アルキレングリコールの調製のための方法
专利摘要:
本発明は、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための方法および反応器を提供する。アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒は、カルボキシル化域および加水分解域を含む反応器へ供給される。1個以上のエジェクタは、カルボキシル化域において、二酸化炭素と液体試薬とを混合するために使用され、その結果アルキレンオキシドは、カルボキシル化域において、水の存在下で二酸化炭素と反応して、アルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液を形成する。反応溶液は、カルボキシル化域から、加水分解域へ供給され、加水分解域において、アルキレンカーボナートと水とが反応して、アルキレングリコール、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む生成物溶液を形成する。加水分解域においてアルキレンカーボナートと水との反応によって放出された二酸化炭素は、カルボキシル化域へ供給される。生成物溶液は、加水分解域から回収される。 公开号:JP2011506292A 申请号:JP2010536466 申请日:2008-12-05 公开日:2011-03-03 发明作者:フアン・ミリヘン,ヘンドリク・ヨハネス;フエーンストラ,ペーター 申请人:シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー; IPC主号:C07C29-12
专利说明:
[0001] 本発明は、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための方法に関する。] 背景技術 [0002] モノエチレングリコールは、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチックおよび樹脂の製造において、原材料として使用される。モノエチレングリコールはまた、自動車の不凍液の中にも組み込まれている。] [0003] モノエチレングリコールは、エチレンオキシドからエチレンカーボナートを経由して、高度に選択的な方法において調製されることができる。これは、2段階の方法において典型的に実行され、この方法において、第1のステップは、エチレンカーボナートを形成するための二酸化炭素とエチレンオキシドの反応であり、第2のステップは、エチレングリコールを形成するためのエチレンカーボナートの加水分解である。] [0004] US 6,080,897において、第1気泡塔、第2気泡塔および気液分離器からなるカルボキシル化反応装置において、エチレンオキシドは二酸化炭素と反応して、エチレンカーボナートを形成する。分離器からの液体相は、管型反応器へ移動させられ、管型反応器からの反応溶液は、連続的に接続されている第1の容器と第2の容器とからなる加水分解装置へ移動させられる。加水分解反応において放出された二酸化炭素は圧縮され、カルボキシル化反応装置へ再循環させられる。] [0005] JP 11−269110において、エジェクタ付きループ型反応器の中で、エチレンオキシドは、触媒の存在下で二酸化炭素および水と反応して、エチレンカーボナートおよびモノエチレングリコールを形成する。反応溶液の一部は反応器の下部から抽出され、抽出された部分はポンプを使用して循環され、エジェクタノズルを通って反応器の上部中へ注入される。カルボキシル化発熱反応による熱は、熱交換器において、抽出された反応混合物を冷却することによって除去される。この実施例において、反応器からの反応混合物は、モノエチレングリコール61.1%およびエチレンカーボナート37.1%を含んでいた。引き続く加水分解および蒸留は、高品質のモノエチレングリコールを生成した。同様の系は、JP 2001 233831において開示されている。] 先行技術 [0006] 米国特許第6,080,897号明細書 特開平11−269110号公報 特開2001−233831号公報] 発明が解決しようとする課題 [0007] 本発明者らは、アルキレンオキシドからのアルキレングリコールの製造を、さらに向上させることを探求した。] 課題を解決するための手段 [0008] (発明の要旨) したがって、本発明は、 (a)アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を液体試薬として、反応器のカルボキシル化域へ供給するステップ、 (b)エジェクタを1個以上使用して、カルボキシル化域において二酸化炭素と液体試薬とを混合し、その結果アルキレンオキシドが、水の存在下で、二酸化炭素と反応して、アルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液を形成するステップ、 (c)反応溶液を、カルボキシル化域から反応器の加水分解域へ供給し、加水分解域において、アルキレンカーボナートおよび水が反応して、アルキレングリコール、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む生成物溶液を形成するステップ、 (d)加水分解域におけるアルキレンカーボナートと水との反応によって放出された二酸化炭素を、カルボキシル化域へ供給するステップ、および (e)加水分解域から生成物溶液を回収するステップ を含む、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための方法を提供する。] [0009] 本発明はさらに、 (a)アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む液体試薬のための注入口を1個以上、二酸化炭素のための注入口を1個以上、二酸化炭素を液体試薬と混合するためのエジェクタを1個以上ならびにアルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液のための排出口を1個以上含むカルボキシル化域、 (b)反応溶液のための注入口を1個以上、二酸化炭素のための排出口を1個以上ならびにアルキレングリコール、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む生成物溶液のための排出口を1個以上含む加水分解域、および (c)二酸化炭素が、加水分解域からカルボキシル化域へ供給されることができる導管 を含む、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための反応器を提供する。] [0010] 本発明の方法および反応器は、比較的簡単で小型の装置において、アルキレンオキシドからアルキレングリコールへの高い転換を達成でき、それによって資本支出を削減する。] 図面の簡単な説明 [0011] 本発明の第1の実施形態による反応器および方法を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態による反応器および方法を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態による反応器および方法を示す概略図である。] [0012] 本発明の方法および反応器は、エジェクタを1個以上使用して、カルボキシル化域において二酸化炭素と液体試薬とを混合する。二酸化炭素は、加水分解域からカルボキシル化域へ供給され、この加水分解域において、二酸化炭素はアルキレンカーボナートと水との反応の間に放出される。エジェクタは、可動流体が収束−分岐ノズルを通過して、吸引流体を引き込み同伴する低圧を作り出す装置である。1個以上のエジェクタの使用は、エチレンオキシドと(蒸気相の中に存在する)二酸化炭素の混合を確実にし、カルボキシル化反応を促進する。さらに、いくらかのエチレンオキシドは蒸気相の中に存在し、エジェクタは気体のエチレンオキシドを液体試薬と混合する。] [0013] 本発明は、アルキレンカーボナートの中間体:] [0014] [R1、R2、R3およびR4は、水素または(1から6個の炭素原子を有する、好ましくは1から3個の炭素原子を有する)場合によって置換されているアルキル基から、独立して選択されてよい。置換基として、水酸基などの部分が存在してよい。好ましくは、R1、R2およびR3は水素原子を表し、R4は水素または非置換C1−C3−アルキル基を表し、より好ましくはR1、R2、R3およびR4は全て、水素原子を表す。] を経由して進行するアルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための方法を提供する。] [0015] したがって、適切なアルキレンオキシドの例は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む。本発明において、最も好ましいアルキレンオキシドは、エチレンオキシドである。] [0016] 用語「カルボキシル化域」および「加水分解域」は、その中でアルキレンオキシドのカルボキシル化およびアルキレンカーボナートの加水分解が、それぞれ起こる1個以上の反応容器中の領域を記載するために使用される。実際は、カルボキシル化および加水分解が起こる領域は、重複する可能性がある(すなわち、カルボキシル化および加水分解は、同じ領域で起こる可能性がある。)。しかし、用語「カルボキシル化域」および「加水分解域」は、主にカルボキシル化が起こる領域および主に加水分解が起こる領域を示す。加水分解域は、カルボキシル化域の下流にある。それぞれの域は、カルボキシル化反応または加水分解反応が起こる液体相および液体相の上の気体相からなる。カルボキシル化域において、カルボキシル化域に供給されたアルキレンオキシドの好ましくは少なくとも80重量%が、二酸化炭素と反応して、アルキレンカーボナートを形成する。加水分解域において、カルボキシル化域からの反応溶液中のアルキレンカーボナートの好ましくは少なくとも80重量%が、水と反応して、アルキレングリコールを形成する。] [0017] 本発明の方法および反応器におけるカルボキシル化域および加水分解域は、1個を超える反応容器の中に含まれる可能性がある(例えば、カルボキシル化域は第1の反応容器の中にあってよく、加水分解域は第2の反応容器の中にあってよい。)が、本発明の好ましい実施形態において、カルボキシル化域および加水分解域は、1個の反応容器内に含まれる。本発明の反応器は、2区画(カルボキシル化域を形成する1区画および加水分解域を形成する1区画)しか含まない可能性があるが、反応器は、好ましくは少なくとも4区画に分割され、最も好ましくは本発明の反応器は、少なくとも4区画に分割された単一の反応容器である。用語「区画」は、液体が通過しなければならない反応器の容積の小部分(例えば、反応器が4区画を有する場合、反応液体は反応器を出る前に4区画のそれぞれを順番に移動しなければならない。)を記載するために使用される。反応器を区画に分割することは、所与の反応器容積についての転換を増加させるか、またはより小さい反応器容積によって転換レベルを維持することができ、したがって、この方法の経済的側面を向上させる。カルボキシル化域は、好ましくは、少なくとも4区画を有する反応器の少なくとも第1区画を含む。(用語「第1区画」は、最上流にある区画を記載するために使用される。)加水分解域は、好ましくは、少なくとも4区画を有する反応器の少なくとも最終区画を含む。(用語「最終区画」は、最下流にある区画を記載するために使用される。)好ましくは、反応器は少なくとも6区画を有し、より好ましくは、反応器は少なくとも8区画を有する。好ましくは、反応器は30区画未満を有する。] [0018] 本発明の反応器は、好ましくは、内部バッフルによって区画に分割されている。好ましくは、カルボキシル化域は、内部バッフルによって加水分解域から分離されている。本発明の一実施形態において、内部バッフルは、反応器を通る反応液体のための曲がりくねった、すなわち蛇行状の経路を提供する。好ましい実施形態において、反応器中の区画は、反応器を通る反応液体のための曲がりくねった経路を提供する、一連の交代性の第1の内部バッフルおよび第2の内部バッフルによって形成される。最も好ましい実施形態において、反応液体は第1の内部バッフルの下を通過し、反応流体は第2の内部バッフルの上を通過する。例えば、第1の内部バッフルは、下方へ伸びるバッフルであってよく、第2の内部バッフルは、上方へ伸びるバッフルであってよい。] [0019] アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒は、液体試薬として、反応器のカルボキシル化域へ供給される。好ましくは、本発明の反応器は、それによって液体試薬がカルボキシル化域から回収され、引き続きカルボキシル化域に戻される、再循環ループを少なくとも1本含む。反応器が区画に分割されている場合、好ましくは、カルボキシル化域におけるそれぞれの区画は、それによって液体試薬が、カルボキシル化域から回収され、引き続きカルボキシル化域に戻される、再循環ループを少なくとも1本有する。1本以上の再循環ループは、液体試薬を、カルボキシル化域へ連続的に再供給する。しかし、試薬はカルボキシル化反応において消費されるおよび/または試薬は反応生成物の一部として、カルボキシル化域を離れるので、アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を、外部供給源からカルボキシル化域へ供給する必要がある。外部供給源からの液体試薬は、好ましくは、1本以上の再循環ループの少なくとも1本へ供給される。反応器が区画に分割されている場合、好ましくは、外部供給源からの液体試薬は、カルボキシル化域における最上流にある区画へ供給され、最も好ましくは、この区画へ液体試薬を再供給する再循環ループを通って供給される。] [0020] 再循環ループの利点は、1本以上の再循環ループの中の液体が、熱交換を受けることができるので、これらのループがカルボキシル化域における温度の調節を可能にすることである。カルボキシル化反応は発熱性であり、したがって、好ましくは、熱は、カルボキシル化域における最上流区画(複数可)へ接続されている1本以上の再循環ループから回収される(および好ましくは戻される)。起こる反応がより少ない可能性があり、したがって、発熱がより少なくなる可能性があるので、カルボキシル化域において、さらに下流にある区画へ熱を供給することが、好ましい可能性がある。] [0021] 再循環ループの別の利点は、再循環ループが液体試薬の混合を促進することである。] [0022] (外部供給源から、すなわち再循環ループを通らずに)カルボキシル化域へ供給される水に対するアルキレンオキシドのモル比は、好ましくは、1:5から2:1の間であり、より好ましくは1:2から1.2:1の間であり、最も好ましくは約1:1である。] [0023] カルボキシル化を促進することが知られている均一系触媒は、ヨウ化カリウムおよび臭化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物ならびにヨウ化トリブチルメチルホスホニウム、ヨウ化テトラブチルホスホニウム、ヨウ化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化トリフェニルプロピルホスホニウム、塩化トリフェニルベンジルホスホニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムおよびヨウ化トリブチルメチルアンモニウムなどのハロゲン化有機ホスホニウムまたはアンモニウム塩を含む。加水分解を促進させることが知られている均一系触媒は、炭酸カリウム、水酸化カリウムおよび炭酸水素カリウムなどの塩基性アルカリ金属塩またはモリブデン酸カリウムなどのアルカリ金属メタレートを含む。1種の触媒が、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒の両方として使用され得る可能性はあるが、異なる触媒が、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒として使用されることが好ましい。好ましい均一系触媒系は、ヨウ化カリウムと炭酸カリウムとの組合せおよびヨウ化カリウムとモリブデン酸カリウムとの組合せを含む。触媒は、好ましくは、アルキレングリコールの中に溶解された触媒混合物として供給される。] [0024] 外部供給源から(すなわち、再循環ループを通らずに)カルボキシル化域へ供給されるアルキレンオキシドに対するカルボキシル化触媒のモル比は、好ましくは1:1000から1:20の間である。外部供給源から(すなわち、再循環ループを通らずに)カルボキシル化域へ供給されるアルキレンオキシドに対する加水分解触媒のモル比は、好ましくは1:1000から1:20の間である。] [0025] 二酸化炭素は、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される。二酸化炭素は、カルボキシル化域において液体試薬と混合され、その結果アルキレンオキシドは、水の存在下で二酸化炭素と反応して、アルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液を形成する。液体相における二酸化炭素の混合は、エジェクタを1個以上使用して達成される。エジェクタは、可動流体が収束−分岐ノズルを通過して、吸引流体を引き込み同伴する低圧を作り出す装置である。本発明において、可動流体は液体試薬であり、吸引流体は二酸化炭素を含む気体である。エジェクタは、反応器の内部に取り付けられることができ、その結果反応器内部の蒸気空間中に存在する気体は吸引される。代替方法として、エジェクタは、吸引が反応器の外部で起こるように取り付けられることができる。反応器の外部にエジェクタの注入口を取り付ける利点は、注入口がよりメンテナンスしやすいということである。エジェクタの排出口は、反応器の内部にあり、エジェクタを出る流体が、反応器中の気体相に入るまたは反応器中の液体相に入るように配置されることができる。好ましくは、混合は、1個を超えるエジェクタを使用して達成され、最も好ましくは、エジェクタは、カルボキシル化域における全ての区画の中で使用される。それぞれの区画は、同じ種類のエジェクタを使用してよいが、異なる種類のエジェクタ(すなわち、吸引が反応器の内部/外部で起こるエジェクタ、気体相/液体相の中への排出口を有するエジェクタ)は、異なる区画の中で使用されることができる。] [0026] カルボキシル化域からの反応溶液は、反応器の加水分解域へ供給される。好ましくは、反応溶液は、反応溶液の圧力を変化させることなく、カルボキシル化域から加水分解域へ供給される。すなわちカルボキシル化域から加水分解域へ、反応溶液を揚水する必要性はない。本発明の好ましい実施形態において、カルボキシル化域および加水分解域は両方とも、単一反応容器の中に含まれ、反応溶液は、反応容器中の区画を通過することによって、カルボキシル化域から加水分解域へ移動する。より簡単な系がより低い資本コストを有する可能性があるので、単一反応容器が好ましい。しかし、本発明の方法はまた、カルボキシル化域が第1の反応容器の中にあり、加水分解域が第2の反応容器中にある系において実行されてもよく、第1の反応容器から反応溶液を回収し、第2の反応容器へ反応溶液を供給することによって、反応溶液はカルボキシル化域から加水分解域へ供給される。] [0027] 好ましくは、追加の水が加水分解域へ供給され、最も好ましくは蒸気または熱湯の形態で供給される。追加の水は加水分解反応を促進し、加水分解反応は吸熱性なので、熱湯が供給されることが好ましい。好ましくは、外部供給源から(すなわち、再循環ループを通らずに)カルボキシル化域へ供給されるアルキレンオキシドの量に対する、外部供給源からカルボキシル化域および加水分解域の両方へ供給される水の全体量のモル比は、5:1から1:1の間であり、好ましくは約1.8:1である。より多い水量は、増加した水の除去の必要性(および関連したコスト)のために、好ましくない。] [0028] カルボキシル化触媒および加水分解触媒は、反応溶液の成分として加水分解域へ供給される。しかし、本発明の一実施形態において、追加の触媒は加水分解域へ供給される。追加の触媒は、好ましくはカルボキシル化触媒および加水分解触媒であり、最も好ましくは、カルボキシル化域へ供給されるのと同じカルボキシル化触媒と加水分解触媒との混合物である。加水分解域へ触媒混合物を直接追加することは、加水分解域における加水分解触媒の濃度を上昇させ、さらに加水分解反応を奨励するという利点を有する。] [0029] 好ましくは、気体は、カルボキシル化域または加水分解域のいずれかから回収され、不活性物質通気孔を提供する。小さい割合の気体を回収することによって、酸素、メタンおよびエチレンなどの気体の蓄積を防止することが可能である。不活性物質は、好ましくは、気体相の中のアルキレンオキシド量が少なく、不活性気体が集中している地点で、反応器から回収される。カルボキシル化域がいくつかの区画からなる場合、カルボキシル化域の最終区画(すなわち、最下流にある区画)の中に、不活性物質通気孔を配置することが好ましい。代替方法としては、不活性物質通気孔は、加水分解域に配置され得る。いくらかの二酸化炭素は、不活性物質通気孔を通って系から除去されるので、補給二酸化炭素がカルボキシル化域または加水分解域のいずれかに供給され、除去される二酸化炭素の量を補うこともまた好ましい。] [0030] 加水分解域におけるアルキレンカーボナートと水との反応によって放出される二酸化炭素は、カルボキシル化域へ供給される。好ましくは、二酸化炭素は、気体圧縮機を通過しない。用語「気体圧縮機」は、気体の体積を減少させることによって、気体の圧力を上昇させる機械装置を記載するために使用され、遠心圧縮機、軸流圧縮機、往復圧縮機、ロータリースクリュー圧縮機およびスクロール圧縮機を含む。エジェクタは、気体圧縮機ではない。好ましくは、カルボキシル化域および加水分解域は、同じ反応容器の中にあり、カルボキシル化域の気体相は、バッフルによって加水分解域の気体相から分離される。一実施形態において、バッフルの中に開口があり、好ましくはバッフルを通る短いパイプがあり、二酸化炭素は、バッフルの中の開口を通って、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される。代替の実施形態において、バッフルの中に開口はなく、二酸化炭素は、加水分解域とカルボキシル化域とを接続しているパイプを通って、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される。この実施形態において、二酸化炭素はカルボキシル化域へ供給される前に、熱交換(好ましくは冷却)を受けてよい。] [0031] 好ましくは、温度が注入口から排出口へと上昇し、加水分解域における温度が、カルボキシル化域における温度より高いような反応器全体の温度特性がある。好ましくは、反応器注入口の温度は、80から120℃であり、最も好ましくは約100℃である。好ましくは、反応器排出口の温度は、130から170℃であり、最も好ましくは約150℃である。反応器中の圧力は、典型的に0.1から3MPaであり、好ましくは0.1から2MPaであり、最も好ましくは0.5から2MPaである。] [0032] 生成物溶液は反応器から回収される。好ましくは、本発明の方法は、アルキレングリコールへのアルキレンオキシドの99%を超える転換を達成し、最も好ましくは99.9%を超える転換を達成する。] [0033] 生成物流は、好ましくは、脱水機へ供給され、水を除去する。脱水機は、好ましくは、少なくとも1つの真空コラムを含む1つ以上のコラムであり、好ましくは0.05MPa未満の圧力で作動し、より好ましくは0.025MPa未満で作動し、最も好ましくは約0.0125MPaで作動する。] [0034] 好ましくは、カルボキシル化および加水分解触媒は、フラッシュ容器中でフラッシュステップを生成物流に受けさせることによって、生成物流から分離される。アルキレングリコールの中のカルボキシル化および加水分解触媒の溶液は、好ましくは再循環され、カルボキシル化域へ供給される。フラッシュ容器は、好ましくは0.001から0.2MPaの圧力であり、より好ましくは0.005から0.1MPaの圧力である。] [0035] 脱水および触媒除去の後、生成物流は、好ましくは精製され、不純物を除去し精製されたアルキレングリコール生成物流を提供する。] [0036] 図1は、液体相(濃い部分)および液体相の上の気体相を有する反応容器(1)を示す。反応容器は、下方に伸びるバッフル(2)および上方に伸びるバッフル(3)によって、区画に分割される。エチレンオキシドおよび水は、(4)において供給され、均一系カルボキシル化および加水分解触媒の混合物は、(5)において、反応器の第1区画からおよび第1区画へ、液体を再循環させる再循環ループ(6)へ供給される。触媒の混合物は、生成混合物からの触媒の下流分離から再循環される(図示されず)。再循環ループ(6)は、区画から液体を回収するための排出口、ループの周りの液体を揚水するためのポンプおよび区画へ再循環された液体の温度を調節するための熱交換器からなる。液体はエジェクタ(7)を通って第1区画へ再導入され、このエジェクタは、第1区画の中の蒸気相から気体を引き込む。エジェクタの使用は、(蒸気相に存在する)二酸化炭素をエチレンオキシドと混合することを確実にする。同様の再循環ループおよびエジェクタは、反応容器(1)の第2および第3区画のためにも存在する。] 図1 [0037] 追加の触媒(8)および蒸気(9)は、反応容器(1)の第4区画へ供給される。(8)において供給された触媒は、(5)においてカルボキシル化域へ供給されたのと同じ均一系カルボキシル化および加水分解触媒の混合物であり、また生成混合物からの触媒の下流分離から再循環される(図示されず)。不活性物質は、反応容器(1)の第4区画から放出される(10)。二酸化炭素は、反応容器(1)の最終区画へ供給される(11)。下方に伸びるバッフル(2)を通る短いパイプがあり、したがって気体は、反応容器(1)の中の異なる区画の間を通過することができる。] [0038] エチレンオキシドは、反応容器(1)の第1、第2および第3区画の中で、カルボキシル化触媒の存在下で二酸化炭素と反応し、これらは本質的に反応器中のカルボキシル化域を形成する。反応は、液体の再循環(6)によっておよびエジェクタ(7)によって達成された二酸化炭素とエチレンオキシドとの混合によって促進される。カルボキシル化域の温度は、再循環ループ(6)の中の熱交換器によって調節される。カルボキシル化反応は発熱性なので、熱は、第1および第2区画のための再循環ループの中の2つの熱交換器によって除去される。しかし、第3区画の中で起こるカルボキシル化は、より少ないので、第3区画のための再循環ループのための熱交換器は、再循環された液体を加熱する。] [0039] 第4区画への追加の触媒(8)および蒸気(9)の追加は、反応容器(1)の第4、第5および第6区画の中のエチレンカーボナートのエチレングリコールへの加水分解を促進し、これらは本質的に反応器の中の加水分解域を形成する。二酸化炭素は、加水分解反応によって放出され、二酸化炭素は下方へ伸びるバッフル(2)の中の短いパイプを通ってカルボキシル化域へ移動する。不活性物質は、第4区画から放出され(10)、二酸化炭素は、第6区画へ供給され(11)、不活性物質通気孔を通って失われた二酸化炭素を補う。] [0040] エチレングリコール、加水分解触媒およびカルボキシル化触媒を含む生成物流は、反応容器(1)の第6区画から回収される(12)。] [0041] 図2に示されている反応器および方法は、図1に示されている反応器および方法とほとんど同じ構成要素および特徴を有する。しかし、図2において、反応容器(1)の中の第3区画と第4区画との間の下方へ伸びるバッフル、すなわちカルボキシル化域と加水分解域との間の下方へ伸びるバッフルは、二酸化炭素が通過できる液体相の上の開口を有しない。したがって、加水分解域において生成された二酸化炭素は、加水分解域の蒸気相から、カルボキシル化域の蒸気相へ直接移動できない。代わりに、第4区画からの気体は、第1区画と第4区画とを接続しているパイプ(13)を通って第1区画へ移動できる。熱交換器は、気体がパイプ(13)を通過するとき、この気体を冷却し、いかなる凝縮された水も、第1区画へ移動させるのではなく、除去され得る(および第4区画へ再供給され得る)。不活性物質通気孔(10)は、反応容器(1)の第3区画の中にある。] 図1 図2 [0042] 図3に示されている反応器および方法は、図2に示されている反応器および方法とほとんど同じ構成要素および特徴を有する。しかし、3個の異なる種類のエジェクタ(7)が、第1、第2および第3区画の中に示されている。反応器(1)の第1区画の中のエジェクタは、注入口が反応器(1)の外部にあり、排出口が反応器(1)の内部にあるように取り付けられている。液体試薬を含む可動流体は、再循環ループ(6)によって供給される。吸入流体である二酸化炭素を含む気体は、パイプ(13)から提供される。気体は、反応器の第1区画および第4区画の両方からパイプ(13)へ提供されることができ、この供給は、バルブによって調節される。第1区画の中のエジェクタの排出口は、直接液体相の中へ出る。反応器(1)の第2区画の中のエジェクタは、完全に反応器内部にあるように取り付けられている。エジェクタは、蒸気相から気体を吸入し、流体は、液体相の中へ排出される。反応器(1)の第3区画の中のエジェクタは、完全に反応器内部にあるように取り付けられている。エジェクタは、蒸気相から気体を吸入し、流体は、蒸気相の中へ排出される。それぞれの種類のエジェクタは、二酸化炭素を液体試薬と混合するという目的を達成する。この図は、特定の区画の中の特定のエジェクタの種類を示すが、異なるエジェクタの種類が異なる区画で使用される代替の実施形態が予想され得る。] 図2 図3 [0043] 本発明は、本発明を限定することを意図しない実施例を参照することによって、ここに記載される。実施例は、図2に示されている反応器の(Aspenモデリングソフトウエアを使用した。)コンピューターシュミレーションによって取得された。反応器は、6連続攪拌槽型反応器(CSTR)として、順番にシュミレートされた。第3のCSTRからの蒸気相は、放出された。最後の3つCSTRからの蒸気相は、補給二酸化炭素と結合され、中間の水分凝縮なしで、第1のCSTRへ供給された。全てのCSTRを、2.0MPa(規格)で作動した。反応温度を、第1のCSTRの中での100℃から、最後のCSTRの中での150℃へと段階的に上昇させた。全体的な液体の滞留時間は、最後のCSTRの液体流出物中のエチレンカーボナートの濃度が、1ppmモル未満であるように選択された。カルボキシル化触媒はヨウ化カリウムであり、加水分解触媒はモリブデン酸カリウムであった。] 図2 [0044] (実施例1) エチレンオキシド、補給二酸化炭素、水、カルボキシル化触媒および加水分解触媒は、モル比1.0:0.5:1.8:0.014:0.0029で、第1のCSTRへ供給された。さらなる水の追加または触媒の追加は、他のCSTRのいずれにも適用されなかった。モノエチレングリコールへの選択性は、99.2%であった。通気孔を通って失われるエチレンオキシドは、エチレンオキシド供給量の1.6%に達した。] [0045] (実施例2) エチレンオキシド、補給二酸化炭素、水、カルボキシル化触媒および加水分解触媒は、モル比1.0:0.5:1.5:0.014:0.0014で、第1のCSTRへ供給された。第1のCSTRへ供給されたのと同量のカルボキシル化触媒および加水分解触媒ならびに20%の量の水もまた、第3のCSTRへ供給された。モノエチレングリコールへの選択性は、99.5%であった。通気孔を通って失われるエチレンオキシドは、エチレンオキシド供給量の1.0%に達した。] 実施例 [0046] (実施例3) エチレンオキシド、補給二酸化炭素、水、カルボキシル化触媒および加水分解触媒は、モル比1.0:0.5:1.0:0.014:0.0014で、第1のCSTRへ供給された。第1のCSTRへ供給されたのと同量のカルボキシル化触媒および加水分解触媒もまた、第3のCSTRへ供給された。さらに、第1のCSTRへ供給された水分量の80%もまた、第3のCSTRへ供給された。モノエチレングリコールへの選択性は、99.8%であった。通気孔を通って失われるエチレンオキシドは、エチレンオキシド供給量の0.2%に達した。]
权利要求:
請求項1 (a)アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を液体試薬として、反応器のカルボキシル化域へ供給するステップ、(b)エジェクタを1個以上使用して、カルボキシル化域において二酸化炭素と液体試薬とを混合し、その結果アルキレンオキシドが、水の存在下で、二酸化炭素と反応して、アルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液を形成するステップ、(c)反応溶液を、カルボキシル化域から反応器の加水分解域へ供給し、加水分解域において、アルキレンカーボナートおよび水が反応して、アルキレングリコール、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む生成物溶液を形成するステップ、(d)加水分解域におけるアルキレンカーボナートと水との反応によって放出された二酸化炭素を、カルボキシル化域へ供給するステップ、および(e)加水分解域から生成物溶液を回収するステップを含む、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための方法。 請求項2 (a)アルキレンオキシド、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む液体試薬のための注入口を1個以上、二酸化炭素のための注入口を1個以上、二酸化炭素を液体試薬と混合するためのエジェクタを1個以上ならびにアルキレンカーボナート、水、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む反応溶液のための排出口を1個以上含むカルボキシル化域、(b)反応溶液のための注入口を1個以上、二酸化炭素のための排出口を1個以上ならびにアルキレングリコール、均一系カルボキシル化触媒および均一系加水分解触媒を含む生成物溶液のための排出口を1個以上含む加水分解域、および(c)二酸化炭素が、加水分解域からカルボキシル化域へ供給されることができる導管を含む、アルキレンオキシドからアルキレングリコールを調製するための反応器。 請求項3 カルボキシル化域および加水分解域が、1個の反応容器内に含まれる、請求項1に記載の方法または請求項2に記載の反応器。 請求項4 単一の反応容器が、内部バッフルによって、少なくとも4つの区画に分割されている、請求項3に記載の方法または反応器。 請求項5 反応器が、それによって液体試薬がカルボキシル化域から回収され、引き続きカルボキシル化域へ戻される少なくとも1本の再循環ループを含む、請求項1、3もしくは4のいずれか一項に記載の方法または請求項2から4のいずれか一項に記載の反応器。 請求項6 二酸化炭素が、気体圧縮機を通らずに、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される、請求項1もしくは3から5のいずれか一項に記載の方法または請求項2から5のいずれか一項に記載の反応器。 請求項7 加水分解域が、それによって蒸気が加水分解域へ供給される注入口を1個以上含み、加水分解域が、それによって(反応溶液の中の供給された触媒に加えて)カルボキシル化触媒および加水分解触媒が、加水分解域へ供給される注入口を1個以上含む、請求項1もしくは3から6のいずれか一項に記載の方法または請求項2から6のいずれか一項に記載の反応器。 請求項8 カルボキシル化域または加水分解域のいずれかが、それによって気体が回収される不活性物質通気孔を有する、請求項1もしくは3から7のいずれか一項に記載の方法または請求項2から7のいずれか一項に記載の反応器。 請求項9 二酸化炭素が、カルボキシル化域の気体相を加水分解域の気体相から分離するバッフルの中の開口を通って、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される、または二酸化炭素が、加水分解域とカルボキシル化域とを接続している外部のパイプを通って、加水分解域からカルボキシル化域へ供給される、請求項1もしくは3から8のいずれか一項に記載の方法または請求項2から8のいずれか一項に記載の反応器。 請求項10 カルボキシル化触媒および加水分解触媒が、フラッシュ容器中で生成物流にフラッシュステップを受けさせることによって、生成物流から分離され、カルボキシル化触媒および加水分解触媒の溶液が、再循環され、カルボキシル化域へ供給される、請求項1もしくは3から9のいずれか一項に記載の方法または請求項2から9のいずれか一項に記載の反応器。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-29| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111128 | 2012-03-06| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120305 |
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