極度に疎水性の表面を製造する方法
专利摘要:
本発明は、疎水性の表面を材料上につくり出すための方法と装置に関する。本発明は、構造化しようとする表面に向けて、表面を構造化する粒子スプレーを、表面を構造化するように導くこと;及び構造化された表面を疎水性材料でコーティングすること;を含む。本発明によれば、所定のサイズd2より大きい粒子が、1つ以上のインパクションノズル(7,11)によって粒子スプレーから分離され、これらの粒子が、構造化しようとする表面(9)に向けて、該粒子が構造化しようとする表面(9)と衝突して、これにより表面上に構造物がつくり出されるように導かれる。次いで、構造化された表面が出発物質の交互表面反応にて処理されるという気体デポジション法によって、構造化された表面がコーティングされる。 公开号:JP2011506764A 申请号:JP2010537479 申请日:2008-12-09 公开日:2011-03-03 发明作者:カウッピネン,ユハ;マケラ,ミルヤ;ラヤラ,マルック 申请人:ベネク・オサケユキテュア; IPC主号:C23C16-02
专利说明:
[0001] 本発明は、請求項1の前文に記載の、極度に疎水性の表面を製造する方法、より特定的には、ある材料上に極度に疎水性の表面を製造する方法に関する。該方法は、構造化しようとする表面に向けて該表面を構造化する粒子スプレーを、該表面を構造化するように導くこと、及び構造化された表面を疎水性材料でコーティングすることを含む。本発明はさらに、請求項17の前文に記載の、極度に疎水性の表面を製造するための装置、より特定的には、材料上に極度に疎水性の表面を製造するための装置に関する。該装置は、構造化しようとするある表面に向けて粒子スプレーを、表面を構造化するように導くための装置、及び構造化された表面をコーティングするための手段を含む。] 背景技術 [0002] 幾つかの製品の特性に関して、表面の構造が重要な役割を果たす。公知の例としては、互いに20〜40μmの距離をおいた隆起が表面に設けられることから、そしてさらに、表面全体が200〜2000nmのサイズのワックス結晶を含有することから、疎水性の表面が極度に疎水性の表面に変換される、というロータス表面がある。最も一般的には、表面のミクロ/ナノ構造を変化させることによって、最初は親水性又は疎水性の表面を、極度に親水性又は極度に疎水性の表面に変換できる、ということができる。極度に親水性及び/又は極度に疎水性の表面は、自浄性表面又は簡単には汚れにくい表面を製造する場合に経済的に重要である。] [0003] 本明細書において、超疎水性表面は、水滴の接触角が120°より大きい表面と定義される。 1967年9月21日付け公告の米国特許第3,354,022号(デュポン社)に開示された撥水性表面の場合、その撥水性は、互いに1000μm以下の平均距離にて配置されていて、平均距離の1/2以上の高さを有する隆起が設けられた表面に基づいている。] [0004] 2004年9月2日付け公告の米国特許第6,811,856B2号(Creavis Gesellschaft fur Technologie und Innovation GmbH)に開示された自浄性は、表面に貼り付けた粒子によって生じる表面上での高さの差により作り出される疎水性の表面構造を有する。粒子のサイズは20〜500nmである。] [0005] 自浄性に加えて、疎水性表面は、特に流路の流れ抵抗を減少させようとするときに、流体工学において重要である。2005年2月8日付け公告の米国特許第6,852,390B2号(エンテグリス社)は、均一に形づくられた、表面からのマイクロスケールの差又はナノスケールの差によってもたらされる極超疎水性表面を開示している。Jia Ou,Blair Pert & Jonathan P.Rothstein 著,“Laminar drag reduction in microchannels using ultrahydrophobic surfaces,”フィジックス・オブ・フルーイド(Physics of Fluids)、第16巻、第12号(2004年12月),4635−4643頁、には、流路の表面が均一なマイクロスケール構造を有するならば、層状流路の流れ抵抗を大幅に減少させることができる、ということが示されている。] [0006] 自浄性表面は、例えば窓において経済的に極めて重要である。2006年2月14日付け公告の米国特許第6,997,018B2号(フェロー社)は、ガラスの表面をマイクロ構造化及びナノ構造化する方法を開示している。この方法は、ガラス物品の温度が700〜1200℃の範囲であるときに、400nm未満の直径を有する無機粒子をガラスの表面に貼り付けることに基づいている。] [0007] 表面は、均一に構造化することもできるし、あるいは不均一に(すなわちランダムに)構造化することもできる。実際、ランダムに構造化された表面は、製造する上で、比較的費用がかからないので、より適切である。マイクロ構造物とナノ構造物は、幾つかの方法 〔例えば、リソグラフィー、エッチング、マイクロスタンピング、化学蒸着(CVD)、及び物理蒸着(PHD)〕によって表面上に製造されている。] [0008] 2001年10月30日付け公告の米国特許第6,309,798B1号(Studiengesellschaft Kohle mbH)は、表面をナノ構造化するためのリソグラフィー法を開示している。リソグラフィー法は多面的な表面処理を必要とし、したがって広い表面を構造化するための有利な方法ではない。] [0009] 2002年10月22日付け公告の米国特許第6,468,916B2号(サムスンSDI社)は、ナノサイズの表面構造を作製する方法を開示している。この方法は、マイクロ構造物を作製すること;マイクロ構造化された表面の上に炭素ポリマーをデポジットさせること;第1のプラズマエッチングプロセスを施すこと;マスク層を作製すること;及び第2の反応性エッチングを施すこと;を含む。この方法はさらに、多面的な表面プロセシングを必要とし、したがって広い表面を構造化するための有利な方法ではない。] [0010] ガラスの表面を構造化するための、米国特許第6,997,018号に記載の方法は、広い表面に対する有用な構造化方法であるが、700℃より高い温度でのガラス質表面の構造化に限定される。] [0011] 先行技術の方法は、材料の広い表面上に極度に疎水性の表面をもたらすことができない。さらに、公知の方法と装置は、制御された調整可能な方法で極度に疎水性の表面をもたらすことができず、このため工業規模の製造において使用できない。したがって、広くて光学的に完全な表面を構造化する上で有用且つ有利であるような方法が求められている。] [0012] 米国特許第3,354,022号明細書 米国特許第6,811,856号明細書 米国特許第6,852,390号明細書 米国特許第6,997,018号明細書 米国特許第6,309,798号明細書 米国特許第6,468,916号明細書] 先行技術 [0013] フィジックス・オブ・フルーイド(Physics of Fluids)、第16巻、第12号(2004年12月)、p.4635−4643] 発明が解決しようとする課題 [0014] 本発明の目的は、上記問題の解決を可能にする方法、及び上記問題の解決を可能にするように前記方法を実施する装置を提供することである。] 課題を解決するための手段 [0015] 本発明の目的は、請求項1の特徴的部分に従った方法によって達成される。該方法は、1つ以上のインパクションノズルによって、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離し、構造化しようとする表面に向けてこれらの粒子を、粒子が構造化しようとする表面と衝突して、その上に構造物を生じるように導く工程;及び、構造化された表面を出発物質の交互表面反応によって処理するという気体デポジション法を使用することによって、構造化された表面をコーティングする工程;を少なくとも含むことを特徴とする。] [0016] 本発明の目的はさらに、請求項15の特徴的部分に従った装置によって達成される。該装置は、構造化しようとする表面に向けて粒子スプレーを導くための装置が、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離するための1つ以上のインパクションノズルを含むこと;及び、該装置がさらに、構造化された表面を出発物質の交互表面反応によって処理するための気体デポジション手段を含むこと;を特徴とする。] [0017] 本発明の好ましい実施態様が従属クレームに開示されている。 本発明によれば、最初に、インパクターによって直径d1より大きい粒子を粒子G0の群から分離することができる。次いで、この粒子群を、後続するインパクターノズルを通して導き、直径d2より大きい粒子を、改質しようとする表面と衝突させる。すると、これらの粒子により、そのサイズが直径d1とd2に依存する構造物が表面につくり出される。粒子d2によって表面上につくり出された構造物は、少なくともナノ構造物であるが、ナノ構造物とマイクロ構造物の両方を含んでよい。さらに、インパクターによって、同じ粒子群から直径d3より大きい粒子を分離することができ、その後さらに、直径d4より大きい(<d3)粒子を分離し、後続するインパクションノズルを通して導き、改質しようとする表面と衝突させる。したがって、これらの粒子により、そのサイズが直径d3とd4に依存し、そのスケールが直径d1とd2に依存する構造物のスケールより小さい構造物が表面につくり出される。構造物は、ムービングウェブの表面上につくり出すのが好ましい(ムービングウェブは、同じプロセス中に同じ表面上に異なったスケールの構造物をつくり出すことができる)。当業者にとっては明らかなことであるが、この方法による構造化は、3以上のフェーズでつくり出すこともでき、また直径d2とd3はサイズが等しくてもよい。上記によれば、本発明の方法は、構造化しようとする表面上に、最初にマイクロ構造物を、そして引き続きナノ構造物をつくり出すことができる。これは、構造化しようとする表面とある特定の時点で衝突する粒子のサイズを適切に選択することによって達成される。このようなケースにおいては、第1のインパクションノズルを使用して、所定のサイズd2より大きい粒子を粒子スプレーから分離し、構造化しようとする表面にこれらの粒子が衝突して、表面上に実質的にマイクロ構造物を装着する(wear)ように、これらの粒子を構造化しようとする表面に向けて導き、そして第2のインパクションノズルを使用して、所定のサイズd4(d4<d2)より大きい粒子を粒子スプレーから分離し、構造化しようとする表面にこれらの粒子が衝突して、表面上に実質的にナノ構造物を装着するように、これらの粒子を構造化しようとする表面に向けて導く。言い換えると、本発明による装置と方法においては、第1のインパクションノズルにおいて粒子スプレーからより粗い分布がもたらされ、そこから例えばサイズd2より小さい粒子が、より細かい粒子分布をもたらすのに使用される後続のインパクションノズルに導かれるように、インパクションノズルを直列に配置することができる。] [0018] 本発明の方法によれば、一般には1〜1000μmのスケールを有するマイクロ構造物、及び/又は、一般には1〜1000nmのスケールを有するナノ構造物を表面にもたらすことができる。本発明の方法においては、構造化しようとする表面と衝突する粒子が、表面上に構造物を装着するか(このケースでは、構造化しようとする表面にいったん粒子が衝突すると、粒子はこの表面から跳ね返る)、あるいはこれとは別に、構造化しようとする表面と衝突する粒子の少なくとも一部が表面に貼りつき、構造化しようとする表面上に構造物がデポジットされる。さらに留意しておかねばならないことは、場合によっては、構造化しようとする表面の装着と堆積とが少なくとも部分的には同時に起きてよい、という点である。表面構造化が装着によって起こるのか、それとも堆積によって起こるのかは、主として表面物質の種類に依存し、二次的には使用される粒子の特性(例えば、粒子の運動量とサイズ)に依存する。] [0019] 構造化後、構造化された表面を有する物品を気体デポジション装置(例えば原子層デポジション装置)中に配置し、ここで構造化表面上に疎水性コーティングがデポジットされるよう、構造化表面を出発物質の交互表面反応によって処理する。表面の構造とコーティングの疎水性との組み合わせ効果により、最終的な表面は極度に疎水性となる。] [0020] 本発明による装置は、物品の製造若しくは加工プロセスにおいて統合されているのが好ましい(例えば、フロートガラス製造装置、板ガラス焼き戻し装置、シートメタルの製造装置若しくは加工装置、プラスチックフィルムのローラー対ローラー(roller-to-roller)加工装置、プラスチック製品押出プロセス、又はセラミックタイル製造プロセス等)。当業者には明らかなことであるが、これらは、装置を統合する好ましい態様の例にすぎず、これらの例によって、他の用途における本発明の装置の使用が限定されることはない。] [0021] 本発明の方法と本発明の方法を実施するための装置は、極度に疎水性の表面を、制御された調節可能な仕方でつくり出すのを可能にする。本発明はさらに、極度に疎水性の表面を広い表面上につくり出すことを可能にし、したがって極度に疎水性の表面を工業規模でつくり出すことを可能にする。] [0022] 本発明を、好ましい実施態様と関連させて、添付の図面を参照しつつより詳細に説明する。] 図面の簡単な説明 [0023] 図1は、本発明の1つの実施態様を示しており、本発明に従って表面を構造化する方法を図示している。 図2は、本発明の他の実施態様において、表面を構造化する前に、極めて小さな粒子がエアロゾルから除去される様子を示している。 図3は、表面をALDコーティングした後の、構造化表面の疎水性を示す。] 図1 図2 図3 実施例 [0024] 図1は、本発明の方法の実施態様による一段式構造化装置1の断面概略図を示しており、図は本発明の方法を図示している。装置1は、粒子3を含有するエアロゾルを装置1中に供給するための手段2、チャンバー4中のエアロゾルの圧力を制御するための手段(図示せず)、インパクションノズル5、コレクター基板6、エアロゾルを別のインパクションノズル7に移送するための手段、エアロゾルを構造化しようとする表面9に移送するための手段8、エアロゾルを構造化しようとする表面9から離して移送するための手段10、及びエアロゾル排出流路の圧力を制御するための手段(図示せず)を含むのが好ましい。極めて単純な例では、エアロゾルの流量が圧力コントロールとして機能することがあるが、必要な場合には、圧力をチャンバー4中の標準大気圧より高くすることができ、及び/又は、エアロゾル排出流路10が標準大気圧より低い圧力を有してもよい。粒子3を含むエアロゾルを装置のチャンバー4に供給し、エアロゾルが第1のインパクションノズル5を通して導かれる。コレクター基板6は、流れ方向において第1のインパクションノズル5の後方に配置されており、この基板上に、サイズd1より大きい粒子が捕捉/貼付されると同時に、サイズd1より小さい粒子が、所定のサイズd2より大きい粒子を粒子スプレーから分離することを可能にする第2のインパクションノズル7に送られ、これらの粒子が、構造化しようとする表面9と衝突するよう、構造化しようとする表面9に移送される。インパクションノズルの操作は一般に、インパクションノズルのノズルギャップを通過する粒子の速度が、粒子の特性及びノズルギャップの寸法と特性に応じて加速され、これにより粒子が、ノズルギャップを通過しながらある特定の運動量を得る、という事実に基づいている。ノズルの下流側に基板が供給され、この基板にインパクションノズルからの粒子スプレーが導かれると、十分な運動エネルギーを有する粒子が基板の表面と衝突する一方で、十分な運動量をもたない粒子が、表面と衝突しないように、基板の表面から離れるように導かれる。したがって、所定のサイズDより大きい粒子が、基板と衝突するのに十分な運動量を得るのに対して、前記サイズDより小さい粒子は基板と衝突しない。] 図1 [0025] 当業者には明らかなことであるが、装置1に供給されるエアロゾルが、サイズd1より大きい粒子を含有しない場合は、インパクションノズル5とコレクター基板6を装置1から除いてよい。] [0026] 装置1に供給されるエアロゾルは、形状が任意であってよい粒子3を含有する。粒子の形状が球状ではなく、粒子の表面にエッジ等がついているのが好ましい。 本願に記載の数式は、William C.Hinds著、「エアロゾルの技術、性質、挙動及び浮遊粒子の測定」 (“Aerosol Technology,Properties,Behavior,and Measurement of Airborne Particles”)、第2版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(1999年)から引用した。] [0027] インパクションノズル5のギャップの幅は、サイズd1より大きい粒子をコレクター基板6上に収集するための本質的なパラメーターである。コレクター基板6の収集効率Efはストークス数(Stk)に依存し、ストークス数は、式] [0028] (式中、τは緩和時間であり;Uは気体速度であり;Hは、インパクションノズル6のギャップの幅であり;ρpは粒子密度であり;dpは粒径であり;Ccはカニンガム補正係数であり;ηは粘度である。)に従ってインパクションノズルの矩形ギャップに関して決定される。気体速度Uは、チャンバー4と排出流路10の圧力によって実質的に影響を受ける。] [0029] 粒子が球状でない場合、式1の粒径は、動的サイズ因子χ(一般には1〜2の範囲である)によって補正しなければならない。 粒子サイズd1より小さい粒子がインパクションノズル7に進み、そこで粒子の速度が加速され、サイズd2より大きい粒子が、構造化しようとする表面9と衝突する。本発明の方法の目的は、構造化しようとする表面9と衝突した粒子が表面9から跳ね返り、表面9上に痕跡を残して、この痕跡が表面を構造化するか、あるいはこれとは別に、衝突した粒子が表面9に貼りつき、表面上に構造物をデポジットする、ということである。粒子が表面から跳ね返るという現象は、粒子がより大きくて粒子速度がより高い場合に、そして粒子が硬質材料からなる場合により起こりやすい。表面9を装着するためには、酸化物粒子(例えば酸化アルミニウム)、炭化物粒子(例えば炭化ケイ素)、又は窒化物粒子(例えば窒化ホウ素)を装置1に対する粒子として使用するのが好ましい。さらに、表面からの粒子の跳ね返りは、構造化しようとする表面の材料と初期構造によって影響され、この方法は、平滑で硬質で清浄な表面(例えば、ガラスや金属の表面)を構造化するときに使用するのが最も好ましい。したがって、構造化しようとする表面と衝突する粒子が、構造化しようとする表面上に少なくともナノ構造物をつくり出す。言い換えると、本発明においては、構造化しようとする表面にさらなる材料を供給することによって、あるいは構造化しようとする表面から材料を除去することによって、あるいは構造化しようとする表面に粒子を衝突させることで構造化しようとする表面を改質することによってナノ構造物がつくり出される。] [0030] 粒子速度が臨界速度Vcを超えなければ、粒子の跳ね返りは起こらず、臨界速度は式] [0031] 〔式中、βは、使用される材料(粒子及び表面)と形状に依存し、一般には1×10−6m2/s〜100×10−6m2/sの範囲の定数であり、daは粒子の空気動力学的直径である。〕によって定義される。] [0032] 図2は、本発明の他の実施態様に従った一段式構造化装置1の断面概略図を示している。装置1は、粒子3を含有するエアロゾルを装置1中に供給するための手段2、チャンバー4中のエアロゾルの圧力を制御するための手段(図面には圧力制御手段は示されていない)、サイズd2より小さい粒子とサイズd2より大きい粒子を分離するバーチャルインパクター11、サイズd2より小さい粒子を装置12から離して移送するための手段、エアロゾルを構造化しようとする表面9に移送するための手段8、エアロゾルを構造化しようとする表面9から離して移送するための手段10、及びエアロゾル排出流路の圧力を制御するための手段(図示せず)を含むのが好ましい。極めて単純な例では、エアロゾルの流量が圧力コントロールとして機能する場合があるが、必要に応じて、圧力をチャンバー4中の標準空気圧より高く増大させることができ、及び/又は、エアロゾル排出流路10が標準空気圧より低い圧力を有することがあり得る。この実施態様による装置は、粒子サイズd2より小さい粒子が、構造化しようとする表面9と衝突する前に、これらの粒子を気体流から除くことができる、という利点をもたらす。気体流の大部分が流路12に進むので、粒子の速度を増大させるためにバーチャルインパクターのアウトプット13が抑えられる。全ての実施態様において、粒子の速度は、例えば、電界若しくは他の手段によって、インパクションノズルの後で、追加の気体流を供給することによって増大させることもできる。] 図2 [0033] 本発明の方法によって室温のガラス表面若しくはアルミニウム表面上につくり出そうとする構造物を例として検討した。25mmの直径を有する球状ピースを、アルミニウム箔からパンチング装置によって製造し、これらのピースをインパクター(ELPI)(Dekati Oy社製)中に、30nm〜10μmのサイズ範囲の種々のインパクターのレベルで装入した。さらに、同じインパクターに、標準的なコレクター基板の代わりにオーダーメイドのコレクター基板を取り付け、このコレクター基板にソーダガラスで造った球状ピースを据え付けた。フィンランド特許第98832号に従って、液体フレームスプレー装置によってナノサイズの酸化アルミニウム粒子(Al2O3)を生成させた。液体フレームスプレー装置では、64gの硝酸アルミニウムを76gのメタノール中に溶解して得られる原料溶液を使用した。この溶液を液体フレームスプレー装置に17ml/分の速度で供給した。同様に、フレームを生成させるために、液体フレームスプレー装置に水素を50ml/分の体積流量で、そして酸素を25リットル/分の体積流量で供給した。原料溶液が液体フレームスプレー装置中において蒸発・気化し、小さなアルミニウム粒子が生成した。収集距離が、液体フレームスプレー装置のノズルの前面から100mmであるときに、粒子の一部が前記インパクター中に収集された。最初の測定において、粒子のサイズ分布のピークを求めた(ピークは約110nmで一定となった)。測定において使用したアルミニウム基板を回収してSEMの測定に供した。次いで、オーダーメイドの基板とガラスサンプルを、サイズ分布のピークにセッティングしてあるインパクターに配置し、全く同じサンプルをインパクターに通した。通した後、サンプルを食器用洗剤と水で洗浄した。次いでサンプルを走査型電子顕微鏡によって分析した(倍率は60,000倍、加速電圧は10kV)。この試験によれば、この例に従ったパラメーターを使用すると、本発明の方法は、ガラスの表面に長さが約100nmで厚さが数ナノメートルのスクラッチを生じさせる、ということが観察された。ナノサイズの粒子は、ガラスの表面に実質的に貼り付かなかった。この試験によれば、この方法によって処理されたアルミニウム表面においては、生じた粒子が比較的軟らかなアルミニウム表面としっかり衝突し、これによりアルミニウム表面上にナノ構造物がつくり出される、ということが観察された。言い換えると、粒子がアルミニウム表面に貼り付けられ、表面上に構造物がデポジットされる。] [0034] 上記実施態様に開示の溶液は互いに組み合わせることができ、異なった寸法の装置を、第1の装置が表面上にマイクロ構造物をつくり出し、そして第2の装置がマイクロ構造物の上にナノ構造物をつくり出すように、直列につなぐことができる。本発明の方法と装置は、使用される粒子のサイズ、及び/又は、構造化しようとする表面に向けて導かれる粒子のサイズに制約を受けることはない。なぜなら、衝突する粒子によって起こる、構造化しようとする表面における装着、あるいは表面上にデポジットされる構造物は、粒子の材質と特性だけでなく、構造化しようとする表面の材質と特性に依存するからである。したがって、構造化しようとするそれぞれの表面上にもたらされる構造物は、表面と衝突する粒子の特性と、構造化しようとする表面自体の特性との組み合わせ効果の結果によるものである。] [0035] 構造化の後、表面を気体デポジション法によってコーティングし、このとき構造化表面を出発物質の交互表面反応によって処理する。こうした気体デポジション法は原子層デポジション法である。疎水性コーティングは、例えば、アルミニウム化合物−フッ素化合物プロセス〔例えばTMA(トリメチルアミン)/フルオロアルキルシランプロセス〕を通して原子層デポジション(ALD)法によって作製することができる。このプロセスでは、反応チャンバー(Beneq TFS500 ALD−反応器)の温度は70℃であり、出発物質の温度は、フルオロアルコルシラン〔CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3〕の場合が50℃、TMAの場合が20℃、そして水の場合が20℃であった。このプロセスのサイクルは以下のとおりであった: ・H2Oパルス60秒 ・N2フラッシングパルス60.5秒 ・TMAパルス250ミリ秒、N2フラッシングパルス5.5秒、H2Oパルス250ミリ秒、N2フラッシングパルス5.5秒を含んでなる20サイクル ・TMAパルス2秒 ・N2フラッシングパルス500ミリ秒 ・フルオロアルキルシランパルス20分 ・N2フラッシングパルス500ミリ秒 コーティングの後、物品は、本発明の方法によって作製された極度に疎水性の表面を有する。] [0036] コーティング後の物品の疎水性は、表面上に水滴を置くことによって実証することができる。図3は、表面に対する小滴の接触角が、表面が極度に疎水性であるような角度であることを示している。] 図3 [0037] 本発明の方法と装置は、ガラスの表面が十分に硬いときに装着することによって、ガラスの表面を構造化するのに使用することができる。この条件は、ガラスの温度が冷却下限より低い場合に満たされる(例えば、ソーダガラスの場合は490℃未満である)。したがって本発明の装置は、ガラスの温度が当該冷却下限より低い場合に、ガラス製造ライン(フロートライン)中に、又はガラス加工ラインのある個所に組み込むことができる。留意しておかなければならないことは、ガラスの表面が軟らかい場合(この条件は、ガラスの温度が冷却限界より高い場合に満たされる)、本発明の方法は、(硬質ガラスの場合のように)表面装着効果によるのではなく、ナノ材料デポジション効果によって生み出される構造を有するガラスの表面を得るために使用することができる、という点である。] [0038] 本発明の方法はさらに、例えば指紋をはねのける、金属表面に代わるナノ構造化表面を作製する際に、例えば金属の表面を構造化するのに使用するのが好ましい。 当業者には言うまでもないことであるが、本発明の基本的な考え方は、技術が進歩するにつれて異なった多くのやり方にて実施することができる。したがって、本発明とその実施態様は上記の実施例に限定されず、請求の範囲内で変更されてよい。] [0039] 1.装置 2.エアロゾル供給手段 3.粒子 4.チャンバー 5.インパクションノズル 6.コレクター基板 7.インパクションノズル 8.エアロゾル移送手段 9.構造化しようとする表面 10.エアロゾル排出路 11.インパクションノズル 12.装置 13.アウトプット]
权利要求:
請求項1 構造化しようとする表面に向けて、該表面を構造化する粒子スプレーを、該表面を構造化するように導くこと;及び構造化された表面を疎水性材料でコーティングすること;を含む、120度より大きい接触角を有する極度に疎水性の表面を材料上に製造する方法であって、該方法が、1つ以上のインパクションノズル(7,11)によって、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離し、構造化しようとする表面(9)に、これらの粒子を、粒子が構造化しようとする表面(9)と衝突して、その上に構造物をもたらすように導く工程;及び、構造化された表面を出発物質の交互表面反応によって処理するという気体デポジション法によって、構造化された表面をコーティングする工程;を少なくとも含むことを特徴とする、上記方法。 請求項2 構造化された表面を原子層デポジション(ALD)法によってコーティングすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 請求項3 気体デポジション法若しくは原子層デポジション法によってデポジットさせようとするコーティング剤の出発物質として、少なくともアルミニウム化合物とフッ素化合物とを使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 請求項4 フッ素化合物の原料がフルオロアルキルシランであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。 請求項5 1つ以上のインパクションノズル(7,11)によって、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離し、構造化しようとする表面(9)に向けて、これらの粒子を、粒子が構造化しようとする表面(9)と衝突して1〜1000nmのスケールのナノ構造物及び/又は1〜1000μmのスケールのマイクロ構造物をもたらすように導くことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 請求項6 所定のサイズd2より大きい粒子を、構造化しようとする表面(9)に向けて、該表面上に構造物が装着されるように導くことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 請求項7 所定のサイズd2より大きい粒子を、構造化しようとする表面(9)に向けて、粒子の少なくとも一部が構造化しようとする表面(9)に貼り付くことによって該表面上に構造物がデポジットされるように、導くことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 請求項8 サイズd2を超える所定のサイズd1より大きい粒子を粒子スプレーから分離してから、サイズd2より大きい粒子を粒子スプレーから分離することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 請求項9 所定のサイズd2より小さい粒子を粒子スプレーから分離してから、サイズd2より大きい粒子が構造化しようとする表面と衝突することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 サイズd2より小さい粒子をバーチャルインパクターによって分離することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 請求項11 所定のサイズd2より大きい粒子の平均速度が、これらの粒子及び構造化しようとする表面に特徴的な臨界速度より高くて、構造化しようとする表面に貼り付くようになる臨界速度より低い速度で粒子が移動することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 請求項12 所定のサイズd2より大きい粒子の速度を、インパクションノズル若しくはその後で粒子の速度を加速することによって臨界速度より高く増大させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。 請求項13 球状粒子とは異なる形状の粒子(3)が使用されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。 請求項14 使用される粒子(3)が酸化物粒子、炭化物粒子、又は窒化物粒子であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。 請求項15 構造化しようとする表面(9)上に、本発明の方法に従って最初にマイクロ構造物を、そして引き続きナノ構造物をつくり出すことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。 請求項16 第1のインパクションノズル(5)によって、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離すること;これらの粒子を、構造化しようとする表面(9)に向けて、粒子が構造化しようとする表面(9)と衝突して該表面上に実質的にマイクロ構造物を装着するように導くこと;第2のインパクションノズル(7)によって、所定のサイズd4(d4<d2)より大きい粒子を粒子スプレーから分離すること;及びこれらの粒子を、構造化しようとする表面(9)に向けて、粒子が構造化しようとする表面(9)と衝突して該表面上に実質的にナノ構造物を装着するように導くこと;を特徴とする、請求項15に記載の方法。 請求項17 粒子スプレーを、構造化しようとする表面(9)に向けて、表面を構造化するように導くための装置(1)、及び構造化された表面をコーティングするためのコーティング手段を含む、120度より大きい接触角を有する極度に疎水性の表面をつくり出すための装置であって、構造化しようとする表面(9)に向けて粒子スプレーを導くための装置(1)が、粒子スプレーから所定のサイズd2より大きい粒子を分離するための1つ以上のインパクションノズル(7)を含むこと;及び、該装置がさらに、構造化された表面を出発物質の交互表面反応にて処理するための気体デポジション手段を含むこと;を特徴とする、上記装置。 請求項18 気体デポジション手段が、構造化された表面をコーティングするための原子層デポジション反応器を含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。 請求項19 装置(1)が、所定のサイズd1(d1>d2)より大きい粒子を粒子スプレーから分離するための1つ以上の他のインパクションノズル(5)を含むことを特徴とする、請求項17又は18に記載の装置。 請求項20 装置(1)が、所定のサイズd2より小さい粒子を粒子スプレーから分離するための1つ以上のバーチャルインパクションノズル(11)を含むことを特徴とする、請求項17〜19のいずれか一項に記載の装置。 請求項21 装置(1)が、粒子スプレーの速度を増大させるための手段を、インパクションノズル(5,7,11)又はその後で含むことを特徴とする、請求項17〜20のいずれか一項に記載の装置。 請求項22 ガラスの温度がガラスの冷却下限より低い場合に、装置を、板ガラスの製造若しくは加工ライン中に組み込むことができることを特徴とする、請求項17〜21のいずれか一項に記載の装置。 請求項23 装置(1)が金属製品の製造若しくは加工ライン中に組み込まれることを特徴とする、請求項15〜19のいずれか一項に記載の装置。
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引用文献:
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