ガラス及びガラス製品の耐久性を高める方法
专利摘要:
本願は、本発明に従ったコーティングによってガラス(1)の耐久性を高める方法に係る。当該方法は、厚さが5ナノメートルを下回る少なくとも1つの層(4,5,6)を有するコーティングでガラス(1)をコーティングする段階を有し、該コーティングは、少なくとも1つの要素の化合物を有する。本願はまた、本発明に従ったコーティングを有するガラス製品は、厚さが5ナノメートルを下回る少なくとも1つの層(4,5,6)を有するコーティングでガラス(1)をコーティングすることによって製造される。本願はまた、本発明に従ったコーティングを有するガラス製品に係り、50ナノメートルを下回るガラス(1)の表面のレベルにおける幅を有するスクラッチ(2)を有する。該コーティングは、ガラス(1)の耐久性を高めるよう表面スクラッチ(2)の内側に実質的に一致して存在する。 公开号:JP2011505316A 申请号:JP2010535421 申请日:2008-12-01 公开日:2011-02-24 发明作者:プトコーネン,マッティ;ラジャラ,マルック 申请人:ベネク・オサケユキテュア; IPC主号:C03C17-245
专利说明:
[0001] 本発明は、コーティング技術に係る。本発明は特に、ガラス製品、及びガラス製品の耐久性を高める方法に係る。] 背景技術 [0002] ガラス製品の特性に大きな影響を与える要因は、製品におけるガラスの厚さである。ガラス製品が経済的又は実用的であるようにするよう、製品が可能な限り軽量であることがしばしば必須であり、即ち製品におけるガラス壁の厚さは、可能な限り薄くあるべきである。薄く平面的なガラスに対する需要は、例えばディスプレイ、太陽電池、及び相当する他の製品の製造において、高まっている。したがって、特には薄いガラス製品の耐久性であるガラス製品の耐久性を高める方法は、必要とされている。] [0003] ガラスの表面上の小さなスクラッチ(擦り傷)は、高い耐久性を有するガラスが作られようとする際にガラスの特性を大きく害し得る。かかる小さなスクラッチは、スクラッチの先端における応力がクラック(ひび割れ)がスクラッチの先端から始まってガラス製品にわたって急速に広がるレベルを越え得るため、ガラスの耐久性を低下させる。スクラッチ(即ちクラック)の先端における応力は、先端の曲率半径が低減する(即ちスクラッチがより鋭くなる)につれて高まる。応力はまた、スクラッチの深さが増大するにつれて高まる。この場合の深さとは、ガラスの表面に対して垂直である方向におけるスクラッチの深さとして定義付けられる。] [0004] スクラッチの先端における最大許容応力は、次の式(1)を使用して予測され得る。] [0005] 該式(1)において、σaは破砕(fracture)に対して加えられる応力であり、Eは弾性係数であり、γsは特定の表面エネルギであり、aはクラック長さの半分である。また、 において、bは楕円孔に対する半分の短軸と同等であり、故にρはクラック先端の曲率半径である。スクラッチの先端における応力が前出の式(1)の値σaを越えるとき、ガラスは破砕する。] [0006] 薄いガラス製品は容易に破損する。故に、ガラス製品の耐久性を高めることは、技術的及び経済的に大きな課題である。従来、平面的なガラスの耐久性は、熱強化(熱的焼き戻し、thermal tempering)によって高められてきた。熱強化とは即ち、約650℃の温度までガラスを加熱して、そのガラスを急速に冷却することであり、ガラスの表面が圧縮応力を加えられる、ことである。しかしながらこの方法は、約2−3mmを下回る厚さを有する薄いガラスには適していない。] [0007] 薄いガラスは、特許文献GB1223775(特許文献1)(日本板硝子株式会社、Nippon Sheet Glass Co., Ltd.,、公開日1971年3月3日)中に開示される方法によって高められてきた。この方法では、ガラスは溶融硝酸カリウムに浸漬され、ガラスの表面は、ナトリウムを有するガラスと硝酸カリウム浴におけるカリウムとの間におけるナトリウム/イオン交換反応により圧縮応力を加えられる。該方法は、スクラッチに対して向けられる応力を低減するが、スクラッチの先端における曲率半径を増大させず、またスクラッチの深さ又は長さを低減することもない。該方法は、石英ガラス等であるナトリウムを有さないガラスの耐久性を高めるためには適切ではない。] [0008] 特許出願番号PCT/EP88/00519(特許文献2)( [外1] 社、公開日1988年12月15日)は、ゾル・ゲル法によってガラスをコーティングすることによってガラス製品の耐久性を高める方法を開示する。コーティングは、Si、Al、Ti及びZrの群から選択される少なくとも1つの要素を有する。この種類のゾル・ゲルコーティングは、ガラスの表面を圧縮応力下に置くが、該方法において利用される液相前駆体は、ガラスの表面上の小さなスクラッチに浸透することができない。したがって、先端において小さな曲率半径を有する小さく且つ場合によっては深いスクラッチは、ゾル・ゲルコーティングでは事実上コーティングされないままであり、スクラッチの上方にキャップを形成するのみである。] [0009] 特許出願US2006/0093833 A1(特許文献3)(Dirk Meyer外、公開日2006年5月4日)は、耐久性を高められた石英ガラスから作られる構成要素を開示する。耐久性の増大は、ガラスとの部分融合層を形成する、結晶ケイ酸アルミニウムコーティングに基づく。この融合層は、濃度又は構造勾配のいずれかを備える。該構成要素の製造は、コーティングとガラスとの間において融合層を形成するようアニーリングを必要とする。特許文献3においては開示されていないが、ガラス上のスクラッチの先端の深さ、長さ、及び曲率半径は、可能な場合はアニーリングの結果として変わり得る。しかしながらアニーリングは、ガラスの光学特性を変更及び低下させ得るため、ガラスの耐久性を高めるには望ましい方法ではない。上述された文献において報告されたガラスの耐久性における増大は、主として結晶コーティングのより小さな係数の熱膨張によって引き起こされるものである。] [0010] ガラスの耐久性は、ガラス製品がガスバーナーで加熱されるファイア・ポリッシュを行なうことによって高められ得る、ことは当業者にとって既知である。ガラスの表面上でガスバーナーの火炎から吸収される熱は、ガラスの軟化を引き起こし、ガラスの表面上の小さなスクラッチがより小さくされ得るか、あるいは閉じられ得る。しかしながら、ファイア・ポリッシュをすることは、特にはディスプレイ等において使用されるような薄いガラスの場合において、ガラスの光学特性の低下に容易に繋がり得る。] [0011] ガラスの軟化温度は、ガラスの動的粘度の対数(基数は10)が13.4である温度である。ソーダ石灰ガラスに対する軟化温度は、480℃乃至550℃の範囲にあり、ホウケイ酸ガラスでは530℃乃至600℃の範囲、ケイ酸アルミニウムガラスでは700℃乃至800℃の範囲、石英ガラスでは1100℃乃至1200℃の範囲にある(N.P. Bansal及び R.H. Doremus著、「Handbook of Glass Properties」、(1986) Academic Press, Inc.社、オーランド在、第14−15頁及び第223−226頁)(非特許文献1)。より高温における際とは異なり、軟化温度及び軟化温度を下回る温度においては、ガラスの構造はガラスへと「ロック」され、変わらない。ガラス材料におけるスクラッチを直す(除去する)よう、例えばファイア・ポリッシュ技術において、軟化温度を大幅に上回る温度が必要とされる。] [0012] ガラスの耐久性を高めるための従来技術の方法に関連付けられる問題は、かかる方法が、ガラスの光学的品質を妥協することなく、小さなスクラッチの深さ又は長さを低減させることをできず、あるいはかかるスクラッチの先端の曲率半径を増大させることができない、という点である。先行技術は、ガラスの軟化温度を下回る温度においてスクラッチの深さ又は長さを低減すること、又はガラスの耐久性の増大がスクラッチの先端の曲率半径を増大させることに基づく方法を開示していない。] [0013] GB1223775 PCT/EP88/00519 US2006/0093833 A1] 先行技術 [0014] N.P. Bansal及び R.H. Doremus著、「Handbook of Glass Properties」、(1986) Academic Press, Inc.社] 発明が解決しようとする課題 [0015] 本発明は、耐久性が高められた新しい種類のガラス製品、及びガラス製品の耐久性を高める方法を提供することによって、先行技術が有する前述された技術的問題を低減させる、ことを目的とする。] 課題を解決するための手段 [0016] 本発明に従った方法は、独立請求項1において示されるものによって特徴付けられる。] [0017] 本発明に従った製品は、独立請求項13において示されるものによって特徴付けられる。] [0018] 本発明に従った製品は、独立請求項16において示されるものによって特徴付けられる。] [0019] 本発明に従った使用法は、独立請求項20において示されるものによって特徴付けられる。] [0020] 本発明によれば、コーティングによってガラスの耐久性を高める方法は、厚さが5ナノメートル(nm)である少なくとも1つの層を有するコーティングでガラスをコーティングする段階を有し、該コーティングは、少なくとも1つの要素を有する化合物を有する。] [0021] 本発明によれば、コーティングを有するガラス製品は、300ナノメートルを下回るガラス表面のレベルにおける幅を有する表面スクラッチを有し、該コーティングは、ガラスの耐久性を高めるよう表面スクラッチの内側に実質的に一致して(共形に、conformally)存在する。] [0022] 本発明によれば、コーティングを有するガラス製品は、厚さが5ナノメートルを下回る少なくとも1つの層を有するコーティングでガラスをコーティングすることによって製造され、該コーティングは、ガラスの耐久性を高めるよう少なくとも1つの要素の化合物を有する。] [0023] 本発明の方法は、ガラスの耐久性を高めるよう使用される。] [0024] ガラスが本発明に従った方法でコーティングされるとき、コーティングを作るために利用される5nmを下回る厚さを有する1つ(又は複数)の薄い層の材料は、ガラスの表面上のスクラッチの鋭い先端へと実質的に一致して浸透し得る。このことは、スクラッチの深さ及び長さの低減をもたらし得、更にはスクラッチの先端、即ち終点における曲率半径の増大を引き起こし得る。かかる要因は、場合によってはガラスの耐久性における驚くべき測定増大に寄与し得る。対照的に、先行技術による方法は、5nmを下回る厚さを有する薄い層を用いない。例えば先行技術の方法に関連付けられる層の厚さにより、材料は、表面スクラッチの鋭い先端上へと浸透することができない。本願において、層とは、所定のコーティング方法及び所定の一連の工程パラメータを有して達成可能である最小の厚さを備える蒸着物(deposit)を意味するものとして理解されるべきである。] [0025] 本発明に従った製品は、相当するコーティングされていない製品と比較して増大された曲げ強度を保有する。曲げ強度における増大は、小さな表面スクラッチの内側で実質的に一致して存在するコーティングからもたらされ得る。] [0026] 本発明に従った一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、ガラス基板の表面と前駆体との間の表面反応を交互に反複することによってコーティングを形成するよう、少なくとも2つの前駆体に対して一度に1つの前駆体にガラスを交互に暴露する(exposure)ことによってガラスをコーティングする段階を有する。] [0027] 本発明の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、原子層蒸着によって5ナノメートルを下回る厚さを備える薄い層によってガラスをコーティングするよう、実質的に自己限定的(self-limiting)表面反応を交互に反復することによって、ガラスをコーティングする段階を有する。] [0028] 本発明の方法の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、ガラスの表面上の小さなスクラッチに実質的に一致してコーティングする段階を有する。かかる小さな表面スクラッチの寸法は、例えばガラス表面のレベルにおける幅等によって決められ得る。この幅は、本発明の方法の一実施例において300ナノメートルを下回り得、本発明の他の実施例においては100ナノメートルを下回り得る。] [0029] 本発明の一実施例によれば、ガラス製品は、原子層蒸着によって5ナノメートルを下回る厚さを備える薄い層によってガラスをコーティングするよう、ガラス基板の表面と前駆体との間における実質的には自己限定的である表面反応を交互に反復することによってコーティングを形成するために少なくとも2つの前駆体に対して1度に1つの前駆体にガラスを交互に暴露してガラスをコーティングすることによって製造される。] [0030] 実質的に自己限定的表面反応によって基板の表面上に分子が吸着する前駆体に対して基板、即ちガラス(より正確にはガラス基板の表面)が交互に暴露される原子層蒸着(ALD)の種類の工程を使用してガラスがコーティングされるとき、コーティングの優れた一致性(共形性、conformality)が達成され得る。ALD工程は、層毎での(in layer-by-layer fashion)コーティングの蒸着を可能にする。ALD工程における1つの層は、1つのALDサイクル中に蒸着される。ALDサイクルという用語は、当業者には明らかであり、ALD工程において使用される前駆体の最も短い反復パルス(交互暴露)シーケンスを意味するものとして理解されるべきである。特定のALD工程に依存して、1つの層の厚さは、1オングストロームを下回るものから数ナノメートルまでの範囲であり得る。個別の層の小さな厚さに加えて、ALD工程におけるコーティングの成長メカニズムは、表面反応によって律則される。このことは、先行技術において用いられるコーティング技術と比較して、表面スクラッチのより小さくより鋭い先端上へのALDコーティング材料の一致性及び浸透を更に高め、ガラスを更に強化する。] [0031] 本発明の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、ガラスの軟化温度を下回る温度においてガラスをコーティングする段階を有する。コーティングに対してガラスの軟化温度を下回る温度を使用することによって、場合によってはガラスの軟化によって引き起こされる有害な影響は避けられ得る。かかる影響は、光学的品質の低下、及び耐久性等である機械的特性の低下を有し得る。] [0032] 本発明の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、1000ナノメートルを下回る総厚さを備えるコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。本発明の他の実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、100ナノメートルを下回る総厚さを備えるコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。ガラス上に比較的薄いコーティングを使用することによって、吸収又は色変化等である光学特性は、相当するコーティングを有さないガラスと比較して比較的変わらずに維持され得る。] [0033] 本発明の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、少なくとも1つの要素の酸化物を有するコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。] [0034] 本発明の他の実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、ケイ素(silicon)、及びチタニウムの群から選択される要素の酸化物を有するコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。] [0035] 本発明の他の実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、少なくとも1つの要素の窒化物を有するコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。] [0036] 本発明の更に他の実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、ホウ素、ケイ素、及びアルミニウムの群から選択される要素の窒化物を有するコーティングでガラスをコーティングする段階を有する。] [0037] 本発明の一実施例によれば、コーティングは、少なくとも1つの要素の酸化物を有する。] [0038] 本発明の他の実施例によれば、コーティングは、少なくとも1つの窒化物を有する。] [0039] 酸化物及び窒化物材料は、例えばALD蒸着に対して十分適切である。更には、本発明の上述された実施例の酸化物及び窒化物の光学的品質は優れており、強吸収又は色変化等によって下にあるガラスの全体的外観が損なわれない。] [0040] 本発明の一実施例によれば、ガラスをコーティングする段階は、3ミリメートルを下回る厚さを備えるガラスをコーティングする段階を有する。ガラスの曲げ強度等である本質的な耐久性は、ガラスの厚さに比例するため、本発明に従った方法が薄いガラスの耐久性において有する相対的効果は、厚いガラスに対するものより大きくなり得る。] [0041] 本発明の一実施例に従ったガラス製品は、100ナノメートルを下回るガラス表面のレベルにおける幅を有する表面スクラッチを有し、コーティングは、ガラスの耐久性を高めるよう表面スクラッチの内側において実質的に一致して存在する。] [0042] 本発明の他の実施例によれば、コーティングは、表面スクラッチの先端における曲率半径を増大させる。] [0043] コーティングはまた、場合によっては小さなスクラッチの先端における曲率半径における増大を介して、また場合によっては該スクラッチの深さ及び長さにおける低減を介して、ガラスの耐久性を増大させることに加えて、ガラスとの化学結合を介してガラスの耐久性を高める、ことが可能である。] [0044] 前述された本発明の実施例は、互いに組み合わせて使用され得る。複数の実施例は、本発明の更なる一実施例を形成するよう共に組み合わされ得る。本発明が関連される方法、製品、又は使用法は、前述される本発明の実施例の少なくとも1つを有し得る。] [0045] 以下において本発明は、添付の図面を参照して典型的な実施例とともにより詳細に説明される。] 図面の簡単な説明 [0046] 本発明の特定の実施例に従った製品の断面を概略的に示す。 本発明の特定の実施例に従った製品の断面を概略的に示す。 本発明の特定の実施例に従った製品の断面を概略的に示す。 本発明の特定の実施例に従った製品の断面を概略的に示す。 本発明の一実施例に従った方法のフローチャートを示す。] 実施例 [0047] 簡明にするよう、以下の典型的な実施例において、構成要素が繰り返して使用される場合、その参照符号は維持される。] [0048] 図1a乃至1dは、本発明の一実施例に従った方法を使用してガラス基板1をコーティングする段階が、どのようにガラス基板1の表面における小さなスクラッチ2の先端7における曲率半径を増大させ、どのようにスクラッチ2の深さ(及び長さ)を低減させるか、を示す一連の図である。図1a乃至1dの各々における左側の図は、表面スクラッチ2の断面を示す。図1a乃至1dの各々における右側の図は、ガラス基板1の表面に沿って延在する同一のスクラッチ2(長さ及び幅等)の上面図である。左側の図から分かる通り、本発明の一実施例に従った方法はまた、スクラッチ2の下部先端3における曲率半径を増大させ得る。] 図1a [0049] 図1aは、コーティング工程の開始における状態を示し、図1dは、コーティング工程の終了における状態を示す。図2中のフローチャートは、本発明の一実施例のコーティング工程の主要な段階を示す。段階S1において、小さな表面スクラッチ2を有するガラス(ガラス基板1)は、ガラスの軟化温度を下回る温度まで加熱される。ALD工程がコーティングを行なうよう使用される場合、酸化物又は窒化物の蒸着に対しては、一般的に100乃至400℃の温度が使用され得る。段階S2において、ガラスは、酸化物又は窒化物材料等を有する薄い層でコーティングされる。ガラス基板1上に蒸着される層4,5,6は、下にあるガラス基板1又は下にある前の層との化学結合を形成する。ALD工程における各ALDサイクルは、材料の1つの層4,5,6を作る。特定のALD工程に依存して、1つの層4,5,6の厚さは、1オングストロームを下回る厚さから数ナノメートルまでの範囲であり得る。] 図1a 図1d 図2 [0050] 一連の図1a乃至2dにおいて、3つの層4,5,6は、ガラス基板1の表面における小さなスクラッチ2の先端7において曲率半径を増大させるよう、また、スクラッチ2の深さ(及び長さ)を低減するよう、ガラス基板1上に蒸着される。図示される例における層4,5,6は、同一の材料を有するが、個別の層が構成において異なってもよい。図示される例において、コーティングは、個別の層4,5,6を有して構成される。ガラス1は、コーティング工程の後、段階S3において室温まで冷却される。] 図1a [0051] <例:酸化アルミニウムでの平面ガラスのコーティング>] [0052] 本発明の一実施例に従った方法で本発明の一実施例に従ったガラス製品を製造するよう、50個のホウケイ酸ガラス基板1(顕微鏡ガラス)は、Beneq TFS500原子層蒸着(ALD)反応装置(リアクタ)の反応チャンバに配置された。ガラス基板1の寸法は、25.4mm × 76.2mm × 1.2mmであった。ガラス基板1は、該基板を気体トリメチルアルミニウム(TMA)及び液体前駆体に対して交互に暴露することによって、酸化アルミニウムでコーティングされた。実質的に不活性搬送ガスは、夫々の源から反応チャンバへと前駆体蒸気を輸送するよう利用された。TMA及び水に対するパルス(暴露)数は、夫々1.2s及び0.8sであった。各前駆体パルス後、パージ期間は、次の前駆体パルス(暴露)に対して、搬送ガスを有してこの前駆体から反応空間をパージするよう使用された。かかるパルス数及びパージ期間は、自己限定的表面反応を介して実質的に均等であり且つ実質的に一致する(共形である)膜成長を可能とするよう、十分に長かった。ALD反応装置の反応チャンバの温度は、約200℃、即ち顕微鏡ガラスに対するガラス転移(軟化)温度を大幅に下回った。] [0053] 成長した酸化アルミニウムコーティングの総厚さは、最も一般的な(prevailing)工程状態における180成長サイクル(又はALDサイクル)によって得られる約20nmであった。コーティングの厚さの変化は、1つのガラス基板上で3%を下回るよう測定された。本例において使用されるALD工程は、各ALDサイクルにおいて、約1.1オングストロームの厚さを有する層4,5,6を作った。したがって、総厚さ20nmを有する最終コーティングは、180のかかる薄い層4,5,6を有した。] [0054] コーティングされたガラスの曲げ強度は、四点曲げによって測定された。コーティングされていない基板ガラスの曲げ強度も同一の方法によって測定された。コーティングされていない基板ガラス及びコーティングされた基板ガラスに対する測定結果は、夫々次の表1及び表2において示される。] [0055] ] [0056] 上に示された測定データは、コーティングされたガラス基板1に対する曲げ強度における増大を示す。この驚くべき結果はまた、上述の例において使用される酸化アルミニウムコーティングに加えて、他のコーティング材料を有しても得られ得る。他のコーティング材料は、例えば酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、又は酸化チタニウム等を有し得る。該材料はたま、窒化ホウ酸、窒化ケイ素、又は窒化アルミニウム等を有するか、あるいはそれらで構成され得る。] [0057] 当業者には明らかである通り、本発明は上述された例に制限されず、実施例は、請求項の範囲内において自由に変更され得る。]
权利要求:
請求項1 コーティングによってガラスの耐久性を高める方法であって、厚さが5ナノメートルを下回る少なくとも1つの層を有するコーティングでガラスをコーティングする段階、を有し、該コーティングは、少なくとも1つの要素の化合物を有する、方法。 請求項2 前記ガラスをコーティングする段階は、前記ガラスの基板の表面と前駆体との間において交互に反復する表面反応によって前記コーティングを形成するよう、少なくとも2つの前駆体に対して1度に1つの前駆体に前記ガラスを交互に暴露することによって前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1記載の方法。 請求項3 前記ガラスをコーティングする段階は、原子層蒸着によって5ナノメートルを下回る厚さを備える薄い層によって前記ガラスをコーティングするよう、実質的に自己限定的である表面反応を交互に反復することによって、前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。 請求項4 前記ガラスをコーティングする段階は、前記ガラスの前記表面上の小さなスクラッチに基本的に一致してコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。 請求項5 前記ガラスをコーティングする段階は、前記ガラスの軟化温度を下回る温度において前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の方法。 請求項6 前記ガラスをコーティングする段階は、1000ナノメートルを下回る総厚さを備えるコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の方法。 請求項7 前記ガラスをコーティングする段階は、100ナノメートルを下回る総厚さを備えるコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の方法。 請求項8 前記ガラスをコーティングする段階は、少なくとも1つの要素の酸化物を有するコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の方法。 請求項9 前記ガラスをコーティングする段階は、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、ケイ素、及びチタニウムの群から選択される要素の酸化物を有するコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の方法。 請求項10 前記ガラスをコーティングする段階は、少なくとも1つの要素の窒化物を有するコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の方法。 請求項11 前記ガラスをコーティングする段階は、ホウ素、ケイ素、及びアルミニウムの群から選択される要素の窒化物を有するコーティングで前記ガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の方法。 請求項12 前記ガラスをコーティングする段階は、3ミリメートルを下回る厚さを備えるガラスをコーティングする段階を有する、ことを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の方法。 請求項13 コーティングを有するガラス製品であって、300ナノメートルを下回るガラスの表面のレベルにおける幅を有する表面スクラッチを有し、前記コーティングは、前記ガラスの耐久性を高めるよう前記表面スクラッチの内側に実質的に一致してよう存在する、ことを特徴とするガラス製品。 請求項14 100ナノメートルを下回る前記ガラスの表面のレベルにおける幅を有する表面スクラッチを有し、前記コーティングは、前記ガラスの耐久性を高めるよう前記表面スクラッチの内側に実質的に一致して存在する、ことを特徴とする請求項13記載のガラス製品。 請求項15 前記コーティングは、表面スクラッチの先端における曲率半径を増大させる、ことを特徴とする請求項13又は14記載のガラス製品。 請求項16 コーティングを有するガラス製品であって、当該ガラス製品は、厚さが5ナノメートルを下回る少なくとも1つの層を有するコーティングでガラスをコーティングすることによって製造され、前記コーティングは、前記ガラスの耐久性を高めるよう、少なくとも1つの要素の化合物を有する、ガラス製品。 請求項17 当該ガラス製品は、原子層蒸着によって5ナノメートルを下回る厚さを備える薄い層によって前記ガラスをコーティングするよう、前記ガラスの基板の表面と前駆体との間における実質的に自己制限的である表面反応を交互に反復することによってコーティングを形成するために少なくとも2つの前駆体に対して1度に1つの前駆体に前記ガラスを交互に暴露して前記ガラスをコーティングすることによって製造される、ことを特徴とする請求項13乃至16のうちいずれか一項記載のガラス製品。 請求項18 前記コーティングは、少なくとも1つの要素の酸化物を有する、ことを特徴とする請求項13乃至17のうちいずれか一項記載のガラス製品。 請求項19 前記コーティングは、少なくとも1つの要素の窒化物を有する、ことを特徴とする請求項13乃至18のうちいずれか一項記載のガラス製品 請求項20 ガラスの耐久性を高めるための請求項1記載の方法の使用。
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