樹状細胞の作製方法
专利摘要:
本発明は、がん、微生物感染、アレルギー、自己免疫疾患、又は臓器及び幹細胞の移植拒絶反応の処置における治療の有効性を機能的に向上させることを目的として遺伝子操作することによって、樹状細胞を作製する方法、及び医薬におけるその使用に関するものである。 公开号:JP2011506372A 申请号:JP2010537327 申请日:2008-12-12 公开日:2011-03-03 发明作者:ドーナル,アレクサンダー・ミヒャエル;フェルツマン,トーマス 申请人:トリメド・ビオテヒ・ゲーエムベーハー; IPC主号:A61K35-12
专利说明:
[0001] 本発明は、樹状細胞(DC)を作製及び遺伝子操作するための方法、並びにその使用に関するものである。] 背景技術 [0002] 近年、樹状細胞(DC)は、免疫の中心的調節因子として認識されている。ヒトDCは、成長因子、典型的にはインターロイキン(IL)4及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)の存在下、造血幹細胞又は末梢血単球から、in vitro分化によって産生される。最近の証拠は、DCが微生物によるストレス、心的外傷性ストレス、又は代謝性ストレスとの遭遇に対して柔軟に反応する能力を有することを示唆している。このように、DCは、特定機能、例えば活性化又は寛容化、1型又は2型Tヘルパーリンパ球(Th1、Th2)分極を果たす1つのサブタイプへ分化するだけでなく、所定の環境で遭遇する挑戦に対して好適な時間−動態様式で異なる機能状態もとる(図1)。] 図1 [0003] 単球は血流から離れて各種組織に入り、慣用的に未成熟DC(iDC)と称するものになる。これらのiDCは、細胞外液からの物質、及び生理学的死滅細胞、プロセスからのアポトーシス小体をとることによって、それらの環境の見本をとり、共刺激なしでTリンパ球に対する寛容誘導型でこの物質を提示する前哨である。寛容を誘導するiDC表現型は、DCの初期設定状態と考えることができる。toll様受容体(TLR)、炎症性サイトカイン、又はTリンパ球由来シグナル伝達によって伝達され、最も顕著にはCD40/CD40L相互作用によって介在される病原体関連分子パターン(PAMP)であり得る危険なシグナルにiDCが遭遇するまで、この状態は維持される。このプロセスはDC成熟と称し、一連の機能変化と同時に起こる。これらの機能変化はおよそ2日間にわたって起こり、その後、DCは成熟DC(mDC)と称する状態に達する。最も顕著なのは、DCは、B7ファミリーメンバーCD80及びCD86のような共刺激分子を上方制御し始める。これは、DCに、抑制性シグナルよりもむしろ活性化シグナルを、DC膜上の主要組織適合性複合体(MHC)分子との複合体で抗原性ペプチドと相互作用可能なT細胞受容体を有するTリンパ球へ送達させる。この段階で、刺激依存性分極も生じ、DCは、1型免疫応答を好むIL−12及びIL−12ファミリーサイトカインを分泌し、その後、細胞障害性Tリンパ球(CTL)によって介在される細胞性免疫を支持する。IL−12分泌は、TLRとそれらのリガンドとの連結、例えばTLR4のLPSとの連結によって一般的に誘発されるが、可溶性又は細胞膜結合性のCD40L分子とDC上のCD4との相互作用によっても誘導される。逆に、IL−12放出の欠如は、Bリンパ球を支持することにより、液性免疫応答を開始する2型分極を誘発する。IL−12分泌のないDC成熟の開始は、TNF−α及びPG−E2、並びに限定されるものではないが、I型及びII型インターフェロン、IL−1、又はIL−6を含めた各種炎症性サイトカインを典型的には含有するサイトカインカクテルへのiDCの曝露によって達成される。] [0004] IL−12放出は約24時間後に停止し、DCとTリンパ球との遭遇がその時間ウィンドウ内で生じ、有効な1型分極及びCTL活性化を可能にすることが必要であることを示している。逆に、共刺激性分子の発現は2日後にその最大に達する。定義によって成熟DCは、機能的にではなく表現型の上で共刺激性分子の最大発現のみを特徴とするため、IL−12を放出する1型分極DCは半成熟(sm)DCと称する。] [0005] およそ2日後、DCはいわゆる成熟期に達する。その分化の第2日目に、DCは免疫刺激能を喪失し、負の調節フィードバックループを介在する分子の上方制御によって免疫抑制性を獲得する(図1)。この分化期の生物学的意義は、厳密な制御下で免疫応答を維持することの必要性である。活性化免疫細胞、特に他の細胞を死滅させるCTLは、生物に対してかなりの脅威をもたらす。これは、対照を避けた免疫応答の病的な結果:I型糖尿病又は多発性硬化症のような自己免疫疾患によって例示される。したがって、成熟シグナルに遭遇後第1日目に免疫応答を準備する同一DCは、分化プロセスの第2日目にこの同一免疫応答を弱めるであろう。したがって、成熟DCは、実際、元々考えられていた免疫刺激性細胞ではなく、むしろ免疫抑制性細胞であり、したがって、がん免疫療法又は微生物疾患の治療における使用のような、免疫刺激を目的とした治療的介入には不適切である。] 図1 [0006] 未成熟(寛容維持)DC、半成熟(免疫刺激性)DC、及び成熟(免疫抑制性)DCを区別することが重要である(図1)。先に概説したようなiDCは自己抗原に対して寛容を維持する。smDCは上記成熟刺激のうち1つに遭遇し、およそ2日以内にmDCへの分化を不可逆的にコミットされている。重要なことは、それら2日間のうち最初の1日目にのみ、IL−12放出、I型免疫分極の開始、及びその結果としてCTL介在免疫応答の支持を可能にする。いったん成熟DCが1日後に分化の第2期に入ると、免疫抑制性を獲得する。mDCをCD80、CD83、又はCD86のような膜分子の発現によって特徴付けることは免疫学者のあいだでは慣例的なことである。しかしながら、2、3時間以内に最大発現に達し、24時間後に消失するIL−12とは異なり、これらの膜分子は48時間後にのみ最大発現に達する。本明細書に記載のIL−12分泌DCを、成熟DCという名称によって慣用的に理解されているものと明確に区別するために、半成熟DCという用語を選択した。非常に重要なことは、これは、ある種の機能的欠損ではなく、図1における時間−動態スケールで特定の分化期のみを暗示する。smDCは機能的にiDCともmDCとも異なる。] 図1 [0007] 特許文献1は、CD40LをコードするmRNA分子でトランスフェクトされた成熟樹状細胞に関するものである。 非特許文献1は、CD40Lをコードするウイルスによる未成熟樹状細胞のトランスフェクションについて記載している。CD40Lはこれらの樹状細胞を成熟させるために必要である。] [0008] 非特許文献2には、CD40Lをコードするウイルスによる未成熟樹状細胞のトランスフェクションが開示されている。] [0009] WO2007/117682号 WO00/47719号 WO99/03499号] 先行技術 [0010] Koya R.C.ら、J.Immunoth.26(2003):451−460 Liu Y.ら、Cancer Gene Therapy 9(2002):202−208 Anderson、Science 256:808−813(1992) Nabel及びFelgner、TIBTECH 11:211−217(1993) Mitani及びCaskey、TIBTECH 11:162−166(1993) Dillon、TIBTECH 11:167−175(1993) Miller、Nature 357:455−460(1992) Van Brunt、Biotechnology 6(10):1149−1154(1988) Vigne、Restorative Neurology and Neuroscience 8:35−36(1995) Kremer及びPerricaudet、British Medical Bulletin 51(1):31−44(1995) Haddadaら、Current Topics in Microbiology and Immunology、Doerfler及びBohm(編)(1995) Yuら、Gene Therapy 1:13−26(1994) Bass、Nature 411:428−29(2001) Elbahirら、Nature 411:494−98(2001) Fireら、Nature 391:806−11(1998) RM Steinman及びJ Banchereau、Nature、第449/27巻、2007年9月、第419−426頁] [0011] 本発明の目的は、遺伝子操作に基づいた樹状細胞の作製方法を提供することである。これらの樹状細胞は、医薬品の調製に用いることができる。] 図面の簡単な説明 [0012] 図1は、DC分化プロセス動態の略図におけるDCの発達可塑性を示す。 図2は、smDC1の基本的デザインの品質管理を示す。 図3は、CD40L遺伝子導入の結果を示す。 図4は、IL−12及びIL−10の分泌の量及び質を示す。 図5は、細胞溶解活性のポテンシャル(四角、CD40LトランスジェニックDC;菱形、GFPトランスジェニックDC;三角、対照DC)を示す。 図6は、IL−10発現をブロックされたLPS活性化DCの免疫刺激能を示す。 図7は、IDO発現を沈黙させたLPS活性化DCの免疫刺激能を示す。 図8は、DC発現プロファイリング実験の実験計画を示す。 図9aは、RNA干渉を用いた発現プロファイリング実験において同定されたDCにおいて標的分子の発現をノックダウンさせた後の増殖性応答の改善例を示す。 図9bは、DC中のそれらの発現をsiRNAでノックダウンさせた後、そのように遺伝子操作されたDCの、表示の対照siRNAトランスフェクション又は非トランスフェクトDCと比較した、表示の同種異系リンパ球に対する刺激能を改善させる遺伝子の更なる例を示す。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9a 図9b [0013] 本発明は、以下の工程: a)未成熟樹状細胞を少なくとも1種の樹状細胞成熟因子と接触させて、それらのIL−12分泌能によって規定されるような部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を作製することによって得ることが可能な未成熟樹状細胞若しくはその前駆細胞又は部分的に成熟した樹状細胞を準備すること; b) 工程a)の細胞、特に工程a)のIL−12を放出する部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を、 (i) 少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間の継続IL−12分泌を特徴とする樹状細胞のTリンパ球刺激能を維持可能な、CD40Lから成る群より選択される少なくとも1つの免疫分子を、該少なくとも1つの分子をコードする核酸分子を導入することにより過剰発現させるために;及び/又は (ii) 樹状細胞内で活性であるか又は樹状細胞からT細胞へ送達される、少なくとも1つのTリンパ球抑制分子の発現を阻害又は阻止するために、該少なくとも1つのTリンパ球抑制分子をコードする遺伝子又はその断片をノックアウトすることにより、又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子を導入することにより、LPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞内で作用するか又はLPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞から放出され、そしてインターロイキン10(IL−10)及びインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)から成る群より選択される、表3、表4及び/又は表5に提示される遺伝子のうち少なくとも1つのような該少なくとも1つのTリンパ球抑制性分子の発現を阻害又は阻止するために、 操作すること;及び c) 場合により、物質を加えて樹状細胞の前駆細胞を樹状細胞へ形質転換させること、 を含む方法によって得ることが可能な、部分的に成熟した樹状細胞を含む医薬品に関するものである。] [0014] 本発明による医薬品は、本明細書に開示の方法によって得ることが可能な樹状細胞を含む。樹状細胞は、CD40Lのような免疫刺激に寄与する分子の過剰発現を目的とした遺伝子操作、又はIL−10若しくはIDOのような免疫抑制分子、及びDCにおいてIL−10及びIDOに類似した発現動態を示す、以下の表3、表4、及び表5に列挙した新たに同定された分子の発現をノックダウンすることを目的とした遺伝子操作に付される。遺伝子操作は、造血幹細胞などのいかなるDC又は前駆細胞に実施してもよく、これらの樹状細胞は、TLRリガンド、炎症性サイトカインカクテルのような成熟因子に曝露するか、又はCD40L介在シグナルのようなT細胞由来シグナルに曝露するかは問題ではなく、あるいは未成熟DCから成熟DCへの表現型の転換を誘発することを目的とした他の手順に付されてもよく、あるいはそれらは未成熟期にあってもよい。(遺伝子)操作は、成熟刺激への曝露前に実施しても、後に実施してもよい。成熟刺激(又は成熟刺激の組み合わせ)は短時間のみ適用することが好ましく、例えば24時間以内、12時間、特に好ましくは6時間であるが、6時間未満でもよい。DCへの短い(少なくとも2時間)成熟刺激の好適な適用は、DC免疫医薬が患者への接種後T細胞刺激開始能を高率で保持することを保証する。DCの遺伝子操作は、基本的な免疫刺激能の改善を目的としており、それを置き換えることを意図するものではない。] [0015] 本発明の医薬品の樹状細胞の作製に使用される樹状細胞の前駆細胞は、樹状細胞へ形質転換される必要がある。これを達成するための手段及び方法は、当該技術分野において公知である。] [0016] 「樹状細胞の前駆細胞」は、単球、造血細胞などを包含する。 本発明の他の側面は、以下の工程を含む、樹状細胞作製方法に関するものである: a)未成熟樹状細胞を準備すること: b) 未成熟樹状細胞を少なくとも1つの樹状細胞成熟因子と接触させて、それらのIL−12分泌能によって規定されるような部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を作製すること:及び c) 工程b)のIL−12を放出する部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を、 (i) 少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間、又はそれより長い継続IL−12分泌を特徴とする樹状細胞のTリンパ球刺激能を維持可能な、CD40Lから成る群より選択される少なくとも1つの免疫分子を、該少なくとも1つの分子をコードする核酸分子を導入することにより過剰発現させるために、;及び/又は (ii)LPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞内で作用するか、又はLPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞から放出される、インターロイキン10(IL−10)及びインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)から成る群より選択される、表3及び表4に提示された遺伝子のうち少なくとも1つのような少なくとも1つのTリンパ球抑制分子の発現を阻害又は阻止するため、該少なくとも1つのTリンパ球抑制分子をコードする遺伝子又はその断片をノックアウトすることにより、又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子を導入することにより、樹状細胞内で活性であるか又は樹状細胞からT細胞へ送達される、少なくとも1つのTリンパ球抑制分子の発現を阻害又は阻止するために、 操作すること。] [0017] 上記方法の工程b)の遺伝子操作されたIL−12放出DCは、該少なくとも1つの免疫刺激分子をコードする核酸分子を導入することにより24時間以上維持された分泌を特徴とする、Tリンパ球刺激時間ウィンドウを延長すること及び/又は24時間後その終了を完全に阻止することが可能な少なくとも1つの分子を過剰発現し;又は成熟後24時間の開放を開始するTリンパ球抑制時間ウィンドウに刺激性のTリンパ球からの有効な成熟刺激への曝露後、DCの正常な発達の進行に関与する少なくとも1つの分子の阻害又は下方制御された発現を示し;及び/又は発達して免疫抑制表現型をとるDCによるTリンパ球抑制を介在する機能を果たす少なくとも1つの分子の発現を阻害又は阻止する。これは、該少なくとも1つの分子をコードする遺伝子若しくはその断片をノックアウトすることによって;及び/又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子を導入することにより、免疫刺激性から免疫抑制性の表現型への、成熟刺激への曝露後DCの正常な発達を妨げる少なくとも1つの分子の発現を阻害又は阻止することによって;及び/又はこのT細胞の活性の抑制、そして免疫応答の抑制を引き起こす、DCからT細胞へ送達されるシグナルを妨げることによって、達成される。本発明の樹状細胞は、遺伝子操作を用いることによりTリンパ球刺激、特にCTL活性化を最大にしておよそ24時間の刺激性時間ウィンドウを広げ、又は24時間後のこの刺激性時間ウィンドウの終了を完全に阻止する。IL−10又はIDOの代わりに、成熟刺激への曝露後およそ24時間に開始されるDCの免疫抑制機能に関与する他の分子を用いてもよい(表3、表4、及び表5)。遺伝子操作された免疫刺激性DCの製造において標的とされるのはこれらの分子であることが好ましい。提示したDNAマイクロアレイデータ(表3及び表4)において2倍の過剰発現を示す分子を用いることが特に好ましく、少なくとも6倍の過剰発現を示す分子を用いることがより好ましい。表3及び表4に提示した数は、各欄の見出しに示すように、倍数過剰発現を示す。図9に表した例において立証されるように、DC免疫医薬において免疫抑制に関与すると思われる分子の発現をノックダウンさせることが特に好ましい。] [0018] 先に概説した戦略を逆転させることにより、遺伝子操作されたTリンパ球抑制性DC免疫医薬を設計して、免疫系の病理学的に過剰な活性、例えばアレルギー又は自己免疫疾患、並びに幹細胞移植及び臓器移植を治療することが可能である。免疫抑制は、成熟刺激への曝露後24時間以上の分化したDCにより生理学的に介在される。そのようなDCの免疫抑制能は、先に概説した戦略に従いDCを遺伝子操作することによって、DC分化の最初の24時間Tリンパ球刺激分子の発現を妨げることにより;及び/又はTリンパ球抑制を付与する分子を過剰発現させることにより、促進される。] [0019] 遺伝子操作の標的としてのsmDCの使用は、本発明の中心となる重要な部分である。過去に発表されたmDCの免疫刺激効果は、主に、これらの実験の多くが実施された非常に人工的な実験設定、例えばDCの実際の標的の代わりに自然に存在しない合成ペプチドを使用すること:DCによる取り込み及びプロセシングとは全く異なるメカニズムを必要とする天然タンパク質抗原分子又は全細胞でさえ使用すること、によるものである。多くの他の研究者達は、研究にマウス系を用いており、ヒトとマウスには多くの混乱を引き起こす重大な相違が存在している。しかしながら、今では、mDCには免疫抑制性があることが一般に受け入れられている。驚くべきことに、本発明による方法を用いて得た樹状細胞は、より広い刺激性ウィンドウ(即ちIL−12発現の増加及び延長)を示すことが分かった。CD40L分子を過剰発現させるための半成熟(sm)DC−生理学的分化工程がDCからのIL−12分泌を誘発可能な成熟刺激への曝露により開始されるが、好ましくは2〜12時間後、より好ましくは6時間後に終了するDC−の遺伝子操作は、そのTリンパ球刺激能を少なくとも24時間、好ましくは48時間、5日間又は10日間でさえ維持する能力があることがわかった。そのように遺伝子操作されたDCをIFN−γ含有培地中で培養することが更に好ましい。そのようなDCは、典型的にはToll様受容体(TLR)リガンドへの6時間曝露、好ましくは単独ではないがリポ多糖(LPS)への曝露により、好ましくはIFN−γ存在下での曝露により−表1を参照されたい−そしてCD40Lを過剰発現させるための遺伝子操作により、smDCにし、少なくとも1日、好ましくは3日、最大5日のIL−12継続分泌、及び少なくとも24時間、好ましくは48時間、最大5日の同種異系混合白血球反応(アロMLR)における免疫刺激能の維持を特徴とする表現型をとる。DC免疫医薬の設計に適用することにより、これは、DC分化の初期免疫刺激ウィンドウ及び後期免疫抑制ウィンドウの存在、並びに関連する機能を確認する。したがって、刺激性DC免疫医薬の開発における一般原則は、初期免疫刺激ウィンドウを広げてより有効に免疫活性化を誘発し、後期免疫抑制ウィンドウを縮小又は閉じ、その逆で抑制性DC免疫医薬を設計することであり得る(図1)。] 図1 [0020] 一般に、例えばがん又は感染症を治療するための免疫刺激性DC医薬(「DC免疫医薬」;「免疫医薬」)を作製するために、LPS/IFN−γのような初期成熟刺激をDCへ適用してiDCからsmDCへの生理学的分化を開始する必要がある。他のTLRリガンド(表1)は、LPSと同一の目的を果たし得る;TLRリガンドの組み合わせは、より強力であるが質的に異なるシグナルを与え得る。Tリンパ球刺激性DC免疫医薬の刺激ポテンシャルが、TLRリガンド介在成熟刺激へ初期曝露することなく、遺伝子導入の人工的操作のみに基づいている場合(例えば未成熟DCの直接遺伝子操作による)、DC機能への重要な寄与は失われ、Tリンパ球刺激性DC免疫医薬はその完全なポテンシャルに到達することができない。本発明の遺伝子操作されたDC免疫医薬と、成熟因子又はその組み合わせ、例えばLPS/IFN−γへの曝露のみで製造されたDC免疫医薬(smDC)との重大な相違点は、後者に関し、smDC免疫医薬はDC分化の対応する短いウィンドウのあいだに適用されることが重要であるということである。したがって、そのような刺激性DC免疫医薬は成熟刺激への曝露後すぐに適用する必要があり、一方、例えばCD40Lの過剰発現による遺伝子操作は、DC分化の免疫刺激性時間ウィンドウを広げることを目的とし、より短時間の重大な適用を可能にするが、最も重要なことは、免疫刺激性表現型から免疫抑制性表現型へのDCの発達を妨げることである(図1)。DCの免疫刺激能の同程度の改善は、公知の免疫抑制性分子IL−10又はIDOの発現(図3、図4及び図5に列挙)に類似する発現プロファイルによって示されるような、免疫抑制に決定的に関与することが疑われる分子;又は免疫抑制に関与することが既に示されている分子をノックダウンさせることにより達成することができる。DCにおいてそれらをノックダウンさせることは操作されたDCのT細胞刺激能を改善するからである(図9)。また、旧来のsmDC免疫医薬の免疫刺激性時間ウィンドウは、24時間後に閉じ、一方、新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬は、そのTリンパ球刺激性ポテンシャルを少なくとも1日、好ましくは3日、最大5日以上維持する。同程度の概念がTリンパ球抑制性DC免疫医薬にもあてはまる。DC分化のTリンパ球抑制性ウィンドウに対応するmDC表現型への分化を開始するには、未成熟DCを最初にLPS/IFN−γのような慣用の成熟刺激へ曝露する必要がある。DC免疫医薬からTリンパ球抑制性分子を過剰発現させるための遺伝子操作は、LPS/IFN−γのような成熟刺激による未成熟DCの成熟前に行うことができるだけでなく、末梢血由来の単球、又は造血幹細胞及び前駆細胞のようなDCの前駆細胞を標的にする場合、特に、排他的ではないが、レトロウイルス遺伝子導入のようなゲノムへの安定な組み込みをもたらす遺伝子導入法を用いる場合にも行うことができる。成熟刺激への曝露前の遺伝子操作に加えて、遺伝子操作は、例えばLPS/IFN−γによる成熟開始後6時間、最大48時間に行うことができる。未成熟DCを遺伝子操作して免疫抑制性分子を過剰発現させる場合、成熟刺激への曝露後24時間を超えるDCの生理学的Tリンパ球抑制活性による重大な寄与は失われ、この理由のため、遺伝子操作の前(前駆細胞レベルであっても)又は後でのこれらDCのLPS/IFN−γのような成熟刺激への曝露との組み合わせでのみ、DCの遺伝子操作が好まれる。Tリンパ球抑制性DC免疫医薬を遺伝子操作することなく、そのような抑制性DC免疫医薬は、DC分化の抑制性ウィンドウのあいだに適用する必要があり、一方、Tリンパ球活性の抑制を介在する分子を過剰発現させるために遺伝子操作されたTリンパ球抑制性DC免疫医薬は、非常に柔軟な患者への投与を可能にする。] 図1 図3 図4 図5 [0021] ] [0022] 遺伝子操作の前又は後にLPS/IFN−γ又は類似の成熟刺激も受けているDCを遺伝子操作してTリンパ球刺激性分子及び免疫刺激性ウィンドウの終了を妨げる分子を過剰発現させることにより、DC分化は、DC分化の免疫刺激性時間ウィンドウを広げることが可能になる。DCから発現されたCD40と活性化Tリンパ球から発現されたCD40Lとの相互作用は、強力な活性化及び成熟シグナルをDCへ送達するため、CD40L遺伝子導入を用いることで本発明の実施可能性を立証することが選択された。そのような実験は、DCの成熟において重要な共因子であるIFN−γの存在下で実施されることが好ましく、実施例で報告したCD40Lトランスジェニック細胞を用いる全ての実験は、IFN−γ存在下で行った。CD40L遺伝子導入と同一の原理は、DCに刺激能改善を付与する他の分子に適用することができる。あるいは、Tリンパ球抑制性DC免疫医薬は、CD40又はIL−12又は類似分子のような分子の発現をノックアウトすることにより、又はTリンパ球抑制を付与する分子をDC免疫医薬から過剰発現させることにより設計することができる。] [0023] Tリンパ球抑制性分子の発現及び/又は機能を妨げることによって、DC分化の免疫抑制性ウィンドウを閉じるか狭くするかより遅い時点に動かすことことができる。このアプローチの実行可能性は、DCによるTリンパ球活性化を妨げる分子の発現をノックダウンさせることにより立証される。DC由来Tリンパ球抑制性シグナル、例えば活性化Tリンパ球が大きく依存しているトリプトファンを活性化Tリンパ球に対しアポトーシス促進効果を有するキヌレニンへ代謝する酵素IDOをノックダウンさせることによるTリンパ球機能の改善を実施例の欄に示す。第2の例として、原型免疫抑制性分子であると考えられ、免疫抑制性の分化時間ウィンドウのあいだにDCによって発現されるIL−10の発現を標的にした。標的分子発現をノックダウンさせるには、RNA干渉を用いることが好ましいが、1本鎖モノクローナル抗体又はアンチセンスRNAの細胞内発現のような他の技術も同一目的を果たすことができる。あるいは、当該分子(例えばIDO又はIL−10)又は類似分子の過剰発現は、未成熟のsmDCに基づいたTリンパ球抑制性DC免疫医薬の設計に役立つことができる。実施例の欄の結果(図9)は、IL−10及び/又はIDOに匹敵する発現動態を有する分子の発現をノックダウンさせることも遺伝子操作されたDCのT細胞刺激能改善をもたらすことを示している。] [0024] DCの発達期を考慮したダイナミックな様式でDCの構造及び特性を記載する必要がある。これらの期のそれぞれはある種のマーカー分子の不在又は存在によって特徴付けることができる。これは、DCの分子の特徴は、このDCの分化の特定の期及びDCにある種の分化経路をとらせる条件に依存していることも示す。DCの発達可塑性も、半成熟1型DC(smDC1)(「インターロイキン12の放出を特徴とするT細胞活性化樹状細胞」)と称するものを用いることが何故有益であるかを説明する。寛容維持機能から免疫刺激期へのスイッチを開始するには、DCを成熟刺激(樹状細胞成熟因子)へ曝露させる必要がある。これは、LPSとIFN−γとの組み合わせ又はDC産生培地へ添加される類似の試薬への応答としてDCが最も多くIL−12を放出する免疫刺激性時間ウィンドウを開く。IL−12はヘルパーTリンパ球上の特異的受容体を介して作用してTh1表現型にし、細胞溶解性免疫を支持する。このDC/Tリンパ球相互作用及び細胞溶解性免疫を発達させるには、DCは免疫刺激性ウィンドウの初期の時点で生物(例えばヒト)に接種されることが好ましい。DCは成熟刺激後6時間に注射されることが特に好ましい。明らかに、接種は、樹状細胞成熟因子(例えば刺激性分子LPS及びIFN−γ)を含有するDC培地の除去を伴う。2時間、好ましくは4時間、より好ましくは6時間の成熟因子(例えばLPS及びIFN−γ)への曝露によって、十分に維持可能なシグナルがDCへ伝達され、その結果、曝露後、DCは成熟過程を終了し、リガンド、即ちDC成熟因子の存在にもはや依存しないように不可逆的にコミットされる。しかしながら、形式的には、適用時、DCは1〜2日を要する成熟過程をまだ終了していない。smDC1の設計は、成熟開始後最初の24時間のあいだ及び免疫抑制性時間ウィンドウが開き、免疫応答の下方調節を開始する前の、免疫刺激性時間ウィンドウの最適な利点をとる。] [0025] LPS/IFN−γのような成熟刺激への曝露後初期に、DCは強力な免疫活性化特性を有し(活性化ウィンドウ、図1)、一方、発達後期には、免疫抑制期に入る(抑制性ウィンドウ、図1)。T細胞活性化の分子メカニズムは十分に研究され理解されている。負の調節フィードバックループの分子の性質及び負の調節フィードバックループを開始するイベントは、あまり多くは研究されていない。したがって、本発明によるDC免疫医薬の設計は、免疫活性化を促進するために免疫刺激性ウィンドウを広げること、及び免疫抑制性ウィンドウの縮小又は閉鎖を目的とし、したがって、DCにおいて負の調節フィードバックループをブロックする。これは、遺伝子操作の前又は後にそれらをLPS/IFN−γのようなDC成熟因子へ曝露することに加えて免疫刺激性遺伝子を過剰発現させることにより、又は免疫抑制性遺伝子をRNA干渉を用いてノックダウンさせることにより、DCを遺伝子操作することによって達成される。多数の免疫刺激性又は免疫抑制性遺伝子の発現は、同一の基本原理に従って調節することができる。免疫刺激性CD40L分子を過剰発現させること又は免疫抑制性分子IL−10及びIDOをノックダウンさせることによるこのアプローチの実施可能性を実施例の欄に示す。過剰発現とノックダウンとの組み合わせは、DC免疫医薬の効力を高めることができるが、同一の基本論理に従う。免疫系の病的な過活性を治療するためのTリンパ球抑制性DC免疫医薬は、LPS/IFN−γのような成熟刺激に最初に曝露したDCを遺伝子操作することによって、得られたsmDCを遺伝子操作してDCにおいて免疫抑制分子を過剰発現及び/又は免疫刺激性分子をノックダウンさせることによって、Tリンパ球刺激性DC免疫医薬と同様に設計することができる。] 図1 [0026] 本発明に記載の遺伝子操作に基づいた新規のTリンパ球刺激性又は抑制性DC免疫医薬によれば、部分的に成熟したsmDCは、少なくとも1つの免疫刺激性又は免疫抑制性分子をコードする核酸分子及び/又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子(例えばsiRNA)をDCへ導入することにより操作され、少なくとも1つの免疫抑制性又は免疫刺激性分子の発現を阻害又は阻止する。] [0027] DCにおける免疫刺激性及び免疫抑制性分子の発現は、各種方法によって影響又は誘導され得、先に概説したように核酸分子を導入することにより発現を調節することが好ましい。例えば、核酸分子導入は、レンチウイルス遺伝子導入ビヒクル及びリポソーム介在トランスフェクションで達成することができる。しかしながら、同一原理は、レトロウイルス若しくはアデノウイルスのような他のウイルスベクター、又は遺伝子銃若しくはポリカチオン技術のような非ウイルスベクター、あるいは他の遺伝子導入を用いる場合に当てはまるであろう。] [0028] 外来遺伝子を細胞へ導入するための、プラスミド又はDNAリポソーム複合体の直接注射及び改変ウイルスによる感染を含めたいくつかの戦略が開発されている。しかしながら、安全性及び効率は、そのような遺伝子導入法を用いる療法プロトコールを開発する際に考慮すべき重要な点である。例えば、1つの組織との関連で治療的なタンパク質は、他に対して有害であり得る。したがって、治療的配列の発現を適切な細胞に限定することができる転写的に標的にされるベクターは特に望ましい。更に、特定タンパク質の治療的ウィンドウが存在する場合があり、特定閾値以下又は以上の発現レベルは、それぞれ有効でないか又は毒性であり得る。したがって、構築体を作製し、発現の外来対照を可能にする方法を考案することも望ましく、その結果、治療的タンパク質のレベルは、治療的必要性に従って増加させるか又は低下させることができる。] [0029] 慣用のウイルス及び非ウイルスに基づいた遺伝子導入法を用いて、それぞれの分子をコードする核酸、あるいは、当該分子の転写又は翻訳を阻害するsiRNA又はアンチセンスRNAのような核酸を本発明のDCへ導入することができる。非ウイルスベクター送達系には、DNAプラスミド、裸の核酸、及び核酸とリポソームのような送達ビヒクルとの複合体が含まれる。ウイルスベクター送達系には、DNA及びRNAウイルスが含まれ、細胞への送達後エピソーム性ゲノム又は組み込まれたゲノムを有する。遺伝子送達手順の概説として、非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;並びに非特許文献12を参照されたい。] [0030] 小さな干渉RNA分子を用いることもできる。哺乳類細胞では、長いdsRNA(>30ヌクレオチド)の導入は、タンパク質合成及びRNA分解の非特異的阻害によって例示される、強力な抗ウイルス性応答を開始することが多い。RNA干渉の現象は、例えば非特許文献13;非特許文献14;及び非特許文献15に記載され、考察されており、干渉RNAの作製方法も考察されている。本発明に用いるsiRNA配列は、好ましくは100塩基対未満、典型的には30塩基対以下であり、当該技術分野において公知の方法によっ作製される。本発明による典型的siRNAは、29塩基対以下、25塩基対、22塩基対、21塩基対、20塩基対、19塩基対、15塩基対、10塩基対、5塩基対、又はそれ以上若しくはそのあいだの整数を有する。] [0031] 本発明の好ましい態様によれば、未成熟DCを製造するための前駆体は、皮膚、脾臓、骨髄、胸腺、リンパ節、臍帯血、又は最も好ましくは末梢血から得られる。本発明の方法に用いるDCは、それぞれの供給源から直接単離することができ、又は前駆細胞に由来することができる。当業者にはそれぞれの方法は公知である。例えば、DC前駆体及び未成熟DCは、白血球アフェレーシスで抗凝固末梢血、造血幹細胞を回収することにより、又はバフィーコートの調製、ロゼット、遠心分離、密度勾配遠心分離(例えばFicoll(Ficoll Paqueなど)、Percoll(透析不可能なポリビニルピロリドン(PVP)で被服されたコロイド状シリカ粒子(直径15〜30nm))、スクロースなどを用いる)、細胞の分別溶解、ろ過などにより単離することができる。特定の態様では、例えば被験者から血液を採取し、それをdefribrinateし、血小板を除去し、赤血球細胞を溶解させることによって、白血球集団を調製することができる。DC前駆体、単球、又は骨髄前駆細胞若しくは幹細胞を用いてiDCを分化させることができる。場合により、例えば、プラスチック表面への接着能を利用して、密度勾配遠心分離、モノクローナル抗体パニング、向流遠心分離などにより単球を末梢血から濃縮することができる。本発明による方法によって得ることが可能なDCを個体の治療に用いる場合、iDCは、治療すべき個体から、又は治療すべき個体とHLAが適合した健常な個体から採取することができる。] [0032] DC前駆細胞は、好適な培地中で培養し、分化させることができる。好適な組織培地には、例えばRPMI1640及びDMEMが含まれる。組織培地には、ヒト自家血清若しくはウシ由来血清ではないプールドナー血清、アミノ酸、ビタミン、GM−CSF及びIL−4若しくはIL−13又はIFN−γなどのサイトカイン、及び細胞分化を促進させる2価のカチオンを添加することができる。前駆細胞は、好ましくは無血清臨床品質培地においても培養することができる。樹状細胞培地と共に用いられる典型的なサイトカインの組み合わせは、GM−CSF及びIL−4若しくはIL−13、又はIFN−γで構成される。] [0033] 本発明のDC免疫医薬にとって好ましい状態であるsmDC分化状態(遺伝子操作の前若しくは後、又は単球又は造血幹細胞又は前駆細胞のようなDC前駆細胞の段階)へ駆動する成熟刺激をDCへ適用するために、遺伝子操作、有効量の少なくとも1つのDC成熟因子をiDCと接触させる。少なくとも1つのDC成熟因子は、加熱不活性化若しくはホルマリン処理したカルメット・ゲラン菌(BCG)、好ましくはBCGの細胞壁構成物質、BCG由来リポアラビノマンナン、又はBCG構成成分、大腸菌由来リポ多糖(LPS)、又は不活性化グラム陽性若しくはグラム陰性微生物、イミダゾキノリン化合物、好ましくはイミダゾキノリン−4−アミン化合物、特に4−アミノ−2−エトキシメチル−x−ジメチル−1H−イミダゾール[4,5−c]キノリン−1−エタノール若しくは1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、又はそれらの誘導体(例えば特許文献2を参照されたい)、合成2本鎖ポリリボヌクレオチド、好ましくはポリI:C、天然2本鎖RNA又はRNAウイルス又はRNAの断片、又は非メチル化CpGモチーフを含む合成類似体、又は合成若しくは天然核酸分子から成る群より選択されることが好ましい。これら化合物の大部分はTLRアゴニストである(比較のため表1を参照されたい)。本発明では、LPSを樹状細胞成熟因子として用いることが特に好ましい。しかしながら、原則として、TLRアゴニスト単独で又はIFN−γと組み合わせて使用することも実行可能である。原則として、成熟させるためにiDCを、限定されるものではないが腫瘍壊死因子α(TNF−α)、IL−1、IL−6、及びプロスタグランジンE6、又はそららの組み合わせの一部を典型的には含むサイトカインカクテルに曝露させることも可能である。更に、CD40/CD40Lシグナル伝達経路を誘発することも可能である。これは、iDCを、組換えCD40L分子、又はCD40LドメインとIgG−Fcのような他のタンパク質とで構成される融合タンパク質に可溶性型で又は表面例えば培養皿又はナノ粒子に固定されて接触させることによって、又はCD40Lを発現するように遺伝子操作された初代細胞若しくは細胞株と、又はCD40Lの発現を生理的に上方制御された活性化Tリンパ球と接触させることによって行うことができる。CD40/CD40Lシグナルは、TLRアゴニスト、炎症性サイトカインとの組み合わせで適用することができる。当然、少なくとも2つの成熟因子からなる組み合わせを本発明に従って用いることができる。少なくとも1つの(好ましくは少なくとも2、3、5、10)樹状細胞成熟因子をIFN−γ存在下で樹状細胞と接触させることが好ましい。] [0034] 本発明の他の好ましい態様によれば、iDCを遺伝子操作工程c)の前に有効量の少なくとも1つの樹状細胞成熟因子と少なくとも2時間、好ましくは少なくとも6時間、特に少なくとも12時間、最大24時間まで接触させる。成熟時間は各種パラメータ(例えばDC成熟因子)に依存する。接触時間及び他のパラメータは、当該技術分野に公知の方法を用いてiDCが部分的にのみsmDCへ成熟するように選択される必要がある。細胞表面マーカーは、フローサイトメトリー及び免疫組織化学のような当該技術分野によく知られているアッセイで検出することができる。細胞をサイトカイン産生についてモニターすることもできる(例えばELISA、他の免疫アッセイによって、又はオリゴヌクレオチドアレイ若しくはタンパク質アレイを使用することによって)。] [0035] iDCのIL−12放出smDCへの成熟を介在可能な少なくとも1つの分子は、改善された特徴を有する新規のTリンパ球刺激性又は抑制性DC免疫医薬を製造するための遺伝子操作工程のためのDCを用意するため、IFN−γ存在下、LPSから成る群より選択されることが好ましい。DCを例えばIL−12分泌を特徴とする免疫刺激性表現型におよそ24時間の生理学的免疫刺激性ウィンドウを超えて維持可能な、従ってsmDCと比較して優れた特徴を付与する少なくとも1つの分子は、典型的には、しかし必須ではないがIFN−γ存在下のCD40Lである。ここで、先に概説した遺伝子操作法を用いて、smDCに通常は発現しないCD40Lを人工的に発現させることに基づくアプローチを用いるために選択した。しかしながら、DC自体ではなく、むしろ補助的な初代細胞又は細胞株、活性化Tリンパ球からCD40Lを発現すること、又は可溶性の若しくは固定された組換えCD40L分子又は融合タンパク質を用いることは考えられる。本発明の他の好ましい態様によれば、Tリンパ球抑制活性を介在するDC分子の発現を干渉する少なくとも1つの分子は、インターロイキン10(IL−10)及びインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)から成る群より選択される。Tリンパ球抑制活性を介在する分子は、実施例の欄の表2及び表3に列挙されている分子からも選択することができ、DNAマイクロアレイ発現プロファイリングデータにおいて2倍の過剰発現を示す分子が好ましいが、6倍以上の過剰発現を示す分子が特に好ましい。] [0036] 本発明の好ましい態様によれば、少なくとも1つの抗原は、以下の群から選択される: a)腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、又は他のヒト微生物若しくは寄生性病原体から成る群;あるいは b)アレルギーを引き起こす環境抗原、疾患を引き起こす免疫応答を開始させる自己抗原、移植抗原から成る群。] [0037] 個体において抗原に対する特異的な免疫応答又は免疫抑制の促進を誘導することができるsmDCに基づく特徴が改善された新規のTリンパ球刺激性又は抑制性DC免疫医薬を産生するには、smDCを製造するための好ましいLPS/IFN−γ刺激と接触させる前にiDCに少なくとも1つの抗原を負荷し、その後遺伝子操作することが好ましい。抗原負荷は、どの抗原に対して活性化する必要があるのか又はどの抗原に対して寛容化する必要があるのかをTリンパ球に指示するために必要である。DCに負荷するための抗原は、腫瘍抗原又はウイルス感染細胞由来のウイルス抗原のように疾患組織に由来することができる。それらは、完全な死滅若しくは生存微生物、又はそれらの断片、又は死滅若しくは生存ヒト若しくは動物細胞、例えばヒト又は動物の腫瘍細胞であり得る。抗原は、組換えタンパク質、又は合成ペプチド、DNAベースのウイルス性若しくは非ウイルス性組換え発現ベクター、又は抗原をコードする天然若しくは合成RNAであり得る。あるいは、抗原は、免疫機能不全を誘発している、アレルギー、病的な自己免疫応答が疾患を引き起こしている自己抗原のような環境抗原、又は臓器又は幹細胞移植拒絶反応を決定するMHC分子のような抗原であり得る。同種異系移植に対する寛容誘導のためのTリンパ球抑制性DC免疫医薬の場合、臓器又は幹細胞ドナーDCは移植片と同一のMHC分子を有するため、負荷が必要でないことは注目に値する。明らかに、これら後者の状況では、DC免疫医薬は、アレルゲン、移植抗原、又は自己抗原に対する免疫を抑制するように設計されるであろう。抗原をDCへ送達するには、タンパク質若しくはペプチド抗原、抗原性タンパク質複合体、抗原若しくは抗原性ペプチドを発現する細胞若しくは細胞膜、texosome、抗原若しくは抗原性ペプチドを含有するリポソーム、抗原若しくは抗原性ペプチドをコードする核酸(おそらくプラスミド又はウイルスベクターに組み込まれている)、又は腫瘍細胞由来の全RNAをDCに貪食させる受動的曝露のような各種方法を用いることができる。これらの方法は、例えば特許文献3に開示されている。そのようなビヒクルは、ウイルス又は非ウイルス由来でも、ナノ粒子でもよい。抗原は、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原などであり得、より一般的には、免疫応答又は反応が求められるペプチド又はポリペプチドであり得る。この点で、当該技術分野において公知の各種技術にしたがい、DCは1種又は数種の抗原に感作されることができる。「感作される」という用語は、抗原又はその一部がDCの表面で、好ましくは主要組織適合性複合体(MHC)の分子との複合体で曝露されることを示す。原則として、DCは、抗原を前負荷することなく患者へ接種することができ、例えば腫瘍若しくはその周辺へ、転移層へ、又はリンパ節並びに1次及び/又は2次リンパ系組織を含めた流入領域リンパ系へ直接注射することによって、in vivoで抗原をとることを可能にした。特に、抗原の存在及びTリンパ球へのその提示のみがDC免疫医薬を決定するが、抗原がDCに達する方法ではない。DC負荷技術の概説は、非特許文献6及びその中の参考文献にある。] [0038] 本発明の抗原負荷され、遺伝子操作されたDCを用いて、当該細胞へ負荷された抗原、及びDCの生理学的な機能状態に依存する各種免疫学的機能不全において免疫応答を、DC成熟因子のような各種シグナル伝達分子の使用により、又はDCの遺伝子操作により、治療的に調節することができる。そのような機能不全には、限定されるものではないが、がん、これは形質転換細胞及び変異細胞を拒絶するための免疫系の不全として描写することができる;例えば重篤なさもなければ治療不可能な微生物感染との関連における、又は特に臓器移植又は幹細胞移植のあいだの免疫が低下した個体における感染性疾患を含めることができる。そのようなDC免疫医薬によって治療することができる他の免疫機能不全は、免疫学的多動性から、例えば環境抗原に対して生じ得、アレルギー、又は免疫系が宿主を攻撃して自己免疫疾患を引き起こす状況をもたらす。最後に、DC免疫医薬は、他の細胞の遺伝子操作によって作製された誘導された前駆細胞(iPS)を含めて、臓器又は幹細胞/前駆細胞移植の拒絶を干渉する本発明の方法に基づいて設計することができ、したがって宿主による移植片の受容を容易にする。本発明の好ましい態様によれば、少なくとも1つの抗原は、腫瘍抗原、ウイルス抗原、及び細菌抗原から成る群より選択される。本発明により遺伝子操作されたDCは、個体において免疫応答を誘導、抑制、又は防止すべきである抗原を負荷することができる。特に好ましいのは腫瘍抗原である。] [0039] 本発明によるTリンパ球刺激能又は抑制能が改善された新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬は、患者への投与前、iDCとして成熟する前、smDCとして部分的に成熟した後、改善されたDCとして遺伝子操作する前又は後に、例えば低温保存によって、保存することができる。使用できる低温保存剤には、限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルブミン、デキストラン、スクロース、エチレングリコール、i−エリスリトール、D−リビトール、D−マンニトール、D−ソルビトール、i−イノシトール、D−ラクトース、塩化コリン、アミノ酸、メタノール、アセトアミド、モノ酢酸グリセロール、及び無機塩が含まれる。] [0040] 本発明の更なる側面は、Tリンパ球刺激能又は抑制能が改善された本発明の新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬を含む医薬組成物に関するものである。本発明のDCは、当業者に周知の方法及び組成物を用いて、生理的に許容可能な担体、賦形剤、緩衝剤、及び/又は希釈剤と共に製剤化することができる。] [0041] Tリンパ球刺激能又は抑制能が改善された新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬は、免疫調節を必要とする被験者へ直接投与することができる。典型的には、約102〜約1010細胞を医薬的に許容可能な担体中に懸濁する。がんを患う個体を治療する場合、疾患のないリンパ節へ、好ましくは鼠径部へ、腫瘍のない又は腫瘍を有する(転移性)リンパ節は目的を果たすであろうが、腫瘍へ直接、又は領域へ、近傍へ、隣接部へ、又は腫瘍又は腫瘍床との循環接触又はリンパ管接触に、又は転移性疾患へ、細胞を注射することが好ましい。DC免疫医薬は、皮膚へ皮下投与又は経皮投与することができ、リンパ節への遊走を可能にする。原則として、DC免疫医薬を、単回接種として又はより長期にわたる注入として血流へ、末梢血へ、又はカテーテルを介して体内の疾患臓器又は疾患領域、あるいは門脈又は肺静脈若しくは肺動脈などを提供する血管(動脈又は静脈)へ注射することも可能である。埋め込まれた放出装置は、DC医薬の持続的な流れを腫瘍若しくは転移層、リンパ節、血流、又は皮膚へ送達するために用いることができる。] [0042] Tリンパ球刺激能又は抑制能が改善された本発明の新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬は、製剤及び投与様式に好適ないかなる手段によっても投与することができる。例えば、細胞は医薬的に許容可能な担体と組み合わせることができ、注射器、カテーテル、カニューレなどで投与することができる。上記のように、細胞は徐放性マトリックス中に製剤化することができる。この様式で投与する場合、製剤は、用いるマトリックスに好適な手段で投与することができる。本発明に適用可能な他の投与方法及び投与様式は、当業者に周知である。] [0043] 本発明の組成物は、個体の治療に単独で用いることができ、又は腫瘍を治療するための他の方法と組み合わせて用いることができる。例えば、本発明の方法は、放射線療法及び/又は化学療法(細胞障害性薬、アポトーシス剤、抗体など);低温療法;小線源療法;他の型の免疫療法(生体外で増殖させた腫瘍抗原特異的Tリンパ球、NK細胞、サイトカイン及び成長因子、腫瘍抗原特異的抗体、又は腫瘍細胞の生存に重要な血管などの腫瘍組織の標的構造);ウイルス又は非ウイルスベクターなどを用いた遺伝子療法の前に、同時に、又は後で、腫瘍の外科的切除と組み合わせて用いることができる。更に、本発明のDC免疫医薬は、樹状細胞成熟及び/又は腫瘍内又は腫瘍の近傍若しくは隣接領域内の抗原のプロセシングのためのアジュバントとして作用する他の薬剤と共に投与することができる。これらの方法のいずれか又は全ては、いずれかの組み合わせて用いることもできる。組み合わせ治療は、並行して又は順次行うことができ、処置する医師が決定するいずれの順序でも投与することができる。] [0044] 本発明の他の側面は、がん及び/又は微生物若しくは寄生性感染を治療及び/又は予防するため;あるいはアレルギー、自己免疫疾患、又は幹細胞若しくは臓器移植拒絶を治療及び/又は予防するための医薬の製造のための、本発明の樹状細胞の使用に関するものである。本発明の部分的に成熟した樹状細胞は、好ましくは、がん予防及び/又はがん治療に用いることができる。そのような場合、樹状細胞は少なくとも1種の腫瘍抗原を負荷している。例えば、限定するものではないが、細胞は、腫瘍、腫瘍の外科的除去即ち切除した後の腫瘍床へ、腫瘍周辺に、腫瘍と直接接触している流入領域リンパ節、腫瘍又は腫瘍を患っている臓器、例えば門脈又は肺静脈若しくは肺動脈などに通じ、栄養供給している血管又はリンパ管へ直接投与することができる。] [0045] 本発明の部分的に成熟した樹状細胞の投与は、腫瘍のための化学療法又は放射線療法のような他の治療と同時にあるいはその後に行うことができる。更に、本発明の部分的に成熟した樹状細胞は、樹状細胞の成熟及び/又は腫瘍内又は腫瘍の近傍若しくは隣接した領域内の抗原のプロセシングのためのアジュバントとして作用する他の薬剤と共に投与することができる。更に、樹状細胞は、腫瘍若しくは腫瘍床領域又は周辺領域へ埋め込むために徐放性マトリックス中へ製剤化又は組み合わせることもでき、その結果、細胞は腫瘍又は腫瘍床へゆっくり放出され、腫瘍抗原と接触する。] [0046] 本発明の好ましい態様によれば、医薬は、放射線療法及び/又は抗腫瘍若しくは抗微生物化学療法、あるいはアレルギー、自己免疫疾患、又は幹細胞若しくは臓器の移植拒絶の治療を目的とした療法の前に、同時に、又は後で個体へ投与される。本発明の樹状細胞は、他のがん療法と組み合わせて用いて、より有益な効果を達成することができる。] [0047] 本発明の他の側面は、アレルゲンのような環境抗原又は自己免疫疾患の過程における自己抗原に対する免疫系の病的過剰反応によって引き起こされる免疫疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造のための、本発明の樹状細胞の使用に関するものである。] [0048] 当該医薬は、アレルギー若しくは自己免疫疾患の治療又は予防を目的とした他のモダリティの前に、同時に、あるいは後で個体へ投与することが好ましい。 本発明の更なる側面は、好ましくは悪性血液疾患の治療に用いられる同種異系幹細胞移植の免疫学的拒絶を治療及び/又は予防するため、あるいは同種異系臓器移植拒絶を治療及び/又は予防するための医薬の製造のための、本発明の樹状細胞の使用に関するものである。] [0049] 当該医薬は、同種異系幹細胞若しくは臓器移植の拒絶を治療又は予防することを目的とした他のモダリティの前に、同時に、又は後で個体へ投与することが好ましい。 本発明を、以下の図面及び実施例によって更に説明するが、それらに限定されるものではない。] [0050] 実施例:遺伝子操作によるTリンパ球刺激性又は抑制性DC免疫医薬の製造方法 白血球アフェレーシス Amicus白血球アフェレーシス装置(Baxter、イリノイ州ディアフィールド)を用いて、健常ボランティア及び責任ある施設内倫理委員会によって承認された臨床試験を背景に治療された各種新生物を患う患者から白血球を採取した。全ての個人は、これらの研究に対し世界医師会ヘルシンキ宣言に従ったインフォームドコンセントを与えた。Sysmex細胞カウンター(Sysmex、Bornbarch、ドイツ)で及び/又はフローサイトメトリーによって細胞数及びサブセットを測定した。] [0051] 単球濃縮 1%ヒトプールAB血漿(Octaplas、Octapharma、ウィーン、オーストリア)を添加したAIM−V(インビトロジェン、カリフォルニア州カールズバッド)又はCellGro培地(CellGenix、Freiburg、ドイツ)を用いて、先に記載されたようなプラスチック接着により単球を濃縮した。インライン手順に関して、製造者の指示に従った。Elutra細胞分離器(Gambro BCT、コロラド州レイクウッド)を用いて、遠心分離速度を2400rpmに維持しながらエルトリエーションチャンバーへ取り込むことによって、白血球アフェレーシス産物から単球を濃縮した。その後、細胞分画のために遠心分離速度及びエリトリエーション培地(PBS/HSABaxter、ニュージャージー州ニュージャージー)の流れを一定に保った。あるいは、CD14コーティング磁気ビーズを用いて単球を磁気カラムに保持するCliniMACS細胞選択システム(Miltenyi、Bergisch Gladbach、ドイツ)で単球の選択を行った。単球を濃縮するための他の選択肢は、T及びBリンパ球の枯渇であり、Isolex300i磁気細胞選択器(Nexell、カリフォルニア州アーバイン)を用いて行った。リンパ球は、それらをCD2及びCD19コーティング磁気ビーズに接続し、流入を採取することによって磁気カラムに保持された。全ての濃縮手順の最終産物はフローサイトメトリーで特徴付けた。] [0052] フローサイトメトリー 白血球アフェレーシス産物及び単球濃縮産物を、全白血球、Tリンパ球、Bリンパ球、単球、及び顆粒球について、それぞれ抗CD45−FITC、抗CD3−PerCP、抗CD19−APC、抗CD14−APC、及び抗CD15−FITC(BDファーミンジェン、カリフォルニア州サンディエゴ)で標識した抗体によってTrucountシステム(ベクトン・ディッキンソン、ニュージャージー州ニュージャージー)を用いて分析した。標識細胞をFACSキャリバーフローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン、カリフォルニア州マウンテンビュー)で分析した。分析には好適なアイソタイプ対照抗体が含まれた。] [0053] DC製造 上記それそれの濃縮手順によって単離した単球を、1×106単球/cm2の濃度で、2%プールヒトAB血漿を添加したAIM−V培地又はCellGro培地中で37℃にて、加湿インキュベーター内で6日間培養した。培地に1000U/mlヒトGM−CSF及び300U/mlヒトIL−4(CellGenix、フライブルグ、ドイツ)を添加し、第3日目に同一容量のAIM−V/2%OP又はCellGro+GM−CSF及びIL−4に交換した。第6日目に50ng/ml IFN−γ(ベーリンガー・インゲルハイム、ウィーン、オーストリア)及び1〜1000ng/mlの範囲のリポ多糖(LPS、大腸菌株O111:B4、Calbiochem、カリフォルニア州サンディエゴ、米国)を培養物へ6時間加えることによって成熟させ、半成熟(sm)DCを作製し、その後凍結した;臨床品質のLPS(US Pharmacopeia、メリーランド州ベセスダ)を用いて患者のDCワクチンを製造した。] [0054] DC免疫表現型検査 以下の抗体:抗CD86−APC(BDファーミンジェン、カリフォルニア州サンディエゴ)、抗CD80−PE(Immunotech、ベックマン・コールター、カリフォルニア州フラートン)、抗CD83−APC(3種全てBDファーミンジェン、カリフォルニア州サンディエゴ)、抗MHCI−PE、抗MHC II−FITC(共にダコ・サイトメーション、カリフォルニア州カーピンテリア)、及び抗CD45−PerCP(BDファーミンジェン、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてDCの成熟状態を決定した。ヨウ化プロピジウム染色(シグマ、ミズーリ州セントルイス)によってDCの生存率を測定した。FACSキャリバーフローサイトメーターで細胞を分析した。分析には好適なアイソタイプ対照抗体が含まれた。] [0055] ELISAによるIL−12検出 DC培養物上清中のIL−12濃度を先に記載されたようにして測定した。 同種異系混合白血球反応 同種異系応答PBMCを勾配遠心分離によって末梢血から単離した。刺激DC(10000、2000、又は400)を、2%プールヒト血漿を添加した200μlAIM−V培地中の105応答細胞と共に96穴丸底プレートに3重にして入れた。陽性基準として、105応答細胞を100ng/mlブドウ球菌エンテロトキシンA/B(SEA/SEB、トキシンテクノロジー社、フロリダ州サラソータ)で刺激した。第4日目に、共培養物を1μCi3H−チミジン溶液(NENライフサイエンスプロダクツ、メリーランド州ボストン)と共に更に18時間インキュベートした。最後に、Skatron(Lier、ノルウェイ)ハーベスターで細胞を回収した。Triluxプレートリーダー(Wallac Oy、トゥルク、フィンランド)で取り込まれた3H−チミジンを計測した。あるいは、同種異系PBMCをCFSE(モレキュラープローブス、オレゴン州ユージーン)で標識し、1/5、1/10、1/20、1/40、及び1/80の比でDCと混合した。対照として、DCなし又はSEA/SEBを加えた。最後に、PBMCを抗CD3−PerCPで標識し、FACSキャリバーフローサイトメーターを用いて分析した。CD3陽性CFSE陰性Tリンパ球の割合を決定した。] [0056] smDCへのレンチウイルス遺伝子導入 ViraPowerTMレンチウイルス発現系(インビトロジェン製)を用いて、293FT生産用細胞株に、ウイルス構造タンパク質、ポリメラーゼ、及び逆転写酵素をコードするpLP−プラスミド(pLP/VSVG、pLP−1、pLP−2)と、GFP又はCD40Lを含有するプラスミドとを共トランスフェクションすることによってレンチウイルス粒子を作製した。共トランスフェクション後72時間に、全上清を回収し、超遠心分離で100倍に濃縮した。DCを上で概説したような条件下で培養し、成熟させた。DCはそれぞれ成熟開始後48時間又は6時間に回収した。次に未成熟smDCに、レンチウイルス粒子(250μlの100倍濃縮レンチウイルス上清/1×106DC)を6μg/mlポリブレン(シグマ−アルドリッチ製)+標準濃度のIL−4、GM−CSF、及びIFN−γと組み合わせて形質導入した。IL−12品質管理のため、24時間後に上清を採取し、48時間後に標準の手順に従ってGFP/CD40Lの発現を測定した。] [0057] DCにおけるRNA干渉 DCを上で概説した標準の手順に従って製造した。第6日目に、トランスフェクション試薬(Dharmacon)を用いて製造者の指示に従い、106のDCに100pmolの遺伝子特異的siRNAをトランスフェクトした。トランスフェクション後12時間に、DCをLPS/IFN−γで6時間刺激する。使用する全てのものは先に概説した方法と同様である。] [0058] 結果 現在使用されているDC免疫医薬は、序論で概説したような、いずれかの性質の抗原を負荷している単球由来DCを使用し、DCからのIL−12放出誘発能を有する成熟刺激へ曝露する。IL−12分泌を特徴とするDC表現型は、細胞溶解性免疫を支持する1型免疫系への分極誘導能を有する。これは、刺激性DC免疫医薬は、IL−12分泌の時間ウィンドウのあいだに患者へ適用し、IL−12存在下でDCからTリンパ球への抗原提示を可能にする必要があることを暗示している(図1)。Tリンパ球刺激能又は抑制能が改善された新規の遺伝子操作されたDC免疫医薬は、DCの遺伝子操作は免疫刺激性ウィンドウをより長期間開いたままにするため、この制約を克服するものである。] 図1 [0059] 以下の実施例では、遺伝子操作されたDC免疫医薬が製造され、研究されている。DNA又はRNAをDCへ送達するためにレンチウイルス遺伝子導入又はリポソームに基づいたトランスフェクションを用いたが、いずれの核酸送達技術もその能力を果たし得ると想定することができる。DC免疫医薬における免疫刺激性遺伝子の過剰発現例として、レンチウイルス遺伝子導入を用いてDCを操作し、CD40L分子を発現させた。機能的研究により、そのように操作されたDC免疫医薬は、免疫応答を刺激するポテンシャルが高められていることを確認した。更に、免疫抑制性分子IL−10及びIDOのノックダウンも、IL−10及びIDOに対するRNA干渉のために設計されたsiRNA分子でDCを操作することにより刺激能を高めることが立証されている。免疫抑制フィードバックループに関与する更なるDC分子を同定するために、DNAマイクロアレイを用いて全ゲノムDNA発現プロファイリングを行った。IL−10又はIDOと類似の発現プロファイルを有する遺伝子をグループ分けしたクラスター分析に基づいて、遺伝子リストは、免疫応答を負に調節するポテンシャルを有するものを発見した。したがって、DC免疫医薬においてこれらの遺伝子をノックダウンさせることは、その免疫刺激能を改善させるであろう。したがって、規定の免疫系成分を特異的に調節するために遺伝子操作されたDC免疫医薬は、関連する免疫系機能不全の治療を可能にする。最後に、RNA干渉を用いたDC発現プロファイリング実験においてIL−10又はIDOに類似の動態を示す標的遺伝子のノックダウンの機能的結果の例を示す。同種異系Tリンパ球との共培養において、Tリンパ球刺激の促進を示す、そのように遺伝子操作されたDCの増殖誘発能の改善が観察された。] [0060] 図2は、遺伝子操作に用いるsmDC1基本デザインの品質管理を示す。DC免疫医薬は規定の品質管理基準を満たす必要がある。パネルAは、末梢血単球から製造されたDCの純度、生存率、及び収率を示す。そのような単球を白血球アフェレーシスによって回収し、単球を向流遠心分離(エルトリエーション)によって濃縮する。IL−4及びGM−CSFの存在下にて、単球はin vitroで6日以内にiDCへ分化する。iDCは抗原を負荷し、その後LPS及びIFN−γで構成される成熟刺激に6時間曝露し、凍結する。半成熟と称するこの段階で、それらは成熟を継続するように不可逆的にコミットされるが、mDCの典型的な表現型の機能的な特徴をまだ示さない。最も重要なことは、その段階(免疫刺激性ウィンドウ、成熟開始後およそ0〜24時間、図1)で、DCは免疫を誘発し、一方でより後期の段階(免疫抑制性ウィンドウ、成熟開始後およそ24〜48時間、図1)。しかしながら、臨床応用では、成熟を完了し、免疫応答を誘発する(24時間以前)が、その後(およそ24時間)−成熟刺激によって誘発されるそれらの生理学的発達プログラムに従って−DC免疫医薬の遺伝子操作によって妨げることを目的としている免疫抑制段階に入るこの分化期で、それらは患者に注射される。] 図1 図2 [0061] 品質管理のために、DC免疫医薬の1つのアリコートを融解し、2日間再培養してDCの成熟プロセスを完了させる。これらの2日間に、それらはサイトカイン、最も重要なことにはIL−12(成熟後早期)及びIL−10(成熟後後期)を分泌する(パネルB;3つの個別のものからの平均±SEMを示す)。また、それらは重要なDC膜分子の発現パターンに変化を示す(パネルC)。最後に、CFSE標識同種異系PBMCと表示の比で共培養することによってDCをアロMLR効力試験に付す(パネルD)。これは、CFSEの希釈及び蛍光減少を伴う細胞分裂を誘発する。棒グラフは、3つの個別のものからの増殖細胞の平均±SEM%を示す。] [0062] 免疫抑制性フィードバックループを開始するには初期刺激も必要である。一般に、免疫活性化を基準レベルまで下方制御するには、特定刺激に対する応答の活性化が強力であるほど、フィードバックシグナル伝達は強力であろう。それにより、免疫応答が制御から逃れることを妨げ、自己免疫疾患を引き起こす。このように、成熟刺激LPS/IFN−γは、最高量のIL−12放出だけでなく、最高量のIL−10放出ももたらすことがわかった。] [0063] ] [0064] CD40L分子の過剰発現を介して高められた刺激性DC免疫医薬についての説明 IL−12分泌を特徴とするDCの免疫刺激性ウィンドウ(図1)を広げるために、DCを遺伝子操作してCD40Lを過剰発現させた。この分子は正常には活性化Tリンパ球から発現され、DC上のCD40と相互作用し、重要な活性化シグナルをDCへ伝達する。この実験は、DC免疫医薬への活性化分子導入例として設計した。しかしながら、原則として、他の刺激性分子に対して同一手順を用いることができ、又は、抑制性DC免疫医薬を設計するために、免疫抑制性分子をDCから過剰発現させることができる。具体的には、DCへのCD40L遺伝子導入の論拠は: (i) DCを活性化Tリンパ球に対して非依存性にして、CD40LシグナルをDCへ送達する; (ii) 構成的に活性なプロモーターからの発現によりDC自体にCD40Lが継続的に存在するために、DCをLPS/IFN−γのような慣用の成熟刺激に付した場合よりも非常に長い期間、DCがIL−12を分泌することを可能にすることを本実験において仮定し、発見した; (iii) DCから分泌されるIL−12の全量は、LPS/IFN−γ又はCD40L/IFN−γ刺激単独と比較して非常に高く、IL−12分泌動態は刺激適用後より早く開始し質的に異なっており、したがってDC分化の免疫刺激性ウィンドウを広げた; (iv) LPS/IFN−γへの曝露後48時間でさえ、DCがIL−12分泌能を使い果たしていた場合、CD40L遺伝子導入は、DCにIL−12分泌の第2期を開始させた(図3)。] 図1 図3 [0065] 図3はCD40L遺伝子導入を示す。パネルAには、レンチウイルス遺伝子導入後6時間のsmDC及び48時間のmDCのGFP又はCD40Lの発現を示す。ここに示す測定は全て未成熟DCのレンチウイルスベクターへの曝露後48時間に行った。DCからのCD40Lの発現は、iDC、LPS/IFN−γ単独へ曝露したDC、又はGFPで操作した6時間smDC及び48時間mDCと比較してIL−12分泌を高めた(パネルB)。GFP遺伝子導入によるIL−12放出促進は、おそらくウイルス、6時間mDCでは発現されるが48時間LPS/IFN−γmDCではもはや発現されないTLRを介してシグナル伝達する2本鎖RNAによって引き起こされる(表1を参照されたい)。機能的に重要なDC膜分子の発現プロファイル(パネルC)は、DCへのレンチウイルス遺伝子導入によって変化しなかった(黒いヒストグラム、未成熟DC;白いヒストグラム、mDC)。] 図3 [0066] サイトカインIL−12及びIL−10の分泌は、LPS/IFN−γ、CD40L/IFN−γ、又は両者の組み合わせへ曝露したDCにおいて質的にも量的にも異なっていた(図4)。IL−12分泌は、CD40L/IFN−γ刺激単独と比較して、組み合わせ刺激を適用したときほぼ2倍高く、また、LPS/IFN−γ刺激単独と比較して非常に高かった。更に、LPS/IFN−γ/CD40L組み合わせ刺激へ曝露したDCからのIL−12分泌は、12時間後、すでに明らかに多量で検出可能であった。一方、LPS/IFN−γ及びCD40L/IFN−γは初期成熟シグナルへの曝露後12〜24時間に生物学的に関連レベルのIL−12分泌を誘発した。この観察は、DC免疫医薬の刺激能を改善するためにDC分化の免疫刺激性ウィンドウを広げるという本発明の目的に沿っている。IL−10の最大発現は、DCをLPS/IFN−γ/CD40L又はCD40L/IFN−γ単独に曝露した場合に類似していたが、DC成熟にLPS/IFN−γのみを用いた場合には低かった。しかしながら、免疫抑制性サイトカインIL−10はCD40L/IFN−γシグナル伝達後に生物学的関連レベルで12時間後に既に検出可能であったが、一方、組み合わせ刺激LPS/IFN−γ/CD40Lは、LPS/IFN−γ成熟DCのみのものと類似の動態を示した。IL−10の初期放出は、CD40L/IFN−γ刺激後、DC分化の免疫刺激性ウィンドウを負に干渉し、免疫刺激性DC医薬を設計する場合、回避される必要がある。組み合わせ刺激LPS/IFN−γ/CD40Lの免疫刺激能と免疫抑制能とのバランスの正味の効果は、IL−1及びIL−10の分泌パターンを考慮すると、LPS/IFN−γ又はCD40L/IFN−γ単独と比較すると、明らかに免疫刺激能の改善に向いていると結論付けられる。初期の出版物とは対照的に、本発明で用いるDCは、成熟刺激の組み合わせを受けるであろう。生理的に、DCがTリンパ球を活性化できる1つの段階(IL−12分泌を特徴とする)、及びDCがTリンパ球の活性を抑制する第2の段階(IL−10分泌及び酵素IDOの活性によるトリプトファン枯渇を特徴とする)は、iDCとLPS/IFN−γのような適正な成熟刺激とを接触させることによって誘発されるであろう(図1)。本明細書において、LPS/IFN−γ(又はIFN−γ存在下で他のTLRアゴニスト)への初期曝露、その後のCD40Lのような分子を過剰発現させるためのDCの遺伝子操作は、Tリンパ球の活性化が可能なDC表現型を維持し、DCを抑制性表現型にすることを妨げることが立証されている(図4)。IL−12分泌は、IFN−γ存在下でのTLRシグナル伝達経路を介した初期成熟後6時間又は48時間に遺伝子操作を行うと20〜24時間の生理学的時間ウィンドウよりも長く維持される。] 図1 図4 [0067] 図4は、IL−12及びIL−10の分泌の量及び質を示す。DCは、IFN−γ存在下で表示の成熟刺激へ曝露した。培養上清中のIL−12及びIL−10の濃度を表示の時点で測定した。] 図4 [0068] 遺伝子操作されたTリンパ球刺激性DC免疫医薬の本発明のデザインのうち特に重要なのは、IL−12分泌DCが、免疫応答の1型分極を介して細胞溶解免疫誘発能を有することである。したがって、CD40LトランスジェニックDCへ曝露したTリンパ球の、細胞溶解免疫応答を誘発するポテンシャルを、CD8陽性CTL中のグランザイムB含量を解析することによって更に調査した(図5)。実際、CTLとCD40LトランスジェニックDCとの共培養は、対照GFPトランスジェニックDC又は非トランスフェクトmDCと比較して、グランザイムBの発現を明らかに高めることを見い出した。これは、そのようなCTLの改善された細胞溶解ポテンシャルの強力な指標であり、したがって、DC免疫医薬からのCD40L発現が免疫刺激能を改善させた証拠を提供する。] 図5 [0069] 図5は、細胞溶解活性のポテンシャルを示す。CTの全%は、PBMCをCD40LトランスジェニックDCを共培養したときに、GFPトランスジェニックDC(菱形)及び非トランスフェクトmDC(三角)と比較してわずかに上昇しただけであった(左パネル、四角)。CD40LトランスジェニックDCと共培養したCTL中のグランザイムB発現を解析したとき、GFPトランスジェニックDC(菱形)及び非トランスフェクトmDC(三角)と比較して明確な上昇が見られた(右パネル、四角)。] 図5 [0070] 遺伝子操作して免疫抑制性サイトカインIL−10の発現をノックダウンさせることによって改善されたTリンパ球刺激能を有するDC免疫医薬の説明 DC免疫医薬は、免疫抑制を介在する分子の発現がノックダウンされているという仮定に基づいて、4つの標的特異的siRNAのプールを用いるRNA干渉によってDCにおけるIL−10遺伝子発現をブロックするように実験を考案した(図6)。これは、LPS/IFN−γ活性化DCにおけるIL−10発現の非常に一貫性及び再現性のあるノックダウンをもたらし、対照沈黙mDCと比較してIL−12分泌が高かった。この観察は、DCから分泌された、同一DC上のIL−10受容体へ結合するIL−10に基づいた自己分泌経路を示唆しており、下方調節されたIL−12産生をもたらす。それ以外は、CD80、CD86、MHCクラスI、及びクラスIIの発現によって評価されるように、遺伝子操作されたDCと正常DCとのあいだで免疫表現型の相違はなかった。最も重要なことは、アロMLRでは、IL−10分泌を抑制してTリンパ球を活性化するために操作されたDC免疫医薬の、対照実験と比較して非常に大きな効力が観察された。] 図6 [0071] 更に、CD4+T細胞集団、推定では免疫応答を抑制する調節T細胞(Treg)の集団中のCD25+FoxP3+細胞の割合は、おそらくLPS/IFN−γ活性化DCにおけるIL−10沈黙により低下していた。] [0072] 図6は、IL−10発現が遺伝子操作によってブロックされた、LPS/IFN−γ−活性化DCの免疫刺激能を示す。LPS/IFN−γによる活性化前12時間に、DCを4つのIL−10特異的siRNA又は非特異的対照siRNAのプールによりトランスフェクトした。次に単離された同種異系CD3+T細胞を、IL−10沈黙(黒棒)か対照沈黙(白棒)であるLPSで6時間成熟させたDC(mDC)でDC:T細胞比1:3にて刺激した。CD4+、CD8+、(パネルA)及びCD4+CD25+FoxP3+T細胞(パネルB)を、Trucountシステム及びFACSLSRIIフローサイトメーターで共培養第6日目に分析した。免疫表現型並びにIL−10及びIL−12の分泌を、LPS/IFN−γ活性化後48時間にそれぞれフローサイトメトリー及びELISAで測定した(パネルC)。免疫表現型分析は、IL−10沈黙DC(パネルD)又は対照沈黙DC(パネルE)において、LPS/IFN−γ−活性化DC(白ヒストグラム)をiDC(黒ヒストグラム)と比較する。] 図6 [0073] 免疫抑制性酵素IDOの発現をノックダウンさせるために操作されたTリンパ球刺激性DC免疫医薬の説明 siRNAを用いて公知免疫抑制性エフェクター分子IDOの発現をノックダウンさせた(図7)。siRNAのトランスフェクション及びIDOノックダウンの効率を最適化するために、最初にIFN−γで活性化したHeLa細胞を用いた。その後、DCを最適条件下でトランスフェクトした。HeLa細胞及びDCの両者において、ウエスタンブロット実験で立証されるようなIDOの発現を沈黙させることができた。IDO沈黙DC、寄せ集めた対照siRNAでトランスフェクトされたDC、及びiDCをアロMLR効力アッセイにて刺激因子として用いた。IDO沈黙DCの刺激性効力は、寄せ集めのsiRNAでトランスフェクトされたDC又はiDCと比較して非常に高いことが観察された。これは、CD8+CTL及びCD4+Th細胞に対しても当てはまった。] 図7 [0074] 図7は、IDO発現を沈黙させた、LPS/IFN−γ活性化DCの免疫刺激能を示す。最初に、HeLa細胞(パネルA)及びDC(パネルB)における効率的なIDOノックダウンをウエスタンブロッティング実験で立証した。IDO沈黙DCのCD8+CTL(パネルC)及びCD4+Thリンパ球(パネルD)に対する刺激性効力を調査するために、PBMCをIDO沈黙DC(四角)、対照沈黙DC(菱形、scra=配列寄せ集め)、又はiDC(三角)と共培養した。全ての場合において、IDO沈黙DCの刺激能は対照よりも優れていた。] 図7 [0075] 免疫抑制性分子 全ゲノムDNAマイクロアレイを用いて、成熟刺激LPS/IFN−γ、CD40L/IFN−γシグナル伝達、又はLPS/IFN−γ/CD40Lシグナル伝達の組み合わせ、及び適切な対照に曝露させたDCの発現プロファイルを作製した(図8)。] 図8 [0076] 図8はDC発現プロファイリングを示す。DCを表示の成熟刺激へ曝露させるか、又は未成熟のままにした。RNAを表示の時点で抽出し、全ゲノムDNAマイクロアレイを用いた発現プロファイリングに付した。発現プロファイリングの結果をCarmaWeb(包括的なRベースマイクロアレイ解析、Bioinformatics Graz及びチロリアンがん研究所、オーストリア)を用いて解析した。全てのデータをCarmaWebソフトウェアプラットフォームのベーシックアルゴリズムを用いて20のクラスターにグループ分けし、IDO及びIL−10を含有するクラスターを同定した。これらのクラスター中の遺伝子は、2つの公知免疫抑制性DC分子と類似の発現プロファイルを有し、それらは、やはり免疫抑制性であるDCの免疫調節において機能を有すると結論付けた(表3及び表4)。] 図8 [0077] ] [0078] ] [0079] ] [0080] ] [0081] ] [0082] ] [0083] ] [0084] ] [0085] ] [0086] ] [0087] ] [0088] 現在のDNAマイクロアレイでは、DCにおいて、免疫抑制効果を有することが知られている遺伝子IL−10、TSLP、INDO、IL2RA、CSF−2、及びCSF−3の調節に関与するLPS/IFN−γ又はCD40L/IFN−γシグナル伝達に対して誘導された遺伝子も同定された。免疫調節の潜在的マスタースイッチを同定するために、それらの遺伝子の調節因子のネットワークを、PubMed及び44の開架定期刊行物に由来する哺乳動物経路及び分子相互作用のデータベースであるResnet 5(バージョン1.2、2007年1月)を用いてPathway Studioソフトウェアで作製した。さまざまに活性化されたDC由来のマイクロアレイデータを調節ネットワークへアップロードすることによって、成熟DCにおいて誘導された潜在的マスター調節因子(表5)を選択することができた。] [0089] ] [0090] ] [0091] 図9は、RNA干渉を用いた発現プロファイリングにおいて同定されたDCの標的分子の発現をノックダウンさせた後の改善された増殖性応答の例を示す。IL−10、IDOと類似のDC発現動態を示すか又は免疫調節のマスタースイッチのクラスターに属する遺伝子は、負に調節する免疫抑制性フィードバックループに関与することが示されている。IL−10又はIDOの発現がRNA干渉を用いてノックダウンされているものと類似の実験を設計した。DCを、表3、表4、又は表5からのsiRNA特異的遺伝子でトランスフェクトした。図9に示すのは、遺伝子MAPKAPK2、IRF2、PHF11、IRF4、JAK1、CEBPB、及びETV6である。LPS/IFN−γで6時間曝露することによる成熟開始後、遺伝子操作したDCを同種異系Tリンパ球と6日間共培養した。同種異系Tリンパ球を、細胞内に入りタンパク質と結合する蛍光色素CFSEで標識して細胞内に保持し;過剰のCFSEは洗浄除去した。それぞれの細胞分裂により、Tリンパ球の蛍光強度は半減するため、共培養第6日目にTリンパ球増殖の評価を可能にした。対照として非トランスフェクトDC又は対照siRNAでトランスフェクトしたDCを用いた。遺伝子操作したDCが同種異系Tリンパ球を刺激する能力の改善により、siRNAの標的遺伝子が負の調節フィードバックループに関与することの証拠を提供する。これは、そのような遺伝子をノックダウンさせるために遺伝子操作されているDC免疫医薬は、慣用の免疫治療法と比較して、治療効果が改善することを更に示している。] 実施例 [0092] 結論 DC免疫医薬の特徴は遺伝子操作によって調節できる証拠が本発明によって提供される。DCにおける免疫刺激性分子の過剰発現及び免疫抑制性分子のノックダウンは、免疫刺激能を高めることを立証した。これは、DCがんワクチン又は抗感染DC免疫医薬としての適用を見い出すことができる。ここで、DCは、腫瘍由来抗原又は微生物由来抗原を負荷しており、成熟刺激へ曝露され、記載のように操作されている。更に、本明細書において提示したデータは、免疫刺激性分子をノックダウンさせることによって、及び免疫抑制性分子を過剰発現させることによって、免疫抑制性DC医薬を設計することができることを暗示する。そのような抑制性DC免疫医薬は、アレルギー又は自己免疫だけでなく、移植レシピエントの免疫系を移植組織に対して寛容化するめの移植医薬にも適用し得る。]
权利要求:
請求項1 以下の工程:a)未成熟樹状細胞を少なくとも1種の樹状細胞成熟因子と接触させて、それらのIL−12分泌能によって規定されるような部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を作製することによって得ることが可能な未成熟樹状細胞若しくはその前駆細胞又は部分的に成熟した樹状細胞を準備すること;b)工程a)の細胞、特に工程a)のIL−12を放出する部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を、(i)少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間の継続IL−12分泌を特徴とする樹状細胞のTリンパ球刺激能を維持可能な、CD40Lから成る群より選択される少なくとも1つの免疫分子を、該少なくとも1つの分子をコードする核酸分子を導入することにより過剰発現させるために;及び/又は(ii)樹状細胞内で活性であるか又は樹状細胞からT細胞へ送達される少なくとも1つのTリンパ球抑制分子の発現を阻害又は阻止するために、該少なくとも1つのTリンパ球抑制分子をコードする遺伝子又はその断片をノックアウトすることにより、又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子を導入することにより、LPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞内で作用するか又はLPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞から放出され、そしてインターロイキン10(IL−10)及びインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)から成る群より選択される、少なくとも1つの表3、表4及び/又は表5に示す遺伝子のような少なくとも1つのTリンパ球抑制分子の発現を阻害又は阻止するために、操作すること;及びc)場合により、樹状細胞の前駆細胞を樹状細胞へ形質転換させる物質を加えること、を含む方法によって得ることが可能な、部分的に成熟した樹状細胞を含む医薬品。 請求項2 未成熟樹状細胞の前駆体、特に単球若しくは造血幹細胞、又は未成熟樹状細胞を、皮膚、脾臓、骨髄、胸腺、リンパ節、臍帯血、又は末梢血から得ることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品。 請求項3 少なくとも1つの樹状細胞成熟因子が、加熱不活性化若しくはホルマリン処理したカルメット・ゲラン菌(BCG)、好ましくはBCGの細胞壁構成物質、BCG由来リポアラビノマンナン、若しくはBCG構成成分、大腸菌由来リポ多糖(LPS)、又は不活性化グラム陽性菌若しくはグラム陰性菌などのTLRのアゴニスト、イミダゾキノリン化合物、好ましくはイミダゾキノリン−4−アミン化合物、特に4−アミノ−2−エトキシメチル−x−ジメチル−1H−イミダゾール[4,5−c]キノリン−1−エタノール若しくは1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾール[4,5−c]キノリン−4−アミン、又はそれらの誘導体、合成2本鎖ポリリボヌクレオチド、好ましくはポリI:C、天然2本鎖RNA若しくはRNAウイルス若しくはRNAの断片、又は合成類似体、又は非メチル化CpGモチーフを含む合成若しくは天然の核酸分子、サイトカインの組み合わせ、好ましくは腫瘍壊死因子α(TNF−α)、IL−1、IL−6、又はプロスタグランジンE6、CD40L、好ましくは組換えCD40L若しくはCD40Lドメインを含む融合タンパク質、又はCD40Lを発現するように遺伝子操作された初代細胞若しくは細胞株、又はTリンパ球のようなCD40Lの発現を生理的に上方制御する活性化Tリンパ球から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬品。 請求項4 操作工程b)の前に、未成熟樹状細胞を少なくとも1つの樹状細胞成熟因子と少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、特に少なくとも12時間、最大24時間まで接触させ、部分的に成熟した樹状細胞を生じさせることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬品。 請求項5 未成熟又は部分的に成熟した樹状細胞に少なくとも1つの抗原を負荷することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬品。 請求項6 少なくとも1つの抗原が、以下の群:a)腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、又は他のヒト微生物病原体若しくは寄生性病原体から成る群;あるいはb)アレルギーを引き起こす環境抗原、疾患を引き起こす免疫応答を開始させる自己抗原、又は移植抗原から成る群、から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の医薬品。 請求項7 以下の工程:a)未成熟樹状細胞を準備すること;b)未成熟樹状細胞を少なくとも1つの樹状細胞成熟因子と接触させて、それらのIL−12分泌能によって規定されるような部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を作製すること;及びc)工程b)のIL−12を放出する部分的に成熟した樹状細胞(半成熟DC、smDC)を、(i)少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間の継続IL−12分泌を特徴とする樹状細胞のTリンパ球刺激能を維持可能な、CD40Lから成る群より選択される少なくとも1つの免疫分子を、該少なくとも1つの分子をコードする核酸分子を導入することにより過剰発現させるために;及び/又は(ii)LPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞内で作用するか、又はLPS/IFN−γのような第1の成熟因子に曝露した樹状細胞から放出される少なくとも1つのTリンパ球抑制性分子の発現を阻害又は阻止するために、インターロイキン10(IL−10)、及びインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)から成る群より選択される、少なくとも1つの表3、表4及び/又は表5に提示された遺伝子のような、該少なくとも1つのTリンパ球抑制性分子をコードする遺伝子又はその断片をノックアウトすることにより、又は核酸分子、好ましくはリボ核酸分子を導入することにより、樹状細胞内で活性であるか又は樹状細胞からT細胞へ送達される少なくとも1つのTリンパ球抑制性分子の発現を阻害又は阻止するために、操作すること、を含む樹状細胞作製方法。 請求項8 未成熟樹状細胞の前駆体又は未成熟樹状細胞又は部分的に成熟した樹状細胞を、皮膚、脾臓、骨髄、胸腺、リンパ節、臍帯血、又は末梢血から得ることを特徴とする、請求項7に記載の方法。 請求項9 少なくとも1つの樹状細胞成熟因子が、加熱不活性化若しくはホルマリン処理されたカルメット・ゲラン菌(BCG)、好ましくはBCGの細胞壁構成物質、BCG由来リポアラビノマンナン若しくはBCG構成成分、大腸菌由来リポ多糖(LPS)、又は不活性化グラム陽性菌若しくはグラム陰性菌のようなTLRのアゴニスト、イミダゾキノリン化合物、好ましくはイミダゾキノリン−4−アミン化合物、特に4−アミノ−2−エトキシメチル−x−ジメチル−1H−イミダゾール[4,5−c]キノリン−1−エタノール若しくは1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾール[4,5−c]キノリン−4−アミン、又はそれらの誘導体、合成2本鎖ポリリボヌクレオチド、好ましくはpolyI:C、天然2本鎖RNA若しくはRNAウイルス若しくはRNA断片、又は合成類似体、又は非メチル化CpGモチーフを含む合成若しくは天然核酸分子、サイトカインの組み合わせ、好ましくは腫瘍壊死因子α(TNFα)、IL−1、IL−6、若しくはプロスタグランジンE6、CD40L、好ましくは組換えCD40L若しくはCD40Lドメインを含む融合タンパク質、又はCD40Lを発現するように遺伝子操作された初代細胞若しくは細胞株、又はCD40Lの発現を生理的に上方制御する活性化Tリンパ球から成る群より選択されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。 請求項10 操作工程c)の前に、未成熟樹状細胞を少なくとも1つの樹状細胞成熟因子と少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、特に少なくとも12時間、最大24時間まで、接触させることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法。 請求項11 未成熟又は部分的に成熟した樹状細胞に少なくとも1種の抗原を負荷することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項記載の方法。 請求項12 少なくとも1つの抗原が以下の群:a)腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、又は他のヒト微生物病原体若しくは寄生性病原体から成る群;あるいはb)アレルギーを引き起こす環境抗原、疾患を引き起こす免疫応答を開始させる自己抗原、又は移植抗原から成る群、から選択されることを特徴とする、請求項11記載の方法。 請求項13 請求項7〜12のいずれか1項記載の方法によって得ることが可能な樹状細胞。 請求項14 請求項13記載の樹状細胞を含む、医薬組成物。 請求項15 請求項13記載の樹状細胞又は請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬品の、がん及び/又は微生物若しくは寄生虫感染を治療及び/又は予防するため;あるいはアレルギー、自己免疫疾患、又は幹細胞若しくは臓器移植拒絶を治療及び/又は予防するための医薬を製造するための使用。 請求項16 医薬が、放射線療法及び/又は抗腫瘍若しくは抗微生物化学療法、あるいはアレルギー、自己免疫疾患、又は幹細胞若しくは臓器移植拒絶の治療を目的とした療法の前に、同時に、又は後に個体へ投与されることを特徴とする、請求項15に記載の使用。 請求項17 請求項13記載の樹状細胞又は請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬品の、アレルゲンのような環境抗原に対する免疫系、又は自己免疫疾患における自己抗原に対する免疫系の病的過剰反応によって引き起こされる免疫疾患を治療及び/又は予防するための医薬を製造するための使用。 請求項18 医薬が、アレルギー又は自己免疫疾患の治療又は予防を目的とした他のモダリティの前に、同時に、又は後に個体へ投与されることを特徴とする、請求項17に記載の使用。 請求項19 請求項13記載の樹状細胞又は請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬品の、同種異系幹細胞移植の免疫学的拒絶を治療及び/又は予防するため、好ましくは悪性血液疾患の治療のため、又は同種異系臓器移植の拒絶を治療及び/又は予防するための医薬を製造するための使用。 請求項20 医薬が、同種異系幹細胞移植又は臓器移植の拒絶の治療又は予防を目的とした他のモダリティの前に、同時に、又は後に個体へ投与されることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
类似技术:
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