专利摘要:
治療上活性な2−[4−(3−および2−(フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ)プロパンアミド、およびこれらの医薬的に許容される酸との塩を高純度で、特に、ジベンジル誘導体不純物含量0.03%未満、好ましくは0.01重量%未満で製造する方法。この方法は、C1−C5低級アルカノールから選択される有機溶媒を、還元反応過程の実質的な部分の間、Schiff塩基が同有機溶媒に溶解して飽和しさらに懸濁液となることを可能にする適切な量で用いて、Schiff塩基中間体2−[4−(3−および2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミドを、有機溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元剤で還元することにより行なわれる。
公开号:JP2011506375A
申请号:JP2010537377
申请日:2008-12-01
公开日:2011-03-03
发明作者:カネボツテイ,レナト;サルバテイ,パトリチア;バルバンテイ,エレナ;フアラベツリ,ラウラ;ポンツイーニ,フランチエスコ
申请人:ニユーロン・フアーマシユーテイカルズ・エツセ・ピー・アー;
IPC主号:C07C231-12
专利说明:

[0001] 本発明は、(S)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド、即ちサルフィナミド(Ia)、(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド、即ちラルフィナミド(Ib)、]
[0002] ]
[0003] それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩、(Ic)、(Id)、(I’c)、(I’d)、および塩のラセミ混合物(Ic、I’c)および(Id、I’d)から選択される2−[4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド化合物を、高収率であると同時に非常に高いエナンチオマー純度および化学純度で製造する新規方法に関する。]
[0004] 本方法はこれらの大量生産にも非常に有用である。]
背景技術

[0005] サルフィナミド(NW−1015,FCE−26743A,PNU−151774E)はナトリウムチャネル遮断薬、カルシウムチャネルモジュレーター、モノアミノオキシダーゼB(MAO−B)阻害剤、グルタミン酸放出阻害剤及びトーパミン代謝モジュレーターである。]
[0006] サルフィナミドはCNS障害、特に癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、鬱病、不穏下肢症候群及び偏頭痛の治療に有用である(WO90/14334、WO2004/089353、WO2005/102300、WO2004/062655)。]
[0007] ラルフィナミド(NW−1029,FCE−26742A,PNU−0154339E)は慢性疼痛と神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、鬱病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害及び胃腸障害の治療に有用なナトリウムチャネル遮断薬である(WO99/35125、WO03/020273、WO2004/062655、WO2005/018627、WO2005/070405、WO2005/102300)。]
[0008] 特に、サルフィナミドは、WO90/14334に具体的に記載される。サルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、およびこれらの医薬的に許容される酸との塩、ならびに抗てんかん剤、抗パーキンソン病剤、神経保護剤、抗鬱薬、鎮痙剤および/または睡眠剤として有効な薬学的組成物を製造するためのこれらの使用が、WO90/14334で具体的に特許請求されている。]
[0009] ラルフィナミドは、WO90/14334に具体的に記載される。ラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、およびこれらの医薬的に許容される酸との塩、ならびに抗てんかん剤、抗パーキンソン病剤、神経保護剤、抗鬱薬、鎮痙剤および/または睡眠剤として有効な薬学的組成物を製造するためのこれらの使用が、WO90/14334の特許請求の範囲に含まれている。]
[0010] さらに、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩の、鎮痛薬としての使用がWO99/035125で特許請求されている。]
[0011] WO2006/027052A2は、ナトリウムまたはカルシウムチャネル機構が病理学的役割を果たす病状(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害および尿生殖器障害など)の選択的治療のための、ラルフィナミドのR−エナンチオマー即ち、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)単体、およびこの医薬的に許容される酸との塩の、選択的ナトリウムおよびカルシウムチャネルモジュレーターとしての使用を具体的に開示して特許請求している。使用においては、上記化合物の治療活性は、どのようなMAO阻害的副作用も実質的に含まないか、MAO阻害的副作用を示したとしても顕著に減少したものである。]
[0012] 従来技術に記載されている方法によるサルフィナミドとラルフィナミドの大規模調製物は2種類の望ましくない不純物としてそれぞれ(S)−2−[3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIa)及び(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb):]
[0013] とそれらの塩、特にそれぞれのメタンスルホン酸塩(IIe)及び(IId)を含有していることが今回判明した。]
[0014] 同じ状況が、従来技術の方法によるサルフィナミドおよびラルフィナミドそれぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩、特にメタンスルホン酸塩(I’c)、(I’d)、および塩それぞれのラセミ混合物(Ic、I’c)および(Id、I’d)の製造でも起こり、結果として上記に同定される不純物(IIa)、(IIb)、(IIc)、および(IId)それぞれのR異性体(II’a)、(II’b)、(II’c)、および(II’d)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)、(IIb、II’b)、(IIc、II’c)、および(IId、II’d)が混入する。]
[0015] 上記の不純物はチトクロームP450系の酵素に非常に強い毒性を示すことがわかっているため、この事実は特に問題である。]
[0016] 薬剤候補の多くは望ましくない不純物に起因するヒト代謝への予想外の影響又は毒性により臨床試験に失敗しており、従って、初期前臨床段階でこのような不純物を除去することが重要であり、極めて望ましい。]
[0017] 前臨床段階では、薬剤代謝酵素との相互作用、細胞毒性、代謝安定性及びプロファイリング、膜浸透性、固有クリアランス並びにヒトether−a−go−go関連遺伝子(HERG)チャネル遮断等の非常に十分に確立された一連のin vitroアッセイを使用して新規化合物の「薬剤適性」を評価することができる。]
[0018] チトクロームP450(CYP450)系は薬剤、発癌物質及び環境汚染物質を含む親油性生体異物の代謝の主要酵素系である。CYP450は多くの組織に存在するが、肝臓に最高濃度で存在するヘム含有膜結合多酵素系である。ヒト肝臓には、15〜20種類の異なる生体異物代謝性CYP450種が存在すると推定される。これまでに、14種類を上回るCYP遺伝子ファミリーが哺乳動物で同定されている。高い相同性が存在するにも拘わらず、広範な研究の結果、各CYPファミリー及びサブファミリーは生体異物代謝において異なる役割をもつことが判明した。CYP1、CYP2及びCYP3の3種類のCYPファミリーがヒト肝ミクロソームCYPの約70%を占め、そのうちCYP3が約30%を占める。これらのCYPは大半の市販薬の代謝に最も大きく関与している。]
[0019] CYP1ファミリーはCYP1A1、CYP1A2及びCYP1B1等の数個のメンバーを含み、アセトアミノフェン、クロミプラミン及びイミプラミンの代謝に関与している。]
[0020] CYP2ファミリーはCYP2A、CYP2B、CYP2C、CYP2D及びCYP2E等の数個のサブファミリーを含む。CYP2Cサブファミリーは少なくとも7個のメンバーを含む。CYP2C9はイブプロフェン、ジクロフェナク、トルブタミド及びトラセミドの代謝に関与している。CYP2C19はジアゼパムとオメプラゾールの代謝の主要アイソザイムである。CYP2D6は抗鬱薬、心臓血管薬及び抗精神病薬を含む市販薬剤の30%以上の代謝に関与していることが分かっている。]
[0021] CYP3ファミリーでは、3種類のアイソフォームがヒト肝臓で同定されている。ヒトCYP3A4は薬剤代謝における最も重要なアイソフォームであるとして認められている。今日までに、CYP3A4により触媒される代謝は市販薬剤の約50%の主要な排泄経路である。]
[0022] CYP3A4とCYP2D6はいずれも薬剤代謝における重要性により、薬剤間相互作用に関与していることが多く、数種類の臨床使用されている化合物がそれぞれケトコナゾール、テルフェナジン、エリスロマイシン、ミコナゾール、プロプラノロール及びキニジン等のこれらのCYP450アイソフォームの強力な阻害剤として同定されている。このため、これらの薬剤の使用は明白に制限される。]
[0023] 非抗不整脈薬の作用の副作用は医薬産業と保健行政当局にとって薬理安全性の大問題であるため、突然死も問題になっている。近年では、突然死の報告により少なくとも5品目の超大型新薬(アステミゾール、セルチンドール、テルフェナジン、シサプリド、グレパフロキサシン)が市場から撤退している。「torsades de pointes」は自然に心室細動に悪化して突然死の原因となり得る多形性心室頻拍であるが、いずれの場合も、心電図におけるQT間隔の延長を特徴とする心筋再分極異常であるQT延長症候群(LQTS)がその素因とみなされている。先天性LQTSはナトリウムチャネルと2種類の異なるカリウムチャネルである急速活性化遅延整流カリウムチャネル(IKr)及び緩徐活性化遅延整流カリウムチャネル(IKs)の欠損をもたらす数箇所の可能な突然変異に起因すると考えられる。重要な点として、薬剤暴露に関連する心筋活動電位持続時間の延長(後天性LQTS)のほぼ全症例は心筋内のIKr電流の遮断という同一の特定メカニズムに起因すると考えられる。QT間隔の終点の第3相再分極の要因であるこの電流は各サブユニットがHERGによりコードされる四量体チャネルを流れる。HERG K+チャネルの遮断は薬剤誘発性QT延長の主原因であると広く認められているので、この望ましくない副作用をもつ化合物の早期検出は医薬産業における重要な課題となっている。]
[0024] 薬剤代謝酵素、特にCYP450酵素の強力な阻害剤であると共にHERGチャネル遮断性をもつ化合物は毒性である確率が高く、その開発を早期に停止する必要がある。]
[0025] 表1に示すように、不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、ならびにそれぞれのラセミ体(IIa、II’a)および(IIb、II’b)は、メタンスルホン酸塩(IIc)、(II’c)、(IId)、(II’d)、ならびに塩それぞれのラセミ体(IIc、II’c)および(IId、II’d)とすると、マイクロモルおよびそれ以下の範囲でCYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9およびHERG電流を強く阻害し、上記不純物含量が0.03重量%未満の高純度サルフィナミドメタンスルホン酸塩(Ic)および高純度ラルフィナミドメタンスルホン酸塩(Id)と比較して細胞毒性が高い。]
[0026] ]
[0027] 表2は、上記不純物含量が0.03重量%未満の高純度サルフィナミドメタンスルホン酸塩および高純度ラルフィナミドメタンスルホン酸塩の試料を用いた場合と、同じ高純度サルフィナミドメタンスルホン酸塩および高純度ラルフィナミドメタンスルホン酸塩の試料にそれぞれの不純物(IIc)および(IId)を0.3重量%添加して用いた場合を比較する、チトクロームCYP3A4の阻害についての比較結果(IC50)を示す。]
[0028] 0.3%の不純物IIc及びIIdを高純度サルフィナミド及びラルフィナミドメタンスルホン酸塩に加えると、どちらの場合もCYP3A4のIC50の著しい低下が観察され、不純物が酵素活性の強い阻害の一因であることが分かる。]
[0029] ]
[0030] 表3に示すように、不純物(IIc)は3mg/kg ipからマウス最大電気ショック(MES)試験における死亡率を増加させ、薬理活性即ち痙攣からの保護は認められなくなる。]
[0031] ]
[0032] 表4は最大電気ショック試験(MES)で10及び20mg/kgを経口投与した場合の不純物IIdが同一用量のラルフィナミドメタンスルホン酸塩に比較してマウスを痙攣から保護しないことを報告する。]
[0033] ]
[0034] これらのデータ全てを基にすると、WO90/14334およびPevarelloらのJ.Med.Chem,1998,41,579−590に記載の方法、またはWO2006/027052に記載の方法により合成された、サルフィナミド、ラルフィナミド、これらのR−異性体、およびそれぞれのラセミ混合物の、それぞれの中に望ましくない量で存在する不純物(IIc)、(II’c)、(IId)、および(II’d)、ならびにそれぞれのラセミ混合物(IIc、II’c)および(IId、II’d)は、in vitroで望ましくない特徴(細胞毒性、CYP450のあるアイソフォームの強力な阻害、HERGチャネル遮断、および癲癇の「in vivo」モデルにおける保護活性の不在など)を幾つか示す。]
[0035] CYPの重要な側面の1つは異なる集団群間の変動である。薬剤代謝の変動は臨床試験で非常に重要である。CYP3A4とCYP2D6の酵素活性は異なる民族集団間で著しく相違し、同一民族集団でも個体間で著しく相違する。個体間のCYP活性の差は各アイソザイムにより著しく異なる。各個体のCYP発現レベルの相違により薬剤代謝も変動する可能性がある。更に重要な点として、多形の結果として酵素活性の増減したCYP酵素が生じ、薬剤代謝の変動につながる可能性もある。CYP2D6多形は薬剤代謝で詳しく研究されている事項である。臨床試験では、最初に抗高血圧薬と抗癲癇薬の代謝で個体間の顕著な変動が認められた。欠損CYP2D6対立遺伝子を保有する個体ではCYP2D6で代謝された薬剤の排泄が遅い。代謝の遅い個体は低代謝能群(PM)に分類され、代謝のよい個体は高代謝能群(EM)と呼ばれ、異なる人種に由来する集団におけるPM表現型の発生率は異なり、白人では約5〜10%がPM表現型であるが、アジア人は1%に過ぎない。臨床関連で重要な別の多形アイソフォームはCYP2C19である。]
[0036] これらの点を考慮すると、CYP450アイソフォームに干渉しない(阻害も誘導もしない)化合物は臨床医療で薬剤間相互作用の危険が非常に低く、医師が簡単且つ安全に処方することができる。]
[0037] 特に、CYP450系のチトクロームに干渉しない薬剤は低代謝能群(PM)に分類される個体の治療処置又は前記チトクロームと相互作用することが分かっている他の薬剤(例えばケトコナゾール、テルフェナジン、エリスロマイシン、ミコナゾール、プロプラノロール及びキニジン)及び/又はHERGチャネル遮断性をもつことが分かっている他の薬剤を同時に投与している患者の治療処置に特に指定される。]
[0038] 一般臨床医療によると、サルフィナミド及びラルフィナミドメタンスルホン酸塩(Ic及びId)は通常、これを必要とする患者に一日数回に分けて長期間投与される。これは特に治療する疾患がパーキンソン病、アルツハイマー病及び不穏下肢症候群(サルフィナミドの場合)や、慢性もしくは神経因性疼痛、心臓血管障害又は炎症性障害(ラルフィナミドの場合)である治療用途の場合に該当する。1日用量は特定症状と患者の必要により異なるが、サルフィナミドメタンスルホン酸塩の1日用量は通常10mg/日〜800mg/日とすることができ、ラルフィナミドメタンスルホン酸塩の1日用量は通常10mg/日〜1g/日とすることができる。これらの条件下で上記に報告したデータを考慮すると、サルフィナミド及びラルフィナミド又はその塩の医薬製剤中の不純物(IIa)及び(IIb)又はその塩、特にメタンスルホン酸塩(IIc)及び(IId)の濃度をできるだけ低く維持することが強く推奨され、いずれの場合もそれぞれサルフィナミド及びラルフィナミド又はその塩、特にメタンスルホン酸塩の量に対して0.03%未満、好ましくは0.01重量%とする。]
[0039] サルフィナミドおよびラルフィナミドのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩にも、それぞれの不純物(II’a)、(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩に関して同様な考察が当てはまる。]
[0040] 国際公開第90/14334号
国際公開第2004/089353号
国際公開第2005/102300号
国際公開第2004/062655号
国際公開第99/035125号
国際公開第03/020273号
国際公開第2005/018627号
国際公開第2005/070405号
国際公開第2006/027052号]
先行技術

[0041] Pevarello et al.,J.Med.Chem,1998,41,579−590]
発明が解決しようとする課題

[0042] 本発明者らが行った調査と実験研究により、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩は、従来技術の方法により製造すると、0.03重量%を上回る量で、それぞれの不純物(IIa)、(IIb)、不純物それぞれのR−エナンチオマー(II’a)および(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、((IIc)、(IId)、(II’c)、および(II’d)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIc、II’c)および(IId、II’d)など)を含有していることが判明した。従って、上記生成物は広範囲で安全な治療用途には不適切である。特に、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)または(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を含有する医薬製剤が、それぞれの不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、これらのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を、上記治療活性物質に対して0.03重量%以上、好ましくは0.01重量%以上含有する場合、この医薬製剤は、上記のような特定の患者の群において医薬として不適切である。]
[0043] 特に、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を含有する医薬製剤が、それぞれの不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、不純物それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を、上記活性物質に対して0.03重量%以上、好ましくは0.01重量%以上含有する場合、この医薬製剤は、低代謝能群(PM)に分類される個体またはCYP450系のチトクロームに干渉することが既知である他の薬物の付随が想定されている(concomitantly assuming)個体を含む患者集団を広く治療するのに用いるには不適切である。]
課題を解決するための手段

[0044] 本明細書および特許請求の範囲において、上記範囲の値は、特に指定しない限り、「活性物質」の重量パーセント比、即ち治療活性物質(Ia)、(Ib)、(I’a)、(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)の有効含量に対する、測定した毒物活性不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)の有効含量の比を表すものとする。]
[0045] 本明細書および特許請求の範囲において、「高純度(high purity)」、「高純度(high purity degree)」、「化学的に高純度」、「高純度な」などの表現は、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を示す場合には、生成物がサルフィナミド(Ia)、ラルフィナミド(Ib)、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を98.5パーセント(HPLC法により面積%として評価)以上含有し、生成物中のそれぞれの不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩の含量は、HPLC法で測定して0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満(「活性物質」に対して)であることを特定する。]
[0046] その他の不純物は、ほとんど検出されないが、市販の3−フルオロベンジルクロリドおよび2−フルオロベンジルクロリドそれぞれに混入している極少量のベンジル、2−および4−フルオロベンジルクロリド、ならびに3−および4−フルオロベンジルクロリドに由来する。3−フルオロベンジルクロリドおよび2−フルオロベンジルクロリドは、化合物(Ia)、(Ib)、(I’a)、(I’b)、(Ia、I’a)、および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩を製造するためのそれぞれの中間体4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)および4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の合成に用いるものである。]
[0047] 同様に、上記の用語「高純度(high purity)」、「高純度(high purity degree)」、「化学的に高純度」、「高純度な」は、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド中間体(IVa)および(IVb)を示す場合には、生成物が上記の化合物それぞれを98.5パーセント(GC法により面積%として評価)以上含有し、生成物中のジベンジル化不純物(VIa)または(VIb)それぞれの含量は0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満(GC法により評価)であることを特定する。]
[0048] 本発明に記載される方法では、不純物を著しく低減することにより、高い化学純度と安全性の高い生体プロファイルをもつ生成物が得られる。]
[0049] 本発明に記載される方法に従って、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩、特にメタンスルホン酸塩が、高収率であると同時に高純度で得られ、それぞれの不純物である(S)−2−[3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIa)、(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)、不純物それぞれのR−エナンチオマー(II’a)および(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩、特にメタンスルホン酸塩(「ジベンジル化誘導体」と総称する。)の含量は、「活性物質」に対して0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満である。]
[0050] 本発明のさらなる目的は、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を、医薬として安全に用いるのに適した高純度で提供すること、特に式(IIa)、(IIb)(II’a)、(II’b)、これらのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、例えばメタンスルホン酸との塩であるそれぞれのジベンジル誘導体含量0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満(「活性物質」に対して)で提供することである。]
[0051] 本発明の別の目的は、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を活性剤として含み、それぞれのジベンジル誘導体(IIa)、(IIb)、これらのR−エナンチオマー(II’a)および(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、例えばメタンスルホン酸との塩の含量が、0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満(「活性物質」に対して)である、薬学的配合物を提供することである。]
[0052] より詳細には、本発明の好適な実施形態に従って、本明細書中に開示される方法により、CYP450系のチトクローム、特にCYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9に干渉せず、ならびにHERGチャネル遮断性を示さない条件下で、それぞれ(i)癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病、不穏下肢症候群疼痛、および偏頭痛、または(ii)慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、うつ病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害、および胃腸障害を治療するための、高純度の(i)サルフィナミド、このR−エナンチオマー(I’a)、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩、または高純度の(ii)ラルフィナミド、このR−エナンチオマー(I’b)、これらのラセミ混合物(IIa、II’a)および(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を含有する医薬の製造が可能になる。]
[0053] さらに、本発明のさらに好適な実施形態に従って、本明細書中に開示される方法により、CYP450系のチトクローム、特にCYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9に干渉せず、ならびにHERGチャネル遮断性を示さない条件下で、ナトリウムおよび/またはカルシウムチャネル機構がWO2006/027052A2で特定される病理学的役割を果たす病状(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害、および尿生殖器障害など)を選択的に(即ち、患者に投与される活性物質の治療活性がどのようなMAO阻害的副作用も実質的に含まないか、MAO阻害的副作用を示したとしても顕著に減少したものである。)治療するための、高純度のラルフィナミドR−エナンチオマー単体、またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を含有する医薬の製造が可能になる。]
[0054] 従って、本発明の方法により、低代謝能群(PM)に分類される患者またはCYP450系のチトクロームに干渉することが既知であるおよび/またはHERGチャネル遮断性を有することが既知である他の薬物の付随が想定されている患者で、上記の障害を治療するのに適した、サルフィナミド、このR−エナンチオマー(I’a)、ラルフィナミド、このR−エナンチオマー(I’b)、それぞれのラセミ混合物、(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を含有する薬学的配合物の製造が可能になる。]
[0055] これらの新規薬学的配合物は全て、サルフィナミドおよびラルフィナミドに関する薬理毒性学的知見を応用することによっても、当分野で利用可能な方法に従って調製したこれらの活性剤を用いることによっても、示唆も達成もされていなかった。]
[0056] 上記の薬学的配合物は、上記の高純度を有するサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の他に、さらなる活性剤を1種類以上場合により含んでもよい。]
[0057] 例えば、パーキンソン病または不穏下肢症候群の補助療法に有用な新規薬学的配合物は、本発明の方法に従って得られた、上記高純度を有するサルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の他にパーキンソン病の補助活性剤(WO2004/089353およびWO2005/102300に記載されるもの、好ましくはドーパミンアゴニストおよび/またはレボドパおよび/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤など)を1種類以上含んでもよい。]
[0058] さらなる例として、慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状ならびに偏頭痛を治療するのに有用な本発明による新規薬学的配合物は、本発明の方法に従って調製された、上記高純度を有するラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の他に、さらなる活性剤(ガバペンチンおよびプレガバリン、またはEP1423168に記載される通りのこれらの医薬的に許容される塩など)を場合により含有してもよい。]
[0059] 同様に、WO2006/027052A2によるとナトリウムおよび/またはカルシウムチャネル機構が病理学的役割を果たしている病状(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害および尿生殖器障害など)の選択的治療のための、ナトリウムおよび/またはカルシウムチャネルモジュレーターとして選択的に活性な医薬として有用である本発明による新規薬学的配合物は、さらなる活性剤を場合により含有してもよい。例えば、疼痛症状を治療する薬学的配合物は、本発明の方法に従って得られた、上記高純度を有するラルフィナミド(I’b)のR−エナンチオマー単体またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の他に、ガバペンチンまたはガバペンチン関連作用剤を含有してもよい。]
[0060] 本発明に従った高純度サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を含有する薬学的組成物は、当分野で既知の従来手順により(例えば、活性化合物を薬学的治療上不活性な有機および/または無機キャリヤー材料と混合することにより)、製造することができる。本発明の組成物は、例えば溶液、懸濁液、エマルションなどの液体でもよいし、例えば錠剤、トローチ、カプセル、パッチなどの固体でもよい。]
[0061] 本発明の組成物の製造に有用な適切な医薬治療用として不活性な有機及び/又は無機キャリヤー材料としては、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、澱粉、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン等が挙げられる。本発明の医薬組成物は滅菌処理することができ、活性成分以外に、例えば防腐剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤(例えばパラフィン油)、モノオレイン酸マンニド、浸透圧調整用塩、緩衝液等の当業者に周知の他の成分を添加してもよい。]
[0062] 本発明のさらなる目的は、CNS障害、特に癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、および不穏下肢症候群の治療法を提供することであり、この方法は、この治療を必要とする患者に、それぞれのジベンジル誘導体(IIa)、(II’a)、これらのラセミ混合物(IIa、II’a)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が(「活性物質」に対して)0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である高純度サルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を有効量で投与することを含む。上記方法は、この治療を必要とする患者に、上記の通りの高純度サルフィナミド、このR−エナンチオマー(I’a)、これらのラセミ混合物(Ia、I’a)、またはこれらの塩の有効量を、WO2004/089353に記載されるようなパーキンソン病活性剤(例えば、ドーパミンアゴニストおよび/またはレボドパおよび/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤)1種類以上と場合により組み合わせて投与することによりパーキンソン病又は不穏下肢症候群を治療することを含む。]
[0063] さらに、本発明のさらなる目的は、慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、うつ病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害、および胃腸障害の治療法を提供することであり、この方法は、この治療を必要とする患者に、それぞれのジベンジル誘導体(IIb)、(II’b)、これらのラセミ混合物(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が(「活性物質」に対して)0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である高純度ラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を有効量で投与することを含む。上記方法は、高純度ラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの塩を、ガバペンチンまたはプレガバリンと場合により組み合わせて用いて、慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状ならびに偏頭痛を治療することを含む。]
[0064] さらに、本発明のさらなる目的は、ナトリウムまたはカルシウムチャネル機構が病理学的役割を果たす病状(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害、および尿生殖器障害など)を選択的に治療する方法を提供することであり、この方法においては上記化合物の治療活性がどのようなMAO阻害的副作用も実質的に含まないか、MAO阻害的副作用を示したとしても顕著に減少したものであり、この方法は、この治療を必要とする患者に、不純物(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満であるラルフィナミドR−エナンチオマー単体、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を治療上有効量で、場合によりさらなる活性剤(例えば、疼痛症状の治療の場合、ガバペンチンまたはガバペンチン関連物質)と組み合わせて投与することを含む。]
[0065] 上記の治療法は、上記記載の疾患の患者で低代謝能群(PM)に分類される患者またはCYP450系のチトクロームに干渉することが既知である他の薬物の付随が想定されている患者に特に有用である。]
[0066] 本明細書および特許請求の範囲において、「治療」または「治療する」という用語は、予防、軽減、治癒を含む。]
[0067] 従来技術
WO90/14334及びPevarelloらの論文J.Med.Chem.,1998,41,579−590には、
a)対応する4−ヒドロキシベンズアルデヒドを適切な塩化ベンジルでO−ベンジル化することにより中間体4−ベンジルオキシベンズアルデヒドを合成する段階と、
b)下式:]
[0068] (式中、Rは特に3−F及び2−Fを表し;R1は特に水素を表し;R2は特に水素を表し;R3は特にCH3を表し;R4及びR5はいずれも特に水素を表す)に模式的に示すように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として使用してα−アミノアミドを4−ベンジルオキシベンズアルデヒドで還元アルキル化する段階を含むベンジルオキシ−ベンジルアミノ−アルカンアミドの3段階製造法が記載されている。]
[0069] 特に、サルフィナミド及びラルフィナミド製造に関する限り、還元アルキル化は下式:]
[0070] に示すようにそれぞれ4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド及び4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドによるL−アラニンアミドの還元アルキル化である。]
[0071] J.Med.Chem.(Pevarelloら),1998,41,579−590には、対応する(フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドから出発してそれぞれサルフィナミド及びラルフィナミドメタンスルホン酸塩を収率45%及び60%で製造したことが報告されている。]
[0072] WO90/14334と及び上記論文に記載されている方法は同一であり、イミノアルキル化と還元を同一反応器で実施するワンポット系を提供している。L−アラニンアミド塩酸塩とシアノ水素化ホウ素ナトリウムとメタノールと粉末状モレキュラーシーブの混合物に適切なアルデヒドを一度に加えるものである。]
[0073] (還元アルキル化による数種のα−ベンジルアミノアミド誘導体の合成について記載している)Pevarelloら,Org.Prep.Proc.Int.1996,28,179−183によると、イミニウムイオンはアルデヒドカルボニル基よりもシアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応し易いので、対応するイミンの代わりにイミニウムイオンを形成するためにはα−アミノアミドを塩酸塩として使用することが重要である。]
[0074] 上記著者らによると、このワンポット法はシッフ塩基ラセミ化の問題がなくなると思われ、モレキュラーシーブにより反応速度が上げる(但し収率は低い)。]
[0075] シアノ水素化ホウ素ナトリウムが、好ましい薬剤として利用されると主張しているが、この選択はその反応性と選択性が低く(Review“Sodium Cyanoborohydride−A Highly Selective Reducing Agent for Organic Functional Groups”−CF.Lane,Synthesis 1975,132−146参照)、プロトン化シッフ塩基と出発材料であるアルデヒドを区別できないためであると思われる。]
[0076] Pevarelloらの論文に記載されている合成はカラムクロマトグラフィーにより生成物を単離した後、酸処理により対応する塩に変換する。サルフィナミド及びラルフィナミドの両者及び/又はそれらの塩のエナンチオマー及び/又は化学純度に関する情報は全く提供されていない。]
[0077] 従来技術に記載されている方法には多数の欠点があり、このため大規模で応用するのに制限がある。以下に上記欠点の例を幾つか挙げる。]
[0078] シアン化物およびシアノ誘導体の形成;
物理的に変化し易く、また高価である、粉末状モレキュラーシーブの使用;
一般に70%未満の収率;
反応生成物の純度の低さと精製の難しさ;
還元アルキル化反応での大量の溶媒の使用(1モルあたり約5Lから7L)、その結果最終反応混合物中の最終生成物の濃度が下がること(約4から6重量/容量%);
化学合成による活性剤の大規模製造が関与する場合には煩雑で高価な単離法であるとみなされるカラムクロマトグラフィーによる反応生成物の単離。]
[0079] WO2006/027052A2に記載される(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)の製造手順は、乾燥メタノール中モレキュラーシーブの存在下で、(R)−アラニンアミド塩酸塩を4−(2−フルオロベンキシル(benxyl)オキシ)ベンズアルデヒド(この反応体の純度に関するデータは与えられていない。)およびトリエチルアミンと4時間反応させて得られる生成物の、水素化ホウ素ナトリウムによる還元に基づく。得られる最終化合物の純度に関するデータは与えられていない。この場合も同様に、大規模製造に応用した場合、手順の欠点として、電動またはペレット状モレキュラーシーブの使用、溶媒の大量使用、および、精製操作にもかかわらず、最終生成物(I’b)中に望ましくない不純物(II’b)が0.03重量%を超える量で存在すること(これによりCYP450系のチトクロームと干渉するため、この方法で得られた活性物質(I’b)は副作用の危険性なく、または低い危険性で治療に用いるには不適切となっている。)がある。WO2006/027052に記載の方法の最終生成物の純度が低く収率も低い(30%から32%、モル濃度)ことは、この明細書中に記載される規模の異なる方法での複数の再現により示されている。そうした方法の代表例が本明細書の実施例23.3である。]
[0080] WO2006/027052に開示される方法が本発明の方法と区別される主要な特徴の1つであり、従来方法の顕著な低収率の原因となっていることが判明しているものは、この方法で用いられる有機溶媒(メタノール)の量が、Schiff塩基のモル量に対して、Schiff塩基1モルあたり約5Lのオーダーの量であることである。こうした条件が最終生成物で、Schiff塩基とこの前駆体(同じ出発アルデヒド、このアセタール、およびアミノアセタールなど)の平衡に関与する種に由来する望ましくない不純物の増加を引き起こすことが今回発見された。]
[0081] 本明細書に従う説明例は、従来技術に記載される方法に従って得られた生成物が、不純物(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(II’a)、(II’b)、(II’c)、(II’d)(IIa、II’a)、(IIb、II’b)、(IIc、II’c)、または(IId、II’d)を、それぞれの治療上活性物質である(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id、(I’a)、(I’b)、(I’c)、(I’d)、(Ia、I’a)、(Ib、I’b)、(Ic、I’c)、または(Id、I’d)に対して0.03重量%を超える量で含有することを裏付ける。また、最終生成物サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩に存在するこうした不純物を、溶媒からの結晶化またはクロマトグラフィーに基づく既知の精製方法(いずれにしろ収率の低下を暗示する。)を用いて除去することが難しいことが示された。]
[0082] 本発明の目的は、(S)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(サルフィナミド、Ia)、(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(ラルフィナミド、Ib)]
[0083] ]
[0084] それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、ならびにこれらの医薬的に許容される酸との塩から選択される、高純度2−[4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド化合物の製造法を提供することであり、この方法では、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩は、それぞれの不純物、(S)−2−[3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIa)、(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)、]
[0085] ]
[0086] それぞれのR−エナンチオマー(II’a)または(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)または(IIb、II’b)、または医薬的に許容される酸との塩の含量が、0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)であり、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとL−アラニンアミドまたはD−アラニンアミドまたはこれらのラセミ混合物とのイミノアルキル化反応により得られる、式(IIIa)、(IIIb)のSchiff塩基中間体、]
[0087] ]
[0088] それぞれのR−エナンチオマー(III’a)または(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)または(IIIb、III’b)を、イミノアルキル化反応完了後、(C1−C5)低級アルカノールまたはこれらの混合物から選択される場合により少量の水を含む所定量の有機溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元剤で還元し、還元中の有機溶媒対Schiff塩基の比は、還元反応過程の実質的な部分の間、Schiff塩基懸濁液からSchiff塩基の同有機溶媒の飽和溶液になって存在することを可能とするもので、Schiff塩基1モルあたり0.5Lから3.0L、好ましくは0.7Lから2.5L、より好ましくは0.8Lから2.0Lの範囲であることを特徴とする。この方法によりサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)または(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)または(Ib、I’b)が遊離塩基形で得られ、この遊離塩基は場合により医薬的に許容される酸との塩に変換される。]
[0089] 本発明の好適な実施形態に従って、この方法はさらに、Schiff塩基中間体(IIIa)、(IIIb)、(III’a)、(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)または(IIIb、III’b)の生成に用いた4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質における、3−(3−または2−フルオロベンジル)−4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド不純物の含量が0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。]
[0090] 本明細書中および特許請求の範囲に示される通りの式(IIIa)および式(IIIb)は、E配置およびZ配置の両方でSchiff塩基中間体を確定する。]
[0091] 本発明の好適な実施形態に従って、本発明の対象とする方法は、以下の3工程を含む:
a)4−ヒドロキシベンズアルデヒドを、一般式、3−または2−F−C6H4−CH2−Y(Va)または(Vb)(式中、Yは脱離基(Cl、Br、I、OSO2CH3など)である。)の誘導体でO−ベンジル化して高純度4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質を調製する;このO−ベンジル化は、O−アルキル化の選択性が非常に高い条件下で行われて、4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドまたは4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを高純度で生成する;
b)モレキュラーシーブを全く用いることなく、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質を、塩基または塩の形のL−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこのラセミ混合物と縮合させることにより、Schiff塩基中間体の形成を完了させる;
c)後処理と結晶後に、それぞれ高収率であると同時に上記に定義される化学純度でもってサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、またはそれぞれのラセミ混合物を得るため、還元反応過程の実質的な部分の間、(C1−C5)アルカノールから選択される有機溶媒が、Schiff塩基に対して、Schiff塩基が固体の形とこの溶媒の飽和溶液とで同時に存在する(即ちこの有機溶媒によるSchiff塩基懸濁液)を可能にするのに適切な比で存在する下で、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元系でSchiff塩基を処理する;および、場合により、慣用塩形成手順によりこれらの医薬的に許容される酸との塩を調製する。]
[0092] 医薬的に許容される酸は、例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸(proprionic)、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、およびサリチル酸から選択される。]
[0093] 4(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質の合成
既知の方法に従って、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを塩基性媒体中でベンジル化することにより、本発明によるサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、およびそれぞれのラセミ混合物の合成にそれぞれ用いられるSchiff塩基中間体(IIIa)、(IIIb)、(III’a)、(III’b)、およびそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)および(IIIb、III’b)の調製に必要な、(フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質を得る。アンビデントな求核剤にされているフェノール塩のベンジル化により2種類の異なる生成物、即ち所望のO−アルキル化誘導体と望ましくないC−アルキル化誘導体が得られる。]
[0094] 従来技術に従って4−ヒドロキシベンズアルデヒドを3−フルオロベンジルクロリドでフルオロベンジル化すると、主生成物として4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)が得られると共に、4−ヒドロキシベンズアルデヒドの4位ヒドロキシ基と3位炭素原子の両者のアルキル化に由来する3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIa)も得られる。下記スキーム:]
[0095] ]
[0096] L−またはD−アラニンアミドまたはこのラセミ混合物による4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドのイミノアルキル化により形成されたSchiff塩基の還元は、アルデヒド出発物質がジアルキル化不純物を含有する場合、以下のスキームに示す通り、式(Ia)、(Ib)、(I’a)、(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)または(Ib、I’b)の最終生成物も、遊離塩基のジアルキル誘導体(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)または(IIb、II’b)であるか、酸と塩を形成した化合物(好ましくはメタンスルホン酸と)(IIc)、(IId)、(II’c)、(II’d)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIc、II’c)または(IId、II’d)であるかにかかわらず、それぞれのジアルキル化合物で汚染されたものとなる。スキームは、サルフィナミドおよびラルフィナミドにそれぞれ関連したジベンジル化不純物(IIc)と(IId)の生成を示す。]
[0097] ]
[0098] それぞれのR−エナンチオマー(II’c)、(II’d)およびそれぞれのラセミ混合物も同様に生成する。メタンスルホン酸が好ましいが、他の医薬的に許容される酸(例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロプリオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸およびサリチル酸)も使用できる。]
[0099] モノアルキル化誘導体(サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、およびそれぞれのラセミ混合物)とこれに対応するジアルキル化不純物は、同様な化学的・物理的性質を持つため、サルフィナミドおよびラルフィナミドを従来の方法で精製するのは難しい。]
[0100] さらに、既知のベンジル化方法、その中でもフルオロベンジル化には、さらに以下の欠点がある。]
[0101] 1)溶媒として低級アルコールを使用すること;塩基性条件下では、この溶媒(例えばメタノール)はこれ自体が求核試薬として作用し、3−または2−フルオロベンジルクロリドと共にある一定量のメチルフルオロベンジルエーテルを生じる可能性がある;
2)アルコール性反応溶媒を反応混合物から除去した後にしか最終生成物を水非混和性有機溶媒で抽出することができないこと。]
[0102] 上記従来技術の方法を使用することにより、不純物(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)または(IIb、II’b)の含量が0.03%(重量)未満である式(Ia)、(Ib)、(I’a)、(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’b)または(Ib、I’b)の最終生成物を得るためには、中間体4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)または4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)を徹底的に精製して式(VIa)および(VIb)のそれぞれの不純物含量を低減する必要があることが今回判明した。]
[0103] 前記精製は反応生成物を結晶化することにより実施すること好ましく、粗化合物(IVa)又は(IVb)の不活性有機溶媒溶液に混和性不活性有機非溶媒を加えることにより実施することがより好ましい。不活性有機溶媒は芳香族炭化水素から選択することが好ましく、トルエンがより好ましい。混和性不活性有機非溶媒は低級脂肪族炭化水素から選択することが好ましく、n−ヘキサンがより好ましい。別の結晶化法としては、上記化合物(IVa)又は(IVb)を高温溶媒(例えば還流下のシクロヘキサン又はジ(C3−C4)アルキルエーテル、例えばジイソプロピルエーテル)に溶かした後、溶液を室温、好ましくは10〜15℃に冷却する方法が挙げられ、純化合物(IVa)又は(IVb)の純結晶を加えることにより結晶化を誘導することが最も好ましい。]
[0104] 本発明の1つの態様に従って、式(Va)または(Vb)のアルキル化剤(以下のスキームを参照、スキーム中、F原子は、2位または3位にあり、Yは脱離基(例えば、、Cl、Br、I、OSO2CH3、OSO2C6H4−pCH3など)である。)と4−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応を相間移動条件下で行うことにより、Schiff塩基中間体の調製に必要な4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質が得られる。この条件下、対応する4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドが、好ましくは結晶化後、高収率であると同時に非常に低いC,O−ビス−アルキル化不純物濃度で得られる。]
[0105] ]
[0106] 相間移動条件下の4−ヒドロキシベンズアルデヒドのこの新規フルオロベンジル化は、試薬と相間移動触媒を有機液相に溶かし、固相を無機塩基又は(場合により4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドと無機塩基自体からin situ生成された)4−ヒドロキシベンズアルデヒド塩から構成した固/液系と、無機塩基を水相に溶かした液/有機液/水系のいずれでも実施することができる。]
[0107] 好ましい系は固/液系であり、無機塩基はNa2CO3、K2CO3、KOH、およびNaOHから選択することが好ましい。]
[0108] 反応で使用される有機溶媒は液/液系及び固/液系のいずれの場合もジアルキルエーテル(例えばジ−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル)又は芳香族炭化水素(例えばトルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン及びキシレン)とすることができる。これらの全溶媒は蒸留により容易に回収することができる。]
[0109] 利用する相間移動触媒は第4級アンモニウム又はホスホニウム塩とすることができ、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat)、メチルトリアルキル(C8−C10)アンモニウムクロリド(Adogen)が挙げられ、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドが好ましい。]
[0110] 例えばPEG−200(CAS25322−68−3)又はPEG−400(CAS25322−68−3)等の低分子量ポリエチレングリコールも相間移動触媒として使用することができる。]
[0111] 相間移動触媒の使用量は4−ヒドロキシベンズアルデヒド1モル当たり0.02〜1モル、好ましくは4−ヒドロキシベンズアルデヒド1モル当たり0.1〜1モルであり、これらの条件下ではC,O−ビス−フルオロベンジル化不純物の量を0.3%未満、好ましくは0.01重量%以下にすることができる。]
[0112] 式(V)のアルキル化剤と4−ヒドロキシベンズアルデヒドの比は0.6〜1.5であり、0.9〜1.1が好ましい。]
[0113] 反応温度は60℃〜160℃であり、80℃〜120℃が好ましい。]
[0114] 反応時間は一般に4〜8時間とする。]
[0115] 反応収率は非常に高く、一般に90%を上回る。]
[0116] 上記反応条件下で反応生産性即ち反応混合物中の反応生成物の濃度は非常に高く、一般に25(重量/容量)%以上である。]
[0117] 4−(3−または2−ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとL−アラニンアミドまたはD−アラニンアミドまたはこれらのラセミ混合物およびこれらの塩との反応により形成されたSCHIFF塩基の還元による、サルフィナミドおよびラルフィナミド、これらのR−エナンチオマー、およびそれぞれのラセミ混合物の合成
本発明の目的であるこの方法は、以下の2工程を含む:
a)Schiff塩基中間体の完全な形成
b)水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元剤によるSchiff塩基の還元
この2工程は、Schiff塩基の単離を行う行わないのいずれでも、同一反応器中で連続して実行することができ(ワンポット反応)、いずれの場合も高収率である。]
[0118] Schiff塩基中間体の形成は、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとL−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこれらのラセミ混合物、またはこれらの酸との塩、好ましくは無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸など)との塩(「アラニンアミド化合物」)との縮合を含む。アラニンアミドのL−またはD−エナンチオマーの代わりにラセミ体を用いると、4−(3−または2−ベンジルオキシ)ベンジルアミノプロパンアミドのラセミ混合物が得られる。]
[0119] Schiff塩基を単離する場合、この形成に適用される実験条件は、高収率であると同時に高純度である析出物の形でSchiff塩基を単離して得ることを可能にするものである。]
[0120] Schiff塩基の調製は、有機プロトン性溶媒中で適切に行われるが、有機プロトン性溶媒は、試薬および生成物に対して不活性でなければならず、イミン二重結合の還元条件にも不活性でなければならない。同じ反応媒体中で連続して還元工程を行うことが望ましい場合、適した溶媒とは、例えば、(C1−C5)低級アルカノール、好ましくはメタノール、エタノール、およびイソプロパノールである。]
[0121] Schiff塩基中間体の形成は完了させなければならず、これはその後の還元工程で高収率を達成することに関連した要因である。本発明のプロセスを行う方法に従って、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとL−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこのラセミ混合物との縮合反応から得られるSchiff塩基中間体(IIIa)または(IIIb)]
[0122] ]
[0123] それぞれのR−エナンチオマー(III’a)または(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物を単離し、それからイミン二重結合の還元を実施する。]
[0124] または、イミノ化合物中間体(IIIa)、(IIIb)、それぞれのR−エナンチオマー(III’a)または(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)または(IIIb、III’b)の反応溶媒への析出を起こさせ、それから上記イミノ誘導体中間体を含有する懸濁液を還元工程にかけるような条件下で操作することにより、イミノアルキル化反応を完了することを選ぶこともできる。]
[0125] L−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこれらのラセミ混合物(塩基または塩)と4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドの比は、1:1が可能であるが、有利には、アラニンアミド化合物を10%過剰にすることも可能である。]
[0126] アラニンアミド化合物は、遊離の塩基として、またはこの酸付加塩としてのいずれで導入されてもよい。好ましくは、アラニンアミド化合物は塩として、より好ましくは塩酸塩として、化学量論的量の塩基、好ましくは第三級アミン(例えばトリエチルアミン、またはジイソプロピルエチルアミンなど)と共に反応混合物に導入される。]
[0127] Schiff塩基の調製における反応温度は、0℃から60℃、好ましくは20℃から30℃の間である。]
[0128] 反応時間は、通常1時間から15時間、好ましくは2時間から6時間の間である。]
[0129] ある条件下、D−またはL−アラニンアミドを遊離塩基として用い、イミノアルキル化反応時間が8時間を超える場合、得られるSchiff塩基は、キラル中心でラセミ化を起こす可能性がある。このことは、Schiff塩基がイミノアルキル化反応中に結晶化しない場合には特にそうである。]
[0130] Schiff塩基を、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元剤で還元するのは、Schiff塩基形成が完了してからのみである:完了前に還元を開始すると、二次反応が深刻になり、ときには優勢となって、収率および純度が低下する。こうした二次反応の1つで、より深刻なものは、選択の(フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドのカルボニル基の還元によるベンジルアルコールの形成を引き起こす。]
[0131] Schiff塩基形成は、当分野で既知の分析方法により、例えば母液のGC定量分析により、完了まで制御下に置くことができる。]
[0132] Schiff塩基の還元は、本発明の方法の中で最も重要な工程であり、この実施は幾つかの特定条件を必要とする。]
[0133] 水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウム還元剤は、Schiff塩基に対して0.5から1.4の範囲の分子量で用いられる。]
[0134] 水素化ホウ素ナトリウムは、この商業的利用可能性とコストを考えると用いるのに好ましい。反応は通常溶媒中で行われるが、この溶媒は、アラニンアミドとの縮合反応が完了した後にSchiff塩基が懸濁液の形で存在する溶媒と同じものが可能である。このような場合、(C1−C5)低級アルカノール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールなど、好ましくはメタノール)が、反応溶媒として、通常用いられる。または、反応媒体からSchiff塩基を単離する場合(例えば濾過または遠心分離により)、単離したSchiff塩基生成物を、場合により水少量(好ましくは、有機溶媒の量に対して1.5重量%未満)を含む所定量の有機溶媒、好ましくはプロトン性有機溶媒、例えば低級(C1−C5)アルカノール、好ましくはメタノールなど、またはプロトン性有機溶媒の混合物に加える。]
[0135] 4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとアラニンアミド化合物との縮合反応を、後者を酸との塩として反応混合物に導入することにより行い、次いでpH値を7から9の間に調整するために塩基(水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、第三級(C1−C4)アルキルアミン、ピロリジン、4−メチルモルホリンなど)を適量添加。イミノアルキル化反応の終了時に反応混合物のpH値がこの範囲より下がってしまっていたら、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウム還元剤のどのような添加も行う前にpHをこの値に戻すために、Schiff塩基を含有する反応混合物にこれら塩基をさらに適量加える。]
[0136] 水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウム還元剤は、通常、反応過程の間制御された条件下、固形(粉末または微細結晶など)のものを何回かに小分けして(通常は15から20回に分けて)Schiff塩基と反応溶媒の混合物に加える。]
[0137] または、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムは、水酸化ナトリウム(通常、水素化ホウ素ナトリウムに対して水酸化ナトリウム約15重量%)または水酸化カリウムを加えて安定化したメタノール溶液の形で、反応混合物に少しずつ、または滴下して加える。]
[0138] Schiff塩基還元を行う好適な方法に従って、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムの安定メタノール溶液を、Schiff塩基および所定量の反応溶媒、好ましくはメタノールを含有する反応混合物に、15から25回に分けて加えるか、1から2時間かけて滴下する。]
[0139] 選択した溶媒に飽和するまで溶解しているSchiff塩基と固形のSchiff塩基の両方が同時に存在し、溶媒相外のSchiff塩基の量が最大になるような溶媒対Schiff塩基の比である条件下で還元工程を行うために、用いる溶媒の量は、適切に選択しなければならない。]
[0140] 従って、還元工程で用いられる有機溶媒の合計量は、Schiff塩基1モルあたり0.5Lから3.0L、好ましくは0.7Lから2.5L、より好ましくは0.8Lから2.0Lの範囲が可能である。このような条件下、還元工程が進行している反応媒体中に存在するSchiff塩基の相当部分は、反応過程の実質的な部分において、固形である。このような条件下、最終生成物の生産性は非常に高く、このことは工業規模の生産において経済的に好影響を及ぼす。]
[0141] 還元工程にかけられる反応混合物のpHは、アルデヒドとアラニンアミド(alaminamide)誘導体との縮合にアラニンアミドの塩が用いられた場合、必要であれば、塩基(水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、第三級(C1−C4)アルキルアミン、ピロリジン、4−メチルモルホリンなど)を適切な量で加えることにより、7から9、好ましくは8から8.5の間の値に調整される(pHメーターを用いて直接反応混合物で測定する。)。]
[0142] 還元工程中の反応温度は、−10℃から30℃、好ましくは5℃から15℃の間に維持される。]
[0143] 還元時間は、用いる溶媒、温度、濃度などによって、0.5から5時間と変えることができる。全ての要因は、当業者に周知である。]
[0144] 還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用い、溶媒としてメタノールをSchiff塩基1モルあたり0.8Lから2.0Lの割合で用い、5℃から10℃の間の温度で、約3時間反応を行うと最適な結果が得られる。]
[0145] 反応が終了したら、反応溶媒を減圧下で蒸留し、残渣を水非混和性有機溶媒に溶解して、水で洗うことにより無機塩を除去する。]
[0146] 反応生成物が溶解している有機溶媒を蒸留して除去することにより、最終的な粗生成物、即ちサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、またはそれぞれのラセミ混合物を回収する。]
[0147] それから、粗サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー、またはそれぞれのラセミ混合物を、結晶化により精製する。結晶化は、式(Ia)、(Ib)、(I’a)、(I’b)、(Ia、I’a)、または(Ib、I’b)の粗化合物それぞれを不活性有機溶媒に溶解した溶液に、混和性不活性有機非溶媒を加えることにより行うことができる。有機不活性溶媒は、好ましくは芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、ジメチルベンゼン、およびエチルベンゼンなど)および酢酸低級アルキルエステルから選択され、より好ましくは、酢酸エチルである。混和性不活性有機非溶媒は、好ましくは低級脂肪族炭化水素(ヘキサンおよびヘプタンなど)およびシクロヘキサンから選択され、より好ましくはn−ヘキサンである。]
[0148] または、結晶化は、最終的な粗生成物を熱有機溶媒(好ましくはトルエンまたはシクロヘキサン)に溶解し、それから溶液を室温に冷却して、純粋な生成物を濾過して回収することにより行う。]
[0149] 次に公知方法により塩基を所望塩に変換し、特に医薬用医薬製剤へのその後の製剤化に適した物理的/化学的性質(安定性、粒度、流動性等)をもつメタンスルホン酸塩に変換する。]
[0150] (実施例1)
相間移動触媒反応による精製4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
2−フルオロベンジルクロリド(6.0kg,41.50mol)と4−ヒドロキシベンズアルデヒド(4.7kg,38.33mol)と炭酸カリウム(5.2kg,37.33mol)とテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(0.49kg,1.46mol)をトルエン(11.4kg)に加えた混合物を窒素下で撹拌しながら還流温度までゆっくりと加熱し、6時間還流する。]
[0151] 次に溶液を室圧で濃縮し、トルエン3.6kgを加えて留去し、この手順をもう一度繰り返す。]
[0152] 次に不均一混合物を室温まで冷却し、固形分を濾別する。次に残留溶媒を減圧除去し、油性残渣にトルエン1.4kgを加える。混合物を約30〜35℃まで加熱し、純4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド数グラムをシード添加する。]
[0153] 不均一混合物を30〜35℃で30分間撹拌した後、この温度で30分間n−ヘキサン(11kg)を加える。]
[0154] 0〜5℃まで冷却し、この温度で更に1時間撹拌後、固形分を濾取し、減圧乾燥し、m.p.56.7℃(DSC,5℃/分)の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド8.0kg(89%収率)を得る。]
[0155] m.p.56.7℃(DSC,5℃/分)、GC純度98.2(面積%,実施例24A参照)及びGC(実施例24B参照)により測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)含量が0.01重量%の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド66.8g(90%)が得られる。]
[0156] (*)本実施例および以下の実施例で報告する収率は特に指定しない限り、モル収率である。]
[0157] 1.1結晶化による4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)のさらなる精製
実施例1に記載の手順に従って調製した生成物1kgを、還流下撹拌しながら、ジイソプロピルエーテル2kgに溶解する。]
[0158] 溶液を10から15分間で50から55℃まで冷却し、高純度4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド5g(GC純度99.9面積%;実施例24Aを参照、(VIb)含量は0.005%未満)を種結晶として添加する。]
[0159] 懸濁液を45〜60分間で10〜15℃まで冷却し、更に1時間撹拌する。]
[0160] 最後に沈殿を濾取し、冷ジイソプロピルエーテル(0.2Kg)で洗浄し、減圧乾燥し、GC純度99.8(面積%,実施例24A参照)及び実施例24Bに従ってGCにより測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)含量が0.005重量%の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド0.93kgを得る。]
[0161] 1.2 各種触媒を用いた相間移動触媒反応(PTC)による4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
3種類の異なる相間移動触媒を用いた以外は実施例1と同一手順に従い、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.39g)を2−フルオロベンジルクロリドでアルキル化することにより、4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを調製する。]
[0162] 結果を以下の表5にまとめる。]
[0163] *Aliquat336:トリカプリルメチルアンモニウムクロリド
**%(VIb):3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドの含量(GC:重量%)実施例24B。
***生成物を実施例1.1の手順に従ってさらに精製して、不純物(VIb)の含量を0.03重量%未満に減らしてもよい(実施例24Bを参照)。]
[0164] 1.3キシレン中での相間移動触媒反応(PTC)による4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
トルエンの代わりにキシレンを溶媒として使用した以外は実施例1と同一手順に従って4−ヒドロキシベンズアルデヒド(47g)を2−フルオロベンジルクロリドと反応させることにより、GC(実施例24B参照)により測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド含量が0.02重量%の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを87.2%収率で製造する。]
[0165] 1.4水酸化カリウムを塩基として用いた相間移動触媒反応による4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
炭酸カリウムの代わりに水酸化カリウム(108.6g)を使用した以外は実施例1と同一手順に従って4−ヒドロキシベンズアルデヒド(121g)を2−フルオロベンジルクロリドと反応させることにより、GC(実施例24B参照)により測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド含量が0.49重量%の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを88%収率で製造する。]
[0166] この生成物を実施例1.1に従って結晶化によりさらに精製し、不純物(VIb)の含量を0.03重量%未満に減らす(実施例24Bを参照)。]
[0167] 1.5 2−フルオロベンジルブロミドを用いた相間移動触媒反応による4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
実施例1と同一手順に従って4−ヒドロキシベンズアルデヒド(161g)を2−フルオロベンジルクロリドの代わりに2−フルオロベンジルブロミドと反応させることにより、GC(実施例24B参照)により測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)含量が0.06重量%の4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを89.2%収率で製造する。]
[0168] この生成物を実施例1.1に従って結晶化によりさらに精製し、不純物(VIb)の含量を0.03重量%未満に減らす(実施例24Bを参照)。]
[0169] 1.6イソプロパノール中での4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
反応器に、イソプロパノール(206kg)、炭酸カリウム(29.4kg、0.21kmol)、ヨウ化カリウム(11.4kg、0.068kmol)、および4−ヒドロキシベンズアルデヒド(26kg、0.21kmol)を投入する。混合物を、20から25℃で15分間撹拌する。次に、2−フルオロベンジルクロリド(33kg、0.23kmol)を加える。混合物を加熱して3時間還流撹拌する。]
[0170] 溶媒を減圧除去して残量70lにする。]
[0171] シクロヘキサン(70kg)および水(95kg)を加え、混合物を50℃に加熱し、この温度で30分間撹拌する。撹拌を止めて相を分離させる。]
[0172] 有機相を50℃で水(48Kg)で洗う。分離した有機相を減圧濃縮して残量60lにする。]
[0173] 不均一混合物を約2時間で20℃に冷却し、この温度で30分間撹拌する。]
[0174] 混合物を遠心分離して、固体をシクロヘキサンで洗う。]
[0175] 濡れている固体を減圧下で乾燥させて、標記生成物を得る:40.2kg(0.18kmol);収率82%、GC純度99.87(面積%、実施例24Aを参照)、および実施例24Bに従ってGCにより測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)含量0.063重量%。]
[0176] この生成物を実施例1.1に従って結晶化によりさらに精製し、不純物(VIb)の含量を0.03重量%未満に減らす(実施例24Bを参照)。]
[0177] 1.7エタノール中での4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の調製
反応器に、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(30.3g、248mmol)、エタノール(400mL)、2−フルオロベンジルクロリド(28.92g;198mmol)、炭酸カリウム(103.8g、751mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.34g、0.05mmol)を投入する。窒素雰囲気下、混合物を加熱して還流撹拌し、この状態を5時間維持する。]
[0178] 混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出して2Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗う(3×300mL)。]
[0179] 溶媒を減圧でエバポレートし、標記化合物を、黄色油状物(40.75g)として得る。この生成物はGC純度91.77(面積%、実施例24Aを参照)および実施例24Bに従って測定した3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)含量0.346重量%を有する。]
[0180] この生成物を実施例1.1に従って結晶化によりさらに精製し、不純物(VIb)の含量を0.03重量%未満に減らす(実施例24Bを参照)。]
[0181] (実施例2)
高純度(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(Ib)の調製(ワンポット反応)
a)反応器にメタノール(25L)およびL−アラニンアミド塩酸塩(2.0kg)を撹拌しながら仕込み、混合物を23℃で15分間撹拌する(pH値3.8)。次に、トリエチルアミン(1.65kg)および実施例1.1に従って調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(3.32kg)を、先に調製してpH値を8.3に調整した溶液に加える。混合物を25℃で3時間撹拌し(不均一混合物のpHは8)、撹拌しながら8℃に冷却する。水素化ホウ素ナトリウム(0.53kg)を20回に小分けして撹拌しながら3時間で混合物に加え、さらに30分撹拌を続ける。反応混合物を40℃で減圧濃縮して残渣(5.2L)を得る。窒素雰囲気下撹拌しながら、トルエン(13.9kg)および水(23.0L)を反応混合物に加える。混合物を60℃まで加熱し、撹拌しながら30分間この温度に保つ。相を分離した後、60℃で、有機相を水(6.4L)で洗い、この水は廃棄する。有機相を2時間で18℃に冷却し、この状態を1時間維持する。]
[0182] 不均一混合物を濾過し、固体をトルエン(3×1.0L)で洗い、減圧下約40℃で乾燥させて、(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(ラルフィナミド、Ib)3.96Kgを得る:実施例25Aの方法に従って測定したHPLC純度99.4(面積%)、および実施例25Bの方法に従ってHPLCにより測定したC,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量0.005重量%未満。]
[0183] b)水素化ホウ素ナトリウムを、メタノール(水素化ホウ素ナトリウム1グラムあたりメタノール約5.8g)と30%水酸化ナトリウム(水素化ホウ素ナトリウム1グラムあたり30%水酸化ナトリウム約0.5g)の混合物にあらかじめ溶解し、温度を8℃に保ちながら約30分でSchiff塩基混合物に滴下することを除いては、上記と同一条件下で反応を行う。]
[0184] 得られる生成物は、実施例25Aに従って測定したHPLC純度が99.5%であり、実施例25Bに従ってHPLCにより測定したC,O−ジアルキル化不純物含量が0.005重量%未満である。]
[0185] c)室温で撹拌しながら、無水トリエチルアミン(19.8kg、0.20kmol)をメタノール(275L)とL−アラニンアミド塩酸塩(24.4kg、0.20kmol)の混合物に加える。]
[0186] この混合物に、実施例1.6で調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(40.0kg、0.17kmol)を約20分で加え、反応混合物を25℃で3時間撹拌し、それからすぐ温度を8℃に下げる(混合物A)。]
[0187] 第二の反応器に、メタノール(50l)および水酸化ナトリウム30%水溶液(3.2kg)を入れて0から5℃で混合する。この混合物に、0から5℃で、水素化ホウ素ナトリウム粉末(6.6kg、0.17kmol)を小分けして加える。窒素下、混合物を0から5℃で2時間撹拌する(混合物B)。]
[0188] 窒素下撹拌しながら、温度を8℃に保ちながら約4時間で、上記反応混合物Aに混合物Bを加える。]
[0189] 反応混合物を減圧濃縮して残量70lにする。窒素下撹拌しながら、残渣にトルエン(170kg)および水(280kg)を加え、混合物を60から65℃に加熱する。]
[0190] 有機相を分離して水(70kg)を加え、2相混合物を60から65℃で撹拌する。]
[0191] 有機相を分離して、徐々に20℃まで冷却する。]
[0192] 混合物を遠心分離して、固体をトルエンで洗い、減圧下乾燥後、標記生成物を得る(48.4Kg、0.16kmol)、収率:92%。]
[0193] 生成物のHPLC純度は99.87(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量は、0.005重量%未満である(実施例25Bを参照);m.p.109.5℃(キャピラリー)。]
[0194] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドのエナンチオマー組成はS−エナンチオマー100%(面積%、実施例26Aを参照)である。]
[0195] (実施例3)
高純度(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id)の調製
実施例2aに記載したように製造するラルフィナミド(2.8kg,9.26mol)を2−イソプロパノール(19.5kg)に溶かし、不活性雰囲気下で撹拌下に65〜70℃に維持する。]
[0196] 活性炭(150g)処理と濾過後に、溶液に純ラルフィナミドメタンスルホン酸塩をシード添加し、50〜55℃の温度で撹拌下にメタンスルホン酸(900g,9.36mol)を30分間加える。次に懸濁液を2時間で15〜20℃まで冷却し、撹拌を更に1時間続ける。最後に固形分を濾取し、減圧乾燥し、ラルフィナミドメタンスルホン酸塩3.46kg(94.0%収率)を得る。]
[0197] 得られた生成物のHPLC純度は99.7(面積%,実施例25A参照)であり、C,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩含量は0.005重量%(実施例25B参照)であり、DSC(5℃/分)によるm.p.240.9℃である。]
[0198] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドメタンスルホン酸塩のエナンチオマー純度は99.9(面積%,実施例26A参照)である。]
[0199] b)実施例2b)に記載した通りに調製したラルフィナミド(2.8kg、9.26mol)を、上記の手順によりこのメタンスルホン酸塩に変換する。収率は95.8%である。]
[0200] 得られる生成物のHPLC純度は99.6(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩含量は0.005重量%未満(実施例25Bを参照)である;DSC(5℃/分)によるm.p.240.6℃。]
[0201] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドメタンスルホン酸塩のエナンチオマー純度は99.8超(面積%、実施例26A参照)である。]
[0202] c)2−プロパノール(385kg)と実施例2c)で調製した(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(ラルフィナミド、48.1kg、0.16kmol)の混合物を、撹拌しながら60℃に加熱し、透明な溶液となるまでこの状態を維持する。]
[0203] 60℃で、溶液に無水メタンスルホン酸をゆっくりと加える。]
[0204] 不均一混合物を20℃に冷却し、この温度で2時間撹拌する。]
[0205] 混合物を遠心分離し、固体を2−プロパノールで洗い、減圧下乾燥させて、標記生成物61kg(0.15kmol)を得る;収率96%;HPLC純度99.83(面積%、実施例25Aを参照)を有しC,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩を0.005重量%未満(実施例25Bを参照)含む;m.p.237℃(キャピラリー)。]
[0206] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドメタンスルホン酸塩のエナンチオマー組成はS−エナンチオマー類100%(面積%、実施例26Aを参照)である。]
[0207] (実施例4)
L−アラニンアミド塩基を用いた高純度(R,S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id、I’d)の調製(ワンポット反応)
a)(R,S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(Ib、I’b)
ナトリウムメチラート等モル量をL−アラニンアミド塩酸塩(30g)のエタノール(351mL)溶液に加えてL−アラニンアミド遊離塩基を調製する。窒素下室温で、混合物を30分間撹拌する。固体を濾過し、溶媒を減圧下完全に除去してL−アラニンアミド21.1gを得る。]
[0208] 丸底フラスコ中、L−アラニンアミド21.1gをメタノール320g(約405mL)に溶解する。]
[0209] 20℃で約15分後、実施例1.1に従って調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド48.8gを加え、混合物を室温で20時間撹拌する。]
[0210] 混合物を8±2℃に冷却し、温度を8±2℃に維持しながら、混合物に固体のNaBH48gを小分けして加える。]
[0211] 反応混合物を少なくとも12時間撹拌し、それから最小量まで濃縮する。]
[0212] トルエン(248mL)および水(355mL)を加え、二相混合物を70℃で撹拌し、それから有機層を分離する。]
[0213] 70℃で、有機溶液を水(70mL)で洗い、それから室温に冷却して懸濁液を得る。懸濁液をろ過してトルエンで洗う。]
[0214] 固体を減圧下40℃で乾燥させ、標記生成物47.7g(収率74.4%)を白色粉末として得る。]
[0215] 得られる生成物のHPLC純度は95.85(面積%、実施例25Aを参照)でありC,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量は0.005重量%未満(実施例25Bを参照)である。]
[0216] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドのR/Sエナンチオマー比は、52.5/47.5(面積%、実施例26Aを参照)である。]
[0217] イミノアルキル化反応過程をさらに続ける(control)と、この工程中にラセミ化が生じることがわかる。]
[0218] b)(R,S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id、I’d)
丸底フラスコに、2−プロパノール129.5gおよび工程a)の生成物16.5gを入れて、完全に溶解するまで撹拌しながら70±3℃に加熱する。]
[0219] 温度を70±3℃に保ちながら、メタンスルホン酸5.2gを滴下する。70±3℃で30分間撹拌した後、混合物をゆっくりと20±3℃に冷却し、それから1時間撹拌する。]
[0220] 生成物を濾過し、2−プロパノールで洗い、減圧下40℃で乾燥させて、標記生成物19.4gを白色粉末として得る。]
[0221] 収率:92%;HPLC純度99.74(面積%、実施例25Aを参照)を有し、C,O−ジアルキル化(R,S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩を0.005重量%(実施例25Bを参照)含む。こうして得られた(R,S)ラルフィナミドは、キラルHPLCカラムによりS:R=53.8:47.0(面積%、実施例26Aを参照)のエナンチオマー混合物であることがわかる。]
[0222] (実施例5)
高純度(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(I’d)の調製(ワンポット反応)
a)(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)
反応器にメタノール(28L)およびD−アラニンアミド塩酸塩(2.1kg)を撹拌しながら仕込み、混合物を23℃で15分間撹拌する。次に、トリエチルアミン(1.65kg)および実施例1.1に従って調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(3.30kg)を、先に調製した溶液に加える。混合物を25℃で3時間撹拌し、撹拌しながら8℃に冷却する。水素化ホウ素ナトリウム(0.50kg)を小分けして3時間で撹拌しながら加え、混合物をさらに30分間撹拌する。反応混合物を40℃で減圧濃縮して残渣(5.0L)を得て、それから窒素下撹拌しながら、トルエン(14kg)および水(25.0L)を反応混合物に加える。混合物を60℃まで加熱し、撹拌しながら30分間この温度に保つ。相を分離した後、60℃で、有機相を水(7.0L)で洗い、この水は廃棄する。有機相を2時間で18℃に冷却し、この状態を1時間維持する。]
[0223] 不均一混合物を濾過し、固体をトルエン(3×1.2L)で洗い、減圧下約40℃で乾燥させて、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)3.90Kgを得る:実施例25Aの方法に従って測定したHPLC純度99.9(面積%)、および実施例25Bの方法に従ってHPLCにより測定したC,O−ジアルキル化(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量0.005重量%未満。]
[0224] b)(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(I’d)
上記実施例5a)に従って得られたラルフィナミドR−エナンチオマーを実施例3aと同一の手順に従ってメタンスルホン酸塩に変換する。]
[0225] 得られる生成物のHPLC純度は99.9(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩含量は0.005重量%未満(実施例25Bを参照)である;DSC(5℃/分)によるm.p.241.0℃。]
[0226] キラルHPLCカラムで測定した(I’d)のエナンチオマー純度は99.9超(面積%、実施例26Bを参照)である。]
[0227] (実施例6)
Schiff塩基中間体(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(IIIb)を単離する、高純度(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id)の調製
a)(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(IIIb)
実施例1.1の通りに調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(60.0g、0.26mol)、とL−アラニンアミド塩酸塩(35.7g、0.29mol)をメタノール(280mL)に加えた懸濁液に、窒素雰囲気下撹拌しながら室温で、トリエチルアミン(29.1g、0.29mol)を加える。さらに1時間撹拌を続ける。]
[0228] 溶液に(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド数mgを種結晶として加え、温度を5から10℃に下げて撹拌を2時間続ける。]
[0229] 固体を濾過して集め、0℃でメタノールで洗う。]
[0230] 減圧下で乾燥させて、標記化合物を収率90%で得る:m.p.122℃(キャピラリー)。]
[0231] 1H−NMR:(CDCl3,300MHz,298K)δ(TMSに対するppm):1.46(3H,d,J=7.0Hz,CH3);3.91(1H,q,J=7.0Hz,CH−CO);5,17(2H,s,O−CH2);7,02(2H,d,J=8,9Hz,O−CH2とオルトにある芳香族H);7.09(1H,ddd,JH−F=9,78Hz,Jorto=8,55Hz,Jmeta=1,23Hz,Fとオルトにある芳香族H);7,15(1H,dt,Jorto=7,35Hz,Jmeta=1,23Hz,Fとパラにある芳香族H);7,27−7,40(1H,m,CH2とパラにある芳香族H);7,48(1H,dt,Jorto=JH−F=7,35Hz,Jmeta=1,53Hz,CH2とオルトにある芳香族H);7,71(2H,d,J=8,9Hz,CH=Nとオルトにある芳香族H);8,17(1H,s,C=N)
13C−NMR:(CDCl3,75.4MHz,298K)δ(ppm):21.4(CH3);63.8(OCH2);68.4(H2NCOCH);115.0(d,JC−F=22.4Hz,芳香族CH),115.5(d,JC−F=20.7Hz,芳香族CH);123.7(d,JC−F=14.4Hz,第四級芳香族C);124.5(bd,芳香族CH);129.0(第四級芳香族C);129.8(bd,芳香族CH);130.1(bd,2芳香族CH);160.5(d,JC−F=246.4Hz,第四級芳香族C);161.1(芳香族C−O);161.1(C=N);176.9(CONH2)
b)(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(Ib)]
[0232] 上記の通り調製した(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(IIIb)(30g)とメタノール(180mL)の混合物を撹拌しながら2から5℃に冷却する。温度を5℃未満に保ちながら、調製した冷混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(3.8g)を18回に分けて90分で少しずつ加える。それから混合物を5℃でさらに10分間撹拌する。反応混合物を減圧濃縮し、実施例2に記載される通りに後処理して、(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(ラルフィナミド、Ib)28.75g(収率95%)を得る:実施例25Aの方法に従って測定したHPLC純度99.5(面積%)、および実施例25Bの方法に従ってHPLCにより測定したC,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量0.005重量%未満。]
[0233] c)(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id)]
[0234] 上記実施例6b)に記載される通りに得られたラルフィナミドを、実施例3に記載される通りにメタンスルホン酸と反応させ、メタンスルホン酸塩(Id)を収率95%で得る。]
[0235] 得られる生成物のHPLC純度は99.9(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩含量は0.005重量%未満(実施例25Bを参照)である;DSC(5℃/分)によるm.p.240.6℃。]
[0236] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドメタンスルホン酸塩のエナンチオマー純度は99.9超(面積%、実施例26Aを参照)である。]
[0237] (実施例7)
Schiff塩基中間体(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(III’b)を単離する、高純度(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(I’d)の調製
a)(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(III’b)
実施例1.1の通りに調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(60.0g、0.26mol)とD−アラニンアミド塩酸塩(35.7g、0.29mol)をメタノール(280mL)に加えて懸濁液とし、窒素雰囲気下撹拌しながら室温で、これにトリエチルアミン(29.1g、0.29mol)を加える。さらに1時間撹拌を続ける。]
[0238] 次に、溶液に、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド数mgを種結晶として加え、温度を5から10℃に下げて撹拌を2時間続ける。]
[0239] 固体を濾過して集め、0℃でメタノールで洗う。]
[0240] 固体を減圧下で乾燥させて、標記化合物を収率91%で得る;m.p.121℃(キャピラリー)。]
[0241] 1H−NMR:(CDCl3,300MHz,298K)δ(TMSに対するppm):1.46(3H,d,J=7.0Hz,CH3);3.91(1H,q,J=7.0Hz,CH−CO);5,17(2H,s,O−CH2);7,02(2H,d,J=8,9Hz,O−CH2とオルトにある芳香族H);7.09(1H,ddd,JH−F=9,78Hz,Jorto=8,55Hz,Jmeta=1,23Hz,Fとオルトにある芳香族H);7,15(1H,dt,Jorto=7,35Hz,Jmeta=1,23Hz,Fとパラにある芳香族H);7,27−7,40(1H,m,CH2とパラにある芳香族H);7,48(1H,dt,Jorto=JH−F=7,35Hz,Jmeta=1,53Hz,CH2とオルトにある芳香族);7,71(2H,d,J=8,9Hz,CH=Nとオルトにある芳香族H);8,17(1H,s,C=N)
13C−NMR:(CDCl3,75.4MHz,298K)δ(ppm):21.4(CH3);63.8(OCH2);68.4(H2NCOCH);115.0(d,JC−F=22.4Hz,芳香族CH),115.5(d,JC−F=20.7Hz,芳香族CH);123.7(d,JC−F=14.4Hz,第四級芳香族C);124.5(bd,芳香族CH);129.0(第四級芳香族C);129.8(bd,芳香族CH);130.1(bd,2芳香族CH);160.5(d,JC−F=246.4Hz,第四級芳香族C);161.1(芳香族C−O);161.1(C=N);176.9(CONH2)]
[0242] b)(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)
(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(III’b)(30g)とメタノール(180mL)の混合物を撹拌しながら2から5℃に冷却する。温度を5℃未満に保ちながら、調製した冷混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(3.8g)を20回に小分けして90分で加える。それから混合物を5℃でさらに10分間撹拌する。反応混合物を減圧濃縮し、実施例2に記載される通りに後処理して、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)28.44g(収率94%)を得る;実施例25Aの方法に従って測定したHPLC純度99.8(面積%)、および実施例25Bの方法に従ってHPLCにより測定したC,O−ジアルキル化(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量0.005重量%未満。]
[0243] c)(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(I’d)の調製
上記実施例7bに従って得られるラルフィナミドのR−エナンチオマーを、実施例3aに記載される通りにメタンスルホン酸と反応させ、メタンスルホン酸塩(I’d)を収率95%で得る。]
[0244] 得られる生成物のHPLC純度は99.9(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩含量は0.005重量%未満である(実施例25Bを参照);DSC(5℃/分)によるm.p.240.6℃。]
[0245] キラルHPLCカラムで測定したラルフィナミドメタンスルホン酸塩のエナンチオマー純度は99.8超(面積%、実施例26Bを参照)である。]
[0246] (実施例7A)
(R,S)2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(Id、I’d)
a)250mLガラス反応器にメタノール(54mL)および(R,S)アラニンアミド塩酸塩(10.09g、82mmol)を仕込み、25℃で無水トリエチルアミン(11.36mL、96mmol)を滴下する。]
[0247] 実施例1.6で調製した4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(15.99g、69mmol)を約10分で加え、混合物を25℃で12時間撹拌する(混合物A)。]
[0248] 第二の反応器(50mL)中、メタノール(20mL)および水酸化ナトリウム30%水溶液(1.3g)を撹拌して混合し、温度を0.6℃に下げる。1℃で、溶液に、水素化ホウ素ナトリウム粉末(2.61g、69mmol)を少しずつ加える。窒素下1℃で、混合物を2時間撹拌する(混合物B)。]
[0249] 窒素下撹拌して温度を10℃に保ちながら、上記の混合物Aに混合物Bを約30分で加える。]
[0250] 反応混合物を10℃で30分間撹拌し、減圧濃縮して残量20mLにする。窒素下撹拌しながら、残渣にトルエン(70mL)および水(120mL)を加え、混合物を60から65℃に加熱する。]
[0251] 有機相を分離して水(20mL)を加え、混合物を60から65℃で撹拌する。]
[0252] 有機相を分離して約7℃まで徐々に冷却し、3時間この状態に保つ。]
[0253] 混合物を濾過し、固体をトルエン(3×5mL)で洗って減圧下で乾燥させて、(R,S)2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(13.59g)を得る;収率65.2%。]
[0254] 生成物のHPLC純度は97.73%(面積%、実施例25Aを参照)であり、C,O−ジアルキル化(R,S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド含量は0.020重量%(実施例25Bを参照)である。]
[0255] このようにして得られる(R,S)ラルフィナミドは、キラルHPLCカラムによりS:R=52.3:47.7(面積%、実施例26Aを参照)のエナンチオマー混合物であることがわかる。]
[0256] b)2−プロパノール(102mL)と実施例7a)で調製した(R,S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(10g、33mmol)の混合物を撹拌しながら70℃に加熱し、透明な溶液になるまでこの状態に保つ。]
[0257] 60℃で、この溶液に、無水メタンスルホン酸(3.18g;2.15mL)をゆっくりと加える。]
[0258] 不均一混合物を20℃に冷却し、この温度で2時間撹拌する。]
[0259] 混合物を遠心分離し、固体を2−プロパノールで洗って減圧下乾燥させて、標記生成物10.77gを得る;
収率92%;HPLC純度99.50(面積%、実施例25Aを参照)を有し、C,O−ジアルキル化(R,S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩を0.009重量%(実施例25Bを参照)含む。]
[0260] このようにして得られる(R,S)ラルフィナミドは、キラルHPLCカラムによりS:R=52.8:47.2(面積%、実施例26Aを参照)のエナンチオマー混合物であることがわかる。]
[0261] [α]25D(c2%、メタノール中):0.0473]
[0262] (実施例8)
(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(IId)の調製
a)3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)
5L丸底フラスコに、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(293g、2.407mol)、炭酸カリウム(315.85g、2.287mol)、トルエン(900mL)、および2−フルオロベンジルクロリド(1392g、9.628mol)を順番に加える。]
[0263] 撹拌しながら、反応混合物に水(150mL)を加える。]
[0264] 混合物を急速に加熱して還流させ、この状態に3日間保つ。]
[0265] GC分析により、3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)が3.2重量%(実施例24Bを参照)存在することが明らかとなる。]
[0266] 混合物を60℃に冷却し、撹拌しながら水(1000mL)を加える。相を分離させる。有機相をブライン(500mL)で洗う。それから溶媒を、それ以上溶媒が出てこなくなるまで、35℃で減圧(10mmHg)蒸留する。]
[0267] 残渣を3mmHgで蒸留して180から220℃の画分を集める。蒸留残渣を冷却してCH2CI2に溶解し、溶媒を減圧除去して残渣を得る。GC純度は89%であるが、原料のアルデヒドは0.5%である。]
[0268] ヘキサン:酢酸エチル=95:5を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによりGC純度99%超(面積%;GC条件は実施例24Bを参照)である生成物(15.7g)を得る。生成物のm.p.71℃(キャピラリー)。]
[0269] 1H−NMR:(CDCl3,300MHz,298K)δ(TMSに対するppm):4.06(2H,s,CH2);5.23(2H,s,OCH2);6.95−7.40(9H,m,芳香族H);7.67(1H,bd,J=0.9Hz,C=OおよびCH2とオルトにある芳香族H);7.76(1H,dd,J1=2.1Hz,J2=8.3Hz,C=Oおよび芳香族CHとオルトにある芳香族H);9.84(1H,s,CHO)。]
[0270] 13C−NMR:(CDCl3,75.4MHz,298K)δ(ppm):29.2(CH2);64.1(OCH2);111.4(芳香族CH);115.4(d,JC−F=22.0Hz,芳香族CH),115.5(d,JC−F=21.1Hz,芳香族CH);123.3(d,JC−F=14.2Hz,第四級芳香族C);124.1(d,JC−F=2.6Hz,芳香族CH);124.5(d,JC−F=3.2Hz,芳香族CH);126.6(d,JC−F=15.5Hz,第四級芳香族C);128.2(d,JC−F=8.1Hz,芳香族CH);129.6(d,JC−F=6.2Hz,芳香族CH);129.6(第四級芳香族C);130.0(第四級芳香族C);130.2(d,JC−F=8.3Hz,芳香族CH);131.1(芳香族CH);131.3(d,JC−F=4.1Hz,芳香族CH);131.8(芳香族CH);160.5(d,JC−F=246.8Hz,第四級芳香族C);161.2(d,JC−F=245.1Hz,第四級芳香族C);161.3(第四級芳香族C);191.1(CHO)。]
[0271] b)(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)
3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(3.56g,0.0105mol)を50mLフラスコに加え、L−アラニンアミド塩酸塩(1.2g,0.0119mol)のメタノール溶液17mLに撹拌下にトリエチルアミン(1.48g,0.0119mol)を注意深く加えることにより予め調製した溶液を室温で加える。]
[0272] この反応混合物を室温で1時間撹拌し(対応するイミンの析出が生じる。)、それから混合物を0.18Lオートクレーブに移して湿った(50%H2O)Pt/C5%0.34gを加える。]
[0273] オートクレーブ中の空気を窒素でパージし、それから水素を5.0barで導入する。]
[0274] 35℃で反応を3から5時間実施する。]
[0275] 室温まで冷却し、触媒を濾過して除去した後、溶媒を減圧蒸留して約6.5gの残渣を得る。この残渣に、水(22mL)を加え、撹拌しながら少なくとも2時間この温度に保つ。]
[0276] 得られる結晶を濾過して水で洗う。標記化合物を収率83%(0.00872mol)で得る;m.p.161℃(キャピラリー)。]
[0277] 1H−NMR:(CDCl3,300MHz,298K)δ(TMSに対するppm):1.32(3H,d,J=6.7Hz,CH3);1.97(1H,bs,NH);3.22(1H,q,J=6.7Hz,CH−CO);3.67(2H,ABq,J=12.8Hz,NCH2のジアステレオトピックH);4.03(2H,s,CH2);5.12(2H,s,OCH2);5.98(1H,bs,NH2);6.89(1H,d,Jortho=8.3Hz,CH2NHおよび芳香族CHとオルトにある芳香族H);6.95−7.40(10H,m,芳香族H)。]
[0278] 13C−NMR:(CDCl3,75.4MHz,298K)δ(ppm):19.6(CH3);29.2(CH2);52.0(NHCH2);57.7(H2NCOCH);63.8(OCH2);111.7(芳香族CH);115.2(d,JC−F=21.9Hz,芳香族CH),115.3(d,JC−F=21.3Hz,芳香族CH);124.0(d,JC−F=3.5Hz,芳香族CH);124.3(d,JC−F=2.9Hz,芳香族CH);124.3(d,JC−F=14.4Hz,第四級芳香族C);127.5(芳香族CH);127.6(d,JC−F=15.0Hz,第四級芳香族C);127.8(d,JC−F=7.5Hz,芳香族CH);128.8(第四級芳香族C);129.0−130.0(m,2芳香族CH);130.5(芳香族CH);131.3(d,JC−F=4.6Hz,芳香族CH);131.8(第四級芳香族C);155.6(第四級芳香族C);160.4(d,JC−F=245.8Hz,第四級芳香族C);161.2(d,JC−F=244.6Hz,第四級芳香族C);178.2(CONH2)。]
[0279] c)(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(IId)
0.2Lガラス反応器中、(S)−3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド塩基3.59g(0.00872mol)を2−プロパノール40.0mLに溶解させる。溶液を撹拌しながら55から60℃に加熱し、この温度に1時間保つ。この溶液に、メタンスルホン酸(0.00881mol)を15分で加え、温度を90分で20℃に下げる。一晩後、固体を濾過して集め、減圧下50℃で乾燥させ、それからメタノールから結晶化させて(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩を収率89%で得る;m.p.190℃(キャピラリー)。]
[0280] 1H−NMR:(DMSO−d6,300MHz,298K)δ(TMSに対するppm):1.42(3H,d,J=6.8Hz,CH3CH);2.33(3H,s,CH3SO3);3.50−4.20(5H,m,CH−CO,CH2,NCH2のジアステレオトピックH);5.19(2H,s,OCH2);6.95−8.00(11H,m,芳香族H);9.02(2H,bs,NH2+)。]
[0281] 13C−NMR:(DMSO−d6,75.4MHz,298K)δ(ppm):16.5(CH3);28.8(CH2);48.6(NHCH2);54.9(H2NCOCH);64.3(OCH2);112.8(芳香族CH);115.0−117.0(2芳香族CH);124.2(d,JC−F=14.4Hz,第四級芳香族C);124.4(第四級芳香族C);124.8(芳香族CH);125.0(芳香族CH);127.3(d,JC−F=16.1Hz,第四級芳香族C);128.6(第四級芳香族C);128.8(芳香族CH);129.0−133.0(m,5芳香族CH);156.9(第四級芳香族C);160.8(d,JC−F=245.2Hz,第四級芳香族C);160.9(d,JC−F=243.5Hz,第四級芳香族C);171.1(CONH2)。]
[0282] d)(IId)を0.13重量%含有するラルフィナミドメタンスルホン酸塩(Id)の分取HPLCによる単離
(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)をメタンスルホン酸塩(IId)として0.13重量%含有するJ.Med.Chem.,1998,41,579,方法Aに従って製造するサルフィナミドメタンスルホン酸塩(Id)200gからも(IIb)のサンプル(100mg)を分取HPLCにより単離する。]
[0283] キラルカラムでのHPLC分析(実施例27Cを参照)は、Sエナンチオマー(RT7.3)対Rエナンチオマー(RT7.6)の比が99.5/0.5を超えることを示す。分離は、以下のスキームに従って、2段階で実施する(ステージ1およびステージ2):]
[0284] ]
[0285] ステージ1
第1段階の目的はIIb/TFA(トリフルオロ酢酸)含量の多い粗生成物を単離することである。]
[0286] 分取HPLC条件は以下の通りである。]
[0287] 分取HPLC条件:
機器:Waters Delta Prep 4000(往復ポンプ、低圧ミキサー付きグラジエントコントローラー)
Radial Compression Module Prep LC Base(Waters)
Jasco 7125可変波長UV検出器,o.p.0.2mm
Merk D2000プリンター−プロッター
カラム:Delta Pak C18,15μm,40xl00mm(Waters)。
溶離液A:70/30,水/アセトニトリル+0.1%TFA
溶離液B:30/70,水/アセトニトリル+0.1%TFA
流速:27.0ml/分
勾配:40分間,100%A一定→1分間で100%B
検出:UV227nm
注入:水50ml中5g(ポンプ入口側配管Dによる)]
[0288] ステージ2
この段階はTFAをIIb/TFAから除去し、IIbを更に精製するために必要である。]
[0289] 以下の分取HPLC条件を使用してIIb/TFAをクロマトグラフィー精製する。]
[0290] 画分4及び5を合わせ、アセトニトリルが完全に除去されるまで40℃で減圧蒸発させる。残留水溶液を4℃の冷蔵庫に保存する。不溶分を濾過により単離し、室温で減圧乾燥し、IIb(100mg;HPLC純度100%)を得る。]
[0291] 分取HPLC条件:
機器:Waters Delta Prep 4000(往復ポンプ、低圧ミキサー付きグラジエントコントローラー)
Jasco 7125可変波長UV検出器,o.p.0.2mm
Merk D2000プリンター−プロッター
カラム:Symmetry C 18,7μm,20x250mm(Waters)
溶離液A:70/30,水/アセトニトリル
溶離液B:30/70,水/アセトニトリル
流速:15.0ml/分
勾配:20分間,100%A一定→1分間で100%B
検出:UV227nm
注入:不純物「IIa/TFA」溶液50ml(ポンプ入口側配管Dによる)]
[0292] (実施例9)
(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミドメタンスルホン酸塩(II’d)の調製
a)3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(VIb)
標記化合物を実施例8a)に従って調製する。]
权利要求:

請求項1
式(Ia)の(S)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(サルフィナミド)、式(Ib)の(S)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(ラルフィナミド)それぞれのR−エナンチオマー(I’a)および(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、この医薬的に許容される酸との塩から選択され、サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩は、0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満である、それぞれの不純物、(S)−2−[3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIa)、(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)、それぞれのR−エナンチオマー(II’a)もしくは(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはこの医薬的に許容される酸との塩の含量を有する、高純度2−[4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド化合物を製造する方法であって、4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドとL−アラミンアミドまたはD−アラニンアミドまたはこのラセミ混合物とのイミノアルキル化反応により得られる式(IIIa)、(IIIb)のSchiff塩基中間体それぞれのR−エナンチオマー(III’a)もしくは(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)もしくは(IIIb、III’b)を、イミノアルキル化反応完了後に、(C1−C5)低級アルカノールまたはこれらの混合物から選択される必要に応じて少量の水を含む所定量の有機溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムから選択される還元剤で還元し、還元中の有機溶媒対Schiff塩基の比は、還元反応過程の実質的な部分の間、Schiff塩基懸濁液からSchiff塩基の同有機溶媒の飽和溶液になって存在することを可能とするものであり、ならびにSchiff塩基1モルあたり0.5Lから3.0L、好ましくは0.7Lから2.5L、より好ましくは0.8Lから2.0Lの範囲であり、これによりサルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)もしくは(Ib、I’b)を遊離塩基の形で調製し、および必要に応じて医薬的に許容される酸で該遊離塩基形を塩に変換することを特徴とする、方法。
請求項2
Schiff塩基中間体(IIIa)、(IIIb)、(III’a)、(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIIa、III’a)もしくは(IIIb、III’b)の調製に用いられる4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質が0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満の3−(3−または2−フルオロベンジル)−4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド不純物含量を有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
請求項3
還元剤は水素化ホウ素ナトリウムであり、ならびに有機溶媒はメタノール、エタノール、および2−プロパノールから選択され、および好ましくはメタノールであり、必要に応じて少量の水が存在する、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
請求項4
水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムのいずれの添加も行う前に、反応混合物のpHを7から9の間に調整する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
請求項5
Schiff塩基中間体に対する還元剤の分子の量は0.5から1.4の範囲である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
請求項6
還元反応温度は−10℃から30℃、好ましくは5℃から15℃の範囲である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
請求項7
医薬的に許容される酸はメタンスルホン酸である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
請求項8
式(IIIa)、(IIIb)、(III’a)、(III’b)のSchiff塩基中間体またはそれぞれのラセミ混合物が、(C1−C5)低級アルカノールから選択される有機溶媒が、4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)または4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)に対して、同溶媒中のSchiff塩基飽和溶液にSchiff塩基の懸濁物が形成され得るような量で存在する下、アルデヒド(IVa)またはアルデヒド(IVb)をL−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこのラセミ混合物でイミノアルキル化することにより調製される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
請求項9
L−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこのラセミ混合物は、この酸付加塩からL−アラニンアミド、D−アラニンアミド、またはこのラセミ混合物を遊離させるのに十分な量の塩基の存在下で、酸付加塩として用いられる、請求項8に記載の方法。
請求項10
Schiff塩基中間体の析出を引き起こして該中間体の同反応溶媒による懸濁液を与えるような条件下でイミノアルキル化反応を完了した結果得られる同反応混合物で、還元剤を用いたSchiff塩基中間体の還元反応を行う、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
請求項11
イミノアルキル化反応を完了した結果得られるSchiff塩基中間体を単離してから還元剤で還元する、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
請求項12
水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウム還元剤は、固形でまたは水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを加えて安定化したメタノール溶液の形でのいずれかで、反応過程の間、少しずつ、好ましくは小分けして、Schiff塩基と反応溶媒の混合物に加えられる、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
請求項13
Schiff塩基中間体(IIIa)、(IIIb)、(III’a)、(III’b)、またはそれぞれのラセミ混合物を調製するための4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)または4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)出発物質は、塩基の存在下、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを、それぞれ、3−フルオロベンジルまたは2−フルオロベンジルアルキル化剤(Va)または(Vb)(Yは、Cl、Br、I、OSO2CH3、およびOSO2−C6H4−pCH3を含む脱離基である。)でアルキル化し、必要に応じて結晶化させてから、続く反応工程に用いて4−(3−または2−フルオロベキシルオキシ)ベンズアルデヒド出発物質(IVa)または(IVb)とすることで調製し、3−(3−または2−フルオロベンジル)−4−(3−または2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド不純物含量は0.03重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
請求項14
YがClである請求項13に記載の方法。
請求項15
結晶化が4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)又は4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)の不活性有機溶媒溶液に不活性有機非溶媒を加えることにより実施される請求項13及び14のいずれかに記載の方法。
請求項16
不活性有機非溶媒が低級脂肪族炭化水素から選択され、ならびに不活性有機溶媒が芳香族炭化水素から選択される請求項15に記載の方法。
請求項17
低級脂肪族炭化水素がn−ヘキサンであり、ならびに芳香族炭化水素がトルエンである請求項16に記載の方法。
請求項18
結晶化が4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVa)又は4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(IVb)を高温溶媒、好ましくは還流下のシクロヘキサン又はジ(C3−C4)アルキルエーテル、最も好ましくはジイソプロピルエーテルに溶解し、次いで溶液を室温、好ましくは10−15℃に冷却することにより実施される請求項13に記載の方法。
請求項19
アルキル化反応が相間移動条件下で実施される請求項13から18のいずれかに記載の方法。
請求項20
相間移動条件下のアルキル化が、試薬と相間移動触媒が有機液相に溶解され、固相が無機塩基又は前記無機塩基と4−ヒドロキシベンズアルデヒドの塩から構成される固/液系で実施される請求項19に記載の方法。
請求項21
相間移動条件下のアルキル化が、式(Va)又は(Vb)のアルキル化試薬3−フルオロベンジル又は2−フルオロベンジル誘導体が有機液相に溶解され、4−ヒドロキシベンズアルデヒドが無機塩基との塩として水相に溶解された液/液系で実施される請求項19に記載の方法。
請求項22
相間移動触媒が第4級アンモニウム、ホスホニウム塩及び低分子量ポリエチレングリコールから選択される請求項19から21のいずれかに記載の方法。
請求項23
相間移動触媒の使用量が4−ヒドロキシベンズアルデヒド1モル当たり0.02から1モルである請求項22に記載の方法。
請求項24
相間移動触媒の使用量が4−ヒドロキシベンズアルデヒド1モル当たり0.1から1モルである請求項23に記載の方法。
請求項25
有機液相の有機溶媒がジアルキルエーテル及び芳香族炭化水素から選択される請求項20から24のいずれかに記載の方法。
請求項26
式(Va)又は(Vb)のアルキル化試薬と4−ヒドロキシベンズアルデヒドのモル比が0.6から1.5である請求項20から25のいずれかに記載の方法。
請求項27
温度が60℃から160℃である請求項20から26のいずれかに記載の方法。
請求項28
無機塩基がNa2CO3、K2CO3、NaOH及びKOHから選択され、温度が80℃から120℃であり、ならびに式(Va)又は(Vb)のアルキル化試薬と4−ヒドロキシベンズアルデヒドのモル比が0.9から1.1である請求項20から27のいずれかに記載の方法。
請求項29
サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)および(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩は、それぞれの不純物、(S)−2−[3−(3−フルオロベンジル)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIa)、(S)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]プロパンアミド(IIb)、それぞれのR−エナンチオマー(II’a)もしくは(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)またはこれらの医薬的に許容される酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満であり、医薬的に許容される酸との塩はメタンスルホン酸との塩である、請求項1から28のいずれかに記載の方法。
請求項30
医薬的に許容される酸はメタンスルホン酸であり、メタンスルホン酸との塩としてのそれぞれ式(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)の不純物またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)の含量は0.01%(重量)未満である、請求項29に記載の方法。
請求項31
単離したSchiff塩基(R)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(III’a)または(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジリデンアミノ]プロパンアミド(III’b)。
請求項32
請求項1から30のいずれかに記載の方法に従って得られる、それぞれの不純物である式(IIa)、(IIb)、(II’a)、もしくは(II’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満である、医薬として用いる高純度サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)、(I’b)、またはそれぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)もしくは(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩。
請求項33
医薬的に許容される酸との塩はメタンスルホン酸との塩であり、それぞれの不純物である式(IIa)、(IIb)、(II’a)(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはメタンスルホン酸との塩の含量は0.01重量%未満である、医薬として用いる請求項32の高純度サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)、(I’b)、およびそれぞれのラセミ混合物、または医薬的に許容される酸との塩。
請求項34
CYP450系のチトクローム、特にCYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9に干渉せず、ならびにHERGチャネル遮断性を示さない条件下でそれぞれ(i)癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病、不穏下肢症候群、疼痛、および偏頭痛、(ii)慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、うつ病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害、および胃腸障害を治療する医薬を製造するための、請求項1から30のいずれかの方法に従って得られる、それぞれの不純物である式(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である、高純度(i)サルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、もしくはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩、または高純度(ii)ラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、もしくはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の使用。
請求項35
請求項34に記載の高純度サルフィナミド、サルフィナミドR−エナンチオマー、ラルフィナミド、ラルフィナミドR−エナンチオマー、それぞれのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の使用であって、低代謝能群(PM)に分類される患者で前記請求項34に記載の障害を治療する、またはCYP450系のチトクロームに干渉することが既知であるおよび/またはHERGチャネル遮断性を有することが既知である他の薬物の付随が想定されている患者を治療する医薬を製造するための、使用。
請求項36
ナトリウムおよび/またはカルシウムチャネル機構が病理学的役割を果たす病状(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害、および尿生殖器障害など)のいずれかを患っている患者で、CYP450系のチトクローム、特にCYP3A4、CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9に干渉せず、ならびにHERGチャネル遮断性を示さない条件下で、該病状の選択的治療用医薬を製造するための、式(II’b)の不純物またはこの医薬的に許容される酸との塩が0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満である高純度ラルフィナミドR−エナンチオマー単体またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の使用。
請求項37
高純度ラルフィナミドR−エナンチオマー単体またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の請求項36に記載の使用であって、低代謝能群(PM)に分類される患者で前記請求項36に記載の障害を治療する、またはCYP450系のチトクロームに干渉することが既知であるおよび/またはHERGチャネル遮断性を有することが既知である他の薬物の付随が想定されている患者を治療する医薬を製造するための、使用。
請求項38
請求項1から30のいずれかの方法に従って得られる、それぞれの不純物である式(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である、高純度サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)もしくは(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩を含有する薬学的配合物。
請求項39
それぞれの不純物である式(IIa)、(IIb)、(II’a)、(II’b)、それぞれのラセミ混合物(IIa、II’a)もしくは(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である、高純度サルフィナミド、ラルフィナミド、それぞれのR−エナンチオマー(I’a)もしくは(I’b)、それぞれのラセミ混合物(Ia、I’a)もしくは(Ib、I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩に加えて、1種類以上のさらなる活性剤を含有する、請求項38の薬学的配合物。
請求項40
さらなる活性剤は、ドーパミンアゴニストおよび/またはレボドパおよび/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、好ましくはレボドパである、請求項39に記載の高純度サルフィナミドまたはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を含有する薬学的配合物。
請求項41
さらなる活性剤は、ガバペンチンまたはプレガバリンまたはこの医薬的に許容される酸付加塩である、請求項39に記載の高純度ラルフィナミドまたはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を含有する薬学的配合物。
請求項42
不純物(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(II’b)またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である高純度ラルフィナミドエナンチオマー単体、(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を、任意にさらなる活性剤と合わせて含有する、ナトリウムおよび/またはカルシウムチャネル機構が病理学的役割(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害、および尿生殖器障害など)を果たす病状の選択的治療用薬学的配合物。
請求項43
ガバペンチンおよびガバペンチン関連物質から選択されるさらなる活性剤を任意に含有することができる、慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状の治療に有用な請求項42に記載の組成物またはこのメタンスルホン酸塩との塩。
請求項44
不純物(R)−2−[3−(3−フルオロベンジルオキシ)−4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドまたはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が、0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である、高純度サルフィナミドR−エナンチオマー、(R)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’a)、またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩。
請求項45
不純物(R)−2−[3−(2−フルオロベンジルオキシ)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミドまたはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が、0.03%未満、好ましくは0.01%未満(重量で)である、高純度ラルフィナミドR−エナンチオマー(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(I’b)またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩。
請求項46
CNS障害、特に癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病、不穏下肢症候群、疼痛、および偏頭痛のいずれかを患っていて治療を必要としている患者に、請求項1から30のいずれかに従って製造される、それぞれのジベンジル誘導体(IIa)、(II’a)、これらのラセミ混合物(IIa、II’a)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩の含量が0.03%未満、好ましくは0.01重量%未満である高純度サルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を有効量で投与することを含む、患者のCNS障害を治療する方法。
請求項47
慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、うつ病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害、および胃腸障害のいずれかを患っていて治療を必要としている患者に、請求項1から30のいずれかに従って製造される、ジベンジル誘導体(IIb)、(II’b)、これらのラセミ混合物(IIb、II’b)、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩含量が0.03%未満、好ましくは0.01重量%未満である高純度ラルフィナミド、このR−エナンチオマー、これらのラセミ混合物、またはこれらの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を有効量で投与することを含む、患者の慢性疼痛および神経因性疼痛を含む疼痛症状、偏頭痛、双極性障害、うつ病、心臓血管障害、炎症性障害、尿生殖器障害、代謝障害、および胃腸障害のいずれかを治療する方法。
請求項48
ナトリウムおよび/またはカルシウムチャネル機構が病理学的役割(疼痛、偏頭痛、身体系全体に影響を及ぼす炎症過程、皮膚および関連組織に影響を及ぼす障害、呼吸器系の障害、免疫系および内分泌系の障害、胃腸障害、および尿生殖器障害など)を果たす病状のいずれかを患っていて治療を必要としている患者に、請求項1から30のいずれかに従って製造される、不純物(R)−2−[3−(2−フルオロベンジル)−4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド(II’b)、またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩含量が、0.03%未満、好ましくは0.01%(重量)未満であるラルフィナミドR−エナンチオマー単体(R)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)ベンジルアミノ]プロパンアミド、またはこの医薬的に許容される酸との塩、好ましくはメタンスルホン酸との塩を治療上有効量で投与することを含む、治療活性がどのようなMAO阻害的副作用も実質的にないか顕著に減少したMAO阻害的副作用しか示さない条件下での、患者の病状の選択的治療法。
請求項49
患者は低代謝能群(PM)に分類されるか、CYP450系のチトクロームと干渉することが既知である他の薬物の付随が想定されている、請求項46から48のいずれかに記載の方法。
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