专利摘要:
心筋の梗塞領域の再構成を調整するための方法。方法は、微小粒子を搬送部として使用する1つ以上の治療薬の制御された局部的な搬送工程を含み、これに関する器具及び要素を含む。
公开号:JP2011505984A
申请号:JP2010538114
申请日:2008-12-10
公开日:2011-03-03
发明作者:チェン、ルース;フレイマン、トビー
申请人:ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドBoston Scientific Scimed,Inc.;
IPC主号:A61L29-00
专利说明:

[0001] 本発明は、制御された局部的な薬物搬送技術を適用した、梗塞状態にある心筋の処置、並びに上記搬送のための方法、器具、及び要素に関する。]
背景技術

[0002] 虚血性心疾患は通常心筋への血液の不充分な供給や、血管の狭窄や閉塞により通常生じる梗塞により生じる。例えば、冠状動脈の閉塞が漸増することによる漸増するアテローム性動脈硬化は、冠状血管の血流を低減させる。潅流低下、血管痙攣、及び血栓症は、血流を更に低減する。]
[0003] 心筋梗塞(MI)は心臓への血液供給が突然妨害され、酸素及びその他の栄養素が不充分となる場合に生じる。
心筋の梗塞部の処置のための薬品の全身への搬送は比較的好適である。しかしながら、母集団の大部分は最終的に心筋梗塞後に心不全を発現する。右心室や左心室等の心筋の心筋梗塞後における再構成は心筋梗塞後における不均等な応力及び歪み分布により心不全を進行させる重大な要素である。]
[0004] 再構成の主要な要素は筋細胞死、浮腫、及び炎症、並びにこれらに続く線維芽細胞浸潤及びコラーゲン堆積であり、最終的に瘢痕を形成する。瘢痕組織の主要な要素はコラーゲンである。]
発明が解決しようとする課題

[0005] 筋細胞の損失は、壁部肉薄化、及び最終的に心筋症のような心疾患の進行を案内する室拡張の主要な病因であり、ここで心筋、通常左心室は異常に拡張され、拡大され、厚みを増し、且つ/又は硬直し、これらにより血液を送り出す心筋の能力を損なうこととなる。]
[0006] 薬品の制御した局部的な搬送は、局部的に大量投与が保持され、病気の組織への直接的な薬品の搬送が長時間にわたって保持されるため、次第に望ましいものとなり、副作用を最小限にし、且つ心筋梗塞後の破壊した心筋の再構成に対してより効果的である。]
課題を解決するための手段

[0007] 本発明は心筋梗塞(MI)後の梗塞領域の再構成の調整をするための器具、方法、及び要素に関する。
一態様において、本発明は、心筋梗塞後に心筋の梗塞領域の再構成を調整するために、心筋内へ治療薬を制御して搬送するための方法に関する。方法はカテーテルを心筋内に挿入する工程と、少なくとも1つの治療薬を梗塞領域に注入する工程とを含み、少なくとも1つの治療薬は梗塞領域の再構成の調整に好適である。好適に、少なくとも1つの治療薬のための搬送部はポリマー微小粒子であるか、ナノ粒子であり、以下粒子と呼ぶ。治療薬はカプセル化されるか、粒子内に封入され、粒子全体に均等に分配されるか、或いは粒子の表面にコーティングされるか吸収される。]
[0008] 好適に、血管系内の搬送において、粒子は約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの平均粒径を有する寸法範囲の微小粒子である。この範囲は任意の応用において変化する。]
[0009] ナノ粒子もここで開示される実施例において好適であり、通常約1000ナノメートル以下、好適に約5ナノメートル乃至約750ナノメートル、より好適に約10ナノメートル乃至約500ナノメートルの径を有する。]
[0010] 粒子は生体吸収性又は生体分解性を備えたポリマー要素から好適に形成される。
好適に、少なくとも1つの微小粒子は冠状動脈のルーメン内、及び梗塞領域内に注入される。]
[0011] 実施例において、薬品を包含する粒子の制御された搬送は血管介入工程に伴って生じる。更に、本発明はここで開示される薬品を包含する粒子を、制御して局部的に搬送するための搬送器具に関する。]
[0012] 一実施例において、個別の粒子はカテーテルアセンブリの要素のルーメン側、例えば潅流カテーテルアセンブリにおけるカテーテルシャフトの内側ルーメン表面に共有結合により固定される。別例において、潅流カテーテルアセンブリには、薬品を包含する所定の寸法の粒子等の微小粒子が選択的に通過可能な小孔が設けられ、その他のより大きな粒子は通過することが防止される。]
[0013] 別例において、予め充填したバッグ又はバルーンの形態の潅流カテーテルアセンブリはカテーテルシャフトの周囲に位置される。器具の先端部は薬品を包含する所定径の微小粒子等の粒子を選択的に通過させる膜を含むが、より大きな径の粒子は通過が防止される。]
[0014] 別例において、薬品を包含する粒子は潅流カテーテルアセンブリの先端チップから潅水される。先端チップは小孔を有し、選択的に所定の寸法の粒子を通過させる。
本発明による方法、器具、及び要素は、末梢動脈疾患(PAD)の治療のため、消化管の疾患の治療のため、腎血管系の治療等のために、経皮冠動脈インターベンション(PCI)工程を含む様々な工程において使用される。]
[0015] 後述する発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を参照して、本発明のこれらの態様、別例による態様、実施例、及び効果が当業者に直ちに明らかになるだろう。]
図面の簡単な説明

[0016] 冠状血管への注入により治療薬が搬送される心臓を示す図。
実施例において、薬品を包含する粒子を予め含んだバルーンであって、収縮した状態において潅流カテーテルアセンブリに取り付けられる潅流バルーンを備えるカテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例において、図2に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端側における膨張した状態の潅流バルーンを示す長手方向断面図。
実施例における図2及び3に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端部において、薬品を包含する粒子が通過して潅流する膨張した状態の潅流バルーンを示す長手方向断面図。
実施例において、先端チップが多孔質な膜を備える潅流カテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例において、薬品を包含する粒子が注入された潅流液を有する、図5に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例において、薬品を包含する粒子が注入された潅流液を有する図5及び6に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例において、収縮した状態にある潅流バルーンを備える潅流カテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例において、膨張した状態にある潅流バルーンを備える、図8に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端部を示す長手方向断面図。
実施例における膨張した状態にある潅流バルーンを備える図8及び9に示すものと類似の潅流カテーテルアセンブリの先端部において、先端チップに位置される膜を通じて潅流される、薬品を包含する粒子を示す長手方向断面図。
様々な潅流カテーテルアセンブリ要素に使用され、内側ルーメンに設けられる薬品を包含する粒子を有する管状部材を示す長手方向断面図。
溶液を通過させて潅流させる図11に示すものと類似の管状部材を示す長手方向断面図。
管状部材の先端部の膜からの薬品を包含する粒子の潅流を示し、図11及び12に示すものと類似の管状部材を示す長手方向断面図。
様々な潅流カテーテルアセンブリ要素、及びこれと連通し薬品を包含する粒子を含むタンクに使用される管状部材を示す長手方向断面図。
粒子を独立して漸増させて投与すべく潅流させた後の冠状血管の血流回復を示す図。
粒子を独立して漸増させて投与すべく潅流させた後の冠状血管の血流回復を示す図。
粒子を独立して漸増させて投与すべく潅流させた後の冠状血管の血流回復を示す図。
粒子を独立して漸増させて投与すべく潅流させた後の冠状血管の血流回復を示す図。
様々な径を有する微小球の注入後における心拍数(HR)及び平均動脈圧(MAP)の変化を示す図。
潅流後に梗塞を起こした心筋における様々な径の微小粒子の分布を示す図。
潅流後に梗塞を起こした心筋における様々な径の微小粒子の分布を示す図。
潅流後に梗塞を起こした心筋における様々な径の微小粒子の分布を示す図。
潅流される薬品を包含する粒子の平均数に基づく様々な粒径の投与実行可能性、及びブタモデルにおける6分以内の通常の冠状血管の血流の回復により決定される最大耐量の粒子の総量をまとめるグラフ。] 図11 図2 図5 図8
実施例

[0017] 本発明は様々な形態で実施することができるが、本明細書においては、特定の好ましい実施例について詳細に記載する。実施例の記載は、本発明の原理を例示するものであり、本発明を例示された特定の実施例に限定するものではない。]
[0018] 本願において言及された全ての米国特許及び特許出願ならびに他の刊行物は、その全体が本明細書において開示されたものとする。本明細書において開示される同時係属特許出願もここでその全体が開示されたものとする。]
[0019] 本願においては、特に明示されない限り、各図面における同様の符号は同様の特徴を示すものである。
一態様において、本発明は、1つ以上の治療薬の搬送部としてポリマー粒子を使用して心筋梗塞後に梗塞部の再形成の調整をするための、負傷した梗塞部への治療薬の制御された局部的な搬送に関する。図1は心筋梗塞後の心筋10を示す図である。本実施例において、粒子20は主冠血管のルーメン内に注入され、左前下行枝(LAD)、及び直接梗塞領域12に至る。本実施例において、梗塞領域12は左心室8内に示される。薬品搬送工程は周囲の健康な心臓組織に影響を殆ど付与していないか全く付与しないため、梗塞領域12への1つ以上の治療薬の局部的な搬送は好適である。治療効果は、最終的に心室の壁の肉薄化を生じる、心筋梗塞後の梗塞部の自然な修復工程により生じる再構成及び瘢痕形成に起因する損傷の領域における心筋機能の喪失を防止する。] 図1
[0020] 図1は図示することをのみ目的とするに過ぎない。本発明は体のその他の領域への治療薬の搬送の他、心臓のその他の領域への粒子の搬送に使用される。例えば、本発明は両心室、右心房の他、洞房結節を処置すべく冠状動脈の回旋枝を通じて左心室の後部に、且つ右冠状動脈を通じて心臓に治療薬を搬送することに使用される。] 図1
[0021] 本実施例において、粒子20は好適に微小粒子の寸法の範囲にあり、即ち微小粒子20は好適に約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートル、より好適に約10マイクロメートル乃至約20マイクロメートルの範囲の径を有する。粒子は上述した範囲内の寸法による混合した母集団から構成されるか、上述した範囲における平均的な寸法に基づく均一な寸法の母集団を有する。例えば、微小粒子は約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲の混合した寸法の母集団を有し、或いは微小粒子は約15マイクロメートルプラスマイナス1.5マイクロメートルの平均寸法を有する均一な母集団を有してもよい。約25マイクロメートルより大きい寸法を有する微小粒子の搬送は冠状血管の流れに悪影響を付与する。例えば、約30マイクロメートル以上の平均寸法を有する微小粒子は微小血管の閉塞による虚血を生じる。]
[0022] 本実施例において、薬品を含んだ微小粒子が一度のボーラス投与により搬送される微小粒子の総量は約10mg以下である。それ以上の量の微小粒子の注入は冠状血管の流れに悪影響を付与する。]
[0023] 本実施例において、冠状血管の流れに大きな影響を付与することなく最適な治療効果を保持するために、一度のボーラス投与にて搬送される粒子の数は、好適に約5x105乃至約1x107の範囲にある。治療効果は急性であっても慢性であっても、その両者であってもよい。例えば、これらの微小粒子から解放される薬品は、数週間にわたる心筋梗塞後の再構成を制限する。搬送される治療薬に応じて、急性の心臓保護作用が生じる。]
[0024] 更に、搬送される粒子の総数は平均粒径に左右される。より小さな粒子においては、より多い総数の粒子が搬送される。約10マイクロメートルの平均粒径を有する粒子において、約1x107までの粒子が搬送される。約20マイクロメートルの平均粒径を有する粒子において、約1x106までの総数の粒子が搬送される。約10マイクロメートル乃至約20マイクロメートルの間の平均粒径において、搬送される所望の粒子数は変化する。]
[0025] 粒子は非生体分解性を備えたポリマー及び生体分解性を備えたポリマーのいずれかか両者を含む任意の好適なポリマー要素から形成される。より好適に、粒子は生体分解性を備えたポリマー材料から形成される。ポリマーは天然のものであっても合成のものであってもよいが、包含される薬品を好適に解放できるよりよい分解特性を備えるため合成ポリマーの方が好ましい。ポリマーは薬品の分解又は解放が要求される期間、これより短い期間でも長い期間でもよいが通常数週間乃至数ヶ月の範囲の期間に基づき選択される。]
[0026] ポリマー組成に組み込まれる好適なポリマー材料は、ポリ(ヒドロキシブチレート)(poly(hydroxybutyrate) )(PHB)、ポリ(ヒドロキシバリレート)(poly(hydroxyvalerate ))(PHV)、及びポリ(ハイドロキシブチレート−コ−バリレート)(poly(hydroxybutyrate-co-valerate ))等のポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン(PCL)等のポリラクトン、ポリ(L−乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(D、L−乳酸)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリアンヒドリド(Polyanhydrides)、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)(poly(glycolic acid-co-trimethylene carbonate ))、ポリフォスフォエステル(polyphosphoesters )、ポリフォスフォエステルウレタン(polyphosphoester urethanes)、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリウレタン、ポリ(イミノカーボネート)(poly(iminocarbonate))、コポリ(エーテル−エステル)(copoly(ether-esters))(例えばPEO /PLA )、ポリアルキレンオギザレート(polyalkylene oxalates )、ポリホスファゼン(polyphosphazenes)、及びフィブリン、フィブリノゲン、スターチ、コラーゲン、ヒアルロン酸等の生体分子、アルギン酸塩等のその他の生体ポリマー、デキストラン及びセルロース等の多糖類、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0027] 更に、粒子は、ポリヒアルロン酸(polyhyaluronic acids)、カゼイン、ゼラチン、グルテン、ポリ酸無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリメタクリル酸メチル樹脂(poly(methyl methacrylate ))、ポリ(ブチルメタクリレート)(poly(butylmethacrylate) )、ポリ(メタクリル酸イソブチル)(poly (isobutyl methacrylate)), ポリ(ヘキシルメタクリレート)(poly(h exylmethacrylate ))、ポリ(イソデシルメタクリレート)(poly(isodecyl methacrylate ))、ポリ(ラウリルメタクリレート)(poly(lauryl methacrylate ))、ポリ(フェニルメタクリレート)(poly(phenyl methacrylate ))、ポリ(メチルアクリレート)(poly(methyl acrylate ))、ポリ(イソプロピルアクリレート)(poly(isopropyl acrylate))、ポリ(イソブチルアクリレート)(poly(isobutyl acrylate ))、及びポリ(オクタデシルアクリレート)(poly(octadecyl acrylate))等の材料及び材料の組み合わせから形成される生体内分解性のヒドロゲルから形成される。]
[0028] その他の好適なポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン・オキシド(ポリエチレン・グリコール)、ポリビニル・アルコール等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0029] 例えば、粒子形成のための好適なポリマー組成を開示する米国特許出願公開第2006/0078624号明細書を参照のこと。明細書はここでその全体が開示されたものとする。]
[0030] αヒドロキシ酸、及びαアミノ酸モノマーから形成される粒子搬送部は米国特許第6042820号明細書に開示され、ここでその全体が開示されたものとする。
実施例において、粒子はL−乳酸、D、L−乳酸、グリコール酸、カプロラクトンや、これらの共重合体の少なくとも1つを含むポリマー組成から形成される。]
[0031] 好適な生分解性ポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸及びL−乳酸又はD、L−乳酸の共重合体、並びにグリコリド及びL−乳酸、D、L−乳酸の共重合体である。当業者はポリマーの分子量、モノマー対モノマーの比、例えば、ラクチド対グリコリドの比、及び最後の群の組成物は、粒子の特性を調整すべく変更可能であることを認識するであろう。]
[0032] 実施例において、ポリラクチド−コーグリコライド(polylactide-co-glycolide)の共重合体が粒子の形成に使用される。ラクチド対グリコライドの比は約50:50乃至約85:15の範囲にある。一実施例において、ラクチド対グリコライドに75:25の比が使用される。]
[0033] 例えば米国特許出願公開第2005/0220853号明細書に薬品を包含する粒子が開示され、その全体がここで開示されたものとする。
粒子は中空であり、即ちポリマーの外殻を有しても、中実であってもよい。治療薬は全体にわたって分配されるか、その表面に固定され、或いはこれらは例えばポリマーの外殻を備えた液体コアのような一面以上を有してもよい。]
[0034] 一実施例において、粒子はポリマー材料全体にわたって分配された治療薬を有する中実のポリマー粒子である。
中実のコアを有する粒子を形成するために、ポリマーコアとして使用されるポリマーは、好適な量の1つ以上の治療薬と混合される。これを治療薬の「微小カプセル化(microencapsulation)」と呼ぶ。微小カプセル化の方法は、回転ディスク、スプレー乾燥、流動床、1、2、或いは3相エマルジョン法、一滴一滴、スプレー乾燥、相分離等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0035] 回転ディスクタイプの微小カプセル化方法の例は、米国特許出願公開第2004/0001890号明細書に開示され、その全体がここで開示されたものとする。
スプレー乾燥は米国特許第6451349号明細書及び第6416739号明細書に開示され、それぞれその全体が開示されたものとする。]
[0036] 更に、粒子は外側表面の1つ以上の治療薬の持続する解放コーティングを備えた中実コアを有する。上記を実施する一方法として、1つ以上の治療薬及びポリマーの両者を含む溶媒中にポリマーを備えた1つ以上の治療薬を溶解し、粒子コアをコーティングすることが挙げられる。米国特許出願公開第2004/0001890号明細書を参照のこと。明細書はここでその全体が開示されたものとする。]
[0037] 実施例において、粒子は、ラクチド対グリコライドの比が50:50であるポリ(ラクチド−コーグリコライド)共重合体、及びシングルエマルジョン法を使用したace(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤により形成される。溶媒は任意の好適な有機溶媒である。溶媒の例として、塩化メチレン、及び酢酸エチルを含む。粒径は、撹拌速度の他、粒子が形成された後の濾過によって制御される。例えば、シングルエマルジョン法を開示する米国特許第6720008号明細書を参照のこと。明細書はその全体がここで開示されたものとする。シングルエマルジョン法は公知である。例えば米国特許出願公開第2005/0175709号明細書、第2006/0177416号明細書、及び第2006/0034923号明細書を参照のこと。これら明細書はそれぞれその全体がここで開示されたものとする。]
[0038] ACE阻害剤の例は、カプトプリル(登録商標名Capoten )等のスルフヒドリル含有のACE阻害剤、エナラプリル(Enalapril )(登録商標名Vasotec /登録商標名Renitec )、登録商標名キナプリル(Quinapril )(登録商標名A ccupril)、ラミプリル(Ramipril)(登録商標名Altace/登録商標名Tritace /登録商標名Ramace/登録商標名Ramiwin )、ペリンドプリル(Perindopril )(登録商標名Coversyl/登録商標名Aceon )、リシノプリル(Lisinopril)(登録商標名Lisodur /登録商標名Lopril/登録商標名Novatec /登録商標名Prinivil/登録商標名Zestril )、ベナゼプリル(Benazepril)(登録商標名Lotensin)等のジカルボン酸塩含有のACE阻害剤、ホシノプリル(Fosinopril)(登録商標名Monopril)等のホスホン酸塩含有のACE阻害剤、及びエナラプリラート(enalaprilat )、ベナゼプリラート(benazeprilat)を含むこれらの活性体等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0039] モルパーセントに基づくラクチド対グリコライドの比が50:50の市場にて入手可能なポリマーの例は、オハイオ州Blue Ashに所在するAlkermes, Inc.社から販売されている登録商標名MEDISORB5050DL、及び独国Boehringer Ingelheim社から販売されている登録商標名RESOMERRG 502が挙げられる。]
[0040] モルパーセントとしてラクチド対グリコライドの異なる比を有するその他の好適な市場にて入手可能な製品としては、ラクチド対グリコライドが75:25の比を有する登録商標名MEDISORB6535DL、8515DL及び登録商標名ResomerRG752、並びに登録商標名ResomerRG206が挙げられる。]
[0041] 上記共重合体はいずれも広い範囲の分子量、及び約5000ダルトン乃至約500000ダルトン(約8.302694x10−24キログラム乃至約8.302694x10−22キログラム)の範囲の乳酸対グリコール酸の比にて入手可能である。]
[0042] これに代えて、水溶性薬品において、ダブルエマルジョンが使用されてもよく、第1のエマルジョンは水相における水溶性薬品を含み、ポリマーは有機相にある。薬品を包含する微小粒子を形成するダブルエマルジョン法は、米国特許第7247319号明細書に開示され、その全体がここで開示されたものとする。]
[0043] ここで開示される粒子は治療薬の局部的な制御された解放に使用され、その解放は数日間、数週間、或いは数ヶ月にもわたって保持される。解放運動は搬送部の他、1つ以上の治療薬自体によっても制御される。]
[0044] 任意の治療薬がここでは使用可能である。ここで使用されるように、用語「治療薬」、「薬品」、「調合活性薬剤」、「調合活性材料」、「好適薬剤」、「生物活性剤」、及びその他の関連する用語はここで交互に使用され、遺伝子治療剤、非遺伝子治療剤、及び細胞を含む。薬品は単独で使用されるか、他の薬品と組み合わせて使用される。薬品は遺伝子材料、非遺伝子材料、及び細胞を含む。]
[0045] 実施例において、本発明は、心筋梗塞後の再構成の調整のための治療薬の局部的な制御された解放に使用される。心筋梗塞後の再構成の調整のために、所定の1つ以上の治療薬がその他のものより効果的である。心筋梗塞後の再構成の調整に有用な薬剤の例は、選択又は非選択マトリクス・メタロプロテイナーゼ阻害剤(MMPi)(メタロプロテイナーゼの組織阻害剤や、TIMP−1、TIMP−2、TIMP−3、及びTIMP−4を含むTIMP)、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)通路と筋細胞死の防止及び筋細胞の増殖促進を含む心筋救済との調整、ミトコンドリアの死通路及び細胞自然死の調整等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0046] RAASは、例えばACE阻害剤(即ち、アンギオテンシン変換酵素の阻害剤)、アンギオテンシン受容体拮抗薬又は阻害薬、及びアルドステロン阻害薬の案内により調整される。]
[0047] ACE阻害剤は最終的に血圧上昇を生じるアンギオテンシンIIの形成を低減するために使用される。ACE阻害剤の例は、登録商標名Capoten にて販売されているカプトプリル等のスルフヒドリル含有のACE阻害剤、登録商標名Accuprilにて販売されているキナプリル等のジカルボン酸塩含有のACE阻害剤、登録商標名Monoprilとして販売されているホシノプリル(Fosinopril)等のホスホン酸塩含有のACE阻害剤等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0048] アンギオテンシン受容体拮抗薬は、ロサルタン(登録商標名Cozaar)、バルサルタン(valsartan )(登録商標名Diovan)、イルベサルタン(irbesartan)(登録商標名Avapro)、カンデサルタン(登録商標名Atacand)、及びテルミサルタン(telmisartan )(登録商標名Micardis)を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0049] アルドステロン阻害薬の例は、スピロノラクトン及びエプレレノン(eplerenone)を含むが、これらに限定されるものではない。
再構成の調整に使用される薬品のその他の例は、アトルバスタチン(ヒドロキシメチルグルタリルCoAレダクターゼ(HMG−CoA)の拮抗阻害剤)等のスタチン、ニトログリセリン、及びTGF−β阻害剤、心臓保護薬、抗アポトーシス剤、アデノシン、筋線維芽細胞増殖/移動/成熟阻害剤、カルベジロール(Carvedilol)等のβ遮断薬、オマパトリラート(omapatrilat )等のNFP(中性エンドペプチダーゼ)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、VEGF、PDGF、IGF、bFGF、SDGF等の成長因子、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)作用薬、抗炎症薬等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0050] 治療は心筋梗塞後約72時間以内に好適に施されるが、これはこのときに心筋の初期の再構成が生じるためであり、その他の治療は72時間を越えて、例えば約2週間までに行われる。例示としてのみ、RAAS通路の調整のためのACE阻害剤及び治療は好適に約72時間以内に行われる。好適に、マトリクス・メタロプロテイナーゼ阻害剤は約1週間以内に、より好適には72時間以内に搬送される。]
[0051] 梗塞拡大は早く生じ、心室拡張及び壁肉薄化を生じ、心臓の拡張及び収縮の壁応力の上昇(血圧上昇)を引き起こすため、選択治療薬の制御された局部的な搬送による早い再構成の調整は特に好適である。]
[0052] 本発明は血管再潅流と同時に、血管再潅流の直後に、或いは介入工程とは個別に使用される。しかしながら、好適に、薬品搬送が経皮冠動脈インターベンション(PCI)等の介入工程と同時に、或いは直後に使用されてもよい。]
[0053] 任意の好適な搬送器具がここでは使用可能である。図2乃至4は一実施例における薬品を包含する粒子40を搬送するための潅流カテーテルアセンブリ20を示し、本実施例において好適に微小粒径範囲にある。潅流カテーテル20は内側シャフト22及び外側シャフト24を含む二重ルーメンカテーテルアセンブリである。潅流バルーン26の先端部32は内側シャフト22の先端部に取り付けられ、潅流バルーン26の基端部34は外側シャフト24の先端部に取り付けられる。] 図2
[0054] ガイドワイヤ46を内側シャフト22によって画定される内側ルーメン38(ガイドワイヤルーメン38)内に示す。
薬品を包含する粒子40は図2に示す収縮した状態のバルーン26内に予めセットされる。バルーン26は図3に示すバルーンに外側シャフト24のルーメン28を通じて液体搬送部を潅流させることにより膨張される。薬品を包含する粒子は液体搬送部に分散されるか、保持される。バルーン26の先端部32に膜50を示す。膜50は所定の寸法の粒子が通過可能であるが、その他のより大きな粒子の通過を制限する小孔寸法を有する。小孔は1つの寸法のみ、即ち15マイクロメートルプラスマイナス1.5マイクロメートルの粒子が通過できるように構成されるか、図4に示すように、所定の粒径範囲、即ち10乃至20マイクロメートルの粒子は通過するが、より大きな粒子の通過は制限されるように構成される。] 図2 図3 図4
[0055] 当然膜50は所望に応じてバルーンの任意の箇所に位置される。
更に、膜は図示のためにのみ設けられ、器具も本発明の範囲もこの図示の特徴に限定されるものではない。任意の好適な構造体が、選択された粒径を器具から潅流させるがその他の粒子が患者のシステムに進入することを防止する膜に代えて使用されてもよい。]
[0056] 膨張媒体のバルーンを通じた潅流は脈動することにより、粒子を混合及び撹拌し、膜の詰まりを防止する。
使用において、薬品を包含する粒子40は左前下行枝(LAD)9のルーメン内に注入され、図1に示すように梗塞領域12に位置される。この搬送アプローチを使用して、ガイドカテーテルは患者の大腿動脈を通じて挿入され、左冠状動脈2の小孔に位置される。ガイドカテーテルは続いて左冠状動脈10内、LAD9内、及び梗塞領域12の位置内へのバルーンカテーテルアセンブリの位置決めを補助することに使用される。] 図1
[0057] 図2乃至4に示すようにバルーン26は膨張され、梗塞領域12内に潅流される薬品を包含する粒子は制御され持続して薬品を周囲の組織に解放する。梗塞領域12において、粒子は心筋毛細血管に留まる。粒子40を形成するために使用される生体再吸収性又は生分解性を備えたポリマーは、中空の殻及び中身全体にわたって分配された薬品を有する中実の粒子のいずれであれ、薬品を時間にわたって緩慢に溶出させる。] 図2
[0058] 好適に、薬品を包含する粒子は一度のボーラス投与にて冠状動脈内に注入される。しかしながら、個別の漸増する投与も使用可能である。
薬品を包含する粒子の搬送は、PCI等の血管再潅流工程と同時に、血管再潅流工程の直後に、或いは個別の介入工程において行われる。好適に、粒子は最適な結果を得るべく血管再潅流時に搬送される。]
[0059] 図5乃至7に別例における潅流カテーテルアセンブリを参照符号20にて示す。潅流カテーテルアセンブリ20は内側シャフト22及び外側シャフトを有する二重ルーメンカテーテルアセンブリである。内側シャフト22はガイドワイヤルーメン38を形成する。潅流カテーテルアセンブリ20の先端部には先端チップ42が設けられるが、先端チップ42は更に多孔質な膜50を含む。多孔質な膜50は所定の径の粒子のみが通過できるような寸法に形成される小孔を含む。本実施例において、好適に粒径は微小粒子の径の範囲にある。小孔は約10マイクロメートル乃至約20マイクロメートル等の所定の径範囲の15マイクロメートルプラスマイナス1.5マイクロメートルの1つの径寸法のみの粒子が通過できるが、より大きな寸法の径は通過が防止されるような寸法に形成される。] 図5
[0060] 繰り返すが、図1は例示の目的のためにのみ示され、潅流カテーテルアセンブリ20は、薬品を包含する粒子40を、左冠状動脈2等の冠状動脈内、左前下行枝(LAD)9のルーメン内、及び梗塞領域12内に注入することに使用される。この搬送アプローチを使用して、ガイドカテーテルは患者の大腿動脈を通じて挿入され、左冠状動脈2の小孔に位置される。ガイドカテーテルは、左冠状動脈10内、LAD9内、及び梗塞領域12に位置される図5に示す潅流カテーテルアセンブリ20の位置決めを補助することに使用される。ガイドワイヤは配置の補助に使用される。] 図1 図5
[0061] カテーテルアセンブリ20の基端部には、浮遊する薬品を包含する粒子を含む搬送流体を注入するポート54が更に設けられる。搬送液中の薬品を包含する粒子40は、先端チップ42を通過し、多孔質な膜40を通じて退出する。]
[0062] 図8乃至10に示すように、一実施例において、潅流カテーテルアセンブリ20はバルーン26及び先端チップ42の両者を備える。先端チップは上述した薬品を包含する微小粒子やナノ粒子を選択的に潅流させる小孔を有する多孔質な膜40を備える。図8は、収縮し、折り畳まれ、巻かれた状態のバルーン26を示す。図示のバルーン26は粒子40を予め包含する。しかしながら、薬品を包含する粒子は、バルーンに予め包含させるよりむしろ膨張ルーメン28と連通するポートを通じてカテーテル内に注入される。図9は膨張状態のバルーン26を示し、図10は選択された径の粒子のみが膜50を通じて潅流されるが、より大きな粒子は膜50を通じて潅流されることが防止されることを示す。本実施例において、粒子は好適に微小粒子の径の範囲にある。] 図10 図8 図9
[0063] 更に、カテーテルは、カテーテルが閉塞又は血管形成術用バルーン及び潅流バルーンの両者を含む場合と同様に1つ又は2つ以上のルーメンを有する。当然ながら、器具は2つ以上のバルーンも使用する。]
[0064] 別例において、潅流カテーテルアセンブリは、カテーテル要素の内側ルーメンと共有結合する、薬品を包含する粒子、好適に微小粒子を含む。ルーメンを通じて潅流させる任意の好適な要素が使用され、要素は内側シャフト及び外側シャフト、並びにバルーンを含む。図11乃至13に、内側ルーメン58及び内側表面60を備え、内側表面60と共有結合する粒子40、好適に微小粒子を有する管状部材56を示す。] 図11
[0065] ナノ粒子は通常約1000ナノメートル以下、好適に約5ナノメートル乃至約750ナノメートル、及びより好適に約10ナノメートル乃至約500ナノメートルの径を有する。]
[0066] 好適に、共有結合は容易に開裂され、薬品粒子を解放する。実施例において、結合は酵素の使用により容易に開裂されるように形成される。別例において、結合は水により容易に開裂されるように形成される。共有結合の開裂により、薬品を包含するナノ粒子はカテーテル要素のルーメンから患者の体内の治療部位に潅流される。]
[0067] エステル及びチオエステル結合、ペプチド結合、及び水溶性材料等の様々な共有結合及び非共有結合の方法が、内側ルーメン表面60へのナノ粒子の固定に使用される。上記固定方法は当業者に公知であり、これらのいくつかを下記に列挙する。 上述した方法は説明を目的としたものであり、いかなるようにも本発明の範囲を限定することを意図したものではない。]
[0068] エステル及びチオエステル結合が使用される。上記結合は加水分解性を備え、その速度はエステラーゼを使用して上昇される。
ペプチド結合は好適な酵素によって容易に開裂される。]
[0069] その他のタイプの共有結合、例えばアミド結合及びシロキサンベースの結合も、ナノ粒子を器具表面に固定することに使用されてもよい。
ジスルフィド結合も容易に切断可能であり、活性化されたジスルフィド結合により、スルホヒドリル基を含むシラン及び装置の表面等により、ナノ粒子の表面を機能化する。]
[0070] これに代えて、微粒子はリンカー分子を介して共有結合されてもよい。微粒子は例えば、疎水性結合や分子間力、水素結合、酸又は塩基相互作用、及び静電力の非共有結合によって表面に固定される。]
[0071] 多層(LbL)吸収は薬品を包含するナノ粒子の固定に使用される所定の方法であり、粒子はこの方法を使用して形成され、器具の表面はこれに応じて処理される。LbL自己集合技術を使用して、多層膜を形成すべく溶液、即ち水媒体から逆帯電した種の逐次吸収が使用される。外側層の帯電は後続の各高分子電解質層の堆積にて逆となる。上記技術も公知である。例えば米国特許出願公開第2005/0129727号明細書に開示され、その全体がここで開示されたものとする。]
[0072] 連結方法の別例が米国特許第7195780号明細書に開示され、共有結合及び非共有結合のいずれかにより、ナノカプセル(nanocaps)はナノチューブに固定される。明細書はその全体がここで開示されたものとする。]
[0073] 微小粒子を器具のルーメン表面に結合させる所定の方法は、米国特許出願公開第2006/0246524号明細書に開示されるヘテロ2機能性(heterobifunctional)ポリエチレングリコール(PEG)結合等のポリアルキレン・グリコール結合を使用し、明細書はその全体がここで開示されたものとする。好適に、ナノ粒子は加水分解性結合を介してPEGに結合される。これは「PEGylation」と呼ばれる公知の技術である。この技術を使用して、PEG層の化学的に活性又は活性化された派生物はPEGを所望の粒子に固定すべくまず準備される。PEG派生物の官能基の選択は、PEGに結合される粒子に使用可能な反応基に基づく。ヘテロ2機能性PEGの通常使用される末端基は、マレイミド、ビニルスルホン、ピリジルジスルフィド(pyridyl disulfide )、アミン、カルボン酸、NHSエステルを含むが、これらに限定されるものではない。例えば、PLGAナノ粒子がPEG結合を介して固定される場合に、活性剤は不要である。PLGAのカルボン酸基はPEGにより直接活性化される。しかしながら、PLGAを使用可能なヒドロキシル基を介して固定することが要求される場合に、PEGは例えばスルホン酸基により活性化される。PLGAを以下に示す。]
[0074] ここでXは乳酸の単位の数であり、Yはグリコール酸の単位の数である。ナノ粒子を医療器具のルーメン表面に固定する場合に、PLGAナノ粒子により活性化するに先だって、PEG高分子により器具の表面を最初にコーティングする。]
[0075] 更に、生体適合性を備えた接着剤、例えばシアノアクリレートが使用される。その他の接着剤は、ポリウレタン、エポキシ、ポリアミド、ポリイミド、シリコン等を含むが、これらに限定されるものではない。接着剤は例えば内側ルーメン表面にてコーティングされる。]
[0076] 水溶性ゲルや、その他のヒドロゲル、及びフィブリンゲルは、ナノ粒子を内側ルーメン表面に接着すべく使用される。
図14に示すように、別例において、搬送カテーテルアセンブリはカテーテルアセンブリの要素の基端部に位置されるタンク62を含む。タンク62は例として内側シャフト(ガイドワイヤルーメン)や外側シャフトのためのカテーテルアセンブリに使用される管状部材56の内側ルーメン58と連通し、カテーテルアセンブリの略全長にわたって延びる。タンク62と、カテーテルアセンブリの一部をなす管状部材56のルーメン58との間は多数の開口部70によって連通する。タンク62は内部にて分配され保持される、薬品を包含する粒子40を備えた搬送液を含む。図14に示すように、流体がルーメン内に注入されると、薬品を包含する粒子40を含む搬送液はタンクから流体流に引かれ、ルーメン58の先端部を退出する。] 図14
[0077] 任意の治療薬がここで開示される方法及び器具と組み合わせて使用される。任意の上述した器具や方法を使用して搬送される薬品の例は、米国特許第7105175号明細書、第7014654号明細書、第6899731号明細書、第6855770号明細書、及び第6545097号明細書、並びに米国特許出願公開第2004/0215169号明細書に開示され、その全体がここで開示されたものとする。]
[0078] ここで開示される方法、器具、及び組成は、制御された局部的な薬品の搬送が好適である任意の応用に使用される。例は、冠血管系の処置、クローン病の処置等の消化管の処置、末梢血管系の処置、腎不全等の腎血管系の処置等を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0079] 継続する期間にわたって局部的に治療薬を搬送する方法、器具、及び組成により、付加的な工程及び関連する合併症に対する要求が除去される。
以下の例は、本発明の態様を更に示すものであるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(例)
粒子は、一度のボーラス投与により搬送される粒子の最適な寸法、量、及び総数にて試験される。例において、粒子は約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲の平均粒径を有するポリスチレン微小粒子である。図1に示すように、粒子はLADの第2の対角線の直後のブタモデルの心筋内に注入される。注入速度は毎分1ミリリットルであり、粒子の総数は平均粒径のように変化する。注入後の冠状血管の血流回復は各ボーラス投与において測定される。] 図1
[0080] 図15乃至18は様々な異なる粒径及び総粒子数における注入後の冠状血管の血流回復を示す。
図15は約10マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子の注入後における冠状血管の血流回復に対する影響を示すグラフである。グラフから明らかなように、約1x107までの微小粒子が、冠状血管の血流に大きな影響を付与することなく一度のボーラス投与により搬送される。図16は、約15マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子の注入後における冠状血管の血流に対する影響を示すグラフである。グラフから明らかなように、約2x106までの微小粒子が冠状血管の血流に大きな影響を付与することなく一度のボーラス投与にて搬送される。] 図15 図16
[0081] 図17は約20マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子の注入後における冠状血管の血流回復に対する影響を示すグラフである。グラフから明らかなように、約1x106までの微小粒子が冠状血管の血流に大きな影響を付与することなく一度のボーラス投与にて搬送される。] 図17
[0082] 図18に、約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲の混合粒子径の分布を示す。注入後における冠状血管の血流回復は、5x105未満の総粒子数により悪影響を付与される。このことは、約20マイクロメートルより大きな粒径は、注入後の冠状血管の血流に悪影響を有することを示す。] 図18
[0083] 図19は注入前後における血圧及び平均動脈圧を示すグラフである。約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲の粒径は、注入後における血圧及び平均動脈圧に大きな影響を有する。] 図19
[0084] 図20乃至22は、梗塞を起こした心筋における微小粒子の分布を示す三次元の棒グラフである。各グラフにおいて、N1及びN2は通常の心筋を示す。
A1及びA2は健常な領域及び梗塞領域の隣接梗塞を示す。] 図20
[0085] I1及びI2は梗塞を起こした心筋を示す。
N1は中隔に向かう。
スライス1は心臓の頂点の直上に位置され、複数のスライスがLADの第2の対角線における注入の部位に向かって後続する。]
[0086] 図20は約10マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子が梗塞を起こした心筋によく分布することを示す。
図21は約15マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子が梗塞を起こした心筋によく分布することを示す。] 図20 図21
[0087] 図22は約20マイクロメートルの平均粒径を有する微小粒子が梗塞を起こした心筋によく分布することを示す。
更に、組織のグラム当たりの総数が約10未満の微小粒子のブタモデルの肺や肝臓には、微小粒子は殆ど、或いは全く視認できない。] 図22
[0088] 径が約10マイクロメートル乃至20マイクロメートルの範囲の微小粒子は、注入後の循環血液中において検知可能な量が視認できない。
図23は注入される微小粒子の平均数及び最大耐性用量における微小粒子の総量に基づく様々な平均粒子径の投与実現可能性をまとめるグラフである。ブタモデルにおいて注入される微小粒子の総数における最大耐性用量は、注入後6分以内に通常の冠状血管の血流(TIMI=3)を回復可能である。この所定の例において、一度のボーラス投与による冠状血管への注入により搬送される微小粒子の最適な総量は、約10mgであることが分かっている。上記開示は例示をのみ意図し、網羅的なものではない。] 図23
[0089] 本明細書は当業者に対して様々な変形及び代替例を提案する。当業者はここで開示される実施例のその他の均等物を認識するであろう。更に、均等物は請求の範囲に包含されることを意図される。]
权利要求:

請求項1
心筋の梗塞領域の再構成を調整するための方法であって、心筋の心室内の梗塞領域を特定する工程と、冠状動脈内を経て梗塞領域に微小粒子を注入する工程において、該微小粒子は生体侵食性を備えたポリマー要素、及び梗塞領域の再構成を調整するために好適な少なくとも1つの治療薬を含み、該微小粒子は約1マイクロメートル乃至約45マイクロメートルの範囲の混合した径を有する微小粒子注入工程とを含むことを特徴とする心筋の梗塞領域の再構成を調整するための方法。
請求項2
前記粒子の平均径は約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項3
前記微小粒子は約10マイクロメートル乃至約20マイクロメートルの平均粒子寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項4
治療薬を搬送するためのカテーテルを冠状動脈内を経て梗塞領域に挿入する工程を更に含むことと、該カテーテルは内側表面を含むことと、同内側表面はルーメンを画定し、微小粒子をルーメンを通じて潅流させることとを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項5
前記少なくとも1つの治療薬は生体侵食性を備えたポリマー組成によりカプセル化されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項6
前記生体侵食性を備えたポリマー要素は、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリラクトン、ポリ(L−乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D、L−乳酸)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリフォスフォエステル、ポリフォスフォエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオギザレート、ポリホスファゼン、ポリアルキレン・グリコール、ポリビニル・アルコール、生体分子、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの要素からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項7
前記梗塞領域は、左心室内に位置されることと、該冠状動脈は、左心房下行冠状動脈であるか、冠状動脈の回旋枝であることとを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項8
前記梗塞領域は、右心室、左心室、右心房、或いは洞結節内に位置されることと、動脈は右冠状動脈であることとを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項9
前記少なくとも1つの治療薬は、マトリクス・メタロプロテイナーゼを阻害するために好適な治療薬、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系通路を調整するために好適な治療薬、筋細胞死を阻害するために好適な治療薬、並びに筋細胞生存、心臓の線維症、及び筋繊維肥大を促進するために好適な治療薬からなる群から選択される要素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項10
前記方法は経皮冠動脈インターベンションと同時に実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項11
前記カテーテルは拡張可能なバルーンを備える潅流カテーテルであることと、同拡張可能なバルーンは約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの径を有する微小粒子を通過させて潅流させる多孔質な膜を備えることとを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項12
前記カテーテルは先端チップを備える潅流カテーテルであることと、同先端チップは拡張可能なバルーンは約10マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの径を有する微小粒子を通過させて潅流させる多孔質な膜を備えることとを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項13
前記微小粒子を冠状動脈内に一度ボーラス投与する工程を含み、微小粒子の総量は約10mg以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項14
前記微小粒子を冠状動脈内に一度ボーラス投与する工程を含み、微小粒子の総数は約1x106乃至約1x107の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項15
前記微小粒子は、酵素によって、或いは水によって開裂可能な結合を介してカテーテル要素の内側表面に共有結合していることと、該方法は結合を通過して酵素や水からなる液体を潅流する工程を更に含むこととを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項16
微小粒子を搬送するための潅流カテーテルアセンブリであって、約25マイクロメートル以下の径を有する微小粒子を通過させるべく位置されることを特徴とする潅流カテーテルアセンブリ。
請求項17
微小粒子を搬送するための潅流カテーテルアセンブリであって、約25マイクロメートル以下の径を有する微小粒子を通過させる多孔質な膜を備えることを特徴とする潅流カテーテルアセンブリ。
請求項18
前記多孔質な膜は20マイクロメートル以下の径を有する微小粒子が通過することを特徴とする請求項17に記載の潅流カテーテルアセンブリ。
請求項19
前記多孔質な膜を備える拡張可能なバルーンを備えることを特徴とする請求項17に記載の潅流カテーテルアセンブリ。
請求項20
前記バルーンは本体部並びに基端部及び先端部を備えることと、先端部は前記多孔質な膜を備えることを特徴とする請求項17に記載の潅流カテーテルアセンブリ。
請求項21
前記多孔質な膜を備える先端チップを備えることを特徴とする請求項17に記載の潅流カテーテルアセンブリ。
請求項22
患者の体内の目的の部位へ治療薬を制御して局部的に搬送するカテーテルアセンブリであって、同カテーテルは内側表面及び外側表面を有する少なくとも1つの要素を備えることと、内側表面は同内側表面に対して共有結合される微小粒子を備えることと、微小粒子は生体侵食性を備えたポリマー要素及び少なくとも1つの治療薬を含むこととを特徴とするカテーテルアセンブリ。
請求項23
前記少なくとも1つの要素はカテーテルシャフトであることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルアセンブリ。
請求項24
前記微小粒子は、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリラクトン、ポリ(L−乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D、L−乳酸)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリフォスフォエステル、ポリフォスフォエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオギザレート、ポリホスファゼン、生体分子、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの要素からなることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルアセンブリ。
請求項25
前記共有結合は酵素や水によって開裂されることとを特徴とする請求項22に記載のカテーテルアセンブリ。
請求項26
前記微小粒子は、エステル結合、チオエステル結合、ペプチド結合、水溶性結合やこれらの組み合わせによって少なくとも1つの要素の内側表面に共有結合していることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルアセンブリ。
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引用文献:
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