专利摘要:
シアノアクリレート等の膜形成剤と、ゴニオクロミック染料若しくは顔料とを含有する皮膚シーラント組成物が提供される。前記皮膚シーラント組成物にマイカ/金属酸化物粉末を加えると、マイカ/金属酸化物のゴニオクロミックの外見(例えば、色彩や光沢)によって、前記シーラント組成物が塗布された領域の視認が可能となる。一方、塗布されたシーラント組成物を特定の角度から見ると、色は見えず、シーラント組成物の下側の皮膚を見ることができる。このために、マイカ/二酸化チタン、またはその他のゴニオクロミック若しくは光干渉粒子が、完全に被覆されたことの判定を可能にし、かつ切開部を見えにくくすることのない添加剤として使用される。なし
公开号:JP2011505944A
申请号:JP2010537554
申请日:2008-12-02
公开日:2011-03-03
发明作者:スミス、モリー・ケー;ドゥ、バオ・チョン;マクドナルド、ジョン・ギャビン
申请人:キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド;
IPC主号:A61L15-44
专利说明:

[0001] 本発明は、皮膚シーラント用のゴニオクロミックインジケータに関する。]
背景技術

[0002] アメリカ合衆国では外科手術の約2〜3%で手術部位感染(surgical site infection:SSI)が発生しており、患者の罹患率及び死亡率を大幅に高めるSSIが年間50万件発生していると推定されている。手術部位感染は患者の健康に悪影響を与えるのみならず、回避可能であるこの手術部位感染は医療制度の財政負担に大きな影響を及ぼす。SSIは切開部が細菌に汚染されたときに発生し、多くの手術では、感染を引き起こす微生物の主要な感染経路は皮膚である(消化管の穿刺手術の場合を除く)。]
[0003] 手術前に皮膚を処理するために、様々な組成物が使用されている。皮膚切開前に皮膚上に存在する微生物を或る程度除去するために、皮膚処理剤が使用されている。また、手術部位の切開及び静脈注射針の挿入に伴う細菌感染から患者を保護するために、皮膚シーラント材料が使用されている。皮膚処理剤は、皮膚に塗布された後、微生物を減少させる効果を最大化するために乾燥させられる。皮膚処理剤が乾燥した後、液体形態の皮膚シーラントを皮膚上に直接的に塗布する。皮膚シーラントは、その組成の化学的性質に基づいた様々な技術によって、皮膚に対する強力な粘着性を有する粘着性膜を形成する。]
[0004] 現在、主に用いられている皮膚処理剤は、ポビドンヨード又はグルコン酸クロルヘキシジンをベースにした製剤であり、急速乾燥のため及び微生物をより効率的に殺滅するためのアルコールを含み得る。手術室における時間的制約及び皮膚処理剤が乾燥したことを示す表示手段(インジケータ)が存在しないことにより、ドレーピング及び/又は手術を開始するときに皮膚が湿ったままの状態であることが多いため、感染の可能性が生じる。また、前記表示手段が存在しないことにより、皮膚処理剤及び皮膚シーラントが塗布された領域をユーザーが正確に知ることができないため、感染が起こる危険性がある。]
[0005] 最近の皮膚シーラントは、例えば乾燥すると溶媒の気化によって膜を形成するポリマー組成物を使用する。また、insitu重合してポリマー膜を形成するモノマーユニットを含有する皮膚シーラントもある。アルキルシアノアクリレートモノマーを含むシアノアクリレートシーラントは、後者のタイプの一例であり、例えば水酸化物、水又はタンパク質分子等の極性種の存在下で重合して、アクリル膜を形成する。形成された膜は、皮膚上に存在する細菌フローラを固定する働きをし、細菌フローラが、外科手術中に形成された切開部又は静脈注射針の挿入に伴い形成された皮膚孔へ移動するのを防止する。薄いコーティングが望ましいが、場合によっては、皮膚が完全に被覆されることを確実にするために、医療関係者はシーラント膜を何重にも塗布する。しかし、層厚が厚くなると脆くなり薄片状になるため、シーラント製品の性能は低下する。]
[0006] 前記膜形成剤に加えて、皮膚シーラントは、膜の柔軟性及び追従性を向上させるための可塑剤を含む。可塑剤を含むことは、使用中における皮膚シーラント膜の亀裂や剥離を防止するために望ましい。そして、可塑剤を含むことにより、シーラント膜のバリア特性を損なうことなくユーザーの手足等の動作等を可能にするように膜を十分に柔軟性にすることができる。皮膚シーラントはまた、液体組成物の塗布を補助するための粘度調整剤、シーラント製品を使用前に安定させるための遊離基及びアニオン性スカベンジャー、シーラント膜の下に固定された細菌を殺滅するための殺生剤等も含み得る。]
[0007] 皮膚シーラントはまた、特に広い面積に塗布する場合に、ユーザーが液体組成物を皮膚に均一に塗布するのを補助するための着色剤を含んで製剤される。しかしながら、従来の着色剤には、いくつかの問題がある。着色剤を皮膚シーラント液体組成物へ直接的に添加することは、シアノアクリレート組成物の場合はinsitu重合速度及び変換反応の両方に悪影響を与え、ポリマー溶液組成物の場合は気化速度及び凝集過程に悪影響を与える。さらに、外科手術の完了後、シーラント中の着色剤は創傷部位を見えにくくするため、手術部位の感染、あざ又は出血に関連する赤みを見つけることを困難にする。]
[0008] そのため、創傷部位を見えにくくすることなく、皮膚シーラントの被覆領域の視覚的な表示を提供する着色剤が求められている。]
先行技術

[0009] 米国特許第4,854,760号明細書
米国特許第4,925,327号明細書
米国特許第5,288,159号明細書]
課題を解決するための手段

[0010] 当業者が直面する前述の問題点を踏まえて、本願発明者は、前記シーラント組成物にマイカ/金属酸化物粉末を加えることにより、マイカ/金属酸化物のゴニオクロミックの外見(例えば、光彩や光沢)によって前記シーラント組成物が塗布された領域の視認が可能となり、一方、特定の角度から見ると、色は見えず、塗布されたシーラント組成物の下側の皮膚を見ることができることを見出した。このために、マイカ/二酸化チタン、またはその他のゴニオクロミック若しくは光干渉粒子が、完全に被覆されたことの判定を可能にし、かつ切開部を見えにくくすることのない添加剤として使用される。]
実施例

[0011] 皮膚切開前に皮膚上に存在する微生物を或る程度除去するために、皮膚処理剤が使用される。皮膚処理剤は、皮膚に塗布された後、微生物を減少させる効果を最大化するために乾燥させられる。現在、主に用いられている皮膚処理剤は、ポビドンヨード又はグルコン酸クロルヘキシジンをベースにした製剤であり、急速乾燥のため及び微生物をより効果的に殺滅するためのアルコールを含み得る。ベタディン(Betadine)(登録商標)として市販されているポビドンヨードは、外科手術の80%で皮膚処理剤として使用されていると推定される。ベタディン皮膚処理剤は、1%のヨウ素滴定濃度を有する、10%ポビドンヨードの水溶液である。ベタディン皮膚処理剤は、皮膚に塗布したときは橙褐色(オレンジブラウン色)を示す。その他の一般的な製剤としては、グルコン酸クロルヘキシジンをベースにしたChloraprep(登録商標)皮膚処理剤がある。]
[0012] 手術部位の切開及び静脈注射針の挿入に伴う細菌感染から患者を保護するために、皮膚シーラント材料が使用される。皮膚シーラントは、多くの場合、皮膚処理剤上に直接的に塗布される。シーラントは、シーラントは、その組成の化学的性質に基づいた様々な技術によって、皮膚に対する強力な粘着性を有する粘着性膜を形成する。]
[0013] 本発明で使用される皮膚シーラントは、膜形成剤及び可塑剤を含む。また、皮膚シーラントは、液体組成物の塗布を補助するための粘度調整剤、シーラント製品を使用前に安定させるための遊離基及びアニオン性スカベンジャー、シーラント膜の下に固定された細菌を殺滅するための殺生剤等の他の成分も随意的に含む。]
[0014] 皮膚シーラント組成物に利用可能な膜形成剤の1つは、インテグシール(InteguSeal)(登録商標)として商業的に知られており、英国プリマス所在のメドロジック・グローバル社(Medlogic Global, Ltd)から入手可能である。インテグシール皮膚シーラントは、医療用グレードのn−ブチルシアノアクリレートモノマー(80%w/w)を含有している。医療用グレードのシアノアクリレートは、2回蒸留されている。対照的に、非医療用グレードのシアノアクリレートは単回蒸留であり、一般的に、幅広い種類の物質を互いに接着するための「強力瞬間接着剤(super glue)」型接着剤として市販されている。]
[0015] 皮膚へのシーラントの塗布は、その目的のために開発されたディスペンサーを使用して行うことができる。或る例示的なディスペンサーは、剛性ナイロン製のハウジング内に、シーラント液体を収容した少なくとも1つの楕円形のガラスアンプルを有する。前記ハウジングは、互いに摺動可能に連結された本体部とキャップ部とを有し、キャップ部でアンプルを保持するように構成されている。使用する際は、前記液体をディスペンスするために、本体部及びキャップ部を互いに接近させる(キャップを本体部内へ移動させる)。本体部及びキャップ部を互いに接近させた結果、ガラスアンプルが押圧されて破壊され、前記液体がディスペンスされる。戻り止め型のロック機構が、移動後の本体部及びキャップ部を互いに結合させる。前記ロック機構は、キャップ部に形成されたスロットと、スロットと適合するように本体部の内面に形成されたプラスチック製の小さな突起又は凸部とから構成される。アンプルが破壊されると、前記液体は、アンプルの破壊によって生じたガラス破片を捕まえる発泡体小片を通って、本体部の先端部へ移動する。前記先端部は、前記液体が通過可能な複数の小孔を有している。前記先端部はその外側に外側発泡体片を有している。前記外側発泡体片は、前記先端部の適所に嵌め込まれた硬質プラスチック製の卵型のリングにより適所に保持されている。前記外側発泡体片は、前記液体をディスペンスするときに、患者の皮膚と接触する。他のタイプのディスペンサーが、米国特許第4,854,760号明細書(特許文献1)、米国特許第4,925,327号明細書(特許文献2)、及び米国特許第5,288,159号明細書(特許文献3)に開示されている(これらの特許文献は、この引用により本明細書に組み込まれるものとする)。]
[0016] 前記シーラントは、医療施設で使用するために「キット」形態でパッケージ化され、医療関係者にとって使いやすくかつ便利になるように、適切な皮膚処理剤溶液と共にセットで販売される。加えて、様々な補助用(complimentary)または「混合用(mating)」の容器、及び従来使用されたことがある当該技術分野で既知の別のパッケージスキームを使用することができる。]
[0017] 従来の皮膚シーラント、すなわち、それを通じて外科的切開術が行われる可塑化膜形成バリアとして使用するのに加えて、ゴニオクロミック粒子と皮膚シーラント組成物との混合物は、創傷、擦り傷、やけど、にきび、水脹れ及び他の皮膚崩壊を、その後の汚染から保護するために閉じる及び/又は覆う絆創膏(或いは包帯)のように使用することができる。そのため、皮膚シーラント組成物の使用は、医療関係者に限定されない。]
[0018] 皮膚シーラントにおける可塑剤の使用は、膜コーティングの亀裂又は剥離を防止すべくシーラント膜に十分な柔軟性及び追従性を与えるために重要である。必要とされる可塑剤の濃度範囲は、約10〜60%w/wであり、特に15〜50%w/wであり、とりわけ18〜25%w/wである。使用され得る一般的な可塑剤には、O−アセチルクエン酸トリブチル、アセチン、その他のアルキル置換クエン酸誘導体、フタル酸ジオクチル、及びアクリル酸モノマーが含まれる。100万分の1(ppm)は、所与の物質の1個の粒子が、その他の物質の999,999個の粒子毎に存在することを示す。これは、ドラムに入れた150リットル(40ガロン)の水に垂らした一滴のインク、或いは、280時間(11日と16時間)あたりの1秒とほぼ同じである。106分の1は、0.0001%の精度である。]
[0019] 光の強度又は明度は、ルクス(lx)として表される。例えば、夏の曇りの日は、約30,000〜40,000lxと推定され、真冬日は約10,000lxと推定される。英国規格協会の昼光照度実施規定(BS8206 Part 1)に、人工光についての一般的な実施基準が定められている。職場に必要な光条件についての或る一般的なガイダンスを次に示す。
・一般的なオフィス、研究室、台所500lx
・製図室750lx
・工具室及び塗装作業1000lx
・グラフィック複製の検査1500lx
したがって、本発明の目的のためには、BS 8206 Part 1に従って決定されるように、「通常の光条件」は、約500〜2000lx、より望ましくは、約750〜l500lxの光条件を指す。]
[0020] 上述した問題を解決するための方法の1つは、マイカ/金属酸化物粒子等のゴニオクロミック粒子を組成物に含めることである。マイカ(雲母)は層状ケイ酸塩であり、マイカを金属酸化物で被覆することにより光彩効果が得られる。このようなマイカ/金属酸化物粒子は、光彩を提供するためにアイシャドーやマニュキュア液等の化粧品に一般的に使用されており、金属酸化物層の組成及び厚さの両方が、前記粒子の背景色と光彩色とを決定する。一般的に言えば、攪拌棒または他の機械的手段を用いて、シアノアクリレートをマイカに混合させることができる。]
[0021] 二酸化チタン及び酸化鉄が最もよく使用される金属酸化物である。これらの金属酸化物は両方とも屈折性及び反射性が高い。マイカの薄いシートにこれらの金属酸化物を被覆した場合、前記金属酸化物はゴニオクロミズムとして見られることができる興味深い光効果を作り出す。]
[0022] ゴニオクロミズム(goniochromism)は、ギリシャ語の角度を意味するゴニア(gonia)と色を意味する(chroma)に由来する。ゴニオクロミズムは、面を見る角度によってその面が互いに異なる色に見えるという性質である。物理的な観点では、これは特殊な性質であり、人工物体では、光彩効果のために特別にデザインされた材料によく見られる。その例は、光沢粒子、光彩粒子あるいは干渉顔料である。]
[0023] 本明細書において説明されるゴニオクロミズムは、一方法では、金属酸化物で光を反射し、かつ金属酸化物とマイカとの境界面で光を屈折及び反射することにより作成されると考えられている。このようにして、金属酸化物層は光を2回反射し、1回目の反射と2回目の反射との間の遅延が、入射光の波長の位相をわずかにシフトさせる。このシフトは、光線の或る波長を相殺する(または干渉する)か、あるいは増幅する。増幅された波長は、光彩の主調色を決定する。金属酸化物層の厚さは、生じる位相シフトの大きさを決定し、それ故に、光彩の色を決定する。例えば、二酸化チタンのコーティングは、50nmの厚さの場合は銀色に見え、100nmの厚さの場合は赤色に見える。光彩の輝度は、コーティング厚さが150nmを超えると低下する。]
[0024] 市販のゴニオクロミック顔料には、後述する例で使用される顔料の他に、ドイツ国ブルグハウセン所在のLCP TechnologyGmbH社製のHelicone(商標)顔料、米国カルフォルニア州ミルピタス所在のJDS Uniphase Corporation社製のSpectraFlair(商標)顔料、及びExxonMobil社製のMetallyte(商標)顔料が含まれる。マイカ/二酸化チタン粉末は、化粧品への使用が認可されていることが良く知られており、一部のものは最近、体内摂取可能な薬剤コーティングへの使用が認可されたという利点を有するので、手術用皮膚シーラントへの使用については好ましい安全性を持つ。]
[0025] マイカ/金属酸化物粉末の懸濁液をシアノアクリレートInteguseal(商標)皮膚シーラント組成物内に形成することで、光彩によって、皮膚が前記シーラント組成物によって被覆されたことを視認する手段を提供することができ、かつ、光彩のために必要なマイカ/金属酸化物はごく少量であり、或るマイカ粒子は適切な角度で見た際は半透明または透明に見える場合さえもあるので、前記シーラント組成物で皮膚を被覆した際に、前記組成物コーティングの下側の皮膚を明確に視認することができると仮定された。本発明者は、前記コーティングを約30度またはそれ以上の互いに異なる角度(例えば、45度または55度)で見た際に、一方の角度では或る色が見え、他方の角度では前記コーティングの下側の皮膚を比較的はっきりと見えるというように、互いに十分に異なって見えることを見出した。このようにして、第1の角度で見たときは第1の色が見え、第2の角度で見たときは第2の色が見える。第2の色は、半透明または透明であり得る。]
[0026] マイカを使用する態様の別の利点は、肌の色合い明るい場合でも暗い場合でも、ゴニオクロミズムを視認できることである。大抵の従来の着色剤(染料、顔料)は、暗い色合いの肌の場合では視認が困難であった。実際は、皮膚状態(あざ、炎症、黄疸、出血等)の範囲を明確に見ることができるように、前記皮膚状態とは異なる色を選択することが望ましい。]
[0027] この仮説を確かめるために、様々な化粧品グレードの様々な色のマイカ/金属酸化物粉末を、Integuseal(商標)皮膚シーラントに追加し、皮膚上での外観を評価した。皮膚を著しく見えにくくすることなくシーラントの塗布領域を示すことができる最良のバランスを提供するような色は、金属色(例えば、金色、銀色)、とりわけキラキラした色である傾向にある。また、この用途には、非常に淡い背景色とピンクパープル色の光彩とを有し、或る角度から見たときは前記光彩がほぼ消えるマイカが有望である。下記の全ての例は、通常の光条件下で、人間の肉眼で試験を行ったものである。]
[0028] 試験する各色のマイカ/金属酸化物の約1〜10mgの粉末を顕微鏡のスライドグラスに載せ、その上に3〜4滴(60〜80)mgの無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントを滴下し、その後、へらを使用して混合させた。このようにして、様々な色及び光彩効果を提供するためにそれぞれ互いに異なるマイカ/金属酸化物を含む、Integuseal(商標)皮膚シーラントの混合物を15種類作成した。前記混合物は、色の適合性を評価するために、顕微鏡のスライドグラス上に薄層として塗布され、前記15種類の混合物のうちの6種類の混合物は、皮膚に薄層として塗布してさらに評価した。これは、前記シーラント混合物を塗布した領域の視認が容易であるか否か、及び、前記シーラント混合物の下側の皮膚を依然として観察可能であるか否かを判断するために行われた。加えて、前記6種類の混合物のうちの3種類の混合物は、Betadine(商標)皮膚処理剤上に塗布した場合についてさらに試験された。]
[0029] 例1]
[0030] 顕微鏡のスライドグラス上で、10mgの「Sunray Gold」マイカ粉末(二酸化チタン、酸化鉄でコーティングされたマイカ。米国フロリダ州ネイプルス所在のCoastal Scents社(dba K-PlexLLC)製)を、4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、キラキラした金色(sparkly gold)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚及びBetadineで処理した皮膚にそれぞれ塗布した。どちらの場合も、前記混合物が塗布された領域を示す金色の光彩を視認することができた。一方、前記混合物を特定の角度から見た場合、前記光彩はあまりはっきりは見えず、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)を容易に観察することができた。]
[0031] 例2]
[0032] 顕微鏡のスライドグラス上で、7mgの「All Sparkle」マイカ粉末(米国コロラド州ウェストミンスター所在のSweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、銀色の光彩が観察された。]
[0033] 例3]
[0034] 顕微鏡のスライドグラス上で、9mgの「Diamond Cluster」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、キラキラした銀色(sparkly silver)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚及びBetadineで処理した皮膚にそれぞれ塗布した。どちらの場合も、前記混合物が塗布された領域を示す銀色の光彩を視認することができた。一方、前記混合物を特定の角度から見た場合、前記光彩はあまりはっきりは見えず、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)を容易に観察することができた。]
[0035] 例4]
[0036] 顕微鏡のスライドグラス上で、6mgの「Delta Sunrise」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、ピンク色を帯びた紫色(pinkish-purple)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚及びBetadineで処理した皮膚にそれぞれ塗布した。どちらの場合も、前記混合物が塗布された領域を示す前記光彩を視認することができた。一方、前記混合物を特定の角度から見た場合、前記光彩はあまりはっきりは見えず、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)を容易に観察することができた。]
[0037] 例5]
[0038] 顕微鏡のスライドグラス上で、7mgの「Vanilla Sugar Cookie」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、青銅色/金色(bronze/golden)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚に塗布した。青銅色/金色の光彩は、前記混合物が塗布された領域を示すのにとても効果的であり、なおかつ、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)を容易に観察することが可能であった。]
[0039] 例6]
[0040] 顕微鏡のスライドグラス上で、4mgの「White Silk SuperShine」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、白色でやや銀色の光彩が観察された。]
[0041] 例7]
[0042] 顕微鏡のスライドグラス上で、6mgの「Xian Vistas」マイカ粉末(二酸化チタン、酸化鉄でコーティングされたマイカ。Coastal Scents社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、緑色を帯びた金色(greenish-gold)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚に塗布した。緑色を帯びた金色の光彩は、前記混合物が塗布された領域を示すのにとても効果的であり、なおかつ、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)をある程度観察することが可能であった。]
[0043] 例8]
[0044] 顕微鏡のスライドグラス上で、8mgの「Cactus Sun」マイカ粉末(二酸化チタン、酸化鉄でコーティングされたマイカ。Coastal Scents社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、緑金色(green-gold)の光彩が観察された。]
[0045] 例9]
[0046] 顕微鏡のスライドグラス上で、5mgの「Arizona Sandstone」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、暗い青銅色(darkish bronze)の光彩が観察された。]
[0047] 例10]
[0048] 顕微鏡のスライドグラス上で、6mgの「Evening Star」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、キラキラした銀色(sparkly silver)の光彩が観察された。]
[0049] 例11]
[0050] 顕微鏡のスライドグラス上で、2mgの「Moon」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、明るい紫色(light purple)の光彩が観察された。]
[0051] 例12]
[0052] 顕微鏡のスライドグラス上で、3mgの「Tropical Starlight」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、ピンク色を帯びたサンゴ色(pinkish-coral)の光彩が観察された。]
[0053] 例13]
[0054] 顕微鏡のスライドグラス上で、1mgの「Bewitched」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、こげ茶色(olive-brown)の光彩が観察された。]
[0055] 例14]
[0056] 顕微鏡のスライドグラス上で、7mgの「Aqua」マイカ粉末(二酸化チタン、クロムグリーン酸化物、フェロシアン化鉄でコーティングされたマイカ。Coastal Scents社製)を4滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、薄い青緑色(aqua blue-green)の光彩が観察された。この混合物の少量を、未処理の皮膚に塗布した。薄い青緑色の光彩は、前記混合物が塗布された領域を示すのにとても効果的であるが、前記混合物の下側の皮膚の色合い及び特徴(例えば血管)の観察は妨げられた。]
[0057] 例15]
[0058] 顕微鏡のスライドグラス上で、1mgの「Amythest」マイカ粉末(SweetScentsLLC社製)を3滴の無色のInteguseal(商標)皮膚シーラントと混合させた。この混合物の一部を、個々の顕微鏡のスライドグラス上で薄膜状に広げ、重合化させた。重合化したコーティングに、紫色の光彩が観察された。]
[0059] これらの実験結果は、マイカ/金属酸化物のようなゴニオクロミック粒子が、皮膚シーラントが塗布された領域をユーザーが明確に視認することを可能にすると共に塗布されたシーラントの下側の皮膚を見ることも可能にする、皮膚シーラント用の添加剤として使用可能であることを示す。シアノアクリレートに含有されるマイカ/金属酸化物の有効範囲は、約1.25重量%ないし16.7重量%であり、より好ましくは約3重量%ないし12重量%、さらに望ましくは約5重量%ないし10重量%である。上述した光彩またはキラキラした効果(例えば、非マイカの輝き)を有する他の物質もまた、皮膚シーラントの可視性を向上させるための有望な添加剤である。]
[0060] 視角の例]
[0061] 上記の例に記載した、顕微鏡のスライドグラスに塗布された皮膚シーラント組成物について、視角を決定するために及びどの角度のときに色が視認でき、どの角度のときに色が消えて透明なコーティングになるかを調べるために実験した。透明なコーティングは、外科医が、処置を開始するため皮膚の表面を観察すること、または手術の完了後に創傷を観察することを可能にする。]
[0062] コーティングの観察は、通常の光条件下で肉眼により行い、直角の視角(スライドグラスに対して90度)から開始する。観察者は、その後、スライドグラスを90度の状態から傾けて、着色コーティングが無色または透明になったときに傾けるのを止める。その角度を記録する。下記の表は、様々なコーティングにおける角度のリストである。]
[0063] ]
[0064] 上述の詳細な説明から、本発明の修正及び変形が当業者には明らかであろう。そのような修正及び変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明らかである。]
权利要求:

請求項1
皮膚シーラント組成物であって、膜形成剤と、ゴニオクロミック顔料とを含むことを特徴とする組成物。
請求項2
請求項1に記載の組成物であって、前記膜形成剤が、シアノアクリレートであることを特徴とする組成物。
請求項3
請求項1に記載の組成物であって、前記ゴニオクロミック顔料が、約1.25重量ないし16.7重量%の量で存在するマイカ/金属酸化物であることを特徴とする組成物。
請求項4
請求項1に記載の組成物であって、前記ゴニオクロミック顔料が、約3重量ないし12重量%の量で存在するマイカ/金属酸化物であることを特徴とする組成物。
請求項5
請求項3に記載の組成物であって、前記マイカ/金属酸化物が、約5重量ないし10重量%の量で存在することを特徴とする組成物。
請求項6
請求項1に記載の組成物であって、その後の汚染から保護すべく、創傷、擦り傷、やけど、にきび、水脹れ及び他の皮膚崩壊を覆うために使用されることを特徴とする組成物。
請求項7
請求項1に記載の組成物であって、前記ゴニオクロミック顔料の色が、あざ、炎症、黄疸、出血等の皮膚状態と互いに似ていない色であることを特徴とする組成物。
請求項8
請求項1に記載の組成物であって、O−アセチルクエン酸トリブチル及びアセチンから成る群より選択された可塑剤をさらに含むことを特徴とする組成物。
請求項9
医療用キットであって、皮膚シーラントと、可塑剤と、ゴニオクロミック顔料とを含むことを特徴とする医療用キット。
請求項10
請求項9に記載の医療用キットであって、前記ゴニオクロミック顔料が、マイカ/金属酸化物であることを特徴とする医療用キット。
請求項11
請求項9に記載の医療用キットであって、ヨード含有皮膚処理剤と、可塑剤と、マイカ/金属酸化物粉末とをさらに含み、前記色が通常の光条件下で人間の肉眼で視認できることを特徴とする医療用キット。
請求項12
皮膚シーラント組成物であって、膜形成剤と、通常の光条件下で人間の肉眼で、第1の角度で見たときは第1の色が見え、第2の角度で見たときは第2の色が見えるような十分な量のマイカ/金属酸化物とを含むことを特徴とする組成物。
請求項13
請求項12に記載の皮膚シーラント組成物であって、前記第2の色が、半透明または透明であることを特徴とする組成物。
請求項14
請求項12に記載の皮膚シーラント組成物であって、前記第1の角度と前記第2の角度との角度差が、少なくとも約30度であることを特徴とする組成物。
請求項15
請求項12に記載の皮膚シーラント組成物であって、前記第1の角度と前記第2の角度との角度差が、少なくとも約45度であることを特徴とする組成物。
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同族专利:
公开号 | 公开日
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AU2008337191A1|2009-06-25|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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