah, January 26−February 2, 1985. Alan R. Liss, New York.609 pp)などの、様々な技術を用いて作製することもできる。内在性Ig遺伝子が部分的に又は完全に不活化されたトランスジェニック動物中にヒトIg遺伝子を導入することが、ヒト抗体を合成するために活用することができる。攻撃誘発を行うと、ヒト抗体の産生が観察され、ヒト抗体の産生は、遺伝子再配置、集合及び抗体レパートリーなどのあらゆる点で、ヒトにおいて見られるものと極めて似通っている(Fishwild, D. M., et al.1996.High−avidity humanIgGkappa monoclonal antibodies from a novel strain of minilocus transgenic mice.Nat Biotechnol.14:845−51; Lonberg and Huszar, 1995; Lonberg et al, 1994; Marks et al, 1992; Lonberg, N., and R.M.Kay.米国特許第5569825号。1996; Lonberg, N., and R.M. Kay.米国特許第5633425号。1997a; Lonberg, N., and R.M. Kay.米国特許第5661016号。1997b; Lonberg, N., and R.M. Kay.米国特許第5625126号。1997c; Surani, A., et al.米国特許第5545807号。1996)。]
[0150] 3.二重特異的抗体
二重特異的モノクローナル抗体は、少なくとも2つの異なる抗原を結合する。例えば、結合特異性はTCAであり、その他は選択した任意の抗原に対する。]
[0151] 二重特異的抗体の組換え産生は、しばしば、2つのIg重鎖/軽鎖対(各々が異なる特異性を有する。)を同時発現させることによって達成される。得られたハイブリドーマ(クアドローマ)中でのこれらのIg重及び軽鎖の無作為な集まりは、10の異なる分子の潜在的混合物を与え、そのうち1つのみが所望の二重特異的構造を有する。所望の抗体は、アフィニティークロマトグラフィー又は他の技術を用いて精製することができる(Traunecker, A., et al.1991.Myeloma based expression system for production of large mammalian proteins.TrendsBiotechnol.9:109−13; Wabl, M., J. Berg, and E. Lotscher.WO93/08829。1993)。]
[0152] 二重特異的抗体を製造するために、所望の抗体−抗原結合部位を有する可変ドメインはIg定常ドメイン配列に融合される(Suresh, M.R., A. C. Cuello, and C. Milstein.1986.Bispecific monoclonal antibodies from hybrid hybridomas.MethodsEnzymol.121:210−28)。融合は、通常、ヒンジの少なくとも一部、CH2及びCH3領域の少なくとも一部を含むIg重鎖定常ドメインと行われる。軽鎖結合のために必要な部位を含有する第一の重鎖定常領域(CH1)は、融合の少なくとも1つの中に存在する。Ig重鎖融合及び所望であれば、Ig軽鎖をコードするDNAは、別個の発現ベクターの中に挿入され、適切な宿主生物中に同時形質移入される。]
[0153] 抗体分子の対間の界面は、組換え細胞培養から回収されるヘテロ二量体のパーセントを最大化するために改変することができる(Carter, P., L. et al.WO 96/27011.1996)。この方法において、第一の抗体分子の界面に由来する1つ以上の小さなアミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシン又はトリプトファン)と置換される。大きなアミノ酸側鎖をより小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニン又はスレオニン)と置換することによって、大きな側鎖と同一又は類似のサイズの補償的「空洞」が第二の抗体分子の界面上に作製される。この機構は、ホモ二量体などの望ましくない最終産物に対するヘテロ二量体の収率を増加させる。]
[0154] 二重特異的抗体は、完全長抗体又は抗体断片(例えば、Fab’2二重特異的抗体)として調製することができる。二重特異的抗体を作製するための1つの技術は、化学的連結を活用する。完全な抗体は、Fab’2断片を作製するためにタンパク分解的に切断され得る(Brennan, M., et al.1985.Preparation of bispecific antibodies by chemical recombination of monoclonal immunoglobulin G1 fragments.Science.229:81−3)。断片は、隣接するジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を抑制するために、亜ヒ酸ナトリウムなどのジチオール錯化剤を用いて還元される。次いで、生成されたFab’断片は、チオニトロベンゾアート(TNB)誘導体へ転化される。次いで、メルカプトエチルアミンでの還元によって、Fab’−TNB誘導体の1つはFab’−チオールへ再度転化され、二重特異的抗体を形成するために他のFab’−TNB誘導体の等モル濃度量と混合される。]
[0155] Fab’断片は、イー・コリから直接回収し、二重特異的抗体を形成するために化学的結合され得る。例えば、完全にヒト化された二重特異的Fab’2抗体を作製することができる(Shalaby, M.R., et al.1992.Development of humanized bispecific antibodies reactive with cytotoxic lymphocytes and tumor cells overexpressing theHER2 protooncogene.J Exp Med.175:217−25)。各Fab’断片はイー・コリから別個に分泌され、インビトロで化学的に直接結合され、二重特異的抗体を形成する。]
[0156] 組換え細胞培養から直接得られる二重特異的抗体断片を作製及び単離するための様々な技術も記載されている。例えば、ロイシンジッパーモチーフを使用することができる(Kostelny, S. A., et al.1992.Formation of a bispecific antibody by the use of leucine zippers.J Immunol.148:1547−53)。Fos及びJunポリペプチドから得られるペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結されている。抗体ホモ二量体は、単量体を形成するために、ヒンジ領域において還元され、次いで、抗体へテロ二量体を形成するために再酸化される。この方法は、抗体ホモ二量体を作製することもできる。「ダイアボディ」技術は、二重特異的抗体断片を作製するための別の方法を提供する(Holliger et al,1993)。断片は、同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能とするほど十分に短いリンカーによって、軽鎖VLに接続された重鎖VHからなる。1つの断片のVH及びVLドメインは、別の断片の相補的なVL及びVHドメインと強制的に対合され、2つの抗原結合部位を形成する。二重特異的抗体断片を作製するための別の戦略は、一本鎖Fv(sFv)二量体の使用である(Gruber, M., et al.1994.Efficient tumor cell lysis mediated by a bispecific single chain antibody expressed in Escherichia coli.J Immunol.152:5368−74)。三重特異的抗体などの3以上の価数を有する抗体も作製することができる(Tutt, A., et al.1991.Trispecific F(ab’)3 derivatives that use cooperative signaling via the TCR/CD3 complex and CD2 to activate and redirect resting cytotoxic T cells.J Immunol.147:60−9)。典型的な二重特異的抗体は、所定のTCA上の2つの異なるエピトープに結合することができる。]
[0157] H.組換え抗体の検査
組換え抗体が標的T.cruzi抗原に特異的に結合する能力は、標準的な免疫学的技術によって評価することができる(例えば、Current Protocols in Immunology, Coligan, J.E., et al.(ed.), J. Wiley & Sons, New York, NY参照)。例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素イムノアッセイ(EIA又はELISA)による。本開示の一実施形態において、組換え抗体は、抗原結合ドメインが由来するモノクローナル抗体と実質的に同じ特異性を示す。]
权利要求:

請求項1
T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する1つ以上の抗体を含む免疫診断試薬であって、前記1つ以上の抗体は、FP3、Pep2、FP10及びFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドに対して特異的な抗体からなる群から選択される、免疫診断試薬。
請求項2
免疫診断試薬が前記抗体の2つ以上を含む、請求項1に記載の免疫診断試薬。
請求項3
免疫診断試薬が(a)T.cruziポリペプチドがFRAであり、並びにさらに、抗体が約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(b)T.cruziポリペプチドがPep2であり、並びにさらに、抗体が約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(c)T.cruziポリペプチドがFP10であり、並びにさらに、抗体が(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(d)T.cruziポリペプチドがFP3であり、並びにさらに、抗体が約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;並びに(e)(a)から(d)の任意の組み合わせからなる群から選択される抗体を含む、請求項1から2の何れかに記載の免疫診断試薬。
請求項4
前記抗体がキメラ抗体である、請求項1から3の何れかに記載の免疫診断試薬。
請求項5
免疫診断試薬が(a)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(b)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(c)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(d)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(e)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(f)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(g)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(h)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(i)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(j)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(k)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(l)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(m)配列番号2に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(n)配列番号4に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(o)配列番号6に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;及び(p)配列番号8に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体からなる群から選択されるキメラ抗体を含む、請求項1から4の何れかに記載の免疫診断試薬。
請求項6
前記キメラ抗体が(1)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;及び(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;からなる群から選択されるVH領域:(2)(a)配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;及び(d)配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;からなる群から選択されるVL領域:又は(3)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;並びに(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域からなる群から選択されるVH領域及びVL領域:を含む、請求項5に記載の免疫診断試薬。
請求項7
前記キメラ抗体が、(a)アメリカ培養細胞系統保存機関に寄託され並びにPTA−8136、PTA−8138及びPTA−8140からなる群から選択される細胞株によって発現されるキメラ抗体;又は(b)アメリカ培養細胞系統保存機関に寄託され並びにPTA−8137、PTA−8139、PTA−8141及びPTA−8142からなる群から選択される細胞株によって発現されるキメラ抗体;と実質的に同一である、請求項6に記載の免疫診断試薬。
請求項8
免疫診断試薬が検出試薬、標準化試薬及び陽性対照試薬からなる群から選択される試薬である、請求項1から8の何れかに記載の免疫診断試薬。
請求項9
FP3、Pep2、FP10及びFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体。
請求項10
抗体が(a)T.cruziポリペプチドがFRAであり、並びにさらに、抗体が約7.0×105M−1s−1から約7.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約4.0×10−3s−1から約3.0×10−1s−1の間の解離速度定数(kd)及び約5.7×10−10Mから約4.3×10−7Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(b)T.cruziポリペプチドがPep2であり、並びにさらに、前記抗体が約1.0×106M−1s−1から約8.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約6.0×10−3s−1から約4.0×10−2s−1の間の解離速度定数(kd)及び約7.5×10−10Mから約4.0×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(c)T.cruziポリペプチドがFP10であり、並びにさらに、抗体が(a)約5.0×104M−1s−1から約3.0×105M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、(b)約1.0×10−4s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び(c)約3.3×10−10Mから約1.6×10−8Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;(d)T.cruziポリペプチドがFP3であり、並びにさらに、抗体が約2.0×105M−1s−1から約6.0×106M−1s−1の間の会合速度定数(ka)、約2.0×10−5s−1から約8.0×10−4s−1の間の解離速度定数(kd)及び約3.3×10−12Mから約4.0×10−9Mの間の平衡解離定数(KD)からなる群から選択される少なくとも1つの結合定数を有する、T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合する抗体;並びに(e)(a)から(d)の任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の抗体。
請求項11
抗体がキメラ抗体である、請求項9又は10の抗体。
請求項12
(a)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(b)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(c)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(d)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(e)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(f)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(g)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(h)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(i)配列番号2に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(j)配列番号4に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(k)配列番号6に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;及び(l)配列番号8に記載されているアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;からなる群から選択される、請求項11に記載のキメラ抗体。
請求項13
キメラ抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv抗体、アフィニティー成熟された抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv及び抗イディオタイプ抗体又はこれらの断片からなる群から選択される1つである、請求項9から12のキメラ抗体。
請求項14
抗体がモノクローナルである、請求項9から13のキメラ抗体。
請求項15
キメラ抗体が(a)アメリカ培養細胞系統保存機関に寄託され並びにPTA−8136、PTA−8138及びPTA−8140からなる群から選択される細胞株によって発現されるキメラ抗体;又は(b)アメリカ培養細胞系統保存機関に寄託され並びにPTA−8137、PTA−8139、PTA−8141及びPTA−8142からなる群から選択される細胞株によって発現される抗体;と実質的に同一である、請求項9から14のキメラ抗体。
請求項16
T.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体を発現する細胞株であって、前記細胞株は、アメリカ培養細胞系統保存機関に寄託され並びにPTA−8136、PTA−8138及びPTA−8140からなる群から選択される細胞株からなる群から選択される、細胞株。
請求項17
請求項1に記載の免疫診断試薬を感度パネルとして使用することを含む、T.cruzi検出アッセイを標準化する方法。
請求項18
T.cruzi抗原を検出するための方法であって、(a)キメラ抗体:抗原複合体の形成を可能とする条件下で、T.cruzi抗原を含有すると疑われる検査試料を請求項4に記載の免疫診断試薬と接触させる工程;及び(b)前記T.cruzi抗原の存在の指標として形成された何れかのキメラ抗体:抗原複合体を検出する工程を含む、方法。
請求項19
キメラ抗体が検出可能な標識を含む、請求項18の方法。
請求項20
抗体:抗原複合体が二次抗体又はその断片と接触され、前記二次抗体又はその断片が検出可能な標識を含む、請求項18の方法。
請求項21
T.cruzi抗体を検出するための方法であって、(a)抗原:抗体複合体の形成を可能とする条件下で、T.cruzi抗体を含有すると疑われる検査試料を、T.cruzi抗体に対して特異的な1つ以上のT.cruzi抗原と接触させる工程、及び(b)前記T.cruzi抗原の存在を示唆するものとして形成された何れかの抗原:抗体複合体を検出する工程を含み請求項4に記載の免疫診断試薬は、陽性対照又は標準化試薬として、前記方法において使用される、方法。
請求項22
請求項1の免疫診断試薬を含む、T.cruziを検出するための診断キット。
請求項23
FP3、Pep2、FP10及びFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体の一部を含む単離されたポリペプチド。
請求項24
前記キメラ抗体が(a)配列番号2に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(b)配列番号4に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(c)配列番号6に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;及び(d)配列番号8に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体からなる群から選択される、請求項23に記載の単離されたポリペプチド。
請求項25
ポリペプチドが(1)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;及び(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;からなる群から選択されるVH領域:(2)(a)配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;及び(d)配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;からなる群から選択されるVL領域:又は(3)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;並びに(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域からなる群から選択されるVH領域及びVL領域:を含む、請求項24に記載の単離されたポリペプチド。
請求項26
FP3、Pep2、FP10及びFRAポリペプチドによって構成されるT.cruziポリペプチドからなる群から選択されるT.cruziポリペプチドの診断的に適切な領域に特異的に結合するキメラ抗体の一部をコードする単離されたポリヌクレオチド。
請求項27
前記キメラ抗体が(a)配列番号2に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(b)配列番号4に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;(c)配列番号6に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体;及び(d)配列番号8に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列によって構成されるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体からなる群から選択される、請求項26に記載の単離されたポリヌクレオチド。
請求項28
ポリペプチドが(1)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;及び(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域;からなる群から選択されるVH領域:(2)(a)配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;及び(d)配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;からなる群から選択されるVL領域:(3)(a)配列番号10に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号12に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号14に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号16に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号18に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号20に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域;並びに(d)配列番号28に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号26に記載されている配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むVL領域からなる群から選択されるVH領域及びVL領域:を含む、請求項26に記載の単離されたポリヌクレオチド。
請求項29
配列番号1、3、5又は7に記載されているアミノ酸によって含まれるT.cruziアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するT.cruziアミノ酸配列を含む抗原を精製する方法であって、(a)キメラ抗体:抗原複合体の形成を可能とする条件下で、T.cruziポリペプチドを含有すると疑われる試料を請求項1に記載の免疫診断試薬と接触させること;(b)形成されたキメラ抗体:抗原複合体を単離すること;及び(c)抗体から抗原を分離すること;を含む、方法。
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