カルバゾールピリジンとフェニル誘導体を主リガンドとして有するイリジウム系錯化合物及びこれを含む有機電界発光素子
专利摘要:
本発明は、主リガンド(main ligand)としてカルバゾール基が導入されたピリジン誘導体及び多様な置換基が導入されたフェニル誘導体が導入された新規なイリジウム錯化合物及び前記イリジウム錯化合物を発光層のドーパントとして含む燐光用有機電界発光素子に関する。本発明によるイリジウム錯化合物を有機電界発光素子に適用時、耐熱及び発光特性が大きく改善されるだけではなく、前記イリジウム錯化合物を発光層にドーピングすることにより、発光効率などが従来に比べ大きく向上した素子を得ることができる。 公开号:JP2011506312A 申请号:JP2010536847 申请日:2008-12-04 公开日:2011-03-03 发明作者:ジュン;ファン キム;ソン−ホ ジン;ヒョン;ナム チョ;グァン;チュン チョン;ジ;フン ユ;ジェ;ウク リ 申请人:インクテック シーオー.,リミテッド.Inktec Co.,Ltd.;ドン−ア ユニバーシティ リサーチ ファンデーション フォー インダストリー−アカデミー コーポレーションDong−A University Research Foundation For Industry−Academy Cooperation; IPC主号:C07F15-00
专利说明:
[0001] 本発明は、燐光特性を有する新規なイリジウム錯化合物及びこれを含む有機電界発光素子に関する。] 背景技術 [0002] 最近、ディスプレイ装置の大型化によって、液晶表示装置(liquid crystal display, LCD)、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel, PDP)などの平面表示装置の要求が増加している。これらの平面表示装置は、CRT(CathodeRay Tube,ブラウン管)と比較し、応答速度が遅くて、視野角の制限があって、他の表示装置に対する研究が進行されているが、その一つが電界発光素子である。] [0003] 従来電界発光素子としては、無機系電界発光素子が主に使用されたが、無機系電界発光素子の場合、駆動電圧が交流220V以上が要求されて、素子が真空状態で製作されるため、大型化が難しい。] [0004] このような問題点により、有機物質を利用した有機電界発光素子(Organic Light-Emitting Diode, OLED)に対する研究が進行されている。有機電界発光素子は、自ら発光する有機物質を利用したディスプレイであって、有機物質に電場をかけると、電子(electron)及び正孔(hole)がそれぞれ陰極及び陽極から伝達されて、有機物質内で結合し、この際生成されるエネルギーが光として放出される有機物電気発光を利用する。] [0005] このような有機電界発光素子で光が放出される現象は、大きく蛍光(fluorescence)と燐光(phosphorescence)に区分されるが、蛍光は、有機分子が一重項(single)励起状態から基底状態に落ちる過程で光を放出する現象であって、燐光は、有機分子が三重項(triplet)励起状態から基底状態に落ちる過程で光を放出する現象である。] [0006] ところが、有機電界発光素子を構成する有機発光層に注入された電子と正孔は再結合し、エキシトン(exciton)を形成して、このエキシトンの電気エネルギーが光エネルギーに転換される過程で発光層のエネルギーバンドギャップに該当する色相の光を具現する。この過程でスピンが0である一重項エキシトン(singlet exciton)とスピンが1である三重項エキシトン(tripletexciton)が1:3の比率で生成される。したがって、一般に蛍光色素をドーピングした有機電界発光素子の場合、最大内部量子効率は、25%に制限される。ところが、スピン−軌道結合(spin-orbital coupling)が大きいと、一重項状態と三重項状態が混合され、一重項−三重項状態間で系間交差(inter-system crossing)が起こって、三重項エキシトンも基底状態に燐光を出して転移することができる。つまり、三重項エキシトンを全て光を出すために活用することができれば、有機電界発光素子の内部量子効率は、理論的に100%まで向上させることができる。] [0007] このように有機電界発光素子の発光効率を画期的に向上させることができる燐光用有機電界発光素子(electrophosphorescence)は、1999年米国プリンストン大学のS.R. Forrest教授とUSCのM.E. Thompson教授チームによって開発されたが、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)などのような重い原子の錯化合物が、燐光効率が高いと知られている。白金錯化合物の場合、最も低い三重項エキシトンがリガンドに中心をおいているligand-centered エキシトン(LCエキシトン)であるが、イリジウム錯化合物は、最も低いエネルギーを有する三重項エキシトンが中心金属−リガンド間の電荷伝達状態(metal-ligand charge transfer,MLCT)である。したがって、イリジウム錯化合物は、白金錯化合物と比較し、さらに大きいスピン−軌道結合を形成して、遥かに短い三重項エキシトン寿命をもって高い燐光効率を示す。] [0008] 緑色と赤色の光を出す燐光用有機電界発光素子は開発されているが、発光効率、色座標及び寿命を同時に満足する優れた青色の燐光用有機電界発光素子は未だに開発されていない。一例として、最近Flrpic(Iridium(III) bis[2,2'(4'-difluorophenyl)-pyridinato-N,C2'] picolinate)という物質が開発されたが、色純度面で完全な青色発光物質と認めるには無理がある実情である。] 発明が解決しようとする課題 [0009] 本発明は、上記の従来の問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、既存の燐光材料より優れた熱的特性と溶媒に対する溶解度及び発光効率が向上された新規なイリジウム錯化合物を提供することであり、本発明のまた他の目的は、上記新規なイリジウム錯化合物を含む有機電界発光素子を提供することである。] 課題を解決するための手段 [0010] 本発明は、耐熱性及び発光効率に優れており、OLED用核心材料として使用が可能なイリジウム化合物として下記化学式1で表されるイリジウム錯化合物及びこれを含む有機電界発光素子に関し、さらに詳細には、前記イリジウム錯化合物は、カルバゾールが導入されたピリジン誘導体及び多様な置換基が導入されたフェニル誘導体が主リガンドとして導入されているイリジウム錯化合物であることを特徴とする。] [0011] [化学式1] (式中、Lは、有機リガンドであり、 R1乃至R8は、それぞれ独立して、水素であるか、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の(C1−C20)アルキル、(C3−C12)シクロアルキルまたは(C3−C12)シクロアルキル(C1−C20)アルキルであって、 X1は、水素、ハロゲン、シアノ、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、トリ(C1−C20)アルキルシリル、トリ(C5−C20)アリールシリル、(C3−C12)シクロアルキルまたは(C5−C20)アリールであり、前記X1のアルキル、アルコキシまたはアリールは、ハロゲン、(C1−C20)アルキルシリル、(C5−C20)アリールシリル、モノまたはジ(C1−C20)アルキルアミノまたはアミノから選択される一つ以上がさらに置換可能であって、 mは、1乃至4の整数である。)] [0012] 一方、燐光特性を示すイリジウム錯化合物において、主リガンドは、発光色彩を決定する主要因子であって、特に、リガンドに含有された窒素(N)の電子密度によって発光特性が変換され得るため、本発明による上記化学式1のイリジウム錯化合物は、主リガンド(main ligand)として、カルバゾール基が導入されたピリジン誘導体及び電子求引性基(electron withdrawing)[例えば、ハロゲンまたはシアノ]または電子供与性基(electron donating)[例えば、アルキルまたはアルコキシ]のように多様な置換基が導入されたフェニル誘導体が導入されているため、発光色の調節が可能である。例えば、主リガンドとして電子求引性(electron withdrawing)置換基が導入されたフェニル誘導体によりフェニルの電子密度が減少して、カルバゾール基が導入されたピリジン誘導体の場合、その構造に含まれた窒素の電子密度が従来開発されたイリジウム錯化合物と比較して大きく増加されるため、既存の緑色発光よりは青色発光を示すことができる。] [0013] また、本発明による上記化学式1のイリジウム錯化合物に主リガンドとして導入される多様な置換基が導入されたフェニル誘導体とカルバゾール基が導入されたピリジン誘導体は、オルト(o-)、メタ(m-)及びパラ(p-)の多様な位置に導入でき、このように多様な官能基への置換により、本発明による前記化学式1のイリジウム錯化合物は、一般に使用される有機溶媒に商用化できるたけではなく、有機電界発光素子に適用される場合、電極との界面特性を改善させることができる。] [0014] 特に、ピリジンに導入されるカルバゾールは、ピリジンの窒素のオルト(o-)、メタ(m-)及びパラ(p-)位に置換できて、好ましくは、ピリジンの窒素のパラ位に導入される。また、フェニルに置換される置換基は、主にオルト(o-)とパラ(p-)位に置換される。] [0015] 本発明による上記化学式1のイリジウム錯化合物は、主リガンドとしてカルバゾール基が導入されたピリジン誘導体及び置換基が導入されたフェニル誘導体が導入される他に、別途の補助リガンド(ancillary ligand)(L)が導入される。補助リガンド(L)は、イリジウム錯化合物の発光特性において、微細な色彩を調整するように選択されるが、特に本発明による上記化学式1のイリジウム錯化合物がより純粋な青色発光を表せるように共役二重構造(conjugated structure)が少なく形成されることが好ましく、前記化学式1のイリジウム錯化合物の補助リガンド(L)としては、下記の構造を含むが、これに限定されるものではない。 (式中、R21乃至R23は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルが置換あるいは非置換のフェニルまたはハロゲンであって、R24乃至R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリルまたはハロゲンであって、R27は、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキルまたは(C1−C10)アルキル置換あるいは非置換のフェニルまたはハロゲンであって、x、y及びzは、それぞれ独立して1乃至4の整数である。] [0016] 本発明による有機発光化合物に含まれる補助リガンドLは、下記の構造で例示される。] [0017] 上記化学式1の化合物を具体的に例示すると、R1乃至R8は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルエチルであり、X1は、水素、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、アントリル、アミノメチル、アミノエチルまたはアミノブチルであり、mは、1または2の整数である化合物である。] [0018] 本発明によるイリジウム錯化合物は、下記の化合物で例示できるが、下記の化合物が本発明を限定するものではない。] [0019] 一方、本発明の化学式1で表されるイリジウム錯化合物の製造には、本内容に記述されている方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知のいかなる方法を使用してもよい。即ち、本発明の化学式1で表されるイリジウム錯化合物の製造のための溶媒、反応温度、濃度または触媒などは特に限定されるものではなく、製造収率にも変わりはない。具体的に、例えば反応式1について説明すると、次のようである。] [0020] [反応式1] (式中、Xはハロゲンであり、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X1及びmは、化学式1における定義と同一である。)] [0021] 上記反応式1に示したように、2,2’−ジブロモ−ジフェニルとハロゲンアミノピリジンを反応して、カルバゾール基が置換されたピリジン誘導体を合成した後、多様な置換基が置換されているフェニルボロン酸をNa2CO3とPd(PPh3)4とトルエン、水、エタノール溶媒下でスズキ合成法によりカルバゾールピリジン置換されたフェニル主リガンドを合成する。次いで、合成されたカルバゾールピリジン置換されたフェニル主リガンドとイリジウムクロライド水和物(IrCl3・3H2O)の混合物を適切な溶媒に溶解させた後、混合して、塩素−架橋化二量体(chloride-bridged dimer)を合成する。最後に得られた塩素−架橋化二量体に補助リガンド(L−H)及び適切な溶媒を混合して、最終的にカルバゾール基で置換されたピリジン誘導体と多様な置換基で置換されたフェニル誘導体が主リガンドに導入されたイリジウム錯化合物を合成する。上記のような方法を通じて合成されたイリジウム錯化合物は、図3乃至図13の発光特性測定結果から分かるように、ほぼ480nmから514nmまで最大発光ピークを調節することができ、青色から青緑色まで発光特性を調節することができる。] 図13 図3 [0022] また、本発明は、前記化学式1で表されるイリジウム錯化合物を含む有機電界発光素子を提供する。前記有機電界発光素子は、アノードとして機能する第1電極と、前記第1電極と対向的に形成されてカソードとして機能する第2電極を含み、前記第1電極と第2電極との間に本発明によるイリジウム錯化合物を含む発光層が積層されている単層形態で形成できる。] [0023] また、前記有機電界発光素子は、第1電極と発光層との間にバッファ層を含み、前記発光層と第2電極との間に電子伝達層及び電子注入層を含む多層形態にも形成できる。この際、前記バッファ層は、第1電極の上部に積層された正孔注入層と、前記正孔注入層の上部に積層される正孔伝達層を含む。] [0024] 一方、本発明による化学式1のイリジウム錯化合物は、発光層に含まれた他のホスト物質と相互作用できるドーパントとして含まれて、好ましくは、発光層の総量を基準に3〜20重量%の濃度で含まれて、青色から青緑色までの発光を得ることができ、以下、本発明によるイリジウム錯化合物が適用される有機電界発光素子について説明する。] [0025] 図1は、本発明の一実施例によってイリジウム錯化合物が適用できる単層形態の有機電界発光素子1000を概略的に示したものである。このような単層形態の有機電界発光素子1000は、基板1100、第1電極1110、発光層1150及び第2電極1180が順次積層された構造を有する。前記基板1100は、例えばガラス(glass)またはプラスチックのような物質で製造できる。] 図1 [0026] 一方、前記第1電極1110及び第2電極1180は、例えばそれぞれアノード(anode)とカソード(cathode)として機能する部分であって、第1電極1110は、第2電極1180の仕事関数(work function)が大きい物質を使用する。特に、本発明と関連し、第1電極1110は、陽電荷キャリア(positive-charged carrier)である正孔(hole)を注入するに効果的な物質であって、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物または伝導性高分子である。具体的に、前記第1電極1110としては、ITO(indium-tin oxide)、FTO(Fluorine doped tin oxide)、ZnO−Ga2O3、またはZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3などのような混合金属酸化物、ポリアニリン(polyaniline)、ポリチオフェン(polythiophene)などの伝導性高分子などの物質が使用でき、好ましい実施例によると、ITOである。] [0027] これに対し、第2電極1180は、陰電荷キャリア(negative-charged carrier)である電子(electron)を注入するに効果的な物質であって、金、アルミニウム、銅、銀、またはこれらの合金、カルシウム/アルミニウム合金、マグネシウム/銀合金、アルミニウム/リチウム合金などのようにアルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム及びこれらが組み合わされた合金、または場合によっては、希土類、ランタン族(lanthanide)、アクチニド族(actinide)に属する金属から選択でき、好ましくは、アルミニウム、またはアルミニウム/カルシウム合金である。] [0028] 一方、前記第1電極1110と第2電極1180との間に積層される発光層1150では、本発明による化学式1のイリジウム錯化合物がドーパント(dopant)として使用される。これと関連し、前記発光層1150には、色純度変化と消光現象のようなエネルギー消失過程を抑制し発光効率を増加させることができるように、発光物質であるホスト(host)が含まれる。特に、本発明による化学式1のイリジウム錯化合物の場合、ほぼ青色から青緑色までの発光色を示すため、発光層1150に含まれるホストから発光するエネルギーがドーパントのイリジウム錯化合物によく転移されるようにホストを選択することができる。本発明によって発光層1150に含まれるホストとしては、蛍光特性を有するホストや燐光特性を有するホストが含まれ、好ましくは、燐光特性を有するホストである。] [0029] 特に、本発明と関連して使用できる燐光特性を有するホストとしては、アリールアミン系(aryl amine)、カルバゾール系、スピロ(spiro)系を含む。具体的には、4,4−N,N−ジカルバゾール−ビフェニル(4,4-N,N-dicarbazole-biphenyl,CBP)、1,3−ビス(9−カルバゾイル)ベンゼン(1,3-bis(9-carbazolyl)benzene, mCP)、ポリビニルカルバゾール(poly(vinylcarbazole),PVK)などの物質を含むことができて、好ましくはCBP及びmCPを使用することができる。] [0030] 好ましい様態によると、発光層1170は、ほぼ5〜200nm、好ましくは50〜10nmの厚さで第1電極1110の上部に積層されるが、本発明による化学式1のイリジウム錯化合物は、ドーパントとして、発光層1170に対して3〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の濃度で含まれる。] [0031] 一方、本発明による化学式1のイリジウム錯化合物は、上述の単層形態の有機電界発光素子1000はもちろんのこと、発光層と電極間に電子/正孔輸送のための別途の層が備えられている多層形態の有機電界発光素子にも適用できるが、図2は、本発明によって合成されたイリジウム錯化合物が適用された多層形態の有機電界発光素子2000の断面を概略的に示したものである。図2に示されたように、有機電界発光素子2000は、基板2100、第1電極2110、正孔注入層(hole injection layer, HIL)2130、及び正孔伝達層(hole transportinglayer,HTL)2140を含むバッファ層2120、発光層2150、電子伝達層(electron transporting layer, ETL)2160、電子注入層(electron injection layer,EIL)2170、第2電極2180が順次積層された形態を有する。] 図2 [0032] 上記のように構成される多層形態の有機電界発光素子において、第1電極2110と発光層2150との間に積層されるバッファ層2120は、第1電極2110として使用される物質と発光層2150間の界面特性を改善するか、正孔(hole)を安定的に発光層2150に供給できるように機能する。前記バッファ層2120は、機能的に正孔注入層2130と正孔伝達層2140に区分できる。] [0033] この際、バッファ層2120をなす正孔注入層2130は、第1電極2110に使用されたITOなどの物質と正孔伝達層2140に使用される有機物質間の界面特性を改善するだけではなく、その表面が平坦ではないITOの上部に塗布され、ITOの表面を滑らかにすることにより、伝導性及び発光効率を向上させる機能をする。特に、正孔注入層2130は、第1電極2110に使用されるITOなどの仕事関数水準と正孔伝達層2140のHOMO水準の差を調節するために、ITOの仕事関数水準と正孔伝達層2140のHOMO水準の中間値を有する物質であって、特に適切な伝導性を有する物質を選択する。本発明と関連し、正孔注入層2120をなす物質としては、copper-phthlalocyanine(CuPc)、N,N'-dinaphthyl-N,N'-phenyl-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine(NPD)、α-NPD などのような芳香族アミン類、伝導性高分子としてのポリチオフェン誘導体であるpoly(3,4-ethylenedixoythiophene)-poly(styrene sulfonate)(PEDOT)を使用することができ、特に、本発明の実施例では、PEDOTを使用した。正孔注入層2130は、20〜200Åの厚さで第1電極2110の上部にコーティングされ得る。] [0034] 一方、正孔注入層2130の上部には、正孔注入層2130を通じて入った正孔を安定的に発光層2150に供給できるように正孔伝達層2140が形成されるが、正孔が円滑に輸送、伝達されるように正孔伝達層2140のHOMO水準が発光層2150のHOMO水準より高い物質が選択される。本発明と関連し、正孔伝達層2140に使用できる物質としては、N,N′-diphenyl-N,N′-(3-methylphenyl)-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine(TPD)、α-TPDなどの正孔伝達物質が使用できる。正孔輸送層は、約10〜100nmの厚さで正孔注入層2130の上部に蒸着される。] [0035] 実質的に正孔注入層と正孔伝達層に使用されるそれぞれの物質は、ある一つの機能を有するというよりは、両者の機能を全部含む。即ち、正孔注入層に使用される物質は、正孔の伝達乃至輸送をも向上させるばかりか、正孔伝達層に使用される物質は、正孔の注入をも向上させるものであるという点に留意しなければならない。つまり、上記では、正孔注入層と正孔伝達層に使用される物質が区分されるように記述したが、このような物質は選択の問題であって、全体的にこれらの物質は、第1電極2110と発光層2150との間のバッファ層2120に含まれるものである。] [0036] 一方、本発明によると、発光層2150と第2電極2180との間に正孔注入層2130及び正孔伝達層2140に対応できる電子注入層2170及び電子伝達層2160が形成される。電子注入層2170は、円滑な電子注入を誘導するためのもので、他の電荷移動層と異なり、LiF、BaF2、CsFなどのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン形態が使用されるが、これらの金属陽イオンにより、電子伝達層2160に対するドーピングを誘導することができるように構成される。] [0037] 一方、電子伝達層2160は、主に電子を求引する化学成分が含まれた材料から構成されるが、このためには、高い電子移動度が要求されて、円滑な電子輸送を通じて発光層2150に電子を安定的に供給する。この際、あまりにも強すぎる電子受容体(electron acceptor)成分は、電子を消滅(quenching)させるおそれがあるため、適切な電子受容体成分を使用して電子移動度を向上させることがよい。本発明によって使用できる電子伝達層としては、Alq3及びオキサジアゾール(oxadiazole)成分を含む。具体的には、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(Alq3);2-(4biphenyl)-5-(4-tert-butyl)-1,3,4-oxadiazole(PBD)のようなアゾール化合物などを含む。本発明の実施例では、Alq3を電子伝達層2160に使用して、電子伝達層2160は、5〜150nmの厚さで発光層2150の上部に積層される。] [0038] 一方、図面には示していないが、正孔注入層2130及び正孔伝達層2140を軽油して流入された正孔が発光層2150を通って第2電極2180に進行する場合、素子の寿命と効率の減少をもたらす可能性があるため、前記発光層2150と電子伝達層2160との間には、HOMO水準の非常に低い正孔遮断層(hole blocking layer, HBL)を構成することができる。本発明と関連し、正孔遮断層に使用できる物質としては、2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10phenanthroline(BCP)を含み、ほぼ5〜150nmの厚さで発光層2150の上部に蒸着できる。] [0039] 上述のように、本発明によって合成されたイリジウム錯化合物は、青色から青緑色領域に該当する多様な波長を示すが、このように改善されたイリジウム錯化合物を発光層のドーパントに適用した電界発光素子は、図3乃至図13のように電気的特性を測定した結果から分かるように、電気的特性が大きく改善されただけではなく、図9と図10から分かるように、ほぼ480nmから514nmまで最大発光ピークを調節することができて、青色から青緑色まで発光特性を調節することができることを確認した。] 図10 図13 図3 図9 発明の効果 [0040] 本発明による新規なイリジウム錯化合物は、カルバゾールが置換されたピリジン誘導体及び多様な置換基が置換されたフェニル誘導体が主リガンドに導入されているイリジウム錯化合物であることを特徴とし、既存知られたイリジウム系発光材料より特性にさらに優れた骨格の化合物であって、既存材料より優れたEL特性を示している。また、本発明による新規なイリジウム錯化合物は、有機溶媒に容易に溶解されるため、大面積の発光面積を維持することができる。] [0041] 即ち、本発明のイリジウム錯化合物は、主リガンドとして、カルバゾールが置換されたピリジン誘導体及び多様な置換基が置換されたフェニル誘導体を導入して、アセチルアセトン、ピコリン酸などの多様な補助リガンドを導入することにより、従来知られたイリジウム系発光材料と比較し、純粋な青色から青緑色の発光色を具現することができ、したがって、本発明によるイリジウム錯化合物を発光層のドーパントに使用することにより、青色から青緑色の発光色を調節できる燐光用有機電界発光素子を製作することができる。] [0042] また、本発明のイリジウム錯化合物は、主リガンドとして、カルバゾールが置換されたピリジン誘導体及び多様な置換基が置換されたフェニル誘導体を導入することにより、一般的な有機溶媒に可溶性であって、耐熱特性が向上されるだけではなく、電極との界面特性に非常に優れており、薄膜特性と発光効率が大きく向上された発光材料として使用できる。] 発明を実施するための最良の形態 [0043] 以下、実施例に基づき本発明による新規なイリジウム錯化合物の製造方法を例示する。しかしながら、下記の実施例は、本発明に対する理解を助けるためのもので、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。] [0044] [製造例1]9−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−9H−カルバゾールの製造] [0045] 容量100mlの一口丸底フラスコに2,2’-ジブロモ-ジフェニル(8.73g, 27.99mmol)、2-クロロ-4-アミノピリジン(3g, 23.33mmol)と反応触媒のSodium tert-butoxide(5.38g,55.99mmol)、tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(1.07g, 1.17mmol)を混合した。液体窒素を利用して前記混合物が入っているフラスコのガスを除去して、窒素下で精製されたトルエン(50ml)を加え、常温で10分間反応した。その後、もう一つの反応触媒のTris-tert-butylphosphine(9.49g, 4.67mmol)をさらに添加し、反応混合物を48時間程度還流(110℃)して、反応完結をTLCで確認した後、反応混合物を室温に冷却、ジエチルエーテル(200ml)と塩水(3×200ml)を利用して有機層を洗浄した。無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で抽出した有機物層に残っている水を除去して、水分を吸収した硫酸ナトリウムをろ過した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:6、v/v)で分離して、固体の9-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾールを得た。収率: 70.86%(6.35g)] [0046] [製造例2]9−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル]−9H−カルバゾールの製造] [0047] 容量100mlの一口丸底フラスコに、前記製造例1で得られた9-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(2g, 7.18mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(1.20g, 8.61mmol)を入れて、反応触媒としてtetrakis(triphenylphosphinopalladium)(0.25g, 0.22mmol)を混合した。試薬が入っているフラスコに、窒素下で精製されたトルエン(70ml)を加えて、液体窒素を利用して前記混合物が入っているフラスコのガスを除去(2〜3回)した。その後、窒素下で2M sodium carbonate水溶液(23ml)とエタノール(4ml)をさらに注射器を利用して添加した。ここで、Sodium carbonateは、反応中に塩基として作用する。反応混合物を12時間80℃で加熱して、反応完結をTLCで確認した後、反応混合物を室温に冷却、ジエチルエーテル(200ml)と塩水(3×200ml)を利用して有機層を洗浄した。無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で抽出した有機物層に残っている水を除去して、水分を吸収した硫酸ナトリウムをろ過した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:8、v/v)で分離して、固体の9-[2-(4-フルオロ-フェニル)-ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾールを得た。収率: 90.61%(2.2g)] [0048] [製造例3]9−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル]−9H−カルバゾールの製造] [0049] 容量100mlの一口丸底フラスコに9-(2-クロロ-ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾール(2g, 7.18mmol)、2,4-ジフルオロ-フェニルボロン酸(1.36g, 8.61mmol)を入れて、反応触媒としてtetrakis(triphenylphosphinopalladium)(0.25g, 0.22mmol)を入れる。試薬の入っているフラスコに、窒素下で精製されたトルエン(70ml)を加えて、液体窒素を利用し、混合物の入っているフラスコのガスを除去(2〜3回)した。その後、窒素下で2M sodium carbonate水溶液(23ml)とエタノール(4ml)をさらに注射器を利用して添加した。ここで、Sodium carbonateは、反応中に塩基として作用する。反応混合物を12時間80℃で加熱して、反応完結をTLCで確認した後、反応混合物を室温に冷却、ジエチルエーテル(200ml)と塩水(3×200ml)を利用して有機層を洗浄した。無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で抽出した有機物層に残っている水を除去し、水分を吸収した硫酸ナトリウムをろ過した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:8、v/v)で分離し、固体の9-[2-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-ピリジン-4-イル)-9H-カルバゾールを得た。収率:84.10%(2.15g)] [0050] [製造例4]塩素−架橋化二量体(chloride-bridged dimer)Aの製造] [0051] 容量100mlの一口丸底フラスコの中にIrCl3・3H2O(0.88g, 2.96mmol)と前記製造例2で製造されたリガンド9-[2-(4-フルオロ-フェニル)-ピリジン-4-イル]-9H-カルバゾール(2.2g,6.51mmol)を混合した。これに2-ethoxyethanol(90 ml)とwater(30ml)を3:1比率で混ぜて、溶媒として添加し、この混合物を24時間還流(130℃)した。反応が進行される間、生成物が固体状態として生じることを確認することができて、反応が終了すると、室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。中間体化合物である(Cvz-F1)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F1)2を黄色の固体として収得した。収率:93.46%(2.5g)] [0052] [製造例5]塩素−架橋化二量体(chloride-bridged dimer)Bの製造] [0053] 容量100mlの一口丸底フラスコの中にIrCl3・3H2O(0.33g, 1.09mmol)と前記製造例3で製造されたリガンド9-[2-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-ピリジン-4-イル]-9H-カルバゾール(0.93g,2.61mmol)を混合した。これに2-ethoxyethanol(30 ml)とwater(10ml)を3:1比率で混ぜて、溶媒として添加し、この混合物を24時間還流(130℃)した。反応が進行される間、生成物が固体状態として生じることを確認することができて、反応が終了すると、室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。中間体化合物である(Cvz-F2)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F2)2を黄色の固体として収得した。収率:97.02%(1.0g)] [0054] (実施例1) アセチルアセトネートを補助リガンドとして有する錯化合物(Cvz−F1−acac)の製造] [0055] 前記製造例4で製造された塩素−架橋化二量体(Cvz-F1)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F1)2(0.7g, 0.39mmol)、acetylacetone(0.14g, 1.35mmol)とNa2CO3(0.41g, 3.87mmol)を100m一口丸底フラスコの中に入れて、2-ethoxyethanol(38ml)を溶媒として添加し、24時間還流(130℃)した。反応完結をTLCで確認した後、反応混合物を室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:6、v/v)で分離し、補助リガンドとしてアセチルアセトネートが導入されたイリジウム錯化合物であるCvz-F1-acacを黄色の固体として収得した。収率: 66.67%(0.57g)] [0056] (実施例2) ピコリン酸を補助リガンドとして有する錯化合物(Cvz−F1−pic)の製造] [0057] 前記製造例4で製造された塩素−架橋化二量体(Cvz-F1)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F1)2(0.45g, 0.25mmol)、ピコリン酸(0.077g, 0.62mmol)を20ml一口丸底フラスコの中に入れて、2-ethoxyethanol(7ml)を溶媒として添加し、24時間還流(130℃)した。反応完結をTLCで確認した後、混合物を室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:1、v/v)で分離し、補助リガンドとしてピコリン酸が導入されたイリジウム錯化合物であるCvz-F1-picを黄色の固体として収得した。収率: 82.13%(0.41g)] [0058] (実施例3) アセチルアセトネートを補助リガンドとして有する錯化合物(Cvz−F2−acac)の製造] [0059] 前記製造例5で製造された塩素−架橋化二量体である(Cvz-F2)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F2)2(0.5g, 0.26mmol)、acetylacetone(0.079g, 0.79mmol)とNa2CO3(0.28g, 2.64mmol)を50ml一口丸底フラスコの中に入れて、2-ethoxyethanol(25ml)を溶媒として添加し、24時間還流(130℃)した。反応完結をTLCで確認した後、混合物を室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:6、v/v)で分離して、補助リガンドとしてアセチルアセトネートが導入されたイリジウム錯化合物であるCvz-F2-acacを黄色の固体として収得した。収率: 66.10%(0.35g)] [0060] (実施例4) ピコリン酸を補助リガンドとして有する錯化合物(Cvz−F2−pic)の製造] [0061] 前記製造例5で製造された塩素−架橋化二量体である(Cvz-F2)2Ir(μ-Cl)2Ir(Cvz-F2)2(0.50g, 0.26mmol)、ピコリン酸(0.081g, 0.66mmol)を20ml一口丸底フラスコの中に入れて、2-ethoxyethanol(7ml)を溶媒として添加し、24時間還流(130℃)した。反応完結をTLCで確認した後、混合物を室温に冷却した。その後、生成物をろ過して、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル溶液で洗浄した後、そのまま真空オーブンで乾燥した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液; EtOAc / Hexane = 1:1、v/v)で分離し、補助リガンドとしてピコリン酸が導入されたイリジウム錯化合物であるCvz-F2-picを黄色の固体として収得した。収率: 70.44%(0.38g)] [0062] (実施例5) 本発明によるイリジウム錯化合物を含む燐光系有機電気発光素子の製作 上記実施例1乃至実施例4で製造されたイリジウム錯化合物であるCvz-F1-acac(実施例1)、Cvz-F1-pic(実施例2)、Cvz-F2-acac(実施例3)、Cvz-F2-pic(実施例4)を発光層のドーパントとして使用した有機電界発光素子を製作した。] [0063] 有機電界発光素子を製作するために、まず、ガラス基板上にITO(indium-tin oxide)でコーティングした透明電極基板をきれいに洗浄した後、前記ITOでコーティングされた透明電極基板を感光性樹脂(photoresist resin)とエッチング液(etchant)を利用し、微細加工工程を利用してアノードを形成した後、再びきれいに洗浄した。] [0064] 正孔注入層としては、伝導性高分子であるポリチオフェン誘導体のpoly(3,4-ethylenedioxythiophene)poly(styrenesulfonate)(PEDOT)を100Åの厚さでコーティングした後、110℃で約50分間焼いた。正孔伝達層としては、NPBを約50nmの厚さで真空蒸着をした。発光層を形成するために、既存広く知られた燐光系発光層のホスト物質として使用される1,3-bis(9-carbazolyl)benzene(mCP)を発光層のホスト物質として使用して、前記実施例1乃至4で製造されたイリジウム錯化合物であるCvz-F1-acac(実施例1)、Cvz-F1-pic(実施例2)、Cvz-F2-acac(実施例3)、Cvz-F2-pic(実施例4)を発光層のドーパントとして使用して、ドーパントの濃度は、5〜10%程度にして、真空蒸着によりそれぞれ20〜100nmの厚さで発光層を形成した。] [0065] それから、正孔遮断層と電子伝達層として、それぞれ2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline(BCP)とTris(8hydroxyquinolinato)aluminum(Alq3)を10〜60nmの厚さで真空蒸着した。そして、電子注入層であるLiFを真空蒸着により薄膜を順次形成した後、カソードのAl電極を形成して、有機電界発光素子を製作した。真空蒸着のための真空度は、4×10−6torr以下に維持しながら蒸着して薄膜を形成した。蒸着時、膜厚及び膜の成長速度は、crystal sensorを利用して調節し、発光面積は、4mm2であって、駆動電圧は、直流電圧としてforward bias voltageを使用した。] [0066] [比較例]Ir(ppy)3をドーパントとして使用した緑色発光の燐光系有機電気発光素子の製作 本比較例では、米国特許第7,154,114号に開示されているIr(ppy)3(fac-tris(2-phenylpyridyl)Ir(III)を発光層のドーパントとして使用し、前記実施例5と同様に有機電界発光素子を製造した。] [0067] [実験例1]有機電界発光素子の電気光学特性の測定 本実験例では、前記実施例1乃至4で製造されたイリジウム錯化合物であるCvz-F1-acac(実施例1)、Cvz-F1-pic(実施例2)、Cvz-F2-acac(実施例3)、Cvz-F2-pic(実施例4)を発光層のドーパントとして使用した実施例5の有機電界発光素子、及び比較例のIr(PPy)3をドーパントとして使用した有機電界発光素子に対して電気光学的特性を測定した。] [0068] 上記実施例5によって製作された有機電界発光素子及び比較例の有機電界発光素子の電圧の増加による電流密度及び輝度は、Keithley 236 Source MeasurementとMinolta LS-100を使用して測定した。] [0069] 図3及び図4は、実施例1で製造されたCvz-F1-acac、実施例2で製造されたCvz-F1-picをドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子と、比較例のIr(PPy)3をドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子の電圧−電流密度及び電圧−発光輝度測定結果を示したグラフであり、図5と図6は、実施例3で製造されたCvz-F2-acac、実施例4で製造されたCvz-F2-picをドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子と、比較例のIr(PPy)3をドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子の電圧−電流密度及び電圧−発光輝度測定結果を示したグラフである。図3乃至6に示されたように、本発明によって製造されたイリジウム錯化合物を含む有機電界発光素子は、ほぼ2.5〜7.0Vの電圧で駆動が始まって、電圧が増加するにつれて、注入されるキャリアの量が増加し、その結果、電流密度(current density)と発光輝度が幾何級数的に増加することが分かった。] 図3 図4 図5 図6 [0070] 図7と図8は、実施例1で製造されたCvz-F1-acac、実施例2で製造されたCvz-F1-pic、実施例3で製造されたCvz-F2-acac、実施例4で製造されたCvz-F2-picをドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子と、比較例のIr(PPy)3をドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子の電流密度−発光効率特性を示したグラフである。] 図7 図8 [0071] 一方、図9と図10は、実施例1で製造されたCvz-F1-acac、実施例2で製造されたCvz-F1-pic、実施例3で製造されたCvz-F2-acac、実施例4で製造されたCvz-F2-picをドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子と、比較例のIr(PPy)3をドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子のEL強度測定結果を示したものである。図示されたように、本発明によるイリジウム錯化合物が発光層のドーパントとして使用された有機電界発光素子は、ほぼ480nmから514nmまで最大発光ピークを調節することができ、青色から青緑色まで発光特性を調節することができることを確認した。] 図10 図9 [0072] その反面、比較例の従来緑色発光の燐光系化合物として報告されたIr(PPy)3をドーパントとして使用した燐光系有機電界発光素子は、約514nmで最大緑色の発光ピークを示した。] [0073] 以上のように、本発明では、好ましい実施例に基づいて本発明を記述したが、これらは、本発明のより全般的な理解を助けるためのもので、本発明がこれらに限定されるものではなく、本発明の属する分野で通常の知識を有する者なら、上述の実施例を参考し、多様な変形及び変更が可能である。なお、このような変形及び変更が、本発明の基本精神を毀損しない範囲内で本発明の権利範囲に属するということは、添付の請求の範囲によって明らかになる。] 図面の簡単な説明 [0074] 本発明によって合成されたイリジウム錯化合物が適用された単一層形態の有機電界発光素子を概略的に示した断面図である。 本発明によって合成されたイリジウム錯化合物が適用された多層形態の有機電界発光素子を概略的に示した断面図である。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3に対する電圧−電流密度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3に対する電圧−発光輝度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例3及び実施例4で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3に対する電圧−電流密度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例3及び実施例4で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3に対する電圧−発光輝度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用した電界発光素子に対する電流密度−発光効率の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例3及び実施例4で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用した電界発光素子に対する電流密度−発光効率の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用した電界発光素子に対する電界発光(electroluminescence、EL)強度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例3及び実施例4で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用した電界発光素子に対する電界発光(electroluminescence、EL)強度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用し、新しい正孔伝達層(TCTA)を導入した電界発光素子に対する電圧−電流密度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用し、新しい正孔伝達層(TCTA)を導入した電界発光素子に対する電圧−発光輝度の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施例1及び実施例2で合成されたイリジウム錯化合物と比較例のIr(ppy)3を発光層のドーパントとして使用し、新しい正孔伝達層(TCTA)を導入した電界発光素子に対する電圧−発光効率の測定結果を示したグラフである。] [0075] 1000、2000有機電界発光素子 1100、2100基板 1110、2110 第1電極 2120バッファ層 2130正孔注入層 2140正孔伝達層 1150、2150発光層 2160電子伝達層 2170電子注入層 1180、2180 第2電極]
权利要求:
請求項1 下記化学式1で表されるイリジウム錯化合物。[化学式1](式中、Lは、有機リガンドであり、R1乃至R8は、それぞれ独立して、水素であるか、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の(C1−C20)アルキル、(C3−C12)シクロアルキルまたは(C3−C12)シクロアルキル(C1−C20)アルキルであって、X1は、水素、ハロゲン、シアノ、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、トリ(C1−C20)アルキルシリル、トリ(C5−C20)アリールシリル、(C3−C12)シクロアルキルまたは(C5−C20)アリールであり、前記X1のアルキル、アルコキシまたはアリールは、ハロゲン、(C1−C20)アルキルシリル、(C5−C20)アリールシリル、モノまたはジ(C1−C20)アルキルアミノまたはアミノから選択される一つ以上がさらに置換可能であって、mは、1乃至4の整数である。) 請求項2 リガンドLは、下記の構造から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム錯化合物。R21乃至R23は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルが置換あるいは非置換のフェニルまたはハロゲンであって、R24乃至R26は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリルまたはハロゲンであって、R27は、ハロゲン置換あるいは非置換の直鎖または分岐鎖の(C1−C10)アルキルまたは(C1−C10)アルキル置換あるいは非置換のフェニルまたはハロゲンであって、x、y及びzは、それぞれ独立して1乃至4の整数である。 請求項3 リガンドLは、下記の構造から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のイリジウム錯化合物。 請求項4 R1乃至R8は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルエチルであり、X1は、水素、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメチル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、アントリル、アミノメチル、アミノエチルまたはアミノブチルであり、mは、1または2の整数であることを特徴とする、請求項3に記載のイリジウム錯化合物。 請求項5 下記化合物から選択されることを特徴とする、請求項4に記載のイリジウム錯化合物。 請求項6 請求項1乃至5のいずれかに記載のイリジウム錯化合物を含む有機電界発光素子。 請求項7 前記有機電界発光素子は、第1電極と、前記イリジウム錯化合物が含まれた発光層と、第2電極とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の有機電界発光素子。 請求項8 前記第1電極と発光層との間にバッファ層を含み、前記発光層と第2電極との間に電子伝達層及び電子注入層を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電界発光素子。 請求項9 前記バッファ層は、正孔注入層と正孔伝達層を含むことを特徴とする、請求項8に記載の有機電界発光素子。 請求項10 前記イリジウム錯化合物は、前記発光層のドーパントとして使用されることを特徴とする、請求項6に記載の有機電界発光素子。
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